マイ「艦これ」「みほ3ん」(第3部)前半コラボ   作:しろっこ

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艦娘と司令は嵐を抜けて、ついに明るい太陽の下に出た。ここは果たして「現代」なのだろうか? 確認を急ぐ司令たち。


EX回:第41話(改2)<艦娘の帰還>

 

「戻ったのか? 私たちの時代へ」

 

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マイ「艦これ」「みほちん」(第3部)

 EX回:第41話(改2)<艦娘の帰還>

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 水色の空と蒼い海の間を飛び続ける機体。太陽が眩しい。

 

私は操縦席へ行くと機長に聞いた。

「現在地は分かるか? あと可能なら時間、いや年代の方が良いか」

「確認します」

 

続いて寛代を見た。彼女も親指を立てて『分かりました』と言う感じで頷(うなづ)いた。私は、そんな寛代の反応にホッとするのだった。

 

そのまま私は機内の艦娘たちに向けて言った。

「無事に嵐を抜けたようだ」

 

「まぁ」

「やった……」

艦娘たちは歓声を上げる。

 

私は制帽を脱いで続けた。

「元の時代へ戻ったはずだが確認中だ。取り敢えず皆には感謝しよう。本当に、よくやってくれた。有り難う」

 

艦娘たちは無言で微笑んだ。敢えて言葉が無くても気持は伝わる。

 

 その間にも機長たちは各所に交信を試みたり現在地の確認をしている。

その姿を見ながら私は、いったん自分の座席に戻った。

 

 ため息をついて制帽を脇に置くと隣から技術参謀が話しかけて来た。

「今回は記録に残さないつもりだ。報告書も軍事ログにも」

 

「ハッ」

それはそうだろう。理解し難い状況だ。

 

「下手に報告してヤブヘビになったら余計な仕事が増える」

彼女は肩をすくめた。私も苦笑した。

 

「だが当事者の一人でもある、お前には伝えておこう」

私が小さく頷くと参謀は小声になる。

 

「お前には私が、この時代の自分自身にメールを送ったと言ったろう」

「えーと」

(嫌な予感がする)

 

彼女は少し周りを気にして言った。

「実はメールだけでは詰まらんからな。あの時代の私自身と直接交信した」

 

「え?」

そりゃ、ぶっ飛び過ぎだろ!

 

だが参謀は上機嫌で腕を組んだ。

「あの時代は携帯端末から直接、音声通話が出来るらしい」

 

私は呆れた。

(想像を絶する悪さをしているじゃないか!)

 

やっぱり技術オタクだ。

 

まったく悪びれずに彼女は得意そうに言う。

「この時代でも美保鎮守府を選んだのは私自身だった」

「はぁ」

 

ニタニタした彼女は続ける。

「あの時代の『私』は私たちが時代を超えて『出現』したのを電探で確認したらしい」

 

「……」

私は絶句した。何だ、全て知っていたのか?

 

参謀は指を立てた。

「その上で未来の私は、この時代の美保の艦隊に適当な理由をつけて戻したそうだ」

 

「それは……」

それ以上は言葉が出なかった。戻された未来の私たちも可哀想なことだ。

 

(いや、待てよ)

私は考え込んだ。つまり未来の『私』も今回のことは知っていたわけか?

 

混乱しかかっている私を見ながら彼女は悟ったように続ける。

「そりゃそうだ。今回のことを私自身が覚えていれば、その年月日に予定調和的に指示をするだろう。もしお前と私の縁が未来も続いているならば当然、未来のお前だって私の意向に沿った動きをするはずだ」

 

「過去と未来の私たちが……」

(二人の指揮官が揃いも揃って何をやっているんだ?)

 

混乱する。

 

「ん?」

私は気づいた。

 

(もし、そうだと仮定して)

……その未来の技術参謀は、その前に一回は未来へ行ってたわけか。

 

(待て、待て)

私は額に手をやって考え込んだ。

 

(……その前の彼女は、一体どこから時間を超越する情報を得たんだ?)

いや、もし知らなかったとしても、この現象は繰り返されているのか?

 

(こ、混乱してくる!)

私は頭を振った。

 

SF的な発想は嫌いじゃないが考え込むと迷宮に迷い込みそうだ!

 

 私が混沌としている顔をしていると技術参謀は、ますます嬉しそうな顔をして言った。

「ふふふ混乱するだろう? だが、こういう多重構造的な時空の連続はゾクゾクするな。実に愉(たの)しいぞ!」

 

技術参謀は嬉しそうな顔をした。こっちは愉しくない! ……ったく。

 

 そのとき、前の操縦席で動きがあった。同時に艦娘たちも、ざわついている。何かの交信を捉えたようだ。

 

 私は聞く。

「戻ったのか? 私たちの時代へ」

 

寛代が振り返り親指を立てる。それを見た機内には歓声が上がった。

 

「戻った……ったっぽい!」

金髪を振り乱して夕立が叫ぶが既にロレツが回ってない。

 

他の艦娘たちも飛び上がって喜んでいる。

「やりました!」

「やったわねぇ」

(以下省略)

 

青葉さんは、その状況を盛んに写真機に収めている。

 

ふと誰かが私の肩に手を置いた。見上げると日向だった。

「司令」

「ああ、戻ったな」

 

「はい」

余計なことを言わなくても何か通ずるものがあった。本当に良かった。

彼女も安堵したような表情だった。

 

 続けて何か言いかけた日向だったが技術参謀がカットインして私に声をかけて来た。

「司令、操縦席に一緒に来い。ちょっと確認することがある」

 

「ハッ」

恨めしそうな日向に軽く手を上げてから私たちは操縦席の寛代のところへ行く。

 

参謀は言った。

「ここが行きと同じ場所であれば計画通り私たちの時代のブルネイでの模擬演習を執り行いたいと思う」

 

「ハッ」

「ただ艦娘たちの体調やメンタル面での問題もある。総合的な判断は指揮官である、お前に任せる」

 

「……」

「まずは私がブルネイに連絡をするから、その間に艦娘たちに演習が可能かどうか確認をしてくれ」

 

「ハッ」

私は敬礼をすると機体の中央部に戻り艦娘たちに問いかけた。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。


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