マイ「艦これ」「みほ3ん」(第3部)前半コラボ   作:しろっこ

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ブルネイ鎮守府スタッフの運転するワゴン車で海岸へ向かう美保司令と青葉。だが司令には戸惑うことばかりだった。


EX回:第56話(改2.0)<海岸へ向かう>

 

「記者は、どんな環境でも強いね」

 

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マイ「艦これ」「みほちん」(第3部)

 EX回:第56話(改2.0)<海岸へ向かう>

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 ブルネイ鎮守府の正面玄関脇にある駐車場に白いワゴン車が停められていた。

 

「はい、こっちね、こっちよ」

片言の日本語で現地スタッフが手招きする。彼は『運転手』と呼ぶことにしよう。

 

私と青葉さんはワゴン車の横のドアから乗り込んだ。彼女は、いつもの大きなバッグを持っていた。

「重くないのか? それ」

 

「あぁ、慣れてますから」

平然とした感じの青葉さん。だいたい私の知り合いのカメラマンも重い機材を軽々と持ち上げる。映像関係の人たちって、みんな力持ちだよな。

 

運転手さんが言う。

「出発します。ブレーキ気をつけて」

 

「は?」

……と思う間もなく車は出発する。

 

そして鎮守府から大通りへ出る直前で前に、つんのめるくらい急ブレーキを踏んだ彼。危うく舌を噛みかけた。参るな。

 

「砂浜は、直ぐよ。待っててね」

彼は微妙な日本語を操るが意味は通じる。

 

「頼む」

「アイアイサッサー」

 

(……それは、よく分からんぞ運転手さん)

私は苦笑した。

 

ヤシの木や南国っぽい背の高い木々がたくさん立ち並ぶ幹線道路。

日本よりは交通量は少ないとはいえ加速をつけながら突っ走るワゴン車。

 

(だいたい海外の人ってのは、ものすごい勢いで、ぶっ飛ばすんだよな)

 

急に彼は大声で言った。

「私、日本人尊敬してます。木村知事、大好きです」

 

「……誰だ? キムラ知事」

(あれ、どこかで聞いた覚えがあるよな……兵学校の授業だっけ)

 

すると青葉さんが言う。

「東亜戦争の際にブルネイを統治した軍の関係者ですよ。彼のお陰で、ここも親日派が多くて、わが国の鎮守府が設置が容易になったと言われるくらいです」

 

「へえ、さすが従軍記者だな」

 

すると首を傾けながらウインクする青葉さん。

「現地へ赴く際には、必ず下調べ。これは記者の常識ですから」

 

「やめろ、その行動は……知らない人が見たら誤解するって」

私は慌てた。

 

「そうね、ワタシの父も尊敬してたヨ」

前の運転席から声。

 

(ごめん運転手さん、歴史は苦手なんだ)

 

 そうこうしているうちにワゴン車は山を越えて長い海岸線に出た。

青葉さんが車内からカメラを構えている。

 

「あ、砂浜ですね」

確かに日本の海岸のように人が居るわけではない。綺麗なのに閑散としている。

 

「どこデ停めます?」

「ああ。適当なところで良いよ」

 

私が言うと青葉さんが割り込む。

「ダメダメ、見晴らしの良い所ぉ、あの駐車場で、お願い」

「アイ、シスター」

 

ワゴン車は海の見える駐車場に入った。私たちはそこで降車した。

 

「ジャ、ワタシ軍のシゴト、あルから」

手を振りながら陽気に立ち去る彼。妙に疲れた。

 

でも、さすが青葉さん、陽気に手を振る。

 

そんな彼女の姿を見ながら私は言った。

「記者は、どんな環境でも強いね」

 

「え?」

大きな目をさらに見開いた彼女が振り向く。

 

「いや、なんでもない」

 

「さてと。先ずは写真を撮ってから」

既に、何枚か撮影してる。

 

「……皆を探しても良いですか?」

撮り終えるや否や、こっちを向く彼女。

 

髪の毛が風に舞って日の光を反射していた。一生懸命撮影している青葉さんの姿は、とても輝いていた。正直、彼女にはドキッとさせられる瞬間が何度かあるな。

 

【挿絵表示】

 

(これでも従軍記者兼、艦娘なんだよな。信じられないけど)

 

「司令?」

私が無反応なので、ちょっと怪訝(けげん)そうな目をしてこちらを見る彼女。

 

「聞いてます? 司令……さっきから」

「……あ! ごめん。良いよ」

ちょっと上の空だった私は慌てて応える。

 

「はぁ……」

少し大きく肩でため息をつく青葉さん。

 

(あれ? 怒るかな)

……と思いきや急に悪戯っぽい表情になった。

 

「へへ……司令って私服だと全然、締まらないんですね」

「は?」

「イイ・ケ・ド!」

また謎めいた反応を……どうして彼女は普通の人とは違う言動で人を惑わすかな。

 

彼女の青い髪の毛が風になびいてサラサラとストップモーションのように見えた。まさに、きらめく瞬間だ。

(これが青葉さんらしい輝きなんだろうな、きっと)

 

「じゃあ、海へ行きましょう!」

「あ、ああ」

彼女も仕切るタイプだよな。

 

とりあえず『艦娘の人口密度』が高そうな海岸通りから長い砂浜へ降りてみる。

 

「あ、居た居た!」

……急に大声。瞬く間に青葉さんは索敵を完了したのだ。

 

波打ち際で艦娘たちがキャッキャッと、はしゃいでいるのが見えた。さすがに水着ではないが。その近くに座って喋っているのはダブル龍田さんだ。

 

「おーい!」

「うぁ、ビックリした」

青葉さん……

 

「いきなり大声を出すな」

横にいる私の立場も少しは考えて欲しい。

 

直ぐに向こうの艦娘たちも気付いた。

 

「ぉーぃ」

こちらに手を振ってくれた。彼女だけでなく艦娘たちは皆、楽しんでいるようで、私は安心した。あの演習でショックを受けたのではないかと心配だったから。

 

「テイトクー!」

「おや?」

妙に爽やかな笑顔の比叡が……。

 

「あ、2号の比叡ですね」

青葉さんの説明で私はハッとした。

 

「あれ? あいつは大破じゃ無かったのか」

「彼女も元気になったようですね」

 

私は肩の荷がおりたような気がしてホッとした。

「そうか」

 

 

 

以下魔除け

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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。

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