マイ「艦これ」「みほ3ん」(第3部)前半コラボ   作:しろっこ

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明日の打ち合わせが終了し、多少火花を散らしながら分かれる艦娘たち。そして提督たちは宿所に向かう。


「みほ3ん」EX回:第82話<夜のGR再訪>

「あの・・・私もお力に成れますか?」

 

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「艦これ」的「みほ3ん」

 EX回:第82話<夜のGR(ゲストルーム)再訪>

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<<会議室:退出>>

 

打ち合わせが終わると、いちばん、しがらみの無さそうなブルネイ技師や加賀さんが先に退出する。二人とも、クールに立ち去る。それに続くのは、天龍だ。

「じゃあな」

 

彼女は、明るく手を振って退出。やぱり天龍らしい。その後に続いて、最上君が・・・。あれ?最上さんか。もう、どっちでも良いが、軽くペコリとお辞儀をしながら退出していく。やっぱりこの娘は、可愛らしいよな。

 

日向は、そんな彼女を見ながらニコニコしていた。でも扶桑姉妹がのっそりと退出していくのを見ると、プイと顔を背けていた。まるでケンカ相手のような山城さんも同様に、日向と反対側の壁を向いて退出していく。何だかなあ・・・。

 

いっぽう姉の扶桑さんは、まだ多少は余裕があるだろう。私たちに軽く会釈をしてから、ソッと退出して行った。この姉妹は、身長が高くて何かと目立つのに、どこか神秘的で、まるで霞か雲のような印象を受ける。

 

「十分休養しろよ」

そう言いながら、技術参謀も部屋を出ていく。へいへい。

 

そして最後には金剛と日向、そしてブルネイ司令だけが残る。彼は言った。

「本人には伝えてあるが、今夜の部屋割りは、夕立と夕張は1F、お前の部屋は・・・」

 

私は先回りして応える。

「私は2Fのゲストルーム。その両サイドが赤城さんに日向と、金剛と比叡か。向かいが祥高さんかな?」

 

彼は目を丸くした。

「おいお前、ここは初めてだろう?何でそんなに知っているんだ?」

 

・・・あ、しまった!知ったかぶりはマズかったか?

 

私は慌ててごまかした。

「だいたい、どこの鎮守府でも同じようなものだろう?」

 

「ふーん」

私とこいつの仲だから、さほど疑われはしなかった。ただ、多少は"変な奴"だと思われただろうな。そうだよ、艦娘と一緒に居ると、こうなるんだぞ~って。もっとも実際には美保の本館は、ここよりも小さいし。そもそも、ゲストルームすら無いんだけどね。

 

ブルネイ司令は制帽をかぶりながら言う。

「五月雨に案内させようとしたが、それなら大丈夫かな?」

 

「多分・・・」

私が応えるとブルネイ司令はドアを開けた。そこには既に五月雨が待機していたが、彼は彼女に部屋に戻るように伝えているらしい。それを見た私は急に言った。

 

「あ、でも念のために、案内してもらったほうが良いかな」

・・・何となく五月雨と話をしてみたい気分だったのだ。

 

「そうか?」

特に疑うでもなく、彼は応えると五月雨に何かを言った。彼女は、一瞬、困惑したような顔をしたが、すぐにうなづいた。

 

「では、お疲れ様」

 

「お疲れ~」

一応、二人で形ばかりの敬礼をしあう。親しい仲だが、軍隊に居ると、やはり節目には、これをしないと何となく収まりが悪いんだよな。

 

ブルネイ司令が退出すると同時に、五月雨が入ってきた。

「では、ご案内いたします」

 

「ああ、頼むよ」

私と金剛、日向は、五月雨の案内で歩き始めた。

 

廊下を歩きながら金剛は喋りだす。

「司令!ワタシ、明日は負けないネ~!もぉ~、ボッコボコにするヨ!」

 

鼻息が荒いというのは、こういうのを言うんだろうな。私は少し引いた。

「・・・あ、ああ。ほどほどにな。相手は一応、量産型だから」

 

「関係ないネ~。あの性格の悪さは、本物以上ネ!」

いつの間に、お前は山城さんを"陰険だ"と決め付けたんだ?それじゃ、いくらなんでも彼女が可哀想に思うが。

 

「私も負けない・・・」

日向が珍しく、決意を述べているぞ。もう、今日は皆、どうしたんだろうか?気のせいか、前を歩く五月雨が、オドオドしているようにも見える。ごめんね、怖いお姉さんたちで。

 

<<本館:夜のGR(ゲストルーム)再訪>>

 

そろそろ夜の10時だろうか。ブルネイの夜は、湿気が無いから意外に過ごしやすい。

 

建ててから間が無いブルネイの施設。どれも新しいペンキや建築資材の匂いがする。昨日まで居た、未来のブルネイと同じなんだな。これが旧いならともかく、目の前にある見覚えのある建物が、逆に新しいという現実は、実に奇妙な感覚にとらわれる。同じ思いは、艦娘たちも感じているだろう。金剛も日向も、どことなく違和感を覚えているような表情を見せる。

 

それでも、五月雨が案内するでもなく、金剛も日向も、サッサと2階へ上がると、ゲストルームの手前と向かいの部屋に迷わず向かった。

「あ・・・あの・・・」

 

五月雨が、ちょっと慌てている。そりゃそうだ。ゲストのはずの二人が、あたかも勝手知ったように自由に動き回っているのだから。私は彼女に詫びる。

「ごめんね五月雨。私たちは、チョッとわけありでね・・・」

 

「はぁ・・・」

ますます困惑した表情の彼女。ああこれは、青葉さんや技術参謀が、いつも私をチョッと高い位置から、からかうあの感じだな、きっと。

 

「じゃあ司令、グッナイ~」

金剛が自分の部屋の前で、ウインクをしながら敬礼する。余計だって、それは。

 

「ああ、お休み」

私も敬礼を返す。当然、ウインクはしない。

 

そして日向も言う。

「私も戻りますが。着替えて・・・今夜も、お付き合いしましょうか?」

 

「ああ、そうしてもらえると助かる」

さすが日向。私の"計画"を把握しているな。

 

「出来れば今夜も私、Tシャツが良いのですが・・・」

 

「もちろん、楽な格好で構わないよ」

私だって、ポロシャツだし。

 

「では日向、直ぐ着替えて参ります」

彼女は、軽く敬礼すると自室に入って行く。

 

私は五月雨に話しかけた。

「私の部屋で、ちょっと話さないか?その・・・今日あった出来事を報告書に整理したいのだが独りではまとまらなくて」

やっぱり取って付けたような理由をつける私だった。

 

「あの・・・私もお力に成れますか?」

 

「なれるよ」

 

驚いたような五月雨は、すぐに一礼をした。

「よ、よろしくお願いいたします」

 

すぐに日向が着替えて廊下に出てきた。

「司令、お待たせいたしました」

 

「ああ、休む時間なのに、済まないな」

そこで私は振り返った。今度は驚かないぞ・・・Tシャツ姿の日向。

 

「ま、・・・どうぞ、どうぞ」

私は、ゲストルームの重い扉を開けて、二人を招きいれた。その際、念のために廊下を再び確認した・・・どこにも青葉さんは居ないよな。よし、OK!GO!

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。

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