マイ「艦これ」「みほ3ん」(第3部)前半コラボ 作:しろっこ
「もう憲兵は来ないよな」
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「艦これ」的「みほ3ん」
EX回:第83話<既視感>
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<<本館:GR(ゲストルーム)内装>>
まずは私からゲストルームに入る。部屋の内装は、落ちついた雰囲気を通り過ぎて、もはや地味だ。・・・いや、軍隊だから、これで良いんだけど。部屋の中央には、かろうじて応接セットがあるが、これも極めて地味で無愛想。まあ、軍隊なんて無骨で、お役所仕事的なものだ。
あ~あ。これが未来になると、もっと小洒落た、良い雰囲気になるんだけどな~。まぁ仕方ない。
私の後に続いて入ってきた五月雨と日向。五月雨は、相変わらず緊張しているから、部屋の様子どころではない。でも、後から入った日向は・・・やっぱり、私と同じような反応をしている。
すぐに入り口のほうを振り返った彼女は、かろうじて設置されている小さなキッチンへ行くと、冷蔵庫や棚を開けて確認する。小棚には、お酒類はもとより、つまみも何も無いぞ。
まあ、ここも開設したばかりで、ほとんど接待も無いだろうし。ブルネイ司令も、艦娘開発のほうが主だから、気も回らないだろう。恐らく来客があっても、ほとんど技術畑の連中だろうから、こういう部屋すら使わないだろうな。
私たちが、部屋をチェックしている様子に、ちょっと違和感を覚えたのだろう。五月雨が不思議そうに聞いてくる。
「どうか、されましたか?」
「あ~、いや、別にね・・・」
つくづく、未来の記憶というものは厄介なものだな。
<<GR:食料調達>>
日向も、あまりにもモノがないので、呆然としている。だが、チョッと考えた彼女は、すぐに言った。
「司令、私の部屋におつまみや、飲み物がありますから・・・すぐに持って参ります」
私は直ぐに、その言葉の意味を悟った。
「え・・・?あぁ~。でも大丈夫か?それ、赤城さんの私物だろ?」
「大丈夫です。赤城さんは、もう休んでいますし、少しくらい彼女の備蓄から貰っても、私たちには十分すぎますから」
いや、その論理は、かなり乱暴だが。でも日向は珍しく、いわく有りげな表情で微笑んでいる。こういうとき、赤城さんの習性は助かるな。
「よし、食料確保遠征、出撃せよっ!」
私は司令権限で、GOサインを出す。赤城さん、ごめん。
「日向、確保してまいります!」
半分冗談だろうが、彼女は敬礼をした。
「・・・」
五月雨は、漫才のような私たちを見て、ちょっと固まっている。でも、未来を思い出すなあ~。
その時、誰かが部屋のドアをノックした。
<<GR:再びの来訪者>>
「もう、憲兵は来ないよな~」
私は半分笑いながら言う。日向も微笑んでいる。そして今日は刀など持たずに入り口のほうへ向かう。
日向は、そのまま躊躇することなくドアを開けた。廊下の相手と何か会話をした後、彼女はそのまま外へ出て行った。入れ替わりで入ってきたのは、やっぱり技術参謀だった。日向と同じく、Tシャツだなぁ~。
「おお、提督。やっぱり集まったか」
そう言って五月雨をチラ見してから部屋を見回している。
「殺風景なものだなぁ、現代は」
そう言いながら彼女は空いているソファに腰をかける。技術参謀は、続けて私の姿をまじまじと見詰める。
「今日の提督はポロシャツか。かなり力が抜けたな」
「恐縮です」
今度は五月雨を見詰める技術参謀。
「お前は、五月雨だな」
「はい」
五月雨は、いきなり当たり前のように入室してきて、"現代"とか、妙なことを言う技術参謀に、驚いているだろう。
「同じ五月雨だよな・・・当たり前か」
「はぁ・・・」
困惑する五月雨。
「・・・」
そのまま技術参謀は、黙っている。別に怖い表情をしているわけではない。なんと言うのかな・・・。恐らくは、時間を越えた既視感のような、不思議な感覚を味わっているのだろう。それは、私も同じだし、日向も美保の艦娘たち全員が感じているに違いない。不思議な体験だ。
「ふふふ」
急に笑い出す彼女。
「理屈で分かっていても、やはり不思議なものだな。時間旅行というのは」
その感想は、私も同様だ。
「・・・」
黙って、ただ緊張する五月雨。ごめんなさい、いつも君を強引に、巻き込んでしまうよな。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。