マイ「艦これ」「みほ3ん」(第3部)前半コラボ   作:しろっこ

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技術参謀が語るケッコンとリコン。そして深海棲艦をも含む壮大な仮説に、提督たちは愕然とする思いだった。


「みほ3ん」EX回:第85話<ケッコンの光と影>

「実はな、私のケッコンは非合法だったのだ」

 

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「艦これ」的「みほ3ん」

 EX回:第85話<ケッコンの光と影>

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<<GR:赤い飲料>>

 

赤城さんと日向は二人で簡易キッチンの前で、おつまみや飲料を袋から出してチェックしている。赤い色の着いた飲料の容器を見ている赤城さん・・・まさかそれはアルコールじゃあ無いよね?

 

私と日向は飲まないけど・・・赤城さんが匂いをかいでいる・・・どうやらお酒じゃなくて、ソフトドリンクのようだ。

 

赤城さんと赤いドリンク・・・そういえば彼女のTシャツの柄も赤い文字がプリントされている。情熱の赤かな?赤城さんけっこう"熱い"人だと思う。でなきゃ、あんなに食べ物に"固執"はしないだろう~。

 

そう思いながら私も少し喉が渇いてきたな。まだかなあ~と思っていたら

 

「おい!喉が渇いたな~。適当な飲み物を早く出してくれ」

技術参謀が催促をした。

 

「はい、ただいま~」

赤城さんが応える。確かに湿気がない分喉が渇くのかな?この部屋には空調も入っているし。ちょっとバタバタして取り急ぎ3人分の飲料を日向が持ってきた。

 

「おう、待ってたぞ!」

技術参謀って声だけ聞いているとオッサンかと思ってしまうんだよな。まぁ中央で女性で、しかも艦娘でありながら独りで渡り合っているだからそのくらいの度胸が無いとやっていられないよな。

 

<<GR:技術参謀の想い>>

 

「なんだ?提督。私、何か変か?」

私が見詰めていることに気づいた技術参謀。

 

「いえ・・・参謀もご苦労されているなあと」

 

「ふっ」

・・・と言いながら彼女は一気にグラスを飲み干す。

 

「ぷあぁ~渇きに効くなあ~・・・スマン!もういっぱい頼む!」

 

「はぁ~い」

赤城さんが長い髪を後ろに垂らしながら、にこやかに応える。彼女の機嫌もだいぶ直ったようだな。

 

日向は索敵機のごとく何度も往復して、おつまみやら飲料のおかわりやら運んでいる。でも普段から航空機の運用をしているから、こういうこまごましたことも苦じゃないんだろう・・・。

 

「艦娘といえども一つの命。それを人間の手で作り出すというのは本当はやってはいけない事なのかも知れない」

突然技術参謀は語りだす。

 

「私がお前を買っているのは実力とか能力ではない。艦娘との親和性だ」

急に私に振られてちょっとビックリした。

 

「その親和性とはナンでしょうか?」

 

「私も理論では分からん」

あれ?がっくり来た。

 

「理論や理屈ではない。だがお前と艦娘は拒否反応が少ない。お前も知っている通り嫌がる提督だって少なくないんだ」

 

「はあ、それは経験的に分かりますが」

 

「以前青年将校が美保に来たときに、お前が艦娘との相性が良いと話していたはずだ。それは戦果とか理屈ではない」

よく知っているな。

 

「恐縮です」

私は頭をかいた。褒められているのかナンなのか・・・。

 

「そんなに卑屈になるな。艦娘に関してはもっと自信を持て」

技術参謀は私に笑顔を見せた。何かホッとした。

 

<<GR:試作型五月雨>>

 

彼女は五月雨を見ながら続ける。

「未来でお前が五月雨を気にしていただろう。私もこの娘は気になっていたのだ。そして現代の五月雨は試作型であり不安定な要素を抱えている」

 

「・・・」

五月雨は黙って私たちを見詰めている。

 

「ふ、そんなに恐れるな五月雨。私はな元艦娘であり、お前たち・・・試作型の気持ちを思うと胸が締め付けられる思いなのだ」

 

「はい」

 

「資料を見たが、お前は試作型の中でも一番完成度が高い。それは性格や寿命そのほか多くの特性となって現れる」

 

「・・・・」

五月雨は、黙っていた。確かに、この娘は試作型とは思えない。まるで普通の艦娘のような印象だ・・・まさに安定感が強い。

 

「お待たせ~」

ここで赤城さんと日向が、おつまみを持ってきた。

 

「ご一緒しても・・・良いですか?」

 

「ああ構わん。そうだ、これから話す内容はお前たちにも聞いて欲しい内容だ。特に航空機を運用するお前たちにはな・・・」

彼女は赤城さんと日向を見て言った。

 

「はい」

「はっ」

赤城さんと日向も着席した。

 

<<GR:ケッコンの光と影>>

 

技術参謀は私のほうを向いた。

「私はケッコンしているが最近、法律が変わって軍人に限り艦娘とのケッコンが許可されたことは知っているな」

 

「はあ・・・何となく」

 

「実はな私のケッコンは非合法だったのだ」

 

「・・・・」

これは驚きの事実だ。聞いていいのだろうか?

 

「安心しろ。これを聞いたからといって国家の治安や安全保障とは無関係だ。私は結局超法規的に・・・軍事的な内容が伴うという口実でねじ込んだ。その後に艦娘とケッコンしたいという機運が軍部でも高まり国防法の一部として法改正された」

 

「はあ・・・」

ふと見ると五月雨はまたウトウトしている。技術参謀もそれを見ながら続ける。

 

「だがな。ケッコンは簡単ではない。案の定・・・勢いでケッコンしてその後リコンする例も出てきた」

 

「はあ・・・」

 

「ケッコンはお前には他人事かも知れないが、よく聞いて欲しい。そして艦娘運用の参考にしてくれ」

 

「はっ」

 

「お前は艦娘がリコンしたら、お互いに普通に生活できると思うか?」

 

「えっと・・・済みません、どういうことでしょうか?」

 

技術参謀は怒るでもなく真剣な表情のまま続ける。

「リコンした人間・・・男性はそのままだ。しかし・・・」

 

私は、ただならぬ気配を感じ始めた。赤城さんと日向もまさに固唾を呑んで聞いている。

「リコンされた艦娘は、ほぼ100パーセント人格崩壊するか数日後に倒れて、そのまま絶命する」

 

『え!』

これには私だけでない。その場に居た全員が驚愕した。

 

「ふふ似ているだろう・・・試作型と」

 

ウトウトしていた五月雨も驚愕した声に反応して目覚めた。そして私たちのただならぬ気配に目を丸くして・・・そしてそれまでの眠気が吹っ飛んだようだった。

 

私はふと疑問がわいた。

「失礼ですが、参謀のご主人は・・・」

 

「ああ戦死した。だが事故や戦死の場合は大丈夫なようだ。リコンではないからな・・・もっとも夫婦が死に別れる苦痛は別に艦娘でなくても同じだろう」

 

「はい」

離別の苦痛と悲しみ。そう考えると、そうなるのか。

 

技術参謀はまた深刻な表情で語り始めた。

「絶命したほうが幸せだ。生き残っても正気が無い・・・人間で言えば廃人同様になる」

 

「・・・」

全員、無言になった。

 

「これはあくまでも噂だが・・・リコンした艦娘の一部が正気を失ったまま入水自殺を図って・・・」

 

赤城さんが、かすれたような声で言う。

「まさか・・・?」

 

「そうだ。死に切れなかった者が深海棲艦になるという噂・・・だがあくまでも噂だ。確認した者が要るわけではない」

技術参謀は再びグラスを口につけた。氷がカチャッと音を立てる。

 

「それにケッコンした例はまだ数えるほどだ。実際、深海棲艦の数はもっと多いからな。仮に事実だとしてもホンの少数だろう」

 

私はなぜか、あの深海棲艦(大井・仮)を思い出した。まさか・・・ね。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。

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