マイ「艦これ」「みほ3ん」(第3部)前半コラボ   作:しろっこ

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提督は比叡2号が"脱走"した理由を問いただすが、彼女が泣き出してしまい、祥高さんに"イジメ"と勘違いされる。


「みほ3ん」EX回:第96話<ブルネイの"比叡">

「何、イジメているんですか!」

 

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「艦これ」的「みほ3ん」

 EX回:第96話<ブルネイの"比叡">

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<<川べり:泣かせた?>>

 

その間私はベンチに座っている比叡2号に近寄って改めて声をかけた。

「大丈夫だったか?」

 

彼女はちょっとビクッとした感じだったがまた頭を下げた。

「す、済みませんでした!」

 

「心配したよ・・・やっぱり龍田さんが亡くなったことが原因か?」

正直この質問はどうかとも思ったが時間もないし単刀直入に聞いた。

 

「ウッ・・・」

案の定彼女は詰まったような表情を見せた。やっぱりこの質問はまずかったかな?と思う間もなくまたボロボロと涙が流れる。

 

うわ!女性の涙には弱い。しかしこの比叡2号は美保の比叡と違ってメンタル面が弱いのか情に脆(もろ)いのか?

 

「ちょっ・・・司令!何イジメているんですか!」

すぐに祥高さんが振り返って、突っ込みを入れてくる。

 

「あ、いやいやいやぁ~決してそんなつもりではない!」

急に突っ込まれて舌がもつれた。でもさっきの件もあり私なりに祥高さんにはいつもより強い口調で反論したつもりだったが。やっぱり妙にドギマギする弱腰の私。ダメだなあ~弱い。

 

その間にも比叡2号は滂沱(ぼうだ)の涙を流しているし。すごい形相で迫り来る祥高さんにさらに腰が砕ける私。だが彼女が迫ると同時に比叡2号は叫んだ。

「私、王宮の人たちを護りきれなくて龍田さんに庇ってもらって・・・それで龍田さんあんなんなっちゃって・・・何だか怖くなって」

 

ときどきしゃくり上げながらも彼女は言い切った。それを聞いて祥高さんも私へ突っ込もうとしていた勢いが弱まった。それを聞いて安堵した私は微笑みながら彼女の肩に手を置いた。

「大丈夫だよ比叡2号。龍田2号は決して昨日の戦闘が原因で死んだわけじゃないんだ。お前だって昨日は十分に働いてくれたよ。もしそうでなかったらさっきの王宮SPの彼がお前を助けてくれたと思うか?」

 

ボロボロと涙を流して震えている比叡2号はちょっと首をかしげた。

「そ、そうなんですか?」

 

<<川べり:ブルネイの"比叡">>

 

すぐに祥高さんも私の隣に来て言った。

「そうよ大丈夫。あなたは良くやってくれたわ。あの女性秘書官だって貴方たちのことを褒めていたじゃない」

 

「比叡2号・・・いや比叡。もうお前は立派なブルネイの"比叡"なんだよ」

正直後半の私の言葉は半分自分でも訳が分からなかったが比叡2号は明るい顔になって立ち上がった。

 

「はい。ご心配をお掛けして申し訳ありませんでした!比叡2号はこれからブルネイの比叡として精一杯生きて頑張ります!」

そう言いながら彼女は敬礼した。朝日がその頭の黄金色のパーツをキラキラと反射させている。それはまるで本物の王冠を被っているかのような雰囲気をかもし出している。この娘はこの地にあってこそ輝くのかも知れないな。

 

そのとき祥高さんが無線を受けた。

「寛代からです。女性秘書官がそろそろ私たちの近くに到着するようです」

 

「ああ、待たせたら悪いから早く行こう」

私は2人を促した。私たちは川べりから緩やかに傾斜して坂道になっている小路を早足で駆け上がり幹線道路へと向かった。

 

ブルネイの日差しは、徐々に強さを増していた。今日もいい天候に恵まれそうだな。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。

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