マイ「艦これ」「みほ3ん」(第3部)前半コラボ   作:しろっこ

97 / 127
提督たちは、たまたま立ち寄ったと称するブルネイの女性秘書官の軍用車に便乗して、ブルネイ泊地鎮守府へと戻ったが・・・。


「みほ3ん」EX回:第97話<信頼と笑顔>

『もちろん・・・ほかの艦娘の皆さんも素敵ですよ』

 

----------------------------

「艦これ」的「みほ3ん」

 EX回:第97話<信頼と笑顔>

----------------------------

 

<<大通り:ブルネイの軍用車>>

 

大通りに出ると、さすがに人や車の往来がある。ブルネイの場合は、ほとんどが観光客だ。祥高さんにしても、比叡2号も、日本だったら目立って仕方が無い服装だが、幸い、ブルネイのような土地では、うまく溶け込んでくれるから助かる。

 

それを言ったら私の海軍の制服だって、全身真っ白なんて、日本だったら目立つよな。もっとも、美保鎮守府のある境港に関しては、意外と溶け込む。あそこは港町だから、海洋関係の人間は、しっくり来るんだ。

 

そんなことを考えていたら、すぐにブルネイの軍用車がやってきた。女性秘書官は今日、オープンな軍用車なんだな~と思った。私たちの目の前で停車した軍用車から、あの女性秘書官が出てきて挨拶をする。当然、英語である。

『おはよう御座います。こちら方面に外出しておられると伺いましたので、わずかな距離ですが、お迎えに上がりました』

 

そうは言うが、当然、単なる迎えではないだろう。この女性が、ブルネイ政府の中で、どの辺りに位置しているのかは不明だが、明らかに、比叡2号脱走のことを知ってすぐにやって来たに違いない。知らせたのは、あのSPの男性だろうか?小国とはいえ、ブルネイもしっかりした中枢機関で構成されているようだな。

 

私は何食わぬ顔で、お礼を言った。

『助かります。よろしくお願いします』

 

美人秘書官は言った。

『私は後ろに座りますので・・・提督と秘書の方、ご同席願えますか?』

 

『わかりました』

祥高さんが応える。日本に比べれば、さほど交通量は多くないが、私たちは手早く軍用車に乗り込んだ。比叡2号は、助手席。運転するのは、恐らくブルネイ政府関係者のスタッフだろう。軽く会釈をしてきた。

 

<<軍用車:信頼と笑顔>>

 

すぐに軍用車は出発する。秘書官は続けた。

『短時間ですので、簡単に報告します。私たちの海軍も今朝、領海内で深海棲艦を確認しました。いまのところ、相手も敵対行動は取っていません。ただ、今日の演習は、彼らに監視されるか、最悪、攻撃を受ける可能性があります』

 

『なるほど・・・』

少し考えて、私は祥高さんに言った。

 

『祥高さん、寛代に言って、技術参謀とブルネイ司令にも伝えてくれ』

 

『了解』

私の命令を受けて、祥高さんは直ぐに、無線で連絡をする。常に連絡が取れるというのは、艦娘の便利なところだと常々思う。

 

『あと・・・』

もう間もなく鎮守府に到着する距離に来たとき、女性秘書官は付け加えた。

 

『比叡さんも、いろいろあったと伺っています。そちらの状況も、差しさわりのない範囲で、私たちにも共有して頂けると助かります』

急に核心的な内容になったな。そこまで、信頼されたとみて、良いのだろうか?

 

私は応えた。

『それは、今後の我が国との軍事協力を見越して、と・・・理解して宜しいのでしょうか?』

 

女性秘書官は、微笑んで応えた。

『それは否定しません。敢えて、正直に申し上げますと、王宮関係者・・・私たちの国の王子と、あのSPの彼が、とても比叡さんのことを、心配していたのです。・・・分かりますね?この事実が意味する内容は』

 

『はい。光栄です』

私は笑顔で返した。後姿で顔は見えないが、助手席に座っている比叡2号は、きっとわけが分からずポカンとしていることだろう。

 

ここまで信頼され、また心配されるとは・・・。比叡2号、いや、ここブルネイの艦娘たちは、なんて幸せなんだろう。

 

私の思いを察したのか、女性秘書官は付け加えた。

『もちろん昨夜、先陣を切って渡河した金剛さんや、ほかの艦娘の皆さんも素敵ですよ』

 

そう言って笑う彼女の笑顔は、なんとも美しかった。裏表がない、日本人には見られない、とても"自然"な笑顔だった。

 

ただ、この秘書官は、どことな~く祥高さんに近い感じもする。要するに、美人なんだけど、とても"出来る"タイプだ。

 

私のような凡人だと、近寄りがたい雰囲気があって結局、憧れだけで終わってしまいそうなんだよな・・・まあ、それが普通だろう。

 

そう思っていたら、気のせいか、隣に座っていた祥高さんが、私のわき腹を小突いたような気がした・・・。

ただ、あまり強くなかったのと、ちょうど軍用車が揺れたので、結局、どっちなのか分からなかった。祥高さんも、別にそれ以上は突っ込んでは来なかったので、彼女の真意は分からずじまいだが。

 

私は何気なく、彼女のほうを見た。特に変わった雰囲気はない。気のせいかな?

 

やがて、ブルネイ泊地の鎮守府ゲートが見えてきた。既に、政府や軍関係者が到着しているようで、少し車の列が出来ていた。

 

私は何となく、未来のブルネイの"お祭り"を連想してしまった・・・同じイベントだもんな。

 




--------------------------------------
※これは「艦これ」の二次創作です。
---------------------------------------
サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
---------------------------------------
PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。