誰ガ為ノ救済 Fate/XILLIA2   作:真理P

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ルドガーことエミヤは、この世界の情報を探るべく
ルドガーが望んでいたというグランスピア社への入社試験を受けることにした。持ち前の能力で易々と突破するも意識を失い不合格。夢のこともあり、しばらくは別の方法で情報を探す事を模索したのであった。


第1章 II 「出会い」

「…相変わらず綺麗な街だな」

 

見渡す限りの機械。そのほとんどが蒸気機関。ユリウスに話を聞いたところ、蒸気機関車もあるそうだ。ますます時代がよく分からない。やはり当初の見通しが正しかったようで、ここは私の知らない世界らしい。

外に出たのは一応理由がある。昨日の失神の後、マスターの気配を感じたからである。

 

「魔力も十二分に供給されている。しかし…」

 

彼の英霊時点でのクラスはアーチャーであり、マスターが居なくてもある程度の単独行動はスキルによって可能となっている。…がしかし、今の所マスターとの令呪との繋がりは僅かに感じるものの、それを辿ることは出来なかった。何しろ先程言った通り希薄過ぎるのだ。常に動いているように感じる。

そんな事を思考しながらチャージブルム大通りにくると1人の男性が非常に困った様子で地図を見ながら唸り声を上げていた。

 

「…うーん。困ったなぁ…」

 

「どうした少年、困り事かね?」

 

「しょっ…!そう見えるのかなぁ…」

 

少年という言葉に大変ショックを受けたようでかなり沈んでいる。どうやら言葉選びを間違えたようだ。

 

「すまない、少年という歳でもなかったか。私は…。ルドガーと言う。君は」

 

「ジュード、ジュード・マティスです。駅を探してるんですけど中々見つからなくて…」

 

「ふむ…それはた…」

 

他人事で済ませようと思ったものの話しかけてそれはないだろうと思い、心の中で嘆息する。厄介ごとほどでもなかろう。

 

「それなら案内しよう。この辺りは既に把握している」

 

今日の朝に屋上から地形を確認しておいたからな。千里眼のスキルも健在なようだ。

 

「ほ、本当ですか!助かります」

 

「何構わんよ。着いてきたまえ」

 

駅に着くまでの間、情報収集がてら話をいくつか聞いた。

まずは彼は医者であり、グランスピア社の催しに招待されたということ。何処から来たのかと尋ねると「もう1つの世界リーゼ・マクシアから来た」という。確かここはエレンピオスという名前だったか。にわかには信じがたいが情報を精査すべき基準もない。更にだが今平和に向けてリーゼ・マクシアとエレンピオスが交渉を続けているとの話。自分の役割が見えてきたようだ。だが、マスターとのリンクを感じているのが一番の違和感だ。ならばここで聖杯戦争が起きるというのか。だが、微弱にもサーヴァントの気配は感じない。近くに居ないとしてもサーヴァント同士は惹かれ合う運命にある。聖杯戦争の期間を考えればもう近くにいるか、接敵してもおかしくはない。何せもう2日経っている。そう考えている間に駅に着いた。

 

「ここみたいですね、間に合った…」

 

「なら私はここまでだ。ではな」

 

少しだがマスターの気配も察知出来るようになった。

これは場所的にも近いのかは不明だが近付いているのは間違いない。早めに探すことにしよう。

 

「あっ…ちょっと待ってください」

 

「?.なんだね」

 

 

 

「ありがとうございます。お陰で助かりました」

 

____少し、面食らった。真正面から礼を言われたのはいつのことだったか。

 

「何、気にすることはあるまい。急ぐといい」

 

「はい!…あれ?」

 

彼の視線がふと降りてくる客の方に向けられる。

その視線の先には変な髪型ではあるがいいセンスの赤い外套を纏った壮年の男性が居た。

 

「知りあいかね?」

 

「知らないんですか!?グランスピア社会長のビズリーさんですよ」

 

「ほう…あれが。服の選び方といい中々いいセンスだ」

 

「そ、そうですか?」

 

「違うのかね」

 

「い、いえ…」

 

語調を強めたわけではない。セーフだ。そっとビズリーなる男を見て、こいつの前で実力を出せばある程度は認めるか…?と模索していたところで。

 

 

 

マスターの気配を色濃く感じ、辺りを見回す。

 

 

 

しばらく周りを見渡していると何かがぶつかる音がする。

下を見ると慌てたような表情の少女がそこにいた。

 

「この人!痴漢です!」

 

「なっ!」

 

何!?まさか私がか。すぐに駅員がこちらに向かってくる。もう言い逃れできそうな雰囲気ではない。

少女はそう言い放った後、駅の改札をすり抜けていく。…謀られようとはな。舐められたものだ。

 

「兄さん、少女趣味とかいいと思ってんの?」

 

「いかんでしょ。それは」

 

「とりあえず話聞こうか。あれ?あの子はどこだ」

 

3人組で取り押さえに来たが、たかだか3人だ。だがその時

 

とてつもない爆発が起こる。乗客は悲鳴を上げパニックに陥る。駅員も何が起きたのか分からず右往左往している。駅のホームから武装した人間が幾人も出てくる。どうやらテロか何かのようだ。ビズリーと呼ばれた人間は逃げるようにして機関車に乗り込んだ。

 

「ジュード、ここの料金は」

 

「え、多分200ガルドもあれば市内は回れると」

 

その発言後、切符を買っていた人から金と切符を入れ替えて駅に走る。勿論、駅員はそのことに気付かず見失って周りを見ている。

 

「スマナイ、2人分の金は渡しておいた。ジュード、急いでるんだろう。行くぞ!」

 

「え、いつの間にそこに。ま、待ってください!」

 

話を聞くのも面倒なのでそのまま機関車に乗り込む。フェミズムを重んじる私だが、今回ばかりはデコピンの1つでも撃たなければ気が済まない。だがまずはこの武装勢力を排除してからだ。あの少女はどこに行った?

 

「何か顔怖いですよルドガーさん」

 

「ルドガーでいい。それより、なんだこの騒ぎは」

 

「分かりません。ですが何か良くないことが起きようとしている気がします」

 

そんなことは誰でも分かる、という言葉を飲み込む。それ以前にやることは1つだということもジュードの目が告げている。どうやらある程度は場慣れしているようだ。

 

「だが、早めに武器を装着しておけ!足手纏いになるな」

 

ジュードの後頭部に襲いかかった蹴りを即座に呼び出した干将莫耶でいなす。敵も相当な手練れのようだ。

 

「た、助かります」

 

「お前の武器はなんだ」

 

「一応、拳です。格闘術ならある程度は出来ますから」

 

「そうか、ならば行くぞ!」

 

袈裟にかけての蹴り下ろしを受け流し、斬り払う。体勢を崩し、たたらを踏んだところを狙い首に逆刃を打ち込む。少し高い悲鳴を漏らした後、その武装兵は崩れ落ちた。

 

「…女性か、手加減出来る相手で助かったよ」

 

「死んでは…居ませんね。的確な一撃です」

 

「何、とりあえずこの武装兵に見覚えは」

 

「ライオットソル。武装組織、アルクノアの戦闘兵です」

 

「…それがここに何の用だ」

 

「分かりません、ですがアルクノアはリーゼ・マクシア、エレンピオスの平和を望まぬ組織です」

 

「この電車は何処まで向かう」

 

「両国の平和式典が行われる…まさか」

 

「分かりやすくて助かる。電車を止めるぞ。自爆テロなぞ、いつの時代、世界でもあるものだな」

 

皮肉のように吐き捨てる。学習なぞ、とうの昔に失くしているのだろう。だが、理想に生きると決めた今、犠牲が出ようと止める必要がある。

 

「とりあえず前の車両に向かいましょう。操縦席はそこにあります」

 

.「了解した。早速向かおう。魔力も心もとない」

 

「魔力…?」

 

疑問形なのに違和感を抱いた。まさかここには魔力という概念が存在していないのか?

 

「マナのことですか?マナで能力を底上げしていたのなら頷けます。あなたには精霊の加護すら感じるほど、マナの流れを感じますから」

 

マナ、この世界の魔力はそう呼ぶらしい。元々リーゼ・マクシアにのみ存在していたらしい。もしその時に召喚されたら即座に消滅してたんじゃないか?という考えにも至ったが、今はマナについて知る必要がある。

 

「マナについては余り詳しくはないが、私にも必要なものだ。教えてくれるか」

 

「…そうですね。ですが口で教えるより実践してみるほうが早いと思います。リンク、というモノをやっておきましょう」

 

彼が手を伸ばし、拳を固めて構えを作る。すると、身体の中に魔力。マナが流れ込んでくるような感覚が生じた。まるでマスターとパスを繋いだような…。遠坂のことを思い出したが、すぐに頭から振り払う。これは擬似的なマスターパスみたいな物のようだ。私がそれを容認するとマナが身体中を駆け巡り、魔力が補充された充実感を得た。

 

「これが、リンクか」

 

「ええ、ですがこれはリンクした者同士の意思疎通が容易になる戦闘用の技でもあります」

 

「なるほど」

 

ジュードがそう言っている間に私が見つけたアンブッシュの敵をジュードも見つけ、鳩尾に拳を撃ち込む。

 

「魔神拳!」

 

そう叫ぶと彼の拳から高密度のマナが放出され、新たな武装兵を吹き飛ばす。数メートル吹き飛んだ後、気を失った。

 

「私の目の良さを生かせるいい機会でもあるわけだ」

 

「余りに良過ぎて酔っちゃいそうですね…視力どのくらいですか?」

 

「30階建てのビルから5kmほど離れた橋のパネルの数を数えるくらいには」

 

「目が疲れてしまいそうだ…」

 

「何、慣れれば便利さ」

 

軽口を叩きながら敵を昏倒させ先に進む、なるほど。中々便利な技だな。魔力補充も出来る。干将莫耶の生成魔力程度なら補そうだ。その前に、座席の下にいるであろう子供に声をかける。

 

「敵は倒した出てきても大丈夫だ」

 

「………ほ、ほんと?」

 

ひょっこりと少女が顔を出す。怯えていたのかまだ周りを見渡している。

 

「お…私はルドガー、君の名前は?お嬢さん」

 

「え、エル。…エルメルマータ」

 

「君には問いただしたいことがいくつもあるが今は危険が多い。ここから抜け出したら考えることにしよう」

 

「いやはや、助かったよ。ルドガー君、だったね?」

 

その時奥から1人の人物が出てくる。先ほど逃げ込んでいたビズリーという男だ。

 

「何故私の名前を?」

 

「何を言う、ユリウス君の弟さんを私が見間違うわけなかろう。試験の結果、とても残念だ。君はとても優秀なのに」

 

「…」

 

「私はビズリー、君も知っているね?よろしく頼むよ」

 

彼は握手を求める。しかし、何やらこの人間に対していい感情を持てないのか握手はせずに話を続ける。

 

「それより、ここを早く突破しましょう。そうしなければ私も貴方も危ない」.

 

「…。それもそうだね。急がないといけないか」

 

「ここは粗方敵を制圧してある。ここに居れば安全だろう。後は私に任せてくれ」

 

「期待しているよ」

 

そう言った後踵を返すように去った。いずれあの人物と道を違える。そんな気がした。

 

「そろそろ最前列です」

 

たいぶ奥に進み、敵も見えなくなったところで開いたところに出る。そこには慣れた血生臭い匂いと、既に絶命したであろうアルクノアの戦闘兵が転がっていた。その先にいたのは殻の様な膜を纏って「いた」

 

「ユリウス殿、何をしている。なんだその姿は」

 

大量の魔力と共に、冬木市同様の歪みを感じる。

 

「…!ルドガーか。お前こそなんでこんなところに」

 

「ユリウスさんって、確かルドガーのお兄さんって」

 

「…お前にはここに来てほしくなかった」

 

ユリウスは何やら困惑と悔しさが入り混じったような顔をして言い放つ

 

「ここから去るんだ、今すぐに」

 

「ユリウスはどうする」

 

「この列車を止める」

 

「ここの構造を見たが、ブレーキが壊れた状態でか?」

 

「!」

 

構成物質の解明は私の得意分野の1つでもある。既にアルクノアの手によって壊されていることくらいは私も理解している。しかし、ここに1秒でもいて欲しくないかのように。彼は顔を歪めながら強い口調で言い放つ。

 

「いいから去れ!ルドガー!」

 

そう叫んだ後

 

歪みは増していった

 

そして

 

全てを覆い囲む様にして

 

【固まった】

 

次に目を開いたときには機関車に乗り込んだ地点に戻っていた。

すっと周りを見る。ここは歪んでいた。何もかもが湾曲しており、捻れている。存在そのものが【矛盾】していた。

 

「…ねえ、戻ってない?」

 

「僕たち、さっきまで最前列にいた筈じゃ…」

 

「…私にもわからん」

 

ただ1つ分かるのは、この世界は。

 

 

 

 

__________私に似ている

 

 

 

 

 




パパッと貯め書きして終わりっ!
機関車編うろ覚えすぎてとりあえず見直してからまた書くゾ。それと書いてから気付いたんだけどグランスピア社って書いてたけど正しくはクランスピア社だったゾ。謹んでお詫び申し上げます。(直すとは言ってない)てか割とタグに無いけどオリ設定あるゾ。タグ追加面倒だから後で書くゾ(書くとは言ってない)
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