聖杯奇譚 魔王降臨   作:ヤッサイモッサイ

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カーミラさん情報少なすぎっすよ。エリちゃんは逆に多すぎっすよ。全くわからん。何度も出てきて恥ずかしくないんですか?


さて、今回はエリザベート回。内容は「アタシの歌を聞けぇぇぇぇ!!!」的な感じ。
クリスマスも終わりそろそろ正月ですね、もーいーくつねーるーとー、おーしょーおーがーつー。はい!イベント楽しみです(受験生白目)
というわけで連日更新は本日で終了!ドラゴン戦はパパッと終わらせたくないしまず展開が思いつかない。そして流石に忙しい。だから元旦か正月明けにでも出せたらいいなぁ。最悪受験終了後もありえます。
イベントが入ったり、あるいは四章開放されたりと触れたいことも出来るでしょうが、まぁそれは次できた時にまとめて触れます。みなさんもぜひその時に絡んでやってください!それでは!本編どうぞー!


幽獄の塔に、眠るは化生か姫か

────ようやく……ようやくだ。

 

塔入れられ体感千年、座にして体感万年、月を踏んでは体感億年!この地に降りては体感兆年!!

 

「漸くっ!アンタを引っ張たけると思ったら、歓喜に身が浮くわ!!」

「ぐぅッ!小娘(わたし)の癖に、邪魔をするな!」

 

小ジカ(マスター)とは所詮仮契約でしかなく、ステータスがアタシに還元されてるかと言われれば全くそんなことは無い。

でも三騎士として召喚されたアタシが、アサシンのコイツ(アタシ)をぼこすのにはそれでも十分お釣りが来る

 

最初の加速のままに竜から離れること数十秒、しかしそれでもサーヴァントが荒野を行くには温すぎる縛りだ。

 

「どっせい!」

 

周囲の被害が来ないところまで来たことを確認して、ようやく穂先に張り付いたアサシン(アタシ)を引き剥がすように振り回す。

なにやら見た目にそぐわない可愛らしい悲鳴を上げて吹き飛んでいったのが納得いかないけど……

 

「周りもずいぶん滅茶苦茶な戦い方してるみたいだけど、アタシのはその中でもとびきりだもの。今回だけはアンタのためだけに歌ってあげるわ」

「粋も甘いも知ら無い小娘が、この吸血鬼カーミラを舐めるのも大概になさい!いいわ、そこまで言うのなら聞いてあげようじゃない、アナタのその貧相な歌声を。その後たっぷり血で染めて上げるわよ!」

 

このアイドルに何たる暴言!もともと決めていた、最上級の拷問すら上回る何かをコイツには与えなくてはならない。

幸いにも魔力は潤沢、喉の調子も完璧!ステージまで用意されたのだから、あとは歌って踊るのみ!

 

「“竜鳴雷声(キレンツ・サカーニィ)”抜かせ年増ぁあぁあぁっ!!!」

 

マイクとしての役割も持つ槍を地面へ突き立て、目一杯に叫び散らす。

轟く怒声は宛ら雷鳴の如し、これぞアタシの放つ竜の息吹(スーパーソニック)。攻撃範囲は────全方位!

 

「うぐぅ────このバカ娘め。少し……っ!黙りなさい!!」

 

案の定捕まったアサシンだが、指向性を持たせなかった分威力まで拡散してしまった咆哮に落とされる程ヤワではなかったようだ。

空気の振動に頭を抱えながら、反撃として打ち出されたのは魔力を纏った刃物……私の知識にもあるそれは使い慣れた拷問器具(ナイフ)そのもの。

引き抜いたマイクを槍へと戻し、次々と打ち出される馴染みの道具を弾いていく

 

「……本ッ等に、自分の罪と見つめ合うってのは効くものよね。決めて来たとはいえ、心が折れそうになるのだから余程だわ」

「罪?この道具が?それともエリザベートという存在そのものがかしら?……綺麗事を言わないでちょうだい。ワタシはただ血を吸うだけの存在。そこに善悪なんてなかった、他でもないワタシが、それを罪だと言うだなんて烏滸がましい!」

 

攻撃自体に重みはない。とはいえ、敏捷値に差があり過ぎて攻撃しようにも踏み出せないのも事実……ランサーであるのにも関わらず、アタシじゃあのアサシンの速度には追いつけない。それだけでなく投げられる拷問器具が、アタシから冷静な思考を奪っていく。一歩踏み出すその勇気を……奪っていく。

アタシは逃げてはならない。立ち向かわなけらばならない。向き合わなければならない。子ブタがそうしたように、アタシにそう教えてくれたように。アタシは自身の行いから逃げてはならない。今こそがそのチャンスなのだ!

 

 

 

……なのに、踏み込めない。

 

「あら、足が止まっているわよ?始めの威勢はどうしたのかしらねぇっ!!」

「うぐぐっ、うっさい!あんたこそそんなチマチマと遠巻きに攻撃してばかり、吸血鬼の名が泣くわ!」

 

眼前の自分が恐ろしい。いや、それ以上に……哀れで仕方が無い。アタシが周りからそう見られているのだと思うと、脚がすくんでしまう。

エリザベートとという貴族は、その死後カーミラという吸血鬼の題材となった。吸血鬼としてのアタシを象徴するのが、眼前の鉄の仮面をつけた未来のアタシ。

かつて行ってきた残虐だと言われる行為の……象徴。確かに、この身がただのエリザベート=バートリーのままであれば、今更アタシがアタシにどうこう思うこともない。ただ事実として興味を抱き、否定すること無く傍観するだろう。あの時のお父様たちと同じように、それが間違いだと言うことなく、そもそも思うことなく次の瞬間には忘れているに違いない。

 

だが月での出会いがアタシを変えてしまった、作り替えてしまった。

身勝手なアタシでも、他人のために出来ることがしたいと、それが出来るのだと教えられてしまった。

もしも償えるのなら、アタシはもう一度暗闇に入っても構わない。だから、せめて今度こそはあの子ブタと並び立てるように、誰に召喚されても恥ずかしくないエリザベートになる為にここで踏み出さなくてはならない。

 

……でも、踏み出さなくてはならないのと、踏み出すのは大きく違う。実現には、アタシには勇気が足りなさすぎる。あの女の、あの仮面がアタシのたった一歩を阻んでいる

 

「暗闇は、恐れない……っ!」

 

そうして弱ったアタシの意識の間隙を付くように、地面から飛び出した錠が腕の動きを止める。

手のみで回した槍が鎖を打ち砕くその一瞬で、かつて誰かを解体した拷問器具が足へと突き刺さる。かつて脚をねじ切った拷問器具が腕を抉り、かつて腕を砕いた拷問器具が腹部を打った

 

動きに問題は無い……致命的に問題があるのは、決意を固めてもなお弱い自身の心。アタシのどうしようもない、逃げの精神。腐ったりきった貴族としての傲慢さが、逃げ道を作ってしまっている

 

「……気に入らないわ、まるで自分は違うとでも言いたげなその顔が気に入らない」

「奇遇ね、私もその辛気臭い顔は気に入らないわ。哀れで憎くて見てられない……!」

 

小ジカからの催促もうるさい。逃げ場を作ってしまっている自分がいるというのなら────さらに逃げられない死地へと身を落としてやろうじゃない!だってそこは既に経験した場所、乗り越えた場所なのだから!

 

「……打ってきなさいよ、アンタの宝具。アタシの事だもの、どうせアレ何でしょう?顔を見たくもないというなら、全力で潰しに来なさい」

 

あの速度はただの攻撃じゃ捉えられない。それこそアタシも宝具を出さなければならない……でも、そのタイミングで向こうの宝具が打たれたら、きっとアタシじゃ耐えられない

 

「どこまでも愚かね、そんなに死にたいのなら、お望み通りに見せてあげるわ!」

 

そうしてカーミラ(血の伯爵夫人)は足を止め、その長い爪で自身の手を切り裂き、血を垂らす。流された血はやがて湖となり、アタシの足元まで広がってきた

 

「全ては幻想の血、されど少女はこの中に────幻想の鉄処女(ファントム・メイデン)!!」

 

貴婦人の号令と共に、血の泉から鉄の少女が現れ、瞬時にアタシを囲う様に展開される。

その形はまさに“鋼鉄の処女”、扉を閉めることで中の人間を刺によって惨殺する拷問器具。

 

これこそ、アタシが乗り越えるべき罪。ここまで来てまだ逃げようと言うのか?いや、もう言うな。アタシは戦うのだ。乗り越えなくてはならないのだ。

 

光が今────閉ざされた。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

─────痛い。まるで全身で剣山でも舐めさせられているかのように

 

 

─────熱い。まるで血の中に沸き立つ鉄でも流し込まれたかのように

 

 

─────暗い。まるでかつていたお屋敷の一室を思い出させるかのように……でも、もう怖くない

 

 

 

 

「歌え、エリザベート。誰でもいい、今だけは誰かのために」

 

自分の為じゃない、この心細さは、そんな身勝手さが生むまやかしだ。アタシは一人じゃない。もう、周りを顧みないお姫様などでは断じてない。

 

「歌え、エリザベート。誰かのために。自分じゃない、誰かのために」

 

子ブタのために────それは違う。それは本人にこそ聞かせるべきだ。こんな拷問狂に聞かせるような、ぞんざいな扱いは許されない。

 

 

「……仕方が無いわね、感謝なさい小ジカ。今回だけは────特別よ」

 

歌う相手が他にいないのであれば仕方が無い。仮にもマスターだ、ならば一曲くらい歌ってやるのも、吝かではない

 

「あ────────」

 

音を出す、音が返る

波を出す、波が返る

声を出す、声が返る

息を出す、息が返る

 

 

 

歌を出す────歌は届く

 

「……嘘でしょう?幻想の鉄処女が、破られて……なんて出鱈目な!?」

 

飛び込み始めた光と共に、馬鹿な女の声が聞こえる。驚愕の声、自分が自分を超えられた事に対する、アタシならば当然の驚き

 

「……ドイツもコイツも、処女処女うっさいのよ!アタシは────アイドルだっての!!」

 

暗闇が─────解けていく。

 

血の泉もそこには無い。あるのはただ呆然と立ち尽くす自分(アタシ)の姿……見れば見るほど腹が立つ

 

「そんな仮面で────顔を隠すなぁぁッ!!」

 

血だらけの腕で拳を作り、無防備なアタシの顔面へと打ち込み、無様な仮面を打ち砕く

ずっとイライラしていた。その仮面が、本当にアタシのトラウマの尽くを表していたから。でももう怖くない、乗り越えるべきものはすべて壊したから。だから────アタシはようやく一歩を踏み出せる。

 

「ぐっ、なるほど……槍で閉まる扉を止めて、刺を身体で防ぎながら中で竜の息吹を反響させ続けたのね」

 

……もしもアタシが現状打開のために宝具を使っていれば、無防備な状態であの宝具を受けなければならない。召喚するものの質量の関係で、先出ししてもカーミラの宝具が先に効果を発揮するのは、彼女とて自分のことだ、よく知っていたはず。だからアタシは乗り越えた、未来の自分を乗り越えるために

 

「てか、身体で防いだ訳じゃないわよ。アイドルだもの、顔と喉を傷つけないようにしただけ……さて、それじゃぁここからは、アタシの────エリザベート=バートリーの独壇場(ソロステージ)ね♪」

 

今更しまった、なんて顔をしても遅い。既にマイクは用意されている、アイドルもここにいる、観衆の準備もカーミラ以外は(距離的に)OK!後はステージのみ

 

「聞きなさい!サーヴァント界最高のヒットナンバー!」

 

マイクスタンドから広がるのは、先ほどと同じく血の泉。せり出てくるものも、変わらないアタシの罪の象徴────でも、だからこそ唯一無二のステージとなる。エリザベート=バートリーのステージは他のどこでも無く、ここでなくてはならない。

そうだとも、あんなチンケな拷問器具とは違う。アタシ、エリザベート=バートリーが持つ最大最強の宝具こそ、アタシが生涯を過ごした魔の城、魔のステージ!その名こそ─────

 

鮮血魔嬢(バートリ・エルジェーベト)!ロックにぃぃ────行っくわよーーーぉ!!」

 

広がる音は、先ほどの非では無い。城まるまる一つを増幅器に使った正真正銘の竜の息吹(ドラゴンブレス)・スーパソニック!

攻撃が当たらぬほど早いカーミラを捉えるために、全方位に放ったところで、それでも軽くあたりを吹き飛ばすこの声量(アイドルとしての資質)

 

「受けてみなさいよぉおぉおぉおぉ!!!」

 

────第一番終了、地が抉れる。

 

 

「まだまだまだまだまだまだ!歌は続くわ!“恋はドラクル”!第二番!」

 

────第二番終了、山が吹き飛ぶ。

 

 

「そろそろお別れかしら?これでラストぉ!第三番!」

 

────第三番……終了。空が割れる。

 

襲い来る自然現象を前に、もはや眼前のサーヴァントは息も絶え絶えだった。逆にここまで耐えられたのは、根源を同じくする存在だったからだろう。その理解があったが故に、限界を知るが故に耐えられるという希望があった。

 

 

だがしかし、それは所詮希望でしかない

 

 

「それじゃあアンコール!もう一曲サービスしてあげるわぁ!!」

 

 

希望などという不確かなものは、総じて裏切られるのが世の常。いやならば希望を実現するだけの努力を見せなければならない。

 

吸血鬼とされたカーミラにとって、眼前の希望(アイドル)は、あまりにも眩しすぎた

 

「あぁ、眩しい。そうまるで、あの時レンガの向こうに見えた、輝きのように────私にも、教えてくれる誰かがいれば、独りじゃなければ……今度こそ」

 

光に晒されれば消えるのは吸血鬼の常……吸血鬼カーミラはフランスの地より姿を消した。

観客の居なくなった舞台で一人、それでも少女は歌い続ける。誰かのために歌う歌に酔って、その流した涙の先に、好いた人を想いながら……

 




今回はエリザベートで行きましょう。
エリザベートはエクストラCCCが初出の鯖です。昔の貴族で、拷問狂いだとされてます。俄知識で断定はできませんがその理由は生来頭痛もちで、人を苦しめている時のみ開放されるからだったかな?あるいは少女の生き血で若さを保てるからだったかも知れません。カーミラと混ざってるかな?ちょっとわからないですけどそんな感じ。まぁそんな行いも当時の貴族の力ならば問題にはならなかったのですが、その魔の手が同じく貴族の少女に伸びたら話が変わるらしいですね。また同時期に助けを求めて脱出してしまった少女がいたのが問題でした。彼女は罪に問われ屋敷の一室に幽閉されることになります。しかし罪の意識に駆られた血族や貴族たちが見るのを嫌がり部屋を封鎖、残された窓すらエリザベートの声を鬱陶しがり塞いだので、彼女は暗い部屋で独りぼっちで一生を過ごすことになりました。その後兵士が食事の腐敗臭に気づいたところで死亡が確認されたそうですね。
この度ランサーとして呼ばれたエリザベートは彼女が14際の頃の姿で呼ばれてます。可愛らしい見た目で、今作では比較的大人しいものの、エクストラCCCの初期はだいぶ元の性格を再現して残虐性を見せていたらしいです......が、いろいろあって反省。元々彼女のその行動は「そういった行動が悪いことだと誰にも教えられなかったこと」が原因でもあるのでまぁ、根は純粋だと思えば......。
その後度々いろいろな形でCCC無いで登場しまくり、スキルの登録数は10を超えたりしました。凄いですね。中でもバートリーの血に入っていた竜の因子の効果は凄まじく、彼女本人の竜化に加え対魔力Aまで付与してます。ただ本人は家紋が竜だったからていどの認識で、血に本当に竜のものが混ざっていたことは知らないらしいです。そんな彼女の竜の息吹は音波。強靭な肺活量から生み出される空気の歪みはそれだけで東京ドームを崩壊させることができるそうですね。本編でも馬鹿みたいな力を出してました。
またアイドルを自称してそのスーパーソニックを遺憾無く発揮してますが......大変音痴。声はすごくいいのに歌詞と音痴具合が全てをダメにしていると赤セイバーを除くエクストラ勢に言わしめました。ただし「他人のために歌う」とまともな歌になるらしく、その場合はきっと綺麗な歌が聴けるんじゃないですかね?
そして未通。そのことを言われるとすごく動揺する初心具合です。あと料理も凄まじい。その感想はマズイではなくテロいだそうです。見た目は赤いこと以外普通だそうですけどね。
人を呼ぶ時は動物の名前で呼ぶか本名ですね。エクストラの主人公のことを子ブタ(男)か子リス(女)と呼んでます。ぐだーずは子イヌだった気がしますが、私が間違えてこの作品では子ジカに......し、シロちゃんが子イヌなんですよ!
まぁそしてエクストラでその子ブタに惚れてサーヴァントとして使役されて今のように丸くなり、その記憶を持ってここフランスに来てこんな感じになったわけです。
この子はホント書くことが多くて触れきれないですね。あ、強いて言うならパンチらが凄いことぐらい?

まぁそんな感じです。では次回はまたそのうちになりますが、ドラゴン戦......頑張ります!では!
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