ぼくたちインチキ魔法化高校劣等星、似本人   作:意伝志

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少女の頃、恋人の死を想像してうっとりすることがある。

二人の恋は永遠のものとなるから。


きっとそれはまちがっている。



男は言った。僕の精液は同じ量の金の液体よりも重いのだと。
女は言った。そんなことはありえない、私は金の方がうれしいわ。

その女が子を身篭ることはなかった。








#2. 暗黒の地から来たる大樹の男

私は殺人者だ。そして、初めてこの手にかけたのは何を隠そう私の妹である四葉真夜である。

当時12歳だった私に誘拐されて戻ってきた妹が人体実験の被験者になっていたと聞かされたのはあまりにもショックが大きすぎた。

生殖能力の喪失、つまり子供を産む機能を失った。そんなことをまだ体も幼い妹がされたことはあまりにも非現実的すぎて今になって思うとかなり短慮な行動をしたのではないかと思う。

 

妹を私の半身とも呼べるような真夜を殺したあの日、私たちはその行いのとおり永遠に決別することになった。

分かりあうことは永遠にない。お互いそう思っている、それこそが今の私たち姉妹を結びつけるものだ。

 

だから、今私が狸寝入りを決め込んでいることをおそらく妹は知っているのだろうが決して言葉をかけることはない。

 

きっと彼女は今口角を弓のように曲げ笑っているに違いない。

私の擦れきって惨めになった身体を見て喜んでいるのだ。

お前も私の体のように汚れているのだと。

 

そしてついに私の体が男によって陵辱されるのを今か今か指折り数えているのだ。

 

 

ただ、もうそんなことはどうでも良いのだ私は。

過去のあの日を後悔するのにももう飽きた。

罪悪感もすでに私の一部として沈殿した。そのうち便のように体から排出されるのではないだろうか。

 

そう考えると不思議と笑ってしまう。

 

何も持っていない、責任を放棄した心というものはこうも清々しいものなのかと初めて知った。

伝説の剣でも抜いたような気分だ。 怖いものなしだ。

 

今だったら裸足で庭の草を踏みながらスキップできそうだ。

 

さっきまで落ち込んできた気分はどこへ行ったのだろうか不思議と意味もない高揚感が湧き上がってきた。

 

きっと私も心がおかしくなって情緒不安定なのだと勝手に結論づけた。

 

 

パチっと目を開け狸寝入りをやめると私は足を組み開けっ放しの戸からこちらを覗く妹の真夜に視線を向けた。

 

「誰かと思えば次期当主候補である四葉真夜さんではないですか。」

 

「あら、姉さんこそご機嫌麗しゅう。私への懺悔は病気のためお辞めになりましたの?」

 

「飽きたわ」

 

「は?」

 

 

「聞こえなかったのかしら? 飽きたのよそういうの」

 

「・・・」

 

あの日から見せることのなかった私の強気な態度に面でも食らったのか訝しげに私のこと頭からつま先へと妹は眺める。

 

「だから、やる気のない私は当主に選ばれる事なんてないわ。よかったわね、英作叔父に媚を売る日々が無駄にならなくて。」

 

一瞬こちらを睨むと踵を返し女中に何か言うと、真夜は足早に去っていった。

 

言いたいことを言っておけばいいのだ。どうせ私の寿命はそれほど長くない。それほどまでに私の身体はダメージを受けすぎている。

 

そう考えると私は母体としてあまり優秀でない。しかしながら今回の縁談が組まれたのは四葉から優れた魔法師を輩出するためには、子供を産め、優秀な遺伝子をもつ者が私しかいないからだろう。

 

妹はそもそも子供を産む機能を失っている。

 

最近自分自身の生き方に疑問を感じる。 私の人生こんなものでよかったのかと、「幸せか?」と問われれば幸せだとは言うことはできない。

完璧な人生などないことにはこの十年で学んだ。 私が死ぬまで続く余生をどう過ごせば良いのかと思案することにしよう。

 

まぁ、まずは目先のこととして。

 

「この司波龍郎とかいう男にあってみないとね。」

 

この男が四葉の圧力に屈しヘコヘコ頭下げるようなやからなのか。

 

運命という残酷な足かせをつけられた四葉深夜という女を救う英雄なのか。しかし、四葉によって選ばれているということはそういうことだ(・ ・ ・ ・)

空想だけは自由だと自身に言い訳をし夢見る少女のように都合の良い妄想に耽りながら私は無駄に時間を過ごすことにした。

 

 

外は既に日は傾き夜の帳が降りようとしていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「小百合さんのお腹、結構大きくなってきたね。 いやー嬉しいなぁ、僕は妊婦プレイとか元気になっちゃうよね。」

 

「この変態め、貴方のそいうところ気持ち悪いのよ。安定期に入ってるからって昨晩みたいに激しくするのやめなさいよね。」

 

「ごめんごめん。いつになってもこの跳ね返りっぷりは愛おしいなぁ、これでこそ僕が愛する小百合さんだよ。」

 

貴方のその股の間にぶらがってるモノもぐわよ。と僕のベットに座る女は言う。

 

ここは僕の友人から管理を任されたという建前で借りている小奇麗な別荘だ。

 

彼女は立ち上がりキッチンへ向かうと「何か飲む?」と聞いてくる。

 

「そうだな。野菜ジュースでももらおうか。」

 

「コーヒーとか紅茶は本当に飲まないのね。貴方は」

 

「ははは、苦いものは好きじゃないだけだよ」

 

冷蔵庫を開け中から飲み物を出しコップにそれを注いでいる彼女をあすなろ抱きにする。

 

溢れる(こぼ)からやめなさいよ。変態クソムシ」

「昆虫は好きだよ。彼らはいいよね、僕は特にハンミョウの幼虫が好きだな。」

 

見下ろすとよくわかるが膨らんだお腹で置いたコップが見えづらい、何も出ているのはお腹だけとは限らないが。

 

「しかし、小百合っぱいも大きくなったな。前から結構大きかったけどどう?」

彼女の胸を後ろから手のひらでゆっくりと覆う。服を着ていてもわかるほどに先端が自己主張をしている。

 

「2サイズ大きくなったわよ。責任取りなさいよ。この色情魔め。んんぅ」

 

彼女のものを弄りながらだと両手が使えないのでその代わりに口を差し出すと小百合はコップの中身を自らの口に含むと口移しする。

 

「んんうぅ。 ぷはぁ。」

くぐもった吐息が漏れる。

 

「ねぇ、この糞虫変態、あんなに相手してあげたのに私の背中に押し当ててるこのデッカイのはなんなのよ」

「僕の愛情じゃだめかな」

「そうね、もしこれがあなたの愛情だというのなら私一人では受け止められる自信がないわ。いい加減にしないとほんと、ちぎるわよおおおおおお!?」

ちょっと強く先っぽをねじってみた。いい反応すようになったなぁ、最初はあんなに無反応だったのに。

ぷるぷると震えながらキツくこちらを睨む彼女の顔は赤みが指している。この反抗的な態度が本当に僕を唆る。

胸から手を離し今度はお腹を優しくなでるようにする。

「ホント!責任取りなさいよね!」

かかとで僕の足をぐりぐりしながら彼女は言った。

 

「それなんだけどね。この前僕のところに国防の要()のお怖いヤクザ魔法師()四葉さん家が訪ねてきてさ、僕に結婚してあの四葉深夜とズッコンバッコンしてって脅されちゃったからちょっと行って結婚してくるわ。めんご」

 

「司波龍郎」

 

「何かな?古葉小百合さん」

 

「マジで死ね。このベットヤクザ。大嫌い(大好き)。」

 

 

ゴミクズでも見るような目で見つめてきた彼女にゾクゾクしたね。

 

その日の午後僕は「子作りに行ってきマース」と元気に彼女に手を振って出た。

もちろん彼女は「二度と帰ってくんな。ゴミ!」といって笑顔で送り出してくれたので僕は意気揚々と四葉本宅へ向け足を踏み出した。

 

 

 

 

通りの紫陽花からは蛙たちが僕を野次馬のように見物していた。

 

 

 

 




たいていの男は、割と簡単に「愛してるよ」と言う。
本当に難しいのは「僕と結婚してくれ」といわせること。




遅すぎた青春。
夜のもとに春が来た


次回、青春ラブコメファンタジーインチキ理論小説

   愛と憎しみは表裏一体の写身だ。


意味なんてないのである。




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