コンコン
「失礼します」
シカマルは1人火影執務室に足を運んでいた。
「任務は完了、八尾をナルトが救出し、サスケを追い詰めましたがサスケは仲間に助けられそいつと共に時空間忍術で逃走。八尾は雷影様の監視の下生活されるそうです。またナルトの交渉のおかげでサスケの仲間の3人を事情としてもらえたので今は尋問部による尋問の最中です」
シカマルの報告を受け綱手はうなずき告げる。
「わかった、ご苦労。その3人の見張りに暗部総隊長黒豹、以下数名をすぐに尋問部にむかわせる。それとシカマル。ナルトはおかしな様子はなかったか?」
綱手はひじを突き両手をあごの下にもって行き少し険しい表情でシカマルに問う。
「異常な強さを見せつけサスケを圧倒しました。それにまだ何か底を見せていないというか、以前のお人よしな少し抜けたナルトとは違っていた。忍びとしてはそれが正しい姿なんだろうがあいつらしさは微塵も感じなかった。仲間を大切にし、自分を犠牲にしてでも助けると、あの日サクラと約束を交わしていたあいつとは思えない。あなたは何があったのか知っているんだろう!?あいつのこと、何か知っているなら教えてください。お願いします」
シカマルは深々と頭を下げる。仲間を思い、仲間のために頭を下げる。
シカマルはナルトのことを本当に大切に思い、仲間として、友達として力になりたい。そして助けたいとも思っていた。
だが綱手から返ってきた言葉は予想外の言葉だった。
「知ればお前はナルトと共に歩むことはできなくなる。その様子からするとナルトは何も話さなかったんだろう?それなら私が今お前にそのことを教えるわけにはいかない。あいつが望まないことなら私は何も話せない。あいつ自身が話をするタイミングになったら間違いなくお前達に話してくれるさ。それまで待っていてやってくれ」
綱手はシカマルをしっかり見つめながら話した。ナルトのことを思ってくれるやつ等がいるのは凄く嬉しいことではあるが、ナルトが自分の口から伝えるべきことであると考えているため綱手は頑として口を割らなかった。
「…わかりました。あいつは俺達の仲間だからめんどくせぇなんて言ってられねぇ。あいつの力になれることがあるなら俺達は全力でそれに答える。あいつを一人ぼっちになんかさせねぇ。それだけは覚えておいてください」
シカマルはそれだけ告げると部屋をあとにしようとした。
「ありがとう。だがちょっと待ってくれ。砂隠れの里から使者が来ているんだ。木の葉荘に泊まっているからあとで様子見がてら行って来てくれ。それとその使者のものに木の葉の名物料理でも食べさせてやってほしいんだ。公費でいいからな、いいものを食べさせてやってくれ」
綱手の言葉にめんどくせぇとつぶやきながらもシカマルはうなずき部屋を後にした。
そして木の葉荘に向かいゆっくり歩き出した。
****************
木の葉荘
窓の桟に肘を突き外の景色を眺めているテマリ。
「復興も大分進んでいるな。以前のようにきれいな町並みに戻りつつある。さすがは木の葉の里だ」
テマリは独り言を呟きながら町を眺める。そして時折吹く風に心地よさそうに目を細めている。
「でも今回の任務はすでに終わり、何もすることがない。だが今から帰ると野営することになるから火影様のご提案は実にありがたかった」
宿を提供してもらい本日の案内人までつけて木の葉の観光をさせてもらえるというのだ。至れり尽くせりである。
「案内人…あいつだったらいいのにな」
中忍試験で初めて会っためんどくさがりな男のことを思う。最初の印象はいけ好かないやつだった。
2度目はサスケが木の葉を抜けたとき。あいつを助け、喝を入れてやり、仲間のために涙を流すあいつを見た。その姿は情けなくもあったが仲間思いのいいやつだと思った。
それからも何度も顔を合わせ、中忍試験の試験官を一緒にやり計画などもお互いが納得するまで話し合った。
あいつは頭が切れて計画的だった。面倒くさいといいながらもしっかりこなし、引けないときはとことんまで引かない芯の通ったやつだということも知った。
そして木の葉と砂の距離があるにもかかわらず何度も顔を合わせるたびに魅かれて行く自分に気づいていた。
そして木の葉に来るたびに理由をつけて会うようになっていったのだった。
そして今日は任務に出ていたため会うことはかなわなかったのだった。
「はぁ」
テマリはため息をつく。それを窓の下から見ている人物がいることに気づかず。
「砂の使者ってあんただったのか。ため息なんかついてたら幸せが逃げちまうぜ?テマリ」