「これから訓練を行う。5番隊は火影様直属の部署になる。そしてそれは火影様の命を守ること。そして火影様に害為すものを事前に駆逐するための部署でもある。よって時には冷酷に相手の命を奪うこともある。それが決まりだ」
そう言いナルトの前に立つ。
「お前は確かに強い。だがまだ心のどこかで甘さが残っているはずだ。それを取り除く訓練だ。これは幻術の中で行う。そして幻術の中でそいつを打ち果たせ」
そう言うとスメラギは印を結び幻術を発動した。
その瞬間ナルトの体から力が抜け、座り込む。
そして幻術の中での試練が始まる。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ここは…」
ナルトは広い空間にいた。真っ暗な暗闇。
そこに一筋の光が現れる。
ナルトは進む。光に向かい。そして光の中に入っていくと目を疑う光景があった。
綱手の前に横たわるサスケ、サクラ、カカシ。3人は酷い傷を負っていた。
「サクラちゃん、サスケ!カカシ先生!」
駆け寄ろうとするも横からネジ、リー、ガイに取り押さえられる。
「は、はなせよ!みんなが何したってんだ!」
ナルトの悲痛な叫び。だがそれに綱手は冷静に言葉を返す。
「この3人は他国と協力して木の葉を潰そうとした張本人たちだぞ!情けをかけるわけにはいかない。そして3人から最後の要望があった。それが…」
綱手の口から出された言葉にナルトは愕然とした。
「お前の手で殺して欲しい」
その言葉を聞き、ナルトは困惑する。
自分の記憶のないところで仲間だったはずの2人、それに里を抜けていたはずのサスケが犯罪者として裁かれようとしている。それも自らの手で裁かれることを望んでいた。
だが自分は暗部。火影に害を及ぼす物を排除するのが仕事の一つ。だがだからと言って仲間を殺すなんて…仲間?
確かに仲間だったのかもしれない。だが自分の守りたいものはなんだ?自分が守るべきものはなんだ?
そして自分がやるべきことはなんだ?
頭の中で考える。そして自分の役割を思い出す。
『ばぁちゃんを守るのが俺の仕事。ばぁちゃんに害為す者は許さない。それが昔の仲間であっても』
そしてナルトは面をつける。自分の心を隠すために。
ナルトは刀に手を伸ばす。過去の自分を捨てるために。
そして3人の前に立つ。
怯えるさくらちゃん。覚悟を決めたようなサスケとカカシ先生。そして見下ろす自分。
そこに抱くはずの感情。躊躇いはすでになかった。
瞬間鞘から抜かれる刀。その刀を一閃、さらにそのまま一閃、そして最後にもう一閃。飛び散る鮮血、落ちる頭。流れ出るは深紅の液体。
刀に着いたそれを払い鞘に刀をおさめる。その瞬間周りは闇に包まれる。幻術の中から抜け出した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
パッと目を開けるとそこにはスメラギの姿が。
「お疲れさん、合格だ。見せてもらったがお前は乗り越えた。さっきのは俺なりの試練だ、暗部という闇の世界で生きるためのな。そしてお前は乗り越えた。自らの力で」
そう言うとナルトの手を取り立ち上がらせる。
「ナルト、お前にはこれから暗部として、紅狐として多種多様な任務についてもらう。その為に幾つかの術を教える。いいな?」
その答えに頷くナルト。
先ほどまでとは目が違う。最初の目はまだ覚悟が固まっていなかった。だが今の目は覚悟が決まった強い目だ。
ナルトは今夜スメラギから手ほどきを受け、3つの術をその日のうちに習得した。
そしてこれがナルト、後の木の葉暗部最強の総隊長となる彼の第1歩だった。
ちょっと1話1話は短いですが、少しずつ更新していきます。