ナルトは大地と共に任務に立っていた。
任務内容は木の葉の秘密を里外に持ち出した忍の暗殺であった。
それほど危険な任務でもないが、初の任務ということで大地が一緒についてくる。
「紅狐、お前は最初の任務だからこれだけは伝えておく。情けはかけるな。非情になれ。里に害為すものはすべて殲滅する。これが暗部の掟だ」
そう言うと隣を走る紅狐をみる。
軽く頷きそのまま走り続ける。
そしてその忍を発見したのはとある街中。この街を抜けて少し行くと草隠れの里である。
元は木の葉の忍でも今はすでに裏切り者である。
この忍の抹殺が今回の任務なのだが街の中で騒ぎを起こす訳にもいかず後をつけていく。
そして街から出てすぐの林の中。忍が立ち止まり後ろを振り返る。
「いるのわわかってんだよ!出てこいよ!」
大地と紅狐が前に出ると男が声を上げる。
「なんだよ、たった2人か?俺くらいすぐ消せるとでも思ったか!残念だったな!」
そう言うと後ろの林から10人の忍が現れる。
「己の浅はかさを後悔しろ!おら、やっちまうぞ!」
一斉に飛びかかる敵の忍たち。
「紅狐、俺が5、お前が5だ」
大地はそう言うと刃を握る。
頷くと紅狐は印を組む。
「死ねぇ!」
相手の忍たちが迫る。
途端にあたりが静まり返る。
悲鳴をあげる暇もなく息絶える忍たち。
大地は一切その場を動いていない。
その場にいながらすべての敵を斬り伏せる。
紅狐は影分身で全ての敵を斬り裂いた。
そして残るは木の葉の裏切り者。
「な、なんて奴らだ、勝てるわけねぇ!」
逃げる男を2人が追う。
そしてすぐに追いつき地面に叩き伏せる。
「み、秘密文書は返す、返すからさ、い、いのちだけはたすけ…」
その声を全く聞かずに紅狐は刀を抜くとそのまま切り裂く。
「かはっ」
小さな悲鳴をあげ忍は首から血を吹き出し息絶える。
荷物を探り秘密文書と里の情報を含むであろう物は全て回収した。
そしてさらに印を組むとつぶやく。
「浄炎」
呟きと同時にその忍の周りに蒼炎が現れ1分もしないうちに全てが灰にかわるとそれは空に昇っていった。
「上出来だな。初任務にしてはお前の動きは完璧だった。最後も躊躇いなくとどめを刺せていた」
そう呟く大地の方を見て紅狐は頷く。
「それではあっちの奴らも燃やして帰ろう」
その言葉の通り二人はすべての死体を燃やし任務を終える。
そして里に戻り綱手に報告しにきた時のこと。
「火影様、秘密文書の回収終了しました。そしてその忍は紅狐が始末しました。敵襲はありましたが問題なく対処できていましたので何もご心配はいらないかと思います」
大地は跪きながら報告する。
「わかった、ご苦労だった。後ほどもう一つこなしてもらいたい任務がある。2時間後にここに来てくれ。そして紅狐、お前は残れ」
「「御意」」
大地が立ち去ると綱手は立ち上がる。
それに合わせて紅狐も立ち上がった。
「初任務ご苦労だったな。ナルト」
その言葉にナルトはお面を外し素顔を見せる。
その目には以前のような輝きはない。だがその眼の奥には強さが隠れていた。
「ナルト、辛いことがあったらいつでも言え。私が力になってやる。お前のことを心配している人間がいることを絶対に忘れるな。いいな?」
その答えに頷いた。そのあと二人は押し黙ってしまう。その時部屋のドアがノックされた。ナルトはすぐにお面をかぶり紅狐に戻る。
入ってきたのはシカマル。
「失礼します。あ、取り込み中でしたか?」
「いや、もう済んだところだ。いっていいぞ」
その言葉にナルトは一礼して立ち去った。
「で、何の用だ?」
綱手の言葉にシカマルが答える。
「いえ、ただ最近妙な噂を聞きまして」
「妙な噂?」
シカマルの言葉に綱手は首をかしげた。
「ここ最近ナルトを迫害していた連中の集団がどこかで集まって会議をしているそうなんですよ。昔のことを引きずってんのか知らねーけど何かしようと企んでるのかもしれねーんで報告だけですが」
シカマルは心底めんどくさそうに頭を掻く。
「そうか、わかった。こちらの手のものに調べさせてみよう、他に何か報告はあるか?」
綱手の問いにシカマルは首を振り答えると部屋から出る。
綱手はすぐに手を回す。
ナルトが私たちのために戦うなら私はナルトのために戦う。ナルトに害をなすものは私が排除する。