「シカマル、お前たちに任務を与える。イタチの死後暁にサスケが入り尾獣狩りを再開した。そして今7尾までの人柱力は奴らの手の中だ」
シカマル達集められた忍8人は驚愕し言葉を失う。
「現在サスケを含む4人で行動中だということだ。お前達8人ともう1人、ナルトを連れて雲隠れの里に迎え。サスケ達を止め、八尾の人柱力を暁に奪われぬよう奴らの動きを阻止してくれ。あと、ナルトが暴走しないように注意を払え。今のやつはサスケと同等かそれ以上だ」
シカマルがその言葉に反応を示した。
「それならナルトは置いていったほうがいい。何故ならナルトが暴走したときに止められる術もないし、第一ナルトは帰ってきたばかり。疲れもあるだろう。それをまた雲隠れまで行けというのはあまりに酷かと」
シカマルの言葉は正論ではあるが正解ではない。
「確かに酷ではあるがあいつを連れて行かせるのはむしろお前達の命の危険を少なくするため。お前達じゃないサスケと敵対したとして即死は免れない。大蛇丸を殺しダンゾウを殺してるんだぞ?お前達が敵うはずがない」
「だが、もう人柱力はナルトと合わせてもう2人しかいない。絶対に阻止する必要があるんだ。だからこそ最強のカードを切らないでどうする」
綱手の言葉にシカマルもだまりこむ。
「大丈夫、雷影も協力の意を示してくれた。そして他の影達も。人柱力を守り、これから起こるであろう戦争を前に立ち向かうということを。そのためにもお前達の力を貸して欲しい」
綱手は頭をさげる。8人は顔を見合わせ頷く。
「わかりました。ではナルトを含め明日朝太陽が昇るとき、任務に向かいます。よろしいですか?」
シカマルの問いに軽く頷く。
「じゃぁ俺たちは準備をしてきます。ナルトには連絡は?」
「ナルトへは先ほど伝えてある。お前達も帰っていいぞ」
その言葉に8人は一礼し帰路に着いた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ばぁちゃん、シカマル達さ、俺が絶対守るから。暁から、サスケから。サスケは助けたいけど、サスケがもし俺の仲間に手を出すっていうなら俺はあいつを殺す。確実に息の根を止めるよ」
火影岩の上で寝転がり月を見るナルト。その顔は何か決意のようなものがあふれていた。
ナルトは察知する。誰かが火影岩の端にいることを、そして誰かということも」
「サクラちゃん、ごめんな、約束守れないかもしれねぇ。その時は俺を恨んでもいい」
ナルトは声を大きくしていう。
「明日任務に出る。シカマルやネジ、ゲジ眉、チョウジにヒナタ、シノにキバにサイと一緒に。サクラちゃんにはさ、実は綱手のばーちゃんに口止めされてたんだけど一応言っておきたくて。でも明日はついてきちゃダメだってばよ」
ナルトはサクラに対し言葉を投げかけるが反応はない。
「俺ってば8人を守るためなら、サスケがもし8人に手を下すなら、俺があいつを殺す。もう庇わねぇ、全力で敵として戦う」
サクラは一言だけ呟くように尋ねる。
「あの頃には戻れないのね?私たち」
重苦しい空気だけが流れる。それは永遠のようで…
「あぁ、過去には戻れねぇし未来を捨てたのはあいつだ。あいつは今や木の葉の敵。俺は忍として仲間を守るために戦う。それだけだってばよ」
そう言うと立ち上がり屈伸をすると音もなくいなくなるナルト。岩の上には涙を流すサクラが取り残されていた。
火影の部屋に入ったナルトが目にしたのは疲れ眠る綱手だった。
「ばぁちゃん、こんなとこで寝たら風邪引くってばよ」
優しく肩を揺らしてみるとすぐに綱手は目をさます。
そして目の前の少年を捉えると優しく微笑む。
「おはよう、ナルト。どうかしたかい?」
綱手の問いに首を振り、ナルトは綱手と顔を見合わせる。
綱手は不思議そうな顔で見つめているとナルトが言葉を出す。
「なぁ、ばぁちゃん、俺ってばサスケのこと仲間だと思ってる。でもあいつは違う。今は木の葉の敵だ。だから俺ってば仲間を守るために戦う。そのときにさ、もし俺がサスケを殺したら、俺ってばみんなの仲間でいられなくなっちまうのかな?」
ナルトは悲痛な顔で綱手にたずねる。それはナルトにとって最後の願いだった。自分を仲間と認めてくれた者達を守りたい。そしてそいつらに認められたい。それがナルトの願いだった。
それがもし脅かされてしまったらナルトは今度こそ壊れてしまうだろう。感情も、理性も、何もかも。
綱手はそんなナルトに近づいていき、優しく抱きよせる。
「大丈夫だ、ナルト。お前を、認めてくれたあいつらをお前が信じないでどうする?お前は木の葉の忍だろう?、それを信じれないやつはいないさ。お前が仲間を守るために全力で戦えば他のみんなもお前を助け支えてくれるさ。私が保証する」
綱手の言葉に胸に顔を埋めたまま何度も頷く。
そしてそのまま時は過ぎていく。
ナルトは最後にはみかみ笑う。
「ばぁちゃん、ありがと、行ってくるね。おやすみ」
そう言うとナルトは手を振り部屋から飛び出ていった。
綱手はナルトがいなくなったのを見てつぶやく。
「私はお前の味方だよ。これからもずっとな」
その声が届くことはなかった。だがその気持ちはナルトには伝わっていたのかもしれない。