闇に舞う黄金・一筋の光へ   作:落ち葉崩し

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動き出す時間

「みんな揃ったな。今から最速で雲隠れの里に向かう。そして作戦の通り八尾の身柄の安全確保をする。そしてサスケはできれば生かして木の葉に連れて帰りたいとこだが」

 

シカマルは周りに集まる8人に目を向けながらいい、ナルトに目を止める。

 

そのナルトがシカマルの言葉に続く。

 

「甘いことは言ってらんねぇ。あいつは大蛇丸やダンゾウを殺すほどの力を持っている。正直みんなじゃ勝てない。だからサスケは俺に任せてくれ。あいつを殺してでも仲間は守る」

 

ナルトの目は本気だった。誰1人としてこの言葉に割って入ることはできなかった。

ナルトの気迫がさせなかったといってもいい。

 

それほどまでに今日のナルトは真剣だったのだ。

 

暗部で揉まれ力をつけ、今や暗部には欠かせない存在になっている。

 

そしてシカマルが意を決したように言葉を発した。

 

「わかった。これより!俺たち9人で雲隠れの里に向かう。任務内容はさっき言った通りだ。いくぞ」

 

「おう!」「はい」

 

皆の返事を合図に全員が門を抜け走り出した。

 

その後ろの里ではナルトを殺そうと策を立てていた者達が8番隊員達の力によって制圧されていた。

 

そしてその者達が集められたのは第一演習場だった。

 

集められたのは男女合わせて総勢41人。

皆が手足を縛られている。

 

「全員を起こせ」

 

綱手のその言葉の後1人の暗部が水遁の術で水をみんなに浴びせると全員意識を戻すのであった。

 

 

「な、なんだ一体」「ここは…」「何故縛られている!?」

 

あちこちから言葉が聞こえてくるが綱手には里の大切な民の声ではなく、ただの虫の鳴き声に等しい。

 

1人が気づくと声を上げた。それに他の者も気づいたのだった。

 

「綱手様!これは一体どういうことです?説明してもらいますよ!」

 

この策の首謀者である男が声を荒げる。

 

「説明?わかってるだろ?ナルトのことだよ。全部記録に残ってる。暗部がお前達の集会場に紛れていたのに気づかなかったとは…木の葉の忍も落ちたもんだね」

 

綱手が岩の上から立ち上がり腰に手を当てため息をつく。

 

「な!?」

 

周りからはどよめきが。無理もない、何故このような状況になっているのかがわかってしまったのだ。

 

「あいつはなんだ?九尾の化け物か?違うだろう?ナルトはナルト。まだまだ手のかかるガキだ。そして木の葉の立派な忍だよ!お前らなんかよりな!」

 

綱手が叫び腕を振るう。横にあった大木をなぎ倒し綱手は顔を上げるとその目には涙が。だが瞳にはナルトを貶める者への殺意であふれている。

 

「お前達がやろうとしていたことは尾獣を体に宿した人柱力を殺そうとしていたこと。これは国家転覆にもなりかねない。そして暁がやろうとしていることとなんら変わりない。私利私欲にまみれおのれの保身だけを考え、里のために犠牲になってきたナルトをねぎらうでもなく、里を守るために必死に戦ったナルトを認めてやるでもなく、お前達の保身のためだけにナルトを殺そうとした」

 

1歩、また1歩と集団に近づく綱手。

その場にいた暗部でさえも背筋が凍るような冷たい目。殺気溢れる姿。これが5代目火影を名乗る綱手の本気。

 

「ひぃ、や、やめろ、俺たちまだ実行してねぇじゃねぇか!それなのに何故こんな目にあう!あいつが昔俺たちの家族を、恋人を殺したんだぞ!それに復讐して何が悪い」

 

1人叫ぶ男に対し綱手は汚いものを見るような目で叫ぶ。その声は大きく、そして強い意志を持っていた。

 

「ならお前らはあいつを殺そうとした。私の一番大切な男を殺そうとした。そして私の恨みを買い私に殺されろ!そして地獄で悔め!それがあんた達の運命だよ!」

 

その瞬間綱手は男の顔を掴むとそのまま握りつぶした。男は声を上げる間もなく息絶える。

 

「まずは1人、後40人」

 

声は冷たく重い。そして言葉は恐ろしく鋭い。

 

第1演習場は壮絶な景色に変わり、断末魔が響き渡るが、暗部により張られた結界がその声を掻き消し朝の街に届くことはなかった。

 

「お疲れ様です。火影様」

 

8番隊隊長弦弧からタオルを渡され受け取る。

 

「あぁ、こいつらの処分は任せる。お前達は終わり次第任務終了でいい。本来ならお前達に任せたかったのだがな。私の腸が煮えくり返ってしまったよ」

 

「いえ、ナルトは私たちの仲間でもありますからね。火影様のやり方はすごかったですが」

 

そう、綱手のやり方はかなりえげつないものだった。頭を潰し、首を飛ばし、心臓をえぐり、眼球をくり抜き、全ての骨を叩き割り、体を縦に真っ二つに割りとさすがの暗部もここまではしないものだった。

 

「火影様の怒りはわかります。ですが火影として、これからは少し抑えていただけた方が私としてはやりやすいですね」

弦弧の言葉に頷くといつものように歩き出す。

 

そして綱手はナルトの無事を祈りながら仕事に明け暮れるのであった。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

「隊長、すべての死体の処分、並びに奴らの処遇を立て板に記載してまいりました。そして隠蔽の方も抜かりなく終了しました」

 

「ご苦労様でした。戻りなさい」

 

「はっ」

 

弦弧はすべて終えたことを最後に確認する。

 

「ナルト、お前のために怒る人が、悲しむ人がいる。だから生きて帰ってこい」

 

空に向かいつぶやく声は風に流され消えていった。

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