闇に舞う黄金・一筋の光へ   作:落ち葉崩し

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雲の里の死闘

サイの描いた鳥に2人1組で乗り、飛びながら行く。

 

「にしても雲隠れってのは遠いぜ。ほんとによぉ」

 

キバがボヤく。もう出発してから2日も経っているのだった。

 

「まぁしょうがねぇ、木の葉からは雷の国に入るまでにかなり距離がある。今はサイのおかげでかなり時短できてはいるが、サイに無理をさせ続けられねぇ。ナルト、こっからどれくらいだ?」

 

シカマルは旅に出ていたナルトに尋ねる。

 

「本気で走ればこっからだったら3〜4時間。みんなに合わせて走れば6時間で付けると思うってばよ」

 

その言葉にシカマルは考える。

 

『ナルトに先に行かせる手もあるがこいつは人柱力、こいつもターゲットに入ってる可能性もあるからそれはダメだ。ならここから走るしかねぇ。サイはナルトに任せるか』

 

「ナルト!お前サイを担いで走っても俺たちと同じくらいで走れるか?」

 

その言葉にナルトは首を縦に振るり返事をした。

 

「サイ、降りてくれ」

 

シカマルはサイに告げると鳥獣戯画は高度を落とすと木のあたりで霧散する。そしてそのままナルトはサイを担ぎ先頭を走る。そしてみんなもそれについていくように走り出した。

 

「ナルト!先走るなよ!キバとリーもだ。シノ、ネジ、そいつらは任せる。ヒナタ、チョウジが遅れてないか見張ってくれ。俺はナルトの隣を走る」

 

「「「了解」」」

「おう!」

「わかりました」

 

返事を聞きながらナルトの隣を走る。

 

「ナルト、俺たちはお前のサポートをする。お前はサスケだけを見てろ。あいつから目を離すな。あいつから目を離せば仲間が死ぬかもしれねぇからな」

 

シカマルの言葉にナルトも返す。

 

「あぁ、わかってる。俺がサスケを止めるから他の3人は任せるぜ、シカマル」

 

走りながら拳を合わせお互いに信頼し後ろを任せることにした。

 

そして走り続けていると雲隠れの里が見えてきた。

 

その瞬間だった。

 

「サスケェー」

 

女の声が響く。その瞬間サイを下ろしナルトは今までの倍近いスピードで飛び出す。

 

「ナルト!待て!」

 

その声はナルトに届くことはなかった。

 

「全員急げ!ナルトが先走りやがった!」

 

シカマルの言葉に全員が全力でかける。だがナルトの姿はすでに見えなくなっていた。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

ナルトが目にしたものはボロボロになっているサスケ。

 

それに傷だらけになりながら倒れる2人の忍。

 

そしてサスケを抱え上げ手首をかませている女だった。

 

その前に立つ刀を操る男。写真で見せられた八尾の人柱力。

キラービーだった。

 

木の陰から様子を伺う。そしてサスケの力量を伺う。

 

サスケは立ち上がり呪印を解放する。

 

見る見るうちに人の姿を超え、大きな翼が2枚生えるとその姿はまるで悪魔のような出で立ちだ。

 

「お前、つえぇな。だが今の俺はさっきの俺とは違う。覚悟しろ!」

 

「とうでもいいが早く来い、バカヤロー、コノヤロー」

 

サスケは刀を抜くとビーに襲いかかる。

 

それも雷遁を纏わせた斬撃を浴びせていくがビーはすべての斬撃を受け流す。そして一旦距離をとると一瞬のうちにサスケとの間合いに入る。

 

だがそれは残像。サスケの動きが一瞬早かった。

 

ビーの背中にサスケの重い蹴りが入り飛ばされる。それを追いサスケが走る。水の上を転がるビーに追いつくとそのまま水の中に叩き込むかのような踵落としにビーはガードが間に合わず腹に食らう。

 

水中に入っていくビーの体。ビーは精神だけで八尾と語る。

 

「八っつぁん、力を貸せ、バカヤローコノヤロー」

 

「あぁ、しょーがねぇなぁ、後で礼は頼むぜ?」

 

一言二言お互いに少しの冗談を交えながら会話する。

 

そして水中から一気に飛び出すと叫んだ。

 

「くっ、だがしかーし、俺の反撃はここからだぜ?ウィー!!」

 

その瞬間八尾が姿をあらわすことになる。

 

「俺の攻撃、お前殲滅、お前後悔するなら今だYO!」

 

ビーはその大きな体を使いサスケに攻撃を仕掛ける。

 

リーチも長く忍術も操るビーにサスケは近づくことすらできない。

 

 

なんども八尾の触腕に殴られるも、すぐに体勢を立て直していたが、他の3人はそうもいかなかった。

 

「ぐぁぁぁぁぁ!!」

 

香燐が捕まり叫びをあげる。

 

「香燐!」

 

サスケは香燐を掴む触腕を切り裂かんと飛びかかるが、その刀は届かない。ビーの腕に殴り飛ばされるサスケだが飛ばされながら体制を立て直すと目を閉じる。

 

その瞬間サスケの万華鏡写輪眼が炸裂する。

 

「天照」

 

香燐を掴んでいた腕を黒い炎が襲う。

 

「ぐうぁぁぁ!ぐぉぉぉお!」

 

ビーは香燐をつかんだままその炎を水につけ消そうとするもその火は消えない。

 

瞬間香燐を掴む触腕を雷遁を纏う刀で切り裂く。

 

その触腕から逃れた香燐はむせ返りながらも立ち上がる。

 

「お前ら走れ!」

 

サスケは左目から血を流しながらも叫ぶ。

 

そして重吾と水月もビーから離れながらサスケに走り寄った。

 

だがビーに掴まれていた香燐はかなり消耗しており早く走ることができない。

 

その瞬間ビーについていた黒炎が香燐に飛び火する。

 

「きゃぁぁぁ!!」

 

その炎の熱さに悶絶する香燐、それに対し重吾は呪印化し、助けようと手を伸ばすが、それは阻まれる。

 

「サスケ!?」

 

重吾を止めるとその左目を閉じ瞳術を発動するサスケ。

 

すると香燐の周りからも、ビーの周りからも黒炎が消失する。

 

そしてその黒炎により蒸発した水の水蒸気が晴れるとビーはすでに倒れていた。

 

香燐を重吾にまかせ、水月とともに近寄るサスケ。

そしてそのままビーにチャクラを吸収し、体を動かなくするための封印を施し抱え上げる。

 

「やったね、サスケ、流石だよ」

 

水月の言葉に反応は示さず唇を釣り上げる。そしてそのまま2人の元へ歩き出した瞬間、肩にかかっていた重みが一瞬で消え去るのをサスケは感じた。

 

振り返るとそこにはナルトの姿がある。

相対する2人。そこに水月が割り込む。

 

 

「あんたなにしてくれてんの?そいつ返せよ!」

 

首斬包丁を持ったままナルトに突進する水月。それを制さんと声を上げるサスケ。

 

「よせ!水月!ひけ!」

 

サスケの声は届いていたがそれよりも早く首斬包丁を振りかざす。が刃が届く瞬間そこには誰もいなかった。

 

「螺旋丸!」

 

声が聞こえたときにはもう遅かった。頭が砕けるような痛みとともに水月の体は水の上に叩きつけられた。螺旋丸の威力は凄まじいものであり、水月は水と同化する間もなく撃沈されたのだ。

 

 

「サスケ、久しぶりだな」

 

「よぉ、ウスラトンカチ。てめぇ、邪魔してんじゃねぇ。殺すぞ」

 

声をかけるナルト。それに反応を示すはサスケ。

 

2人の間にはもはや友情なんてものは存在していないかのように殺気を飛ばしあう。

 

「重吾、よせ、やめろ!」

 

香燐の声がこだました。その瞬間ナルトの目の前に重吾が現れると殴りかかっていく。

 

「邪魔だ」

 

つぶやきと共に重吾が宙を舞う。その体に右腕がなくなっている。

 

「な!?」

 

香燐は恐怖した。

 

ナルトのやり方に。ナルトの残忍さに。

 

ナルトは殴りかかられた瞬間印を結ぶことなく術を発動させたのだ。

 

風の刃が重吾の右肩に何百本も突き刺さりナルトが重吾の体を上にいなした瞬間にその刃が一瞬で重吾の肩をえぐり取ったのだ。

 

チャクラの流れを感知できるが故に全てを感じた香燐は恐怖に体が震えて動かない。

 

「サスケよぉ、お前の手下じゃ相手になんねぇ。お前がかかってくるか、お前が暁から抜け木の葉の里に危害を加えないことを約束するか、もしくは仲間を見殺しにして逃げるか。3つの選択肢がある」

 

ナルトは3本指を立て提案した。

だがその次の瞬間体の動きが止まる。

 

「ふぃー、影真似成功。先走んなっつったろーが」

 

ナルトの体の動きを止めると自分の体の方にナルトを歩かせるシカマル。

 

「サスケとやる必要はねぇ、むしろ提案するなら2番の選択肢だけでいいだろ」

 

その言葉にナルトは頷くも納得いかない様子で声を出す。

 

「今サスケを里に連れて帰ったところで里に危害を加えないわけないだろ。しかも傷が癒えるのを待って戦うなんて無駄だってばよ。今叩かねぇとあいつの罪は増える一方だってばよ!」

 

その言葉も正しいのだがシカマルは今ならまだサスケは仲間に戻れると信じているのだ。

 

だがその考えが間違いだと知るのは次の瞬間だった。

 

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