カカシ待ちであった。
すでに1時間遅刻している。
「おせぇってばよ、何やってんだカカシ先生は」
ナルトはベンチに腰掛け憤りをあらわにした。
「もう帰っていいか?めんどくせぇ」
ベンチの後ろの木にもたれかかり座り込むシカマルは眠そうにあくびを繰り返す。
「も、もうすぐ来ると思うからまとうよ、シカマル君」
ヒナタはベンチから立ち上がりシカマルに声をかける。
そのときだった。
「おはよう諸君、いやぁ遅れてすまない。ちょっと道に迷っちゃって」
にこやかに現れたカカシにシカマルは静かに、ナルトは声を大にしていう」
「「はい、嘘」」
「ありゃりゃ、ばれちゃったか。まぁそんなことはおいといて今から試験を行う」
その言葉にカカシはおちゃらけて見せるもすぐに真剣な表情になる。」
「試験?」
ナルトは首をかしげて見せるとカカシがポケットからなにやら取り出してみせる。
「鈴?」
ナルトはそれを見て一言呟く。カカシは鈴を2つ持っていた。その鈴で何をするというのか。
「この鈴を昼までに俺から奪うのが今日の課題だ。皆で協力して奪い取ってみろ」
カカシの言葉にシカマルが反論する。
「2つしかねぇってことは1人は確実にこの試験に不合格になっちまうってことだ。その場合どうなるんです?」
シカマルの言葉に少し雰囲気を出しながら言う。
「もちろんその1人は不合格、アカデミーからやり直してもらう」
その理不尽極まりないカカシの言葉に皆何も出てこない。
「質問はないな?俺を殺す気で来い。じゃないとすずは取れないぞ」
そう言うとカカシは目を閉じ宣言する。
「この石が地面に落ちた瞬間に開始だ。行くぞ」
地面の石を拾い大きく上に投げる。
その瞬間3人は姿を隠すために飛び散った。そして気配を殺す。
「ま、皆これくらいはしっかりできるみたいだね。間、俺は皆から攻めてくるのを待ちますか」
腰のポーチから本を取り出し読み始める。
シカマルはそれを見て移動を開始する。早く2人と合流するために。
カカシは言った。3人で協力してと。それに確かに3人がかりでも取れる確証はない。
シカマルがナルトと合流したとき逆側からもヒナタが合流する。
「揃ったな。まずこの演習の本当の目的は俺達のチームワーク。ひとりひとりがワンマンプレイをしても取れない。だから協力をしチームプレイをするのが得策。だが鈴は2つ。だから皆チームプレイを避けたい。だからここで決めておく。俺は鈴を取らない」
シカマルの説明にうなずいた2人だったが最後の言葉に驚く。
「鈴はお前達二人が取ればいい。ま、最悪アカデミーに戻ってもかまわねぇ。多分ただの張ったりだ。だからまずはチームプレイでカカシ先生を揺さぶる。ナルトとヒナタは接近戦を同時に仕掛けろ。左右からじゃなく前後からだ。そして俺は影まねの術でカカシ先生の動くを止める。その瞬間が勝負だ。どれだけ持つかわからねぇからな。すぐに鈴を確保しろ。いいな?」
その作戦にナルトとヒナタはうなずき3人は動き出す。
「きたね?」
『1・2・3人。全員で仕掛けてくるか。思ったよりも期待できるな』
呟き考えた瞬間手裏剣が飛んでくる。
その手裏剣をかわそうとした瞬間手裏剣がナルトに変わる。
「おりゃぁ!」
その勢いのまま回転蹴りを繰り出すナルトの体をカカシは腕を軸にしナルトの体を受け流す。
その瞬間ヒナタが迫る。
ヒナタの掌底打ちを右手で受け止めた。
ナルトが後ろからまわし蹴りを繰り出すもヒナタの手を放しかがんでかわす。
ヒナタとなるとは流れるような連携でお互いにカカシの体制を崩すことはできてもまったくあたらない。だが次の瞬間チャンスが訪れる。
「今だ!ナルト、ヒナタ!かかった」
その言葉が聞こえた瞬間カカシが振り返ろうとするも体が動かない。
「影真似の術成功だ」
そしてヒナタとナルトはカカシのズボンについている鈴を奪取する。
そしてシカマルの隣に行くとナルトはシカマルに鈴を渡す。
「おい、お前がとったんだから持ってろ。アカデミーに戻るのは俺でいい」
シカマルが突き返すがナルトは受け取らない。
「俺ってば仲間を犠牲にしてまで忍びになろうとおもわねぇ。とおちゃんもそういうはずだ。だからそれはシカマルにやるってばよ」
「そ、そうだよ、でもそれなら私もナルトくんを犠牲になんてできない。だから」
3人は言い合う。仲間を守るために。
その姿を遠巻きから見るカカシの目は実に優しかった。
「お前ら、そろそろ結果を言っていいか?」
カカシが3人の前に立つと3人はカカシを見上げる。
「お前達は合格だ。全員立派な忍だったよ。ま、まだまだ本気は出してなかったけどね」
その言葉をナルトは真実と受け止めた。何故ならまだまったく手を出してきていなかったからだ。それにむしろわざとすずを取らせたようにも感じる。
「全員、合格ですか?」
ヒナタは疑問を口にするとカカシはうなずく。
「これはね、仲間を信頼し、仲間のために行動でき、そしてチームワークに徹することができるかどうかためさせてもらったのさ。鈴は2個しかない。1人はアカデミーに逆戻り。自分は戻りたくない、誰かを蹴落としてでも。そういう思いが少しでもあればチームプレイなんて出来るはずない。だがお前達は3人で協力して俺に向かってきた。その時点でほぼ合格なんだが、しっかりすずまで取られてしまったからな」
「じゃぁ、じゃぁ!」
ナルトは目を輝かせてカカシを見つめる。
「お前ら全員を第7班として認めよう。そして明日から任務開始だ」
「「「はい」」」
そう言うとカカシは3人に笑顔を向けて言う。
「今日は特別だ。俺が飯をおごってやる。何がいい・」
「一楽!一楽!」
カカシの問いにナルトは即答する。普段はクシナがご飯を作っているため、月に1度しか一楽には行けないのであった。
「俺もそれでいいっすよ」「私も」
2人はナルトの意見に賛同するとナルトに笑顔を向ける。ナルトも満面の笑みである。
「じゃぁ行くか、お前達」
そう言うと3人を引き連れカカシは歩いていった。