任務が終わり、その日は遅いためその町に宿泊することになる。
その食事の後にカカシからこれからのことについて話がある。
「3人とも、よく聞くように。お前たち3人はこのところ任務の日以外は修行したりみんなでチームワークの訓練など頑張っているのは知っている。そこでだ。これより4週間後、中忍試験が行われる。俺はそれにお前達をエントリーしようと思うんだがどうだ?お前たち、参加してみないか?」
その答えに3人は顔をあわせる。そしてナルトとシカマルはヒナタを見つめる。
そのヒナタは2人を交互に見つめ口を開く。
「カカシ先生、私たち出ます。中忍試験。これまで頑張ってみんなで磨いてきたものを私は試したい。ナルトくん、シカマルくんの足を引っ張らないよう頑張りますから」
この2ヶ月ちょっとでヒナタは毎日鍛錬をし、自分を変えようと頑張ってきた。
その成果が少しだが現れている。
「カカシ先生、俺も2人と一緒に出たいってばよ!そんでもって絶対中忍になってやる!」
ナルトは宣言した。カカシの目をまっすぐ見つめて。
「しょうがねぇ、俺もおいてかれるわけにはいかねぇからな。出るぜ、中忍試験」
カカシの目を見つめる3つの強い意志を持つ眼差し。
そんな3人を見てカカシは笑う。
「わかった。じゃぁ、明日俺たち上忍は火影様に中忍試験に出るか出ないかの報告をしないといけないから明日は修行を見てやれない。だからお前達に一つ試練をやる。手を使わずに木を登れ。これは足にチャクラを流ししっかりと木に自分の足を固定するイメージでやるんだ。チャクラコントロールの訓練でこれは最適だからな。しっかり足で歩いて登るんだぞ。これができたら次は水の上になる。だがお前たちはまず木に登るところからだ。
ま、俺の代わりに明日はクシナさんにお願いしてるからお前達粗相のないように、怒ると怖いぞ?な、ナルト」
その問いにナルトは首を何度も縦に振る。
「まぁ明日までに第3演習場の一番高い一本杉の1番上まで全員が上がれるようになったら合格だ。ま、頑張るように」
そう言うとカカシはみんなに笑いかける。
そして布団に入って寝ようとしたところカカシから言葉が出る。
「あ、明日10時までに第3演習場に到着しないと木に登る前に天に昇ることになるから、明日は寝坊するなよ?9時には出ないと間に合わないからな。それじゃぁおやすみ」
そう言うとすぐに寝始めてしまった。
「シカマル、ヒナタ。明日から任務ない日は第3演習場で修行するってばよ?体術とか、チームプレイとかもっと磨こうぜ!」
ナルトは布団に潜ったまま少し頭を布団から出し小声で言う。
「ま、しゃーねーな。カカシ先生には期待されちまってるしな」
シカマルが天井を見上げながら呟く。がその顔は真剣そのもの。
「う、うん。絶対本戦に残れるように頑張ろう」
ヒナタも意志が強くなってきている。言葉には強い意志が込められていた。
「じゃぁおやすみ」
ナルトが言うと2人も返し眠りについた。
カカシはこの会話を聞いて自分も任務がない日はこっそり見に行くことに決めたのだった。
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その次の日、第3演習場
「揃ったってばね。じゃぁ早速やっていくわけだけどもみんな足にチャクラを集めるイメージをしてみて」
3人はクシナに言われた通りに足にチャクラを集めるイメージをし、足に集中する。
「じゃぁそのイメージを持って足に集中しながら木に歩いて行ってみよう」
3人は隣同士の木に歩いて行き、1歩目、2歩目と歩を進める。
シカマルは木の1/4ほどのところまで行って落ちた。しっかり体を反転させて着地までしてしまうあたりは流石だ。
ヒナタは半分くらいまで行ったところで離れてしまう。こちらも手はついたがしっかりと着地して怪我をせずにいられた。
そしてナルトは知らないうちに上まで登って一番上の枝の上に座っていた。
「ナルトくん、すごい!」
「ナルトてめぇら前からできてやがったな?」
ヒナタは素直に感嘆の意を表したが、シカマルはナルトに疑いの目を向けるとナルトはあっけらかんと言ってのける。
「もう水の上にも立てるってばよ。だから俺ってばカカシ先生に今日他の課題もらってきちゃったもんね」
自慢気にシカマルを挑発する。
普段なら挑発になんて乗らないシカマルだが、今回は違った。
「うっせー!今日中に上まで登ってやるよ!」
何故か対抗心を燃やすシカマル。それには訳があった。
ナルトの補佐にと決めたあの日から自分はナルトに置いていかれたくないと考えている。
そのため、ナルトに差を開けられるのが悔しいのだ。
不甲斐ないとさえ感じてしまう。
「ヒナタ、俺たちも負けてらんねぇ、行くぞ」
「うん!」
2人は何度もなんども挑戦し、行けたところにクナイで傷をつける。
少しずつだがそれも高くなってきていた。
「あの2人なかなかやるってばね、根性もあるし!で、ナルトがもらってきた課題は?」
クシナは先ほどから葉っぱを手に持っているナルトに尋ねる。
「俺ってばチャクラ性質が風らしいからさ。だからこの葉っぱを真っ二つにする訓練だってばよ」
ナルトは唸りながら葉っぱを握る。
「へぇ、性質変化かー、懐かしいなー。ミナトも昔それやってたな!」
クシナは懐かしむように目を細め遠くを見る。その表情は寂しそうでもあり、嬉しそうでもあり、切なそうでもあった。
「かぁちゃん」
クシナのその表情を見ながらナルトはつぶやく。
「ミナトがね、自来也先生に詰め寄ってコツを聞いてたわ。そしたら自来也先生は『風の性質変化はチャクラを二つに分割して摺り合わせるイメージだ。そして二つのチャクラを互いに薄く研ぐような感じで練り込め』って言われてたの。何か役に立つってばね?」
クシナの言葉に少し頷くとナルトはまたチャクラを葉っぱに向ける。
手の中でチャクラを練り上げ、それを二つの薄い刃のように薄く研ぎ上げる!
スパッ
少し切れたような気がしたナルトは葉っぱを見てみると、その葉っぱの一部分だけだが確かにきれていた。
「よっし、なんとなくわかってきたってばよ!サンキュー、かぁちゃん!」
そういうと木の上に登り次々と葉っぱを握りチャクラを流す。少し切れ込みが入る程度にしかならなかった。
だがナルトにとって大きな一歩でもあった。
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「はぁ、はぁっ」
肩で息をし、疲れを見せるヒナタだが、その場所は一本杉の1番上。夕焼けが差してきた頃、ヒナタはついに上まで登ることに成功した。その達成感からか、夕焼けがやけに綺麗に見えたため、それをじっくり見ていた。
ガサガサガサ…シュタッ
シカマルもまた、登り切ることに成功したようだ。
「や、やっとできたぜ。朝から何時間やってたんだ俺?あー、もうダリィ、動けねぇ」
シカマルはヒナタの隣の枝の上でしゃがみこみ汗を拭う。
「やったね、シカマルくん」
ヒナタはシカマルに微笑みかけ、息が整うまでゆっくり息を吸い、ゆっくり息を吐いていた。
「あぁ、でもまだだ。まだあいつに追いついてねぇ。明日から修行の合間に次は水の上でやってやるぜ?ヒナタもやるだろ?」
その問いにヒナタは頷く。
「まだナルトに全然追いつけてねぇ、俺たちがあいつの足を引っ張らないように頑張らないとな」
その言葉にヒナタも頷く。
その時下から声がした。
「おーい、シカマルーヒナター!そろそろ帰るってばよ!暗くなっちまうぞー!」
その言葉に2人で顔を合わせて笑う。
「降りるか」「そうだね」
2人は木の側面を歩いて降りる。
その姿を見たクシナは感心した。
「2人ともすごいってばね!私も昔やったけど2日くらいかかったわ。それを半日でできるようになるなんてすごいってばね、ね?ナルト」
その言葉にナルトも頷くと言う。
「明日も任務終わってから次は水の上だな。頑張ろうな?ふたりとも!」
その声に2人は頷き歩き出した。
その背中には意志がある。
ナルトの足を引っ張りたくない。ナルトの隣を歩きたい。
という強い意志が感じられる背中だった。
クシナはそんな3人の後ろ姿を見て笑う。
『ミナト、あなたが守った里に新しい火の意志が受け継がれて行ってるってばね、見てる?ミナト…』