「シカマルくん、右前方300メートルのところに起爆札が大量に設置されてる。それよりさらに30メートルくらい後方に3人分のチャクラを感じるよ」
試験3日目塔の付近に到着し、敵がいないか探している。ここまで運良く戦闘はなかったがそろそろ巻物が必要になってくる。この辺で巻物を揃えてゴールしておきたい。
ヒナタは白眼で敵を探し当てシカマルに伝える。シカマルは合図とともに2人に対し指示を出す。
「ナルト、影分身を俺とヒナタに変化させて突っ込めるか?そして爆風が晴れ敵が近づいたらそこを俺が影真似で止める。そしてヒナタの力で点穴を突いてもらう。修行の成果ってやつの見せ場だぜ、ヒナタ」
「任せろってばよ。影分身の術!変化!」
ナルトは答えると同時に3人の影分身を作り出す。それと同時に変化まで済ませてしまっている。
「わかった。やってみるね」
ヒナタは白眼を解除し、にこやかに笑う。そして拳を握ると意気込み答えた。
「じゃぁ行くぜ。ナルト、任せたぞ」
シカマルの声に頷くと影分身達は罠のある方へ走っていく。それを少しずつ身を隠し気配を消しながら近づく3人。
ドーンドーンドドドドドーン!!
ナルトの影分身達が罠にかかった瞬間隠れていた忍達の手裏剣が起爆札を爆発させる。そして爆発は連鎖し辺り一帯を焦土と化す。
「ヘッヘッヘ、いっちょあがり」
滝隠れの忍達が近づいて辺りを探す。あの爆発で敵を倒したと思い込んでいるため無防備に近づいてくる。
「しっかり探せよ、その辺にいるはずだ」
リーダー格のくノ一が命令すると2人の忍はうなずき目を凝らして探すが見つからない。
そして探しながらこちらに3人が近づいてきた時シカマルの術が発動する。
「影真似の術」
シカマルの声と同時に体から音もなく影が動き出し相手を拘束する。
「な、なんだ!?体が?」
「何がどうなってんだ?」
「落ち着け、お前達。近くに術者がいるはずだ」
3人は少し言い合いをしながらも冷静なリーダーの女の言葉で静かに見える範囲の敵を探すが見当たらない。
瞬間体に衝撃が走る。軽い打撃の連打が体を襲う。その打撃を加えたのはヒナタ。
ヒナタは点穴を突き終えると次の標的めがけてかける。
点穴をつかれた忍は崩れ落ちた。そこをナルトが受け止め荷物から巻物を探すが見当たらない。
ヒナタに向けてバツ印を作るとヒナタはそれを見た瞬間次の忍に攻撃を仕掛ける。
「ぐふぅっ」
2人目を倒しナルトが荷物を探るも巻物は見つからない。
どうやらくノ一が持っているのは間違いない。
ヒナタはゆっくり構えをとる。シカマルはわざと木に背中がつくように後ずさりさせる。
トン
くノ一の背中が木にぶつかる。
「く、くそ!やめろ!巻物は渡す。だから見逃してくれ!」
くノ一の言葉にヒナタがシカマルとナルトに目を向ける。
「シカマル、どうする?」
ヒナタの視線を受けたナルトはシカマルに言葉を投げる。その言葉のあとシカマルはヒナタの方へ歩きながら呟く。
「ま、見逃しても損はない。もうあの2人は試験終了まで使い物にならない。だがここは最低でも気絶くらいはさせておくべきだな」
その言葉を聞きヒナタが一歩前に出ようとする。それをナルトが肩に手を置き制する。
「ナルトくん?」
ヒナタが振り返るとナルトは真剣な顔で囁く。
「俺がやる。できるだけ痛くしないでやるよ」
瞬間ヒナタの横からナルトが消える。シカマルとヒナタですら目で追えなかった。
「あいつ、どこだ!?」
シカマルが辺りを見渡した瞬間影真似の術で縛ってあったはずのくノ一が倒れこむ。
シカマルは瞬時に術を解き自分が倒れるのを防いだ。そのくノ一は地面に倒れ込み意識を失う。
そして気づくとナルトがシカマルとヒナタの隣に立っていた。
「ナルトくん!?今何が起きたの?」
ヒナタのセリフにナルトは隠すそぶりも見せずいう。
「チャクラの応用で、地面を一気に蹴ったんだってばよ!それで後頭部をトンと1発叩いただけ」
ナルトの言葉にシカマルとヒナタは目を合わせた。また差が広がってしまったような気がしたのだった。
「まぁとりあえず巻物はいただいておいたけど被ってるから他のとこを探さねぇとな」
シカマルの言葉に2人はうなずき歩き始めた。