黄泉路への案内人   作:楽一

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第四八話

 

第四八話

 

 

零「なぜ、何故貴様がこの場にいる!?」

 

葵「何故? 簡単なこと。いるからこの場にいる。それだけだ」

 

零「バカな・・・確かにあの時死んだはず」

 

葵「お前のことだ。おそらく私と対峙した時のはクローンかもしくはそれに準ずるものだろう。私の死を確認し壁を排除したのち本物が登場し支配領域を増やす。違うか?」

 

零「そうだ。だが今のお前では何もできまい」

 

葵「何故そう思う?」

 

零「生命の神秘は生命力を使う魔法。なら、今のお前は例え生きていてもそのほとんどの魔力はゼロにひとしい。なら!」

 

 零始はそう言うと【不の者】達が葵に向け突進をかける。

 

 だが、葵は一本の杖を出した。その杖は白を基調としているが先端には青色の方細長い

 

正八面体の宝石があり、その周りに文字か模様かも分かららない何かが回り続けていた。

 

葵「汝ら無の存在。無に帰せ」

 

 葵が杖を【不の者】達に向け、そう言うと、

 

―パァアアン

 

 はじけるようにして【不の者】が消える。そのあまりにも異常な光景になのは達はむろん零始ですら驚いていた。

 

零「な、なんだ・・・何が起こった!?」

 

 すると、零始を囲むように三つの魔法陣が展開された。そこにいたのは、

 

零「・・・御三家」

 

貞「ほっほっほっ。久しいな下衆」

 

蓮「えぇ久しぶりね屑」

 

統「あぁ。そうだな愚者よ」

 

 うわぁ~、言いたい放題だな。

 

零「神々自ら出陣か? だが、私がその対応を怠ったでも?」

 

葵「御三家の対応はしているだろうな。だが、私の対応はどうだろうな?」

 

零「なに?」

 

葵「【不の者】よ。汝らの罪全てを許そう。故、汝らの罪は無く、汝らに罰はない。安らかな眠りにつけ」

 

レベル1「イ、イイノカ?」

 

レベル2「ホ、ホントウカ?」

 

葵「認めよう。この杖にかけて」

 

 そういって私はその杖を見せた。

 

 すると、零始の表情が一気に変わる。

 

零「!? それは・・・創世の杖だと!?」

 

ス「創世の杖?」

 

ティア「孤狐さん知って・・・孤狐さん!?」

 

孤「あ・・・え・・・う、うそ・・・」

 

 孤狐の方を見ると、孤狐は喜びの顔に満ちていた。だが、それが何を表しているのかはなのは達にはわからない。

 

 さらには、ウルナ、朱音達は驚愕の色に染まっていた。

 

キャ「ど、どうしたんですか!?」

 

ウル「あははは・・・・葵、君はやっぱり規格外だよ・・・」

 

朱「そうね・・・まさか創造神が葵だったなんて信じられるもんですか・・・」

 

全員「・・・えぇええええええええええ!?」

 

 そうか。まだ紹介が終わっていなかったな。

 

葵「我が名は四聖神が一柱。創造の神! 月之宮(つきのみや)葵なり!」

 

 月之宮。神之宮、神楽之宮、珠洲之宮とならび、創造神に贈られる神名。それを称するものはすなわち創造の神の座に座ることを許された者のみ。

 

零「ふ、ふざけるな!? 四聖神の最後の一柱はすでに「零始よ。起源記を知っているか?」なに」

 

ルー「起源記?」

 

ウル「簡単に言うと神々の話。その中に確か創造神のことも書いていたような気がする」

 

葵「そう。アマテラスとの会話で四聖神のうち創造神のことはこう書かれている。

 

 

『今から語ることは、ある神の話』

 

 

『以前、天界には創造の神がいた』

 

 

『その神は「人は醜い生き物だ。」といっていた』

 

 

『しかし、そういったその神は人の行動に興味を持った』

 

 

『私はなぜ? と思った』

 

 

『人は我々と比べ命が短い』

 

 

『自分たちの力が何者よりも優れていると思っている』

 

 

『何事に対しても優劣をつけたがる』

 

 

『そして、他の生物と比べ争いごとを好む醜い存在』

 

 

『同じ種族同士で争う』

 

 

『考えが違う、住んでいる国が違う、肌の色が違う』

 

 

『たったそれだけで』

 

 

『そして人は自ら住む星を汚し、破壊しようとした』

 

 

『なのにその神は人に興味を持った』

 

 

『それはなぜか』

 

 

『そして自ら【神】という階級すらも捨てて人間界に降り立った』

 

 

『そのために、自らの今までの記憶を消してまで』とな」

 

 

零「ならお前がその神だというのか!? それに起源記は所詮物語だ!!」

 

葵「お前なら分かっているはずだ。この杖が何を示し、何を現すのか」

 

零「くっ・・・神であろうがなんであろうが関係ない! この世の未来を変える! それが私の未来だ!!」

 

 だが、【不の者】は動かない。いや、もう戦う気力がないのだ。

 

零「どうした?!」

 

レベル1「もういいや」

 

レベル1「そうだね。もういいや」

 

レベル2「あぁ。逝こう。帰るべき場所へ」

 

 【不の者】は次々と砂のように消えて行った。

 

零「何故だ・・・何故!?」

 

葵「決まっているだろう。お前の未来は所詮何も無い虚無。だが、彼女たちが護ろうとしている未来には希望がある」

 

零「ふざけるな!? アマテラスも言っているだろう!? 人に何ができる!!」

 

葵「所詮人は人だ。だが、その中に何かを秘めている。そして互いに支え合い過ちを犯すことの無いようにしようとして言う者もいる。なら我等はそれを見守るべきだろう」

 

零「神になったらいきなり大層だな!」

 

葵「神とて万能ではない。万能な種族などこの世にはいない。故に神でも支え合う。それは人とて同じだろ」

 

零「支え合って何となる!? だから私はゼロからやり直そうとしているのだ!!」

 

葵「零からやり直してそれこそどうなる? 希望ある者たちの未来すら奪う。結果お前らがやろうとしているのは未来を【創る】のではない。未来を【壊す】だけなんだ。それがなぜわからない!!」

 

零「・・・・どうやら話では分からんようだ。なら!」

 

 そういって零始はロンギヌスを出し、こちらに向かって来た。だが、

 

葵「無に帰せ」

 

 すると、ロンギヌスは砂のようになった。

 

零「バカな・・・これは聖槍だぞ!?」

 

葵「たとえ聖人を殺した槍であろうと人が作ったモノ。それを無に帰すことなど造作もない。お前ももう眠りにつけ」

 

 私が杖を零始の方へ向け詠唱を始める。

 

葵「Mae fy mam alarnadodd(母は嘆いた)」

 

 

――それは悲しみ

 

 

「Mam y ddaear, y môr, presenoldeb awyr llygredig (母なる大地を、海を、空を汚した存在に)」

 

 

――まるで大切なものを失ったかなような嘆きのように

 

 

「Mae fy mam yn ddig got (母は怒った)」

 

 

――それは憎しみ

 

 

「Bywyd creu presenoldeb yn fam lladd (母が創った生命を殺めた存在に)」

 

 

――まるで愛する者を殺されたかのように

 

 

 

「Mae hyn yn dod o 'm mom Damnation(これは母からの天罰なり)」

 

 

――その矛先は殺めた者へ

 

 

「gwahardd yn barhaol o le 永遠に禁じられし空間」

 

 

――罰を犯した者への天罰を

 

 

「awyr y nos Ola Leuad, mae'r ddrama yn edrych ar y noson dywyll (月夜の空に、奏でるは闇夜の調べ)」

 

 

 

――最後の一章を言い放った

 

 

 

「heb fod yn priodoli i ti(汝無に帰せ)」

 

 

 

零「バカな・・・何故私がぁああああああああ!!!!!!!」

 

 

 零始は黒い球体のようなモノに飲み込まれその名のとり【無】になった。零始という存在はもうこの世のどこにも存在しなくなったのだ。

 

 

 

 そして残ったのは成仏しなかった【不の者】達。零始に最後まで従っている【不の者】は、

 

レベル1「キエタ・・・・」

 

レベル1「マズイ、チチガキエタ」

 

レベル2「ニゲヨウ・・・・ベツノセカイニニゲヨウ!!!」

 

 そういって【不の者】達は散り散りになっていく。

 

葵「あ、ヤバい!」

 

 そういって再び無の詠唱を開始しようとしたが撤退の合図の方が早かった。

 

葵「はぁ~。今度は残党討伐か・・・」

 

エ「マスタァあ―――――――――!!!」

 

ル「マスター、マスターマスタぁあああああ」

 

 今後のことを考えていると、エクスとルミルが抱きついてきた。

 

葵「おっと、どうした急に?」

 

エ「どうしたじゃありませんよ。ひっぐ、マスターが消えて寂しかったんですからね!」

 

ル「そうだ! あんなことになったら悲しまずにいられるか!」

 

 そうか。まぁ、あぁなれば仕方がないか。

 

葵「心配をかけたな。だが、今はこうしているんだ。それから皆」

 

 私は目の前にいる皆を見て、こういった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――ただいま

 

 

 

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