黄泉路への案内人   作:楽一

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第二十話

第二十話

 

 

 あの後弾に誘われ弾の家で食事することになった。どうやら彼の家はこの近くで食堂を営んでいるらしい。

 

弾「ここだぜ!」

 

 そういうと入口の前には『五反田食堂』というのれんがかかっていた。

 

葵「ほぉ。大衆食堂か。メニューが豊富だな」

 

 窓から見えるメニューだけでもざっと20以上ある。

 

弾「へへっ! 味は保証するぜ!」

 

 そういって店の中に入っていくと内装は多衆食堂そのものだった。

 

 ちなみに弾はいつの間にか店の中で伸びてた。あれ? さっきまで堂々と自分の家の中に入っていってなかったか? そして弾のそばには中華鍋がカランコロンと音を立てていた。

 

 なるほど。これがヒットしたのか。しかも中身の野菜炒めが少しもこぼれていない。

 

???「おせぇぞ弾! 十分前には戻って店番するはずだろうが!!」

 

 厨房から出てきた浅黒く焼け、筋肉隆々の男性。

 

一「あ、こちら五反田食堂の大将五反田厳さん! この食堂の長にして法そのものです!」

 

 ・・・・なんという紹介の仕方。前半はいいとして後半は何だ? 長? 料理長のことはわかるが法ってなんだ?

 

蘭「葵さん、千冬さん。この食堂ではルールがあるんです。一つ、食べ残しは許さない」

 

 どこの忍者育成学校の食堂だ!? まぁ普通と言えば普通何だが・・・・。

 

蘭「一つ口の中にものを含んでしゃべらない」

 

 まぁご飯粒が飛んだりするのはあまり気持ちいいモノじゃないからな。当然と言えば当ぜ「それに違反したら中華鍋が飛んできます」・・・え?

 

千「ちゅ、中華鍋が!?」

 

葵「・・・・何でだ」

 

 すごく疑問に思ったが同時にあることを思いついた。私が厨房へ向かおうと歩を進めたとき、

 

弾「・・・・葵、どこへ」

 

 お、復活したか。良かったよかった。でもお前の目のラインに中華鍋の跡が残っているぞ。

 

葵「なに自己紹介をな」

 

 そういって厳さんの元へいき、

 

葵「はじめまして(以下略)と申します」

 

厳「なるほどな。おめぇが一夏ちゃんがよく自慢してた兄貴か。で、俺に何の用だ?」

 

葵「はい。実は」

 

 そういって私は懐から非常識フライパン(金獅子の一撃にも耐えるフライパン)を見せた。

 

厳「なっ!? こ、これは非常識フライパン!!? いったいどこから!?」

 

 こっちにもあるんだ。なんか中華鍋見たら似たようなモノを持っている感覚が下からまさかとは思ったが。

 

葵「はい。実は―――」

 

 そこからは非常識シリーズの話に花が咲いた。いやぁ~非常識シリーズがフライパンだけでなく、中華鍋にもあるなんて良い収穫日だ!

 

 その後席に各々がつき注文をする。久々に和食が食べたかったのでサバのみそ煮定食を頼んだ。味はいい意味で裏切られた。なかなか美味だ。この味噌の風味を殺さず、かといってサバの臭みはちゃんと消している。下手な人が作るとサバのみそ煮は青魚特有の臭みが残るがここはそれが無い。良い腕をしているな厳さん。

 

葵「うむ。うまい」

 

 純粋に感想を述べると、厨房から、

 

厳「そういうオメェもなかなかの腕を持ってるんじゃないのか?」

 

蘭「そうなんですか?!」

 

鈴「へぇ、あんたのつく料理にはちょっと興味あるわね」

 

 まぁ、腕は確かにある。なにせあっちにははやてやなのは、フェイトがいたし。それに娘達にも食べさせないといけなかったからな。

 

葵「ですがよくわかりましたね?」

 

厳「まぁな。大体非常識シリーズを持ってる奴は大抵料理の腕が良い。そしてフライパンは火加減の調節が難しい。強火で炒めることもできれば、弱火で肉をレアにすることもできる。また、麺だって湯がくこともできる」

 

弾「マジでか!?」

 

葵「あぁ。下手に底が深い鍋で湯がくよりいいぞ。鍋は塩かオイルを垂らしても吹き出ることがあるがフライパンは均等に熱が行き、逃がすこともできるから吹き出る恐れがない」

 

 すると、

 

厳「おい葵。何か作ってみろ」

 

葵「はい?」

 

厳「オメェの作った料理を喰ってみてぇ。材料は好きに使え」

 

 そういうならまぁいっか。

 

葵「分かりました。種類も私の好きなようにさせてもらいますよ」

 

厳「かまわねぇ」

 

 そういって私は厨房へと入った。

 

 入ってまず思ったことはさすが食堂とだけつくことはある。和洋中なんでもござれの材料がそろっていた。一通り目を通して近くにあったメモ用紙にメニューを書いていく。メイン、サラダ、スープ、ライス。うん。これでいいだろ。あとデザートは・・・うん。こんなものか。さて、始めようかな、久々にこんな良いキッチンで料理が出来るんだ。腕が鳴る!

 

 

 

 

 それから十数分後。

 

 

 

 

葵「はい。お待ち同様」

 

 さすがに昼食後と言うこともあって一人前を皆でつつくことにした。まぁデザートは別にしてあるけど。

 

千「ハンバーグか」

 

厳「ふむ。色合い、見た目、品数。どれもいいな。値段はどれぐらいだ?」

 

葵「全部で・・・・500~650ぐらいか」

 

一「え!? 普通800円はしない!?」

 

葵「デザートもあるからこれぐらい。無ければもう少し抑えられるかな」

 

鈴「へぇ。とりあえず食べようっか。みてるとちょっとお腹すいてきたし」

 

 そういって小皿を渡しちょっとした品評会が開かれる。

 

蘭「あれ? ハンバーグにしてはあっさりしてますね?」

 

弾「でもボリュームは男の俺でも満足できるぜ」

 

千「この触感はどこかで」

 

一「これって」

 

鈴「豆腐ね」

 

厳「あぁ。しかも豚肉を少し入れてる。牛肉でない分臭みも少ない。なるほどヘルシー料理か。サラダも緑黄色野菜が多い。スープにも野菜がメイン。と言うことは今は白米だが時間があればこれは五穀米にするつもりだったか?」

 

葵「はい。趣向はまぁ先ほど言われましたがヘルシー料理。デザートもそれにそってます」

 

 そういって取り出して来たのは。

 

葵「時間が無かったのでこんな感じですが」

 

一「きれ~」

 

 そういって女性陣は早速一口食べる。

 

千「ふむ。甘いな。でもほどよい甘さ。これはニンジンか?」

 

一「後は・・・リンゴ、バナナってところかな?」

 

葵「そうだな」

 

 すると厳さんが、

 

厳「いやぁ~、参った参った。これほどの腕とはな。しかもうちには無いヘルシー志向。こりゃいい。よし! ウチのメニューに加える!」

 

 いいのか? まぁレシピは教えるけど。

 

厳「これだけ腕があればウチも安泰かな!!」

 

 ガハハハっと豪快に笑う厳さん。顔が真っ赤にゆで上がった蘭、そしてダークオーラを出す千冬、一夏、鈴、そしてそのオーラに耐えられず泡を吹く弾。・・・・何このカオスな空間。

 

 

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