黄泉路への案内人   作:楽一

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第二四話

第二四話

 

 

SIDE楯無

 

 

 試験は無事終了。無事と言えるのかどうかはわからないが私は彼に負けた。だが、あの結果に驚いたのは私だけだったみたいだ。織斑千背もファイルスさんもさらには轡木学園長も当然の結果だといって納得していた。まぁあそこまでの圧倒的な差を見せつけられるとむしろすがすがしい。というか心の中のどこかでは当然とも言えていたと思っていた。なぜかはわからないけど。

 

 この後驚きの情報とその思っていた答えを私は知った。

 

轡「まぁ当然の結果ですな。ケルベロス二番隊隊長なんですから彼は」

 

楯「え?!」

 

千「それに私の師匠でもあるんだ。むしろ勝てたら奇跡だ」

 

 彼が織斑先生の師匠!? それにケルベロスの二番隊隊長!?

 

 ケルベロスの情報は更識家でも喉から欲しい情報だ。現在はたった四名で構成されており一人はあの蒼騎士。だがそれ以上の情報は無い。だが、ここにもう一人ケルベロスの人間がいた。

 

楯「・・・・ウソではなさそうですね」

 

轡「ウソを言って何になる。まぁほとんどの人間が知らんでしょうが。さて、生徒会長更識楯無。今回の結果はどう見ますか?」

 

 そんな決まりきっていることを聞くなんて。でもこれで決定を促すのでしょうね。

 

楯「問題ないです。彼は文字通り最強です。そのような者の入学を拒む必要はないと思います」

 

 この言葉によって神無月葵はIS学園に入学することが決定したのだ。

 

轡「今日はもう遅いから寮に止まっていくといい。部屋は空き部屋を使ってください」

 

葵「入学者がもう泊まっているのでは?」

 

轡「問題は無いですよ。入学までまだ二カ月ありますから入っているのもわずか。ですから」

 

 そういって学園長は事前に山田先生に持たせていた寮の部屋のカギを彼に渡した。

 

葵「感謝します」

 

 そういって彼はその部屋から出ていった。それと同時に織斑先生、ファイルスさん、山田先生が部屋を出ていき部屋には学園長と私が残った。

 

轡「いかがかな。彼の実力は?」

 

 学園長はにこやかに笑いこちらを見てくる。だが、これはわたしの本音を探ろうとしている。

 

楯「強いと思います。しかもただの強さではなく力の意味を知り、力の恐さを知り、それでも振るう覚悟を知っている真の強さです。あれなら溺れることなく、100%の力を、いえそれ以上を発揮しています」

 

轡「そう。神無月はおそらく猛将、英雄、そいった類に含まれる。そんな人間を国が買えると思うか?」

 

楯「いえ、無理でしょう」

 

轡「そう。だがここにいい例がある。ドイツとアメリカだ」

 

 ドイツとアメリカ? 両方彼の教導を受けた国だ。それのどこがいい例なんだろう?

 

轡「ドイツは彼の実力を知ると軍の階級しかも将校クラスを、さらに金を使って勧誘した。しかし一方のアメリカは階級も一時、それも教導中のみの仮の階級だ。金も教導の報酬の金に多少色付けしたぐらいで終えている。何が違うか分かりますか?」

 

 それを聞いて私は驚いた。彼がそこまで欲されていることではない。ドイツは彼を欲し一番彼を欲するはずのアメリカが手を引いていることにだ。

 

轡「かつて軍事大国と言われたアメリカですが今の大統領は懸命だ。自分の背丈に合わない力を手に入れると己が国を滅ぼすと思ったのでしょう。見護るぐらいにして手を引いた。これが一番なんですよ。彼を自由にしておかないと自分の身に危険が降り注ぐ。そう感じたんでしょう。それを知らない国は身を滅ぼすだけです」

 

楯「でも、彼を手に入れる方法なら別にありますよね?」

 

轡「・・・・はははっはっははは! なるほど! あなたもその一人ですか!!」

 

 彼は額に手を抑え大きく笑い声をあげた。その意味を知ったのでしょうね。

 

 まぁ、彼を手に入れるならどんな手でも使うわ。この身体を使ってもね。それに使っても後悔しないでしょうし、彼ならむしろ使いたいし、使われたい///。まさか私が男に恋をする何ってね。仕事じゃなく更識家の当主としてではなく、一人の女性として///。

 

 

SIDEout

 

 

 その後部屋まで行く中で上級生、恐らく今年のに、三年生の視線がかなり痛かった。

 

女子「ねぇなんで男子がいるの?」

 

女子2「新しい先生?」

 

女子3「ばか、彼あの世界で三番目にISを動かせた人よ!」

 

女子2「彼が!? なんか大人っぽい雰囲気ね///」

 

女子「お兄ちゃんって感じかな///」

 

 中には手を振ってくる人までいるので、ちょっと苦笑いだが手を振り返えすと、黄色い声とでも言うのだろうか? まぁそんな感じなモノが上がっているのだと思っていただきたい。

 

千「振り返す必要はないと思うぞ」

 

 千冬は何か底冷えするような声でこちらに言う。

 

千「・・・・まったく、さらに落としてどうする(ボソボソ)」

 

葵「何か言ったか?」

 

千「なんでもない!」

 

 いや、なら小声で話すのは止めてくれ。

 

ナ「あらあら。乙女ねぇ~」

 

 うふふと笑っているがファイルスよ。これはこれで恐いんだぞ? 聞かなかったらなんで聞かないんだと怒るし、聞いたら聞いたで逆切れされるし。うん。乙女心って複雑なんだというのは分かっているんだ。前例もあるし。

 

千「ここだ」

 

 そういって案内された部屋は1027号室。

 

真「ナターシャさんはお隣の部屋になります」

 

 そういって鍵を渡す。鍵を受け取ったわたしとファイルスはそれぞれの部屋に入っていった。

 

 

SIDE真耶

 

 

 彼神無月葵君と学園最強の座にいる生徒会長更識楯無さんとの試験を兼ねた実戦は圧倒的な強さを見せて神無月葵君が勝った。敗因は更識さんの油断もあるのだろうけどそれ以前に彼が強すぎた。

 

真「ですが彼の強さは実質学園一ですね」

 

 次期生徒会長どころか、下手をすれば入学と同時に生徒会長になるんじゃないだろうか。

 後意外だったのが織斑先生が弟さんに意外と弱いということ、そして彼があのケルベロスの二番隊隊長であり、織斑先生の師匠だなんて。世の中はわからないモノですね。

 

真「どう思います? 織斑先生? ・・・・あれ?」

 

 周りを見渡すと、そこにいるはずの女性がいなかった。

 

真「織斑先生!? ど、どこですか!? 織斑先生ぃいいいい!!?」

 

 

SIDEout

 

 

葵「で、なんでお前はここにいるんだ千冬?」

 

千「別にいいではないか。たまには兄妹水入らずで」

 

 あの後部屋から山田先生と千冬を見送って多少汗をかいたので備え付けられているシャワーにでも入ろうと思ったら何故かそこに千冬がいた。

 

葵「・・・・いやいやいや。その考えはおかしいだろ。互いにいい歳だろ。いい加減兄離れをしたらどうだ?」

 

 忘れた人もいるかと思うので説明。私と千冬、もしくは束がいた場合姉弟の立場が逆転して私が兄、千冬が妹となっている。・・・あれ? 私は誰に説明しているんだ?

 

千「それに久しぶりの兄さんと一緒にいるんだ。甘えさせてくれてもいいだろ///」

 

 まぁそれぐらいはいいが、

 

葵「何故抱きつく必要がある?」

 

千「その方が兄さん成分をより効率よく吸収できるからだ///」

 

 そういって腕を腰にまわし、猫のように顔を私の胸にこすりつける。

 

 しかし、そのつ冬にとって楽しみの時間は過ぎに去ってしまった。

 

――ドンドンドンドン!!!

 

千「むっ。もう山田君にばれたか」

 

 そう思って二人揃って玄関の方へ来て扉を開けると、

 

一「やっぱり!! お姉ちゃんなんでお兄ちゃんと一緒にいるの!!?」

 

 そこにいたのは意外にも一夏だった。

 

葵「一夏? 何でここに?」

 

一「それはこっちのセリフだよ!? なんでお兄ちゃんがここにいるの!?」

 

 あまりの声の大きさからか準備のため来ていた学生が「なに?」みたいな感じで顔をのぞかせてきたので、急いで一夏を部屋に入れた。

 

一「お、お兄ちゃん?!」

 

葵「一夏声が大きい」

 

一「あ。ご、ごめん」

 

葵「気にするな。何も言っていなかった私も悪いんだ」

 

 そういって一夏の頭をポンポンとなでる。

 

一「でもなんでお兄ちゃんがここにいるの?」

 

葵「さぁ? ただ、千冬姉さんに言われてきた。と言うのが理由なんだが」

 

一「お姉ちゃん!?」

 

 そういって千冬の前まで行き、何か怒るか愚痴か何かを言うのかと思いきや、

 

一「GJ!」

 

 そういって千冬に向けて親指を出した。おい。

 

千「そりゃそうだろ。あいつが入学するとわかった以上葵を来させないと。それにここに通うと葵と一緒にいる時間が大型休暇しかなくなる(ひそひそ)」

 

一「そうだね。兄さんと一緒にいる時間よりあいつといる時間が多いなんて絶っっっっ対嫌!(ヒソヒソ)」

 

千「だろ。だからだ。兄さんの実力な問題ないと思ったから。まぁ避けないなものまでついてきたがな(ヒソヒソ)」

 

ナ「あらそれは大変(ヒソヒソ)」

 

千「だろ? ただでさえ敵が多いのにこれ以上増えたらたまらん(ヒソヒソ)」

 

一「ドイツの子もそうだけど鈴ちゃんに箒ちゃん、あと束さんもいるし(ヒソヒソ)」

 

千「それにあの様子だと更識も惚れただろな(ヒソヒソ)」

 

一「また増えたの!?(ヒソヒソ)」

 

ナ「まぁ! 意外と教官はモテるのね。私も参戦しようかしら(ヒソヒソ)」

 

千・一「「・・・・ギャァアアアアアア!!!!?」」

 

 あ、やっと気付いた。

 

千「い、いいいいいいいつからそこにいた?!」

 

ナ「そうね千冬がそりゃそうだろってところかしら」

 

一「ほぼ最初っからじゃないですか!?」

 

葵「紅茶入ったぞ」

 

ナ「あら。いただくわ」

 

 その後ファイルスと一夏、千冬と私で紅茶を飲んでファイルスは自分の部屋に帰っていったが、

 

葵「なぜお前たちはいるんだ?」

 

 千冬と一夏だけがこの部屋に残った。

 

千「言っただろ。久々の兄妹水入らずだと」

 

一「お姉ちゃんだけずるい! 私も一緒に寝る!」

 

葵「と言うか一夏はなぜここにいるんだ?」

 

一「んっとね、藍越学園の試験会場言ったら間違えてIS学園の試験会場で、ISも動かせたし学費も安いからここに決めた」

 

 何ともまぁ、すごい理由だな。あと今日は学園の見学らしい。寮生活に慣れさせるためと事前に知っておくための体験寮生活と学園がどんなものかの下調べられしい。

 

葵「はぁ、一緒に寝るにしてもベッドはべt「「一緒に寝る!!」」・・・・分かったから耳元で大声出すな」

 

 その後は一緒に寝る時間が増えた。今日一日もそうだが入学式が始まるまで三人一緒に寝る羽目になった。理性はギリギリだな。私には妻も子も愛人もいるんだから彼女らにはかわいそうだが。

 

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