黄泉路への案内人   作:楽一

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第八話

第八話

 

シ「ん? シャマル、主はやてとヴィータ、ザフィーラはもう行ったのか?」

 

シャ「えぇ」

 

 朝食を終えるとシグナムが言った三人・・・二人と一匹は図書館に向かった。

 

 さて、私は何をしよう。あ、そう言えばこないだはメンテナンスと試運転だけで終えたせいでパス契約の執行を忘れてた。

 

 そうときまれば今日のやることはそれだな。

 

 そう思い席を立つと、シグナムがこちらを振り返り、

 

シ「どこへ行くんだ?」

 

葵「ん? いや、今日は暇なのでこないだできなかったことを」

 

シャ「あら、興味あるわ」

 

 ・・・しくじったか?

 

エ「〈はい。おそらく。シャマルさんはともかく・・・・〉」

 

ル「〈シグナムは・・・〉」

 

シ「ところで何をするんだ?」

 

葵「イエ~。ベツニ、タイシタコトデハ・・・・」

 

 二人がすごい見つめてくる・・・・え、何これ・・・ヤバイ。頭がそう言っている。

 

孤「ん? あれ、葵。今日はパス契約の執行実験行うんじゃなかったの?」

 

 あ・・・・終わった・・・・

 

シ「なんだそれは?」

 

孤「簡単に言うとボクと葵が合体するの!」

 

シャ「・・・・葵君説明お願い」

 

 まぁ、今ので説明すると卑猥な方に聞こえるな。というかシャマルとシグナムの視線が痛い。違うからね。

 

葵「シグナム、確かエクスとルミルを見た時ユニゾンデバイスといったな」

 

シ「あぁ」

 

葵「要するにそれを私と孤狐が出来るように契約をしたんだ。それがどれほどのものかを測る力量実験を行おうと話していたんだ」

 

シ「そんなことができるのか!?」

 

葵「まぁ、説明はあっちに行ってからにしようか」

 

 そういって扉を開き中に入る。その後は直接コロッセオに向かう。コロッセオの名の通りローマのコロッセオ風に作ってみた。

 

葵「で、さっきの契約の説明だが――」

 

 そういって簡単に魔力回路契約(以後パス契約)の説明を終えると、

 

シ「なるほど。確かにそれだと自分のとっても相手にとってもメリットはでかいな」

 

 まぁ、そうなんだけど、最大のデメリットは契約の執行の仕方だ。まぁ、孤狐以外はもうしないだろう。

 

シャ「でも、どうやってその契約をするんですか?」

 

 シャマル。今お前は禁止区域に足を突っ込んだぞ。

 

葵「・・・・キス(ぼそ)」

 

シ「なに?」

 

シャ「え?」

・・・・・もう言いたくない!

 

シ「男ならしゃきっといえ!」

 

葵「怒らない?」

 

 恥ずかしいのか目から汗と、顔が赤いのがわかる。

 

シ「うっ・・・・/// や、約束しよう。な、シャマル(何だこの表情は! か、かわいい///)」

 

シャ「え、えぇ・・・・///(男の子と分かっていてもこの表情はずるいです///)」

 

作(お忘れかもしれませんが葵は女顔です。まぁ、ギャップもあるんでしょうね)

 

葵「えっと、キスをする」

 

シ・シャ「「・・・・は?」」

 

葵「だからキス! 接吻!!」

 

 もうやけだ!

 

シ「わ、分かった、分かったから。で、その、つまり葵は、孤狐とその、き、ききききキスをしたんだな」

 

孤「は~い///」

 

シ「そうか(何だろう。孤狐がうらやましい。というかずるい)」

 

シャ「そうですか(孤狐さん。うらやましいです)」

 

葵「で、契約の証がこれ」

 

 そういって私は右手を、孤狐は左手を出した。

 

シ「同じ模様だな」

 

葵「これが契約の証とパスをつなぐ重要なモノだ。あと、契約者のことはこの白書に書かれる」

 

 そういって一冊の本を出した。

 

シャ「闇の書を白くしたみたいですね。これには何が?」

 

葵「契約者。といってもまだ孤狐しかいないんだが孤狐の魔力値、魔力量、属性、契約を執行した場合に何がつくのかと他にもこと細かく書かれている」

 

シ「ほぉ。つまりお前は今日はその契約を使うということか?」

 

 ・・・・やっぱりこうなるのね。シグナムがバトルジャンキーであることはこないだので薄々分かっていただけど。というか、いつの間にセットアップしたんだ!? すでにバリアジャケットもレヴァンティンもかまえているし!?

 

葵「え、えぇ。まぁ・・・」

 

シ「なら、練習相手が必要だな?」

 

葵「・・・・〈シャマル。どうにかならないか?〉」

 

 念話で現状の回避を試みようとするが、

 

シャ「〈ごめんなさい、葵君。こればっかりはどうしようもできないわ・・・〉」

 

 やっぱり・・・・はぁ、仕方ない。

 

葵「良いだろう。相手になってもらおう。烈火の将シグナム。孤狐、準備」

 

孤「りょ~か~い♪」

 

葵「エクスと、ルミルは今回の戦闘を録画、分析を頼む」

 

エ・ル「「了解」」

 

 では、参るとしましょう。

 

シ「な、ななななな、何をしているんだ!?」

 

葵「なにって? こうしないと執行できないんだ」

 

孤「行くよ」

 

 孤狐の眼はいつになく真剣な目だ。

 

孤「我汝に問う。汝何のために力を欲す」

 

葵「我、護るために力を欲す」

 

孤「誰を」

 

葵「大切なものたちを護るために」

 

孤「汝の意志しかと受け止めた」

 

 すると、周りを水色と白銀の光があたりを包み込んだ。光が晴れる。

 

 

SIDEシグナム

 

 

 い、いいいきなり神無月と孤狐がだ、だだだだ抱き合い、なにやら詠唱みたいなものを唱える。そして唱え終えるとあたり一帯に光が周りを包む。そしてその光が晴れるとそこにいたのは背丈は葵位の身長。

 

 だが、神無月ではない。髪の色は水色がかった白色。長さは腰にまで上る。

 

 そして何より違うと言えるのは髪の色と同じしっぽが九尾、さらに獣、ザフィーラや孤狐のような耳が生えていた。

 

服装は神社の神主が来ていそうな服を着ているな。

 

シ「それが、孤狐とユニゾンした時のお前か?」

 

葵「見たいだな。というか、耳、しっぽ・・・・ふかふかです~」

 

 なにやら自分のしっぽを抱いて幸せそうな神無月がいた。

 

葵「と、それよりも早速始めますか。試合形式だがどうする?」

 

シ「そうだな。非殺傷設定でどちらかに傷をつけた方が勝ち。でどうだ?」

 

葵「妥当だな。では審判兼回復にシャマル頼んでいいか?」

 

シャ「はい」

 

 そういって神無月は反対側に向かう。

 

シ「武器は無いのか?」

 

 そう。神無月は武器は一切持っていないのだ。剣も、ましてや盾すら持っていない。

 

葵「まずは実力を測らせてもらう。それからだ」

 

 ほぉ。私の実力を測る。ならばこちらも見さえてもらおう。

 

シャ「では、始め!」

 

シ(先手はもらう・・・なっ!?)

 

 先ほど、そうほんの一瞬前まではそこに葵はいた。

 

葵「狐火」

 

シ「ふっ!」

 

 先ほどまでいた場所には青い炎がそこを燃えていた。ただの火炎玉を投げただけか?

 

葵「炎火狐刃(えんびきつねは)」

 

 すると、先ほどの火が剣状になりそれが矢のようにこちらに向かって飛んできた。

 

シ「だが、追尾性は無いのだろ!」

 

 おそらくこの刃の弱点は追尾性がないこと。なぜならそのまま一直線に飛んで行くのだ。

 

葵「そう。追尾性は無い。だがな」

 

 すると、私の周りを複数の見たこと無い魔法陣を囲む。

 

葵「発現場所を選ばないんだ。炎火狐刃!」

 

シ「くっ」

 

 それを何とか防ぐ。だが、発現場所を選ばないなんてでたらめなんだ。

 

葵「シグナム。言っておくがこれでもかなり抑えている方だぞ? 本気を出せばここを中心に半径50キロのクレーターが出来上がる」

 

シ「はぁ!?」

 

葵「あくまでも本気でいけばだ。さて、どうする烈火の将。怖気づいて降参するか?」

 

 降参? まさか。

 

シ「フフフッ。久しぶりだ。これほど心躍るモノと戦うのは!」

 

葵「やれやれ。ならこちらも少し力を出すか。参れ【白(しろ)桜(ざくら)】」

 

 すると神無月の手におさめられたの一本の真っ白な剣。あれは日本刀と言うモノだったか。レヴァンティンよりも細い。

 

シ「ベルカの騎士に一騎打ちで勝のか?」

 

葵「間違いなく勝てる」

 

シ「いざ!」

 

 レヴァンティンで攻撃するもすべてかわされる。読み切っている!? 

 

 すると、

 

葵「円樹(えんじゅ)」

 

 まるで、円をその場で描き、そして私の右腕を狙い蹴りを入れる。

 

 それを、ぎりぎりで回避した。

 

葵「よけられたか」

 

―ドゴォオオオオン

 

 その音を聞いて後ろを振り返ると、コロッセオの一部に何かをぶつけたような跡が残っていた。蹴りの風圧だけであれだけの威力だと!?

 

気付くのが遅かったら間違いなく右腕は使い物にならなくなっていただろう。

 

だが、後ろを向いたのがいけなかった。葵はそのすきを狙い。

 

葵「・・・・無名流、散り桜」

 

―シュッ 

 

神無月の攻撃は隙をついての突き。それぐらい甘く見られているのか私は!?

 

シ「甘い! なっ!?」

 

 だが、一撃だけではなかった。速い、神速の速さといっても過言ではない。それぐらいの速度で繰り出す突きを防ぐの容易ではない。だが、一瞬動きが止まった。

 

シ(ここだ!)

 

葵「無名流、陽炎」

 

―フッ

 

 切りつけるように剣を振り下ろすが、まるで影を着るように空を切り、そして

 

葵「チェックメイト」

 

 私の首に神無月の刀が突き付けられた。

 

 完敗だ。一太刀も交えることもなく、一撃も入れることができなかった。完全なる敗北。

 

 

SIDE Out

 

 

 シグナムが負けを認め勝利を手にした。だが、ある意味私も予想外だった。円樹をよけられるのは想定内であったが、散り桜を防がれたのは予想外だった。そのため陽炎を使わざる得なかった。

 

シ「見事だった。私の完敗だ」

 

葵「いや、シグナムも強い方だ。本来なら散り桜で蹴りをつける予定だったんですが」

 

シ「・・・・お前は本当にでたらめだな」

 

 そうか? まぁ、鍛えた師匠方があまりにもでたらめだったからな。

 

葵「・・・・はぁ~、嫌なもの思い出した」

 

シ「どうした?」

 

葵「いや、なんでもない。というよりシグナム。お前の敗因は何だと思う?」

 

シ「ん~、まず相手の力量を測り間違えた。そして未知の攻撃に対応できなかった。これか?」

 

葵「バカか」

 

シ「なに?」

 

葵「シグナム。お前の敗因は明らかに武器に頼り切っている。もしおまえはお前自身のデバイスがなかった場合、魔法がもし使えなかった場合。こういったありとあらゆるケースを想定して戦ったか?」

 

シ「・・・・ないな。お前はあるのか?」

 

葵「まぁ、最初の時点でそこから入ったからな。体の基礎を作り、武器を持たない武術をマスターした後剣、弓、槍などといき魔法といったところか」

 

シャ「すごいですね」

 

葵「あのなシャマル。普通はこうだと思うぞ。武器が無くなって何もできずに死ぬなんて嫌だろ。最低でも護身術程度は身につけておくことを勧めるぞ」

 

 幸いこちらの地球は魔法文化無いため魔法を使わない武術が発展している。ならそこから学べばいい。

 

葵「後は自由に過ごすといい。エクス、ルミル。報告を頼む」

 

 そういってここでの一日はパス契約の能力を研究しようとしたのだが・・・

 

シ「神無月! 剣の修行に手伝え!」

 

葵「は?」

 

 いや、ここからは自由行動であってですねシグナム、

 

シ「つべこべ言わずに手伝え!」

 

葵「え、え、えぇ!?」

 

 そういって襟元をつかまれパス契約も解除されずにそのままシグナムの剣術の手伝い並びに最低限の護身術の手伝いをした。

 

 その後、はやての家に戻ると、はやてが、

 

は「あ、葵君!? ど、どないしたん!? ちょ、なんでそんなにやつれとん!?」

 

 そりゃ完徹でシグナムにみっちりと剣術やら武術やらを叩きこんだらこうなりますよ。

 

 一方のシグナム、

 

シ「ヴィータ、今から神無月の世界で一戦どうだ?」

 

ヴィ「い、いや、やめとくよ・・・(じゃないと今は死にそうだ。非殺傷設定でも殺される!)」

 

 と、青い顔で全力で首を縦に振ろうとしなかった。

 

 

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