Fate/EXTRA -"零"の絆結び-   作:かりちゅま@湊

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予選-始まりの終わり-
準備期間-真実に目を凝らす。-


「ふむ、服装よし。頭髪よし。カバンの中にも違反しているような物は何も入っていないな」

「うむ、実に素晴らしい。何処からどう見ても、完璧な《月海原学園》の生徒の姿だ。」

 

 朝、"いつも通り"の風紀検査を目の前にいる《柳洞 一成》が行う。

 一通り終わるとすぐに次の生徒の風紀検査に取り掛かった。

 《柳洞 一成》の横を通り抜けながらあることについて考え始める。

 いつからだろうか。

 気がついたら、"いつも通り"(日常)"いつも通り"(異常)になっていた。

 教室につく。席に座るとわかめ頭の《間桐 慎二》がしゃべりかけてくる。

 前までは普通に"親友"としてよく会話をしていた。

 が。

 "いつも通り"(異常)と感じるようになってからはだんだんと喋らなくなり、ついには彼が一方的に喋りかけてくるだけとなった。

 そんなことはどうでもいい。

 早くこの"いつも通り"(異常)と感じる原因を見つけなければならない。

 そう考え、原因を探ろうとしたところでチャイムが鳴った。

 それと同時に入ってくる担任。《藤村 大河》先生だ。

 

「よーし間に合ったーあ! みんな、おは....」

 

 ギコン、と生物学的にやばい音を立てて藤村先生はスっ転んだ。

 その後、何事もなかったかのように先生は立ち上がり授業を進めていった。

 

 

━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…

 

 

 授業が始まってからすでにかなりの時間が経った。

 今は藤村先生の授業中。

 先生が授業を進める中、突然転校生の《レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイ》が立ち上がり喋り始めた。

 喋り始めた瞬間、俺の頭が急に痛み出し、それと同時に視界がノイズまみれになる。

 かろうじて見えるのは中心に見える《レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイ》のみ。

 彼が一通りしゃべり終わると「ごきげんよう」と言い教室を出て行った。

 出て行くと同時に痛みなどの異常はなくなった。

 それと同時にあることを確信した。

 

 あいつは俺の"いつも通り"(異常)と感じる原因を知っている。

 

 授業なんて関係ない。

 俺はすぐさま席を立ち、《レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイ》....もうめんどくさいから《レオ》でいいや。

 彼の姿を追いかける。

 教室からでてみるとちょうど彼が階段を下っていくのが見えた。

 俺はただひたすら追いかけた。

 そして....

 一階の廊下の角に行き着いた。

 そこには扉もなにもない。

 そのはずなのに彼は進む。

 その前に一瞬振り返り、こっちを見てニコりと太陽のような笑みを見せる。

 その笑顔にはまるで"また会いましょう"というような意味が込められているように思えた。なぜだかは分からないが。

 その行動に困惑してる間に彼はまた進み始める。そして....

 消えた。振り切られたわけじゃない。目の前で不自然に"消えた"のだ。

 ....絶対何かある。彼が進んだ先を見る。

 

 ―真実に目を凝らさなければ....

 ―もう何も見たくない。疲れた。

 

 自分の(なか)で二つの思いがぶつかり合う。

 ぶつかり合って、果てに残ったものは...

 

 >真実に目を凝らす

 

 ゴクっと唾唾を飲み込むのがわかる。

 何もない壁に手を触れる。

 するとどうだろうか。何もなかったはずの壁にまるで"最初から存在していた"かのように大きな扉が現れた。

 恐る恐る開ける。中はどうやら物置のようだ。

 中に入る。入った瞬間目に付いたものは2つ。

 1つ目は奥の壁。その奥の壁にはぽっかりと空いた大穴があった。その奥はかなり長そうだ。まったく穴からは先が見えない。

 まぁ、それはいい。問題は2つ目だ。

 人間サイズの人形があるのだ。顔などはなく、赤い線があり、その線で模様を描かれているだけの人形。....まぁ、これだけならまだそこまで気にすることはなかっただろう。

 だが明らかにおかしいのだ。物置に置かれるものは当然あまり使われないもの。だから少しでも埃がかぶっているはずだ。なのにその人形には"まったくない"。

 気味悪さを感じつづ通り過ぎる。するといきなりその人形が突如動き出して背後に来た。何かしてくるのではないかと思ったのだが、その人形は何もしてくることはなく、まるで従者のようで....

 

「それは、その先で、君の剣となり、盾となる人形(ドール)だ。命ずれば、その通りに動くだろう。」

 

 つまり従者ってことですねわかります。というかこの声はなんだ?まるですべてを見透かしているような....

 

「さぁ、進みたまえ。君の求める真実は、この先だ。」

 

 ...見透かすというかもはや心を読む。または最初から予想してたかのような反応だな。まぁ気にしないでおこう。今大事なことは真実を知ることだ。

 大穴を進む。進む。そしてある場所についた。

 そこには、あの学校の面影など、微塵も存在しなかった。床も壁も、気配、空気、すべてが違っていた。

 いつ化物(モンスター)に出くわしてもおかしくないおかしな空間。この場所を形容するには、地下迷宮(ダンジョン)という方が正しいのだろう。

 ただ、なぜだろうか。初めて入ったはずなのに、初めてこんな体験をしたはずなのに。....."知っている"。"理解(わかっ)ている"。"体験している"。そんな感じがするのは....。

 

「ようこそ、新たなマスター候補よ。」

「君が答えを知りたいのなら、まずはゴールを目指すがいい。さぁ、足を進めたまえ。」

 

 さっき聞こえた声と同じ声が聞こえる。

 今模索しても仕方がない。前へ進もう。

 

 

 

 

 一通り終わった。あとは"最後の間"とやらに進むだけだ。

 進んでいく中でゲームでいうチュートリアルというものがあったがそこで分かったことがある。

 当たり前というかなんというか、"戦闘"があったけれど、"戦闘"を行うのはエネミーと俺じゃない。エネミーと俺の"従者"だ。

 それだけだったらいいけど、その"戦闘"で"従者"が死んだら俺自身も死ぬらしい。....デスゲームじゃねぇか。...あれ?なんでこんな落ち着いてられるんだ俺は...。まぁいいか。今はただ、進むのみだ。

 

 

━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…

 

 

 着いた。

 壁に出てきた扉を抜けてただただ長い道をたどった先の先...。

 息苦しさすら感じる1つの空間。今では失われてしまった、精霊たちの宿る場所。

 ここがゴール。そう思えた。

 

 そんなところに誰かが倒れていた。

 顔を確認する。.....この人は同じクラスの人!?

 声をかける。返事がない。

 寝ているのだろうか。ゆすり起こそうとして体に触れ、"気づいてしまった"。

 "冷たい"。それすなわち"死んでいる"。

 自分の血まで、さっと引いていった。

 目の前の事実に頭が混乱する中あるひとつの原因が思い浮かんだ。

 しかし否定する。そんなはずない。と。

 だが現実はそんな願いを無情にも断ち切った。

 彼の傍らに崩れていた人形が、カタカタと音を立てて立ち上がる。

 

 何度かエネミーと戦った今なら分かる。

 

 あれは"敵"だ。

 

 じりじりと詰め寄ってくる"敵"。戦わなければ...生きるために戦わなければ! 




よし、今日はこれで終わり。
次の更新はいつになるのやら...。
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