Fate/EXTRA -"零"の絆結び-   作:かりちゅま@湊

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一度8000字くらい書いたのに、それが全部ロストしたためやる気がごっそり削がれた。
なんとか次話を書くことができたが、この話の最後らへんは手を抜いたためにあんなオチになってしまった。
本当はもっとシリアスだったはずなんだけどな....。

とまぁ、そんな裏話は置いておいて...。

始まります。ゆっくり見ていってね。


準備期間-牙を向ける真実。契約のCCC(例外処理)。-

 襲いかかる"敵"。

 恐い。やられる。殺される。

 そんな"負のイメージ"しか思い浮かべられない。

 そして、その"負のイメージ"通りに次々と進んでいく。

 "従者"をがむしゃらに動かす。焦りが焦りを産み、冷静さを欠く原因となっていく。

 "敵"はすべてを見透かしているかのように守り、アタックし、崩してくる。

 ガードをするとあっけなく崩され、アタックしようとすると硬い守りに阻まれる。守りを崩そうと重い動作をするとひらりとアタックで翻弄していく。

 呼吸が荒くなる。汗か吹き出る。もう頭の中は真っ白だ。

 

 "どうあがいても絶望"

 

 それを今、俺はこの身をもって体感している。そして...

 

 この戦いの中で最も鈍い音が自分の"従者"から鳴る。と同時に体に力が入らなくなる。

 足が崩れる。意識朦朧で、もう思考を張り巡らすのも限界になってきた。

 

「...ふむ。君もダメか。」

 

 遠く、声が聞こえる。

 

「そろそろ刻限だ。君を最後の候補とし、その落選をもって、今回の予選を終了しよう。」

「―さらばだ。安らかに消滅したまえ。」

 

 声はそう言い放った。

 ....それはつまり俺が死ぬってことか。

 

 否定する力もなく、ぼんやりと床を見つめることしかできない。

 ...このまま、俺は死んでしまうのだろうか?

 

 突然、霞んだ視界に、"土色の塊"がいくつも浮かび上がった。

 いや、違うな。俺は、それを否定して、見なかったことにしなかっただけだ。

 でも、こんな状況じゃどうしようと受け入れるしかない。その"塊"を。

 それは、その"塊"は...

 

 幾つも重なり果てていった"月海原学園の生徒たち"だった。

 

 目の前にうつる数をざっと数えても10はあるだろう。

 先ほどの彼だけでは無かったのだ。

 ここまでたどり着き、しかしどうにもできず果てていった者たちは。

 

 ...そしてそろそろ、俺もその仲間入りすることになるだろう。

 

 ...このまま目を閉じてしまおうか。

 やれることはやった。全力を尽くした。

 もう終わりにしても構わないだろう。

 でも、それでいいのか?

 この時、二つの思いがぶつかる。

 

 "終わりにする"

 "諦めない"

 

 その2つの思いが駆け巡る中俺は...

 

 >諦めない

 

 諦めたくない...。そう思った。

 起き上がろうと力を入れる。

 けれど、体中に引き裂かれるような激痛が走り、動かせない。

 

 それならば...

 ...いや、それでも―

 

 "諦めない"

 

 このまま終わるのは、絶対に許されない。

 全身に駆け巡る痛みに、少しでも気を緩ませたら、意識を持ってかれそうになる。

 もはや、体が引き裂かれる程度のレベルじゃない。

 引き裂かれる感覚だけで体ができていると錯覚するレベルだ。

 あるはずの五感はすでに指先から失くなっていた。

 

 恐い。

 痛みが恐い。

 感覚が身体から失くなるのが恐い。

 先ほど見た死体と同じようになることが恐い。

 

 ...そして。

 無意味に消えていくことが、何よりも恐かった。

 

 ここで消えるのはおかしい。

 おかしい、おかしいとノイズまみれの意識が俺自身に訴えかける。

 

 ここで消えるなら、あの頭痛は何のために。

 

 ここで消えるなら、真実を見るための覚悟はどこに。

 

 ここで消えるなら、彼らは何のために。

 

 ―立て。立ち上がれ。

 恐いままでもいい。

 痛いままでも構わない。

 その上で、もう一度考えろ。

 倒れるのはそのあとでもいい、だが、ここで倒れるわけには行かない。

 

 だって、この目はまだなにも見ていない。この手だって、まだ一度も、何一つ掴んでない。掴め。掴み取れ。

 

 俺は

 まだ一度も

 "自分の意思で戦ってすらいなかった"のだから...!

 

 「うむ!死の淵において恐れを抱き、恐れを飲みながらなお戦うか!

  見事だ、よくぞ言った、名も知らぬ路傍の者よ!

  その願い、世界が危機のがそうとも、余が確かに感じ入った!

  拳を握れ、顔を上げよ!命運は尽きぬ!

  なぜなら、そなたの運命はいま始まるのだから!」

 

 脳に直接響いてくる声。...皇帝...お姫様っぽい喋り方だ。

 ん...別の声も聞こえる...?

 

 「その魂、ちょぉ~~~っと待った!(しばら)く、(しばら)くぅ!

  何処の誰とかぜーんぜん存じませんが、その慟哭、その頑張り。

  ほかの神様が聞き逃しても、私の耳にピンときました!

  宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)もご照覧あれ!この人を冥府につき落とすのはまだ早すぎ。

  だってこのイケメン魂、きっと素敵な人ですから!ちょっと私にくださいな♪」

 

 さっきとは違うけど同じように直接響いてくる声。この喋り方は....なんだろうか。でも獣っぽい感じ。....狐かな?

 というか最後のなんだよ。....まぁ、気にしないでおこう。

 

 二つの声が聞こえた。

 その瞬間、ガラスの砕ける音がして、共に空間に光が灯った。

 痛む体をどうにか起こし、頭痛に耐えながらあたりを見渡す。

 

 空間の中央には、いつの間にか、ぼうっと二つの"何か"が浮かび上がりつつあった。

 

 その姿は―

 

 片方は、赤い舞踏服(ドレス)に身を包んだ金髪の少女剣士(?)

 もう片方は、青を基調とした和風の衣装の半人半獣で桃色の髪の女性。武器らしきものは持ってないから、おそらく呪術師だと思う。

 

 二人がこちらに来て、目の前で立ち止まる。

 

 どちらも外見はほとんどの人間と変わらない。

 だが違う。明らかに。

 

 ここに来るまでに出会った敵などとは比べ物にならないほどの、"人間を超越した力"

 

 触れただけで蒸発してしまいそうな、圧倒的なほどの力の(たぎ)り。それが体の中で渦巻いているのが、嫌でも感じ取れる。

 

 そんな二人に圧倒されていると、桃色の髪の女性がどこかの歌舞伎で見たようなポーズをとり口を開く。

 

「謂われなくとも即参上、軒轅陵墓(けんえんりょうぼ)から、良妻狐のデリバリーにやってきました。あ、なんかドン引きしてません?えーと、貴方が私のご主人様...でいいんですよね?」

 

 そう言った。え、ご主人様?

 一体何の事なんだろうか...?

 深く考える暇もなく今度は金髪の少女が口を開く。

 

「では、改めて問おう。答えよ。そなたが余の奏者(マスター)か?」

 

 そう問われた。はいぃ?何、今度は奏者(マスター)だって?

 もうわけがわからないよ...。

 

 二人にこの疑問について答えてもらおうとしたが....

 

「....というか、貴様は何者だ!それに、あやつは余の奏者(マスター)だぞ!」

「それはこっちのセリフです。貴女こそ誰なんですか?それに、あのイケメン魂は私のご主人様です!」

 

 いつの間にか互いをにらみ合いながら口喧嘩をしていた。別にそれは構わないのだが、聞きたいことが聞けない...。やはり、止めるべきか?

 

 そう思った時に、不意に両手にがわずかに発熱した。

 ....鈍い痛み。...そう、何かを刻まれたような。

 

 確認してみると、そこには、3つの模様が組み合わさった紋章にも見える、奇妙な印があった。

 刺青のように皮膚に染み込んでいる。

 

 あっけにとられて、その紋章と目の前の人物たちを交互に見る。

 何が起こったのか、さっぱりわからない。

 

 と。

 

 カタッカタッという背後の物音で我に返った。

 

 振り向くと、そこには戦ったあの人形が身構えていた。しかも二体に増えて。

 先程の惨敗を思い出し、思わずたじろぐ。

 

 と、そんな時。

 

 今まで口喧嘩をしていた人たちが寄ってきた。

 

「...あら、ちょうどいいところに証明できるものがありますね...。

 そうだ、この木偶(でく)人形を早く倒したほうが、あの人の従者(サーヴァント)ってことにしません?《セイバー》。」

「ふむ。いいだろう。その勝負、乗った!

 まあ、余が勝つことが目に見えてはっきりとしているがな。《キャスター》よ。」

「どこまでその余裕でいられますかねぇ...。んじゃいきます。3、2、1。」

 

 《キャスター》?って呼ばれるひとがカウントを終わると同時に、《キャスター》と《セイバー》は動き出した。

 

 その瞬間。その瞬間で二体の"敵"が崩れ落ちた。しかも粉砕されて。

 

 と、粉砕されたと同時に俺は倒れる。

 

 さっきから発熱している印から、今ではもう耐え難いほどの激痛が走っていたためである。

 耐え切れなくなった俺の体は再び地面に向かって倒れた。

 

「そ.....令呪(れいじゅ)....証....」

 

 遠くから、にわかに麻婆豆腐臭がする声が聞こえた。

 耳を傾けようとしても、ろくに耳にはいってこない。

 

 ―俺の意識はそのままの状態で失った。




前書きにも書いたとおりロストしたために、やる気ダウンしたわたしです。
結果、文字数は半分の約4000字。しかも後半ぇ...
まぁ、でも、
「今週中には契約のところまで頑張る」
という目標は達成できたのでよしとします。

ではまた次回。
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