最大の捏造設定回であります。
機能は基本的にギルドメンバーの強化にしてありますが、大丈夫かな?
「ちょっと待て。ついこの間鑑定したばかりだぞ? その時にそんな結果はでなかった」
「お前よりは間違いなく鑑定能力は高い」
ぷにっと萌えがつっこんだが、ワイズマンは適当に返答し【セフィロトの10/
ちなみにユグドラシルの鑑定は、アイテムの要部分を視認しないと全データが判明しない。
運営いわく「刃の部分を見ないで剣の切れ味(攻撃力)が分かるわけないでしょう」とのことである。
もちろん不評であったが修正されていない。無駄なこだわりである。
そのためか鑑定も慣れない人間より慣れた人間は、鑑定がうまいなどと言われたりする。
「というか、これってワイズマンさんとの自己紹介の場として用意したんだよな?」
「そうだね。僕としてはこちらの紹介はまったくできていないけど、ワイズマンさんがどういう人なのかはよく分かるね」
「とりあえずワールドアイテムの詳細鑑定とか、どんな結果が出ますかね? 設定とか非常に興味があります」
メンバーが口々に好き勝手なことをいう中、鑑定を終えたワイズマンがメンバーのほうをを振り返る。
「どうやらこのアイテムに触れるとクエストを受けられるようですね。試してもらえますか?」
「触れたことありますけど、どこです?」
「この下のところにあるレリーフの部分です」
「その上の宝石のところじゃないとか、悪意ありすぎやしませんか」
「まあまあ、早いところお願いします」
ワイズマンにせかされたモモンガが指定された部分に触れると、空中にポップが現れる。
『クエスト『王国の始まり』が完了しています。報酬を受け取りますか? <YES/NO>』
「……なんでしょう。すでにクエスト完了しているんですが」
「そもそもクエスト受けてないよね」
「設置したときはどうだっけか」
「確か名前で玉座の間を作ろうぜって話になったからよく覚えてない」
「モモンガさん、俺らがいないときになんかやった?」
「いや、そもそも玉座の間に用がなかったですし、来てすらいません」
「それもそうか」
「取り合えず、YESでいいだろ」
確かにクエストを受けて完了している以上、問題ないかとモモンガがYESを選択する。
『クエスト『王国の始まり』達成によりギルド機能<アバター配置>が追加されました。クエスト『王国の要』が開放されます。受けますか? <YES/NO>』
「クエスト受けてから機能確認でいいですかね?」
「いいと思います」
たっち・みーの言葉にみんながうなずいたのを見て、更にYESが選択される。
『クエスト『王国の要』を開始します。クエスト『王国の要』が完了しています。報酬を受け取りますか? <YES/NO>』
一同に沈黙が落ちる。
「……これは、なんだか分かりませんが内部的にはクエスト達成条件をカウントしてたってことでしょうか?」
「いや、この場で即座に条件達成が確認されたのかもしれない」
「なんか微妙だけど先に進めようよ」
『クエスト『王国の要』達成によりギルド機能<ギルドの威光>が追加されました。クエスト『王国の守り(1)』が開放されます。受けますか? <YES/NO>』
「なんだか嫌な予感がしてきました」
モモンガの呟きに周りにいるメンバーは沈黙を返したのだった。
*
結局、クエスト『王国の守り』シリーズは6まであり、すべてが受諾と同時に達成扱いとなった。
「えー、大変微妙なことになりましたが、最後に受けたクエスト『王国の団結』と追加された機能を確認しましょうか」
気を取り直すようにモモンガが宣言し、メンバーが同意する。
しかし、餡ころもっちもちが待ったをかける。
「いや、ここじゃなくてもよくないかな? ここって玉座くらいしか座るとこ無いし。ワイズマンさんの鑑定が終わったんならどこかの会議室にでも行こうよ。何よりみんなワイズマンさんに挨拶できてないよ」
もっともな意見に改めて仕切りなおしとなった。
* * *
「では自己紹介も終わったところで、ワイズマンさんに鑑定結果を発表してもらいましょう」
モモンガが水を向けると、ワイズマンが立ち上がった。
「えー、まず追加された機能から、でいいですかね?」
「できればクエストがなんだったのかも聞いておきたい。後、教えて問題ないようであればなんだが、なんでワイズマン氏が隠し要素に気がつけたのかも知りたい。そもそもいつ鑑定したんだ?」
ウルベルトが要望を上げ、ワイズマンはそれに一つ頷きを返すと話し始めた。
「まず鑑定なんですが、この眼鏡のおかげですね。これは常時鑑定を発動させるだけのアイテムなんですが、重宝してます」
「……たしか鑑定って結構ポップアップでかいから周りが見難くなったりするんじゃなかった?」
「そもそも常時そんなに文字をみたくないよ」
「慣れれば読み流すくらいはできますし、見たことがないもの以外は縮小するように設定してますので。うっかり未発見のものをスルーしてしまうとかもったいないじゃないですか」
そういう問題じゃないだろうとアインズ・ウール・ゴウンのメンバーは思ったが口には出さなかった。
むしろそういう馬鹿みたいなこだわりは歓迎する面々である。
「なんで気がついたかは簡単です。ワールドアイテムにしては効果が弱すぎたからですね」
「そんなに弱いかな? 拠点ポイント大幅アップってかなりのもんだと思うけど」
「それはこの広大なナザリックを擁しているみなさんだから言える台詞です。最小の拠点でも同じことが言えますか? 何より課金アイテムで代替できる程度のワールドアイテムなんぞあってたまりますか」
なにやらワールドアイテムというものに強いこだわりを感じる発言であったが、同時に納得もできる話だった。
二十ほどでないとはいえ、ワールドアイテムは大体壊れ性能である。
配置NPCが増えた程度で「壊れ」を語るのはさすがに無理があった。
「では判明したクエスト内容と追加された効果ですね。クエストは終わっていますので大雑把でいいですかね」
クエスト『王国の始まり』:一定以上の大きさの拠点にワールドアイテムを設置する。
追加機能<アバター設置>:ギルドメンバーがインしていない時に限り、ギルドメンバーとまったく同一の能力を持つアバターを拠点に配置できる。
クエスト『王国の要』:一定以上のデータ量でギルド武器を作成する。
追加機能<ギルドの威光>:ギルド武器をギルドリーダーが装備している場合、ギルドメンバーおよび拠点配備NPCのステータスが微増する。(ギルドリーダーのレベル依存)
クエスト『王国の守り(1)~(6)』:一定以上拠点を拡張する。(6段階)
追加機能<ギルドの庇護>:拠点内部に限りギルドメンバーおよび拠点配備NPCの各種耐性が上昇する。
「おい、待て。<アバター設置>ヤバいだろ!? なんなの? 常にフルメンバーでお出迎えってか?」
「いや<ギルドの威光>も大概だろ。特に最後の『レベル依存』がヤバい。倍率書いていないのが余計不安をあおる」
「耐性上がる<ギルドの庇護>もおかしいよ? だって普通は何かしら消しきれない弱点が残るわけで、それが消えるってことはナザリック内部では弱点なし状態ってことだよ?」
「取り合えず、なんでクエストが次々完了したのか分かりましたね。我々が金を突っ込みすぎた、と」
「ぷにっと。それはそうだが今そこに突っ込むのか?」
一気に騒然となるメンバー。
ワールドアイテムが壊れ性能なのは分かっていたが、今まで何気なく使っていたものがヤバかったというのは衝撃が大きい。
もっともワールドアイテムを何気なく使えるのはこのギルドくらいなのだが。
「えー、最後のクエストの話、しなくてよいので?」
「あ、そうでした! みなさん、まだ最後のクエストの話を聞いてません。いったん落ち着いて聞いてしまいましょう。……これ以上の壊れ性能だったら、どうしましょう?」
「もう、どうにでもなれ、だな」
みんなを落ち着かせたいのか動揺させたいのか分からないモモンガの言葉に、ボソッと弐式炎雷が返す。
それに引きつったような様子を見せつつモモンガが「どうぞ」と続きを促した。
クエスト『王国の団結』:ギルドメンバー全員に王国内の「称号」を設定する。「称号」は一覧から選択する。最低10人以上が設定しなくてはならない。完了には全員がインしている必要がある。
クエスト報酬:「生命の木の丘」への扉設置
「まさに団結を試すクエストってわけか」
「人数多いと達成難しそうだな」
「というかつい先日までだと俺たちも人のことを言えない」
「……大丈夫ですよ! みんな帰ってきてくれたんですから」
ブルー・プラネットが悲しそうに言うのをモモンガが必死にフォローする。
「しかし、生命の木の丘、ですか」
「ワイズマン、お前何か知っているのか?」
「たぶん、ですがね」
ぷにっと萌えがワイズマンの態度から何かを知っているのではないかと問う。
「おそらく未発見のワールドエネミーがいる世界にいけるのではないかと思われます」
「その報酬は?」
「今となっては意味がなさそうなんですが」
そこで一度ワイズマンは言葉を切った。
「たぶん生命の木の実って、限界突破アイテムなんですよね」
とりあえずアインズ・ウール・ゴウンが戦うラスボスのほうを出す準備が整いました。
ラスダンなんだから自分たちのボスもここにいるべきでしょう。
その後本人たちがラスボスになれば問題なし。
ついでに活動報告のほうで質問と懲りずにまたアンケートです。
お題はモモンガさんの扱いと超位魔法「アインズ・ウール・ゴウン」について。
よければコメントしてください。
しばらく夜勤が続くので間が空くかと思います。