無駄に時間がかかったのは女性視点を書いてみようとか思ったせい。
今回ついに四十一人のメンバーの種族を捏造してしまいました。
書かないと最終決戦時に活躍させる余地が減るんですよね。
アインズ・ウール・ゴウン女子会に新メンバーが加入した。
長らく3人だったのが6人に!
一気に2倍という快挙を成し遂げた訳なのだが、同時にいかにナザリックが男性率の高いむさ苦しい場所だったのか思い知らされた気分である。
まあね、女の子扱いされたいとかちやほやしてほしいとか思ったことはないのだが、こう。
同性が少ないってのは悲しいものなのだ。
元々PKKギルドだったわけだし、プレイヤーとのガチ戦闘を楽しむ女子が少ないのは分かってるんだけど……
探索ギルドで13人中3人が女子だったことを思うと、やはり方針による女子加入率の差を感じずにはいられない。
私は餡ころもっちもち。いまだアインズ・ウール・ゴウンで貴重な女子プレイヤーである。
……女子って歳ではないだろうという突っ込みはうけつけない。
* * *
第6階層の茶釜さんのウッドハウス(文字通り)で、私達は女子だけの親睦会を開いていた。
現在、ナザリック地下大墳墓の各地では元ワールド・サーチャーズのメンバー達との交流が活発に行われている。
趣味について語らう人、職業について考察を重ねる人、中にはそれなりの武闘派もいて手合せなんかしてる人もいる。
まあ、うちに人間種とかいないんだけど。中の人ということで勘弁してほしい。
そうそう。
元ワールド・サーチャーズのメンバーはゾディアックという名称が設定としてつけられた。
13人に設定を考えたいと言い出したのは、もちろんタブラ君であり、この中二病感あふれる名前を考えたのは意外なことにたっち君であった。
ウル君の「十三使徒」と最後まで揉めたんだけど、「使徒」にしてしまうと属性や種族に縛りが入るからやめたほうがいいという意見を持って勝敗が決まった。
言ったの私なんだけどね。
ものすごい悔しがってたから悪いことをした気になったが、いつものことだと思い出したのでそんなことはなかった。
個人的な意見になるが、ゾディアックの加入は旧メンバーにしてみたら非常に助かったという面があるのではないかと思う。
私自身もそう思っているし、るし☆ふぁーでさえそう感じているところがあるに違いない。
戻ってきた直後は、なんというか、みんなモモ君に遠慮があったんだよね。
何しろメンバーの装備を売り払うこともなく、ギルド資産に全く手を付けず、ナザリックというユグドラシルで一二を争うだろう巨大な拠点を一人で維持していたのだ。
誰も口にはしないが、この拠点の主は間違いなくモモ君だ。
いくら彼が「ここはみんなのギルドです」と言ってくれたって、年単位で留守にしていたのだ。
他人の家に(しかもとびぬけて豪華な)招かれて、「自分の家と思ってくつろいでください」と言われる気分といえば少しは伝わるだろうか。
そんな中で新しい風というか新メンバーの加入は雰囲気が変わる良いきっかけになったのだ。
(ダメージがでかい)思い出話だけでなく事務的な要件や報告が会話に含まれるようになったおかげで、かなりスムーズに話せるようになったしね。
以前よりもモモ君をギルド長として立てるようにはなったが、それも遠慮からではないと言い訳しやすくなったのは本当に助かっている。
* * *
「やっぱ、アウラとマーレに『魔法少女』取らせたいんだよねえ」
親睦会の話題は自己紹介を経て、自分達が今後取得する職業について話していたのだが、茶釜さんがそんなことを言いだした。
聞いたことのない職業である。
「ああ、コラボで追加されたやつだっけ? どんな特性だっけね」
私は首をかしげていたが、やまいこさんは知っていたらしい。
なんでも生徒達の間で流行っていたから記憶に残っていたのだとか。
子供でもいれば私も見ていたのだろうか。相手いないけど。
「基本的には遠距離補助ですが、わりとなんでもありな性能でしたね。魔法少女といえばそれこそビームから物理格闘まで幅広い無法地帯ですし」
「ああ、純粋にきらきらした感じのではないのか。大昔のは動物に変身したり、いかにも魔女っぽかったりしたはずなんだが」
新規加入したレイレイさんが詳細を教えてくれた。
あんまし詳しくなかったが魔法少女ってカオスなのか。いや、職業じゃなくて番組の方ね?
職業としては変身時限定で所持している他の「魔法少女っぽい」職業を底上げするようなスキルを持っているらしい。
純粋な騎士とかは「あんまり」強化されないらしいが、それでも強化候補に入るあたりがカオスの証明といえよう。
マーレは分かるけどアウラは大丈夫なのかと聞いたら、テイマーは魔法少女がマスコットを連れているからOKらしい。
ドラゴン・キンとかなんだけど良いのかと思ったが、中には魔王をマスコットにする魔法少女もいるから問題ないと返された。
本気でカオスだな、魔法少女。
それを皮切りに他のメンバーが取得する職業に話が移る。
モモ君が信仰系魔法職をとって『
私自身は種族『スキュラ』を取っているのだが、海の神様系の上位職業や上位種族が狙えるのでそちらを上げてる最中である。
本来のスキュラは海の神様に嫌われてたはずだけどね。
* * *
海といえば、現在ナザリック地下大墳墓内に海の階層を作る計画が持ち上がっている。
称号で建築家やら錬金術師やらを得たメンバーが、拠点のオブジェクトを再設置したら大幅なポイント節約になり特に課金しなくとも階層を追加できるくらいのポイントが浮いたのだそうだ。
我らのことながらお金をかけすぎである。
ゾディアック加入により彼らの専用階層を作るという話も出ているのだが、それとは別にぷに君が海を推しているのだ。
もちろんぷに君の発想なので、海の魔物がほしいとか、海にロマンを感じるとかそういうのではない。
理由を聞いたら大変えげつなかった。
私を含めてだが、現代人はまず「泳げない」のである。
昔は水泳が必修科目であった時代もあったそうなのだが今は違うのだ。
第一に泳ぐ場所がない。
海という大容量の水源すら汚染されているので、湖や川は言わずもがな。
きれいな水が貴重なのでプールとか超がつく贅沢品である。
要するに泳ぐ機会がほぼありえないので教わる必要性がない。
第二に泳ぎを教わる場がない。
泳ぎを使う機会がほぼ絶無なので、スイミングスクールがない。
正直この言葉に私もピンとこないくらいだ。なんでそんな商売が成り立つの? ってね。
第三に、ある意味これがとても大きいのだろうが人工心肺のせいである。
こんなもんをつけなければ外を歩けない世の中だ。
運動は人工心肺に負荷をかけるということで低所得層からは敬遠されるし、サイボーグ化して体内に入れてしまうと当然人間の体は浮力を失う。
厳然たる物理の法則が人体から水泳を奪うのだ。
そんなんなので現代人は総じて水に、というか足がつかない水中という環境にものすごい恐怖感がある。
息はできない、浮かない、体が自由に動かせない。
そのためかユグドラシルで水中戦闘というのは、海底を歩いて戦闘することである。
それを逆手に取り、
つまり強制的に泳がせることで慣れない作業の精神的疲労でダメージを与えようというのである。
便宜上の
これは海底に建造物を作りたいというプラ君ともろに対立しているため目下議論中。
要は泳がせられれば良いのでぷに君が折れる形になるだろうと私は予想している。
海ができたら私もスキュラとして新規にNPCとか建造物を作りたいものである。
あ、それ以前に泳ぎの練習をしないとまずいか。
海の魔物が泳げないとか赤っ恥もいいところである。
*
そうやってみんながレベリングやら拠点改造計画を練ったりしている内にひと月が過ぎ、限界突破アップデートの第二弾が発表された。
ちくちく2号さんより「背教者」、人食い椎茸さんより「滅ぼす者」を採用させていただきました。
アンケートにご協力いただき誠に感謝しています。
次は本格的にナザリック改造です。
魔改造できないくらい完成度が高い難物なんですけどね。
そして相変わらずアンケート。
また活動報告に書きますんでよろしければどうぞ。