今回も9000字ほどでございます。
よろしければどうぞ!!
“
今、俺たちは闇と化した砂漠のど真ん中に立っている。燃える
今回のヤマにおける最大目的ダンスパウダーを手中にし、ナギナギの実という極上のおまけまで転がり込んできて、俺たちはその対価を差しだす必要があるだろう。全ては取引なのであるから。
対価とは、すなわち戦いだ……。
俺の眼前にはもじゃもじゃ髪をした黒ひげと思わしき奴が両腕を広げながら相対しており、右斜め前方にはラフィットと呼ばれる奴がハット帽に片手を添えつつもう片方の手でステッキをクルクルと回している。
後方ではマスクマンが両腕で力瘤をつくるようにしてポージングをし、左後方では今にも死にそうな奴が倒れそうで倒れない何とも絶妙なバランスで立ち、右後方では特異なゴーグルを掛けた奴が既に狙撃銃を構え始めているのが気配で感じ取れる。
さらに、その囲みの外側にはサングラスで瞳を隠しながら微動だにせず円卓に腰を落ち着けているクソ食らえも控えている。
俺たちは囲まれているのだ。
故に俺たちは互いの背後をそれぞれ守りながら、今回の取引相手である面々に相対しており、自然と三角形を描く様な立ち位置をとっていた。
この場にいる全員が戦いと言う名の取引を行うための準備が整いつつあるようだ。
「ボス、優先順位は?」
「逃げることだ。……ここは決着を附ける場所ではない。挨拶が出来ればそれでいい」
「ああ、そうだな。ただ、逃げるためには追われねぇようにする必要があるわけで、簡単な話じゃねぇがな……」
緊迫を増しつつある状況で俺たちは
今この段階では奴の方が力は上であることなど分かりきっていることだ。久しぶりに顔を合わせ、“楽園”にお邪魔することを挨拶する。それでいいではないか。決着を附けるのはまだまだ先の話。求めていたものは手に入れることが出来たのだ。あとは命ある身でここを後に出来さえすれば、今回の取引=ヤマは実に有意義なものとして終えることが出来る。
「見立てはどうだ?」
有意義に終えるためには参謀の意見は必要不可欠なものになる。
「……地獄そのものだ。黒ひげという男は能力者だろう。多分に
参謀からはすらすらとこの場の状況に対する考えが示されてくる。
確かにドフラミンゴの立ち位置は謎だ。奴は俺たちを取引対象とすることで黒ひげからナギナギの実を手に入れようとしていたらしいが、肝心のナギナギの実は俺たちが掠め取った。よって奴らの取引は無効だ。
そもそもにして、奴が黒ひげのところに潜り込ませたラフィットに裏切られている時点で、奴と黒ひげの関係性自体も友好とは決して言えないのではなかろうか。
だが当のドフラミンゴは今のところ沈黙を守り抜いていて、薄気味悪くも口角を上げているだけだ。
「ゼハハハハ、てめぇらも能力者なんだろうが俺には敵わねぇだろうよ。俺は
俺たちの話し合いなどお構いなしに黒ひげが自信満々の口調で俺たちに語りかけてきている。
「だが、活路はあるんだろう?」
俺も黒ひげに構うことなく背後のクラハドールとのやり取りに意識を向ける。
「ああ、どんな地獄であろうと一本道は敷かれているもんだ。危険極まりないが筋書きはある。ひとまずトラファルガー、貴様は5分後にはここを離れて南へ向かえ。それがギリギリのタイミングだ」
クラハドールは懐中時計を見つめながら話しているに違いない。だが5分後にローをここから離してどうするっていうんだ? それまでにここでの趨勢は決するとでもいうのか? それとも5分後に想定外のことでも起きると言うのか?
「てめぇ、どういうことだ、ちゃんと説明しろよ」
全くだ。ローの反論は尤もなんだが、どうやらクラハドールが詳しい説明をする時間も、俺たちがしっかりと説明を聞いている時間もなさそうである。
「
黒ひげがその叫びと共に左右に広げた両腕を、それが繋がる両肩を禍々しい黒へと変化させ、そのまま立ち昇ってゆく。
ヤミヤミか……。地獄そのものとクラハドールが表現してみせたのも、さもありなんだな……。上等じゃないか……。
「もう待ったなしだ。後手を踏むなど愚の骨頂。お前たち、行くぞ!!!!」
俺たちは三角形の陣形を解き放ち、各々動き出した。
****
「べポ、カール、二人ともよく聞いて。あんたたちはこのまま南へ全速力で駆け抜けるのよ。ロッコと連絡を取り合って、もしかしたらタマリスクまで出なくても船に合流できるかもしれないわ」
客車の窓から見える闇空は月の明かりも相俟って、雲が点々としている姿が見て取れる。雲の存在は気掛かりである。ローが言っていたようにドフラミンゴが追いかけてくるリスクを孕んでいる。だがそれを悶々と思い悩んだとて、バンチのスピードが上がるわけではない。
考えても仕方がないのだ。
私の心の中は自分が口に出している言葉とは裏腹に不安に満ち満ちている。
もう時間はない。ひとつの気配が猛スピードでこちらへと向かって来ている。
「ジョゼフィーヌ会計士……」
カールの不安を帯びた言葉が私の焦燥感に拍車を掛けるようにして飛び込んでくるが、
「カールっ!!! あんたはもう能力者なんだからね!!!! 弱音吐いてる暇なんてないのよ。商人にとって積荷とお金は命よりも大事なんだから、死んでも守りなさいよっ!!!!! べポっ!!! あんたも頼んだわよっ!!!!!」
そんなものを払い除けるようにして声を張り上げ、カールの顔を両手で挟みこんで言葉を伝えて、べポの肩をおもいっきり叩いて活をいれてやる。
それから……、
でも命は大事にしなさいよ、と心の中では呟いておき……。
よし、行くか。
客車の出入り口を開け放ち、取っ手に手を掛けて立ち上がる。ひんやりとしたものを纏った外気が車内へと入り込んできて、砂が混じった風が私に向かって襲いかかってくるが、
「私は大丈夫だから。あんたたちを追わせたりしない。あいつらを止めて見せるから……。海で待ってなさい」
振り返って、こちらを見つめている二人に向かって満面の笑顔を見せて語りかけてやる。
そして、
私は闇の中へと飛んだ……。
****
「クラハドール!!! 今回はお前も参加するんだろな? この期に及んで戦わねぇっていう選択肢は有り得ねぇぞ!!!」
右手で動き出しているクラハドールに向けて問い質しながら俺は両腕を突き出し、両手の指を動かしていく。
「心配は無用だ。今回は俺の戦闘自体も筋書きに入ってきてる。貴様こそ忘れるな、5分後だぞ」
クラハドールからの答えが返ってきて、まあいいだろう5分という時間にどんな意味合いがあるのか分からねぇが稀代の参謀がそう言うならと思いながら、
「タクト“オーケストラ”」
ROOM内に広がる砂の一粒、一粒へと意識を集中させ、一気に大量の砂粒を空中へと浮遊させていく。その様はあの砂屋が引き起こした砂塵にも近い様相を呈している。
「ヤミヤミとはな……。闇商人の取引相手としては御誂え向きの相手だ」
後方からはボスがそう呟いているのが聞こえてくる。全くだと言ってやりたいが、今は目の前の相手にも集中しなければならない。ひとまず黒ひげ屋の相手はボスに委ねよう。
眼前の敵は3名、マスクを被った多分に拳闘士、狙撃手、そして医者だ。最後の奴は微かに同じ匂いがする。医者として……。
とはいえ、自らの能力で大量の砂粒を空中に撒き散らしているため視界は正直何も見えていないと言っていい。だがこちらは覇気を操る。さて奴らはどうだろうか?
突如としてクラハドールの気配が慌ただしくなる。
「杓死」
どうやら奴も俺と同じような考えに至ってやがるな。砂粒が舞い視界が遮られている中で超高速で移動しながら奴の猫の手を以てして切り刻もうってんだろう。しかも無差別に……。ここで相手が見聞色の覇気を扱えねぇならかなり有効な手になる。
クラハドールの刃の嵐が向かう最初の標的は前方のマスク屋だ。砂塵の動きが急速に乱れ襲いかかる鎌風はマスク屋の右腕を切り刻んでいる様子が気配で感じ取れる。
「
後方ではボスも動き出している。愛用の連発銃を使って銃弾を黒ひげへと叩き込んでいるんだろう。
なるほど、闇の特性で奴は
「“波動”エルボー」
後方へと意識を飛ばしている中で、さっきクラハドールによって腕を切り刻まれた筈のマスク屋が既に至近距離へと移動してきており武装色の覇気を纏わせた肘打ちを食らわせてきている。見聞色で動きを察知してはいたが図体に似合わずすばしっこい動きをする奴だ。
そんな奴には両の親指を奴の肘に突き当ててやり、指の動きだけで奴の突進してくる力を弱めて、
「カウンターショック」
逆にたっぷりと電気をお見舞いしてやればいい。一瞬にして辺りに電気のスパークが迸り、奴の全身を電気が駆け巡って倒れこむマスク屋。
……速ぇ。
「シャンブルズ」
今度は突き刺さるように飛び込んでくる超高速の飛翔体を一瞬早く察知することに成功し、己の身体をどこかの砂粒と入れ替えて間一髪でかわす。
あの狙撃屋か、だがさっきのスピードはケタ違いに速かった。危なかったな……。
「バージェス、オーガー、てめぇらじゃまだこいつらは手に負えねぇ。引っ込んでろ!!!! ドクQ!!! てめぇはそこで何やってんだ!!!」
黒ひげが叫びを上げる程俺たちは余裕を持って相対しているわけではねぇんだがな……。だが引いてくれるってんならそれに越したことはない。
ドクQと呼ばれた奴は何をしているのかと意識を向けてみれば、クラハドールの鎌風で全身を切りつけられながらも、必死にりんごを食わせようとしてる。今にも死にそうな奴が食わせたがるりんごなんざ怪しすぎることこの上ない。それに杓死に入ったクラハドールは自分でも動きを制御できねぇんだから、止まりようがないわけであって……。
とはいえ、あれだけ切り刻まれて辛うじて立っていられるドクQという奴も見掛けによらず大した生命力をしているのかもしれねぇな。ドクQ屋か……、いや、りんご屋でいいだろう。
「……効いたぜ、てめぇの銃撃。覇気を纏ってやがったな。だが、まあいい。こんな痛みは慣れたもんだ。……見せてやろう闇の力ってやつをな…………、
背後から聞こえてくる黒ひげ屋の言葉と共に、猛烈な勢いで黒ひげ屋の身体から噴き出てくる闇そのものが辺り一帯を埋め尽くし、空中で大量に浮遊していた砂粒に取って代わり、凝縮されて黒ひげ屋の身体へと戻っていった後、
「
黒々とした闇そのものと一緒に噴き上がったのは大量の砂。
それは黒ひげ屋の身体から噴き上げられて、跳んでいく。ROOMの外側へと。
気付けば俺が作り出した砂塵空間は跡形もなく消え去り、何事もなかったかのようにして再び
「……すまん。だが相手は3人だぜ、船長!!!」
電気ショックにやられてようやく立ち上がったマスク屋が面目なさげに言葉を放つが、まだまだやる気はある様で……。
「3人だろうと関係ねぇ。闇の力の前ではな。いいから今は引っ込んでろ!!!」
それでも黒ひげ屋には俺たちを打ち負かす揺るぎない自信があるようだ。
「大した自信だな。そういことならこっちも容赦なく行かせて貰おうか。ロー、クラハドール、こいつに集中するぞ」
ボスの言い分は尤もな話だ。容赦なくやらせて貰おうじゃねぇか……。それにクラハドールが言う5分という時間はもうそろそろだ。つまりはここで一撃必殺といく必要がある。
こうして杓死が止まったクラハドールと共にボスの左右へと移動して、
「杓死定規」
クラハドールは両腕に装着した“猫の手”を交差させる構えをとって、再びの杓死へと身を委ねてゆく。今度は制御されたものであるが……。
俺の場合はまずは、
「タクト」
この場には無数に存在する砂粒を再び浮遊させて、
「シャンブルズ」
黒ひげ屋の後方へと移動し、
「ラジオナイフ “へレストローム”」
ラジオナイフであれば通常の切断とは違うので、数分間は接合は不可能だ。ましてや
最後にボスが連発銃を放ち、
「
その銃弾は能力で生み出されてかつ、武装色の王気を纏っている代物だ。
黒ひげ屋は回避をすることもなくクラハドールの斬撃を受け止め、俺の
黒ひげ屋にしてみればひとたまりもねぇだろうと思ったわけであるが……、
「効いちゃあいるが、それだけだ」
奴の身体は元に戻っており、立ち上がっている。
こいつも王気を使うのか? じゃねぇとこんなに早く戻るのはおかしい。血を流してはいるが致命傷に至っているようには見えない。
「
そして、奴が右手を突き出しているのが背後から見えると、
「闇の引力が引きずりこめる物……、それは能力者の実体だ」
俺たちは3人とも、奴の背後に位置している俺も例外なく、見えない引力に引きずり込まれるようにして身体が奴の右手へと誘われていき、情けなくも3人まとめて奴の至近距離に静止させられ、
「闇の力は悪魔の実の能力を引きずり込む。……そして、俺も
禍々しいまでに黒々とした槍を右腕で創り上げた黒ひげ屋は俺たち3人をそれこそまとめて刺し貫き……。
言葉も出せないような激烈な痛みが腹に生まれ、一瞬にして強烈な熱を持って脳内を駆け巡っていく。
致命傷ってのはこっちの方だな……。
そう思ってしまう程の痛み。
俺たちは地に突っ伏し、黒ひげ屋は異様なまでに笑い声を響かせている。
クラハドールが言う通りだ。大した地獄っぷりじゃねぇか……。
****
「
六式体技のひとつ
それによって駆動音は止まったがそれを生み出していた主は跨ったままだ。
闇……。
彩りを与える光は雲の切れ間から申し訳程度に降り注ぐ月光のみであり、ここはまさに闇が支配する茫漠とした砂漠のど真ん中。よって相対する者の姿形を見分けることはほとんど出来ず、そこにいるんだろうなぐらいに推測しか出来ない。
頼りになるのは己の見聞色の覇気、ただそれだけである。
「“花の
駆動音を生み出していた
「ええ、そうよ。あなたがグラディウスね。ローから聞いているわ、忌々しいパンク野郎だって……」
友好的になれない取引相手には最初から売り言葉に限る。ましてや相手はドンキホーテ・ファミリーの金庫番である。
「ローか。久しぶりに会ったが相変わらず生意気な野郎だった。お前もその口か? 俺たちの取引をブチ壊しにしやがって……。しかもあの金をお前らが持っているそうじゃねぇか。……計画を狂わせる奴に容赦はしない。俺のバイクを以てすれば亀の歩みに追い付くなんざ造作もねぇこと。てめぇら全員ブチ殺しだな」
グラディウスが放つ言葉は怒りと憎しみに満ち満ちている。でも私も引けない。
ここは、断じて引くわけにはいかない。
「やれるもんならやってみなさいよっ!!!!! あんたたちなんか直ぐに破産させてやるわ!! そのバイク、質に出したくて仕方がなくなるかもね……」
私の最終通告に対し怒りを爆発させたのか、強烈な破裂音が聞こえてくる。
戦闘開始ね……。
「
離れた間合いから牽制すべく放たれてくる飛翔物。至近距離に近付いたら破裂させるつもりなんだろう。怒りに満ち満ちていた割にはやってくる手は中々に冷静だ。
先手を取られているがそれはいい。私の居合は一撃必殺が命。一度繰り出せばその後は無い。よってタイミングが何よりも肝心となる。ここぞという好機を作り出すためにまずは様子を見るのだ。
ローは言っていた。接近戦は危険だと。でも接近せずに特大の利益を望むことなどできるだろうか? ……否である。
「
というわけで一気に間合いを詰めていく。かなりの危険を伴うことであろうが……。柔らかい砂地を超高速で叩き進んで相手の気配へと近付いていき、グラディウスが両腕を膨らませているのを感じ取って、
「ブラッキウムパンク」
破裂と同時に跳躍へと切り替えて上空に跳び上がり、
「
蹴りの乱れ撃ちだ。
それは斬撃と相成ってグラディウスのところまで到達することだろう。
「
そうきたか。無数の弾丸を飛ばして破裂させるってわけね。でも私には、
「
空中を飛ぶ
これで一気に上空から砂地へと下り行き間合いを詰めたところで、
見聞色の覇気マイナス……、
グラディウスの背後をとって、
「
人差し指を鉄の硬度に固めて叩きこむ。グラディウスの苦悶の気配が指より伝わってくる。
入った……。
だがパンク野郎は体勢を変えて、その後には駆動音……。
しまった……。
私は捨て置いて、まずあの二人をやってしまおうっていうの? だがそれは合理的な作戦でもある。こいつらにとって重要なのはナギナギの実であり、10億ベリーなのだから……。
だが、そんな懸念も余所に駆動音は鳴り響いている。というか、どこかおかしい。私を捨て置くのであるならば、駆動音は遠ざかっていかなければならないが、そんなこともない。
どういうこと?
「指一本入れたぐらいで浮かれてんのか? おめでたい奴だな。俺がお前を無視して亀を追うとでも思ったか? まあそれも悪い計画ではねぇが、安心しろ。ブチ殺す対象にはしっかりとお前も入っている。………パンク“
グラディウスの声が聞こえた瞬間だった。緩やかに波打っているであろう砂地が盛り上がっており、それが辺り一帯に広がっている様が容易に想像でき、それはあいつの駆動音による仕業であり、その結果……、
私の全身はそれによって痛みつけられ、空中へと投げ飛ばされるが、地へと落ち行けばそこには、
「パンク“
先程よりも隆起している盛り上がりが存在していて、瞬間には……。
大爆発……。
「いいサウンドだろ? お前には打ってつけの葬送歌だ……」
先手を譲ってしまったのがいけなかったのか。そんなことは問題ではないのか。もうよく分からない。取り敢えずは……。
私の意識はそこで途切れてしまっていた。
****
ヤミヤミ……、とんでもないな。
さっきのは相当に効いている。腹からの出血は収まりそうもない。
ローは、クラハドールは大丈夫だろうか?
「フフッ、フッフッフッフッフッ!!!! フッフッフッフッフッ!!!!! てめぇら、何やってんだ?」
ドフラミンゴ……。
今の今まで沈黙を貫いていた男が笑っている。さも可笑しげに、そして口を開けば、何やってんだときたもんだ。
俺は必死になって身体を起こし奴の方向へと視線を向ける。
この場所は最初とは打って変わって窪地になっているのにも関わらず、まるで何事もなかったかのように奴は円卓に腰を下ろしている。周りを見渡してみればローとクラハドールも身体を起こしている。何とか無事のようだ。
「怒りを通り越して笑えてくるぜ、全くな。取引は無効になった。
奴が放ってくる内容は剣呑に満ち満ちているのだが、始終奴の口角は上がっており不気味でならない。
「なぁ、ティーチとやら……。そこのラフィットは俺が拾ってやった
雲行きが変わってきたな。やはり奴の立ち位置は
「は? 何言ってやがる。これは
「えー、勿論ですよ。どうかご理解頂けませんかねー、ドフラミンゴさん」
二人の言葉と共に一段と
「フフッ、フッフッフッフッ!! ロー、お前はどうだ? ネルソンの下なんかで商人やってねぇで戻って来い。昔のお前はもっと冷酷で非情だった。
本気で言っているとは到底思えない科白だ。まあたとえ本気で言っているとしても答えは決まっている。
「ハハハッ、おまえこそ笑わせてくれるなー。何度も言わせるなよ。ローは
「ああ、クソ食らえだ」
俺たちも歯に衣を着せるつもりは毛頭ないが、
…………………、
そこで初めて奴は笑顔を消して、
「全員ブチ殺しか……」
怒りを憎悪に満ち満ちた表情を見せてきた。
黒ひげなど嵐の前の静けさに過ぎなかったのかもしれない。
なぜなら……、
「あらら……、
海軍本部大将“
地獄の果てにあるのは何か……、
それはさらなる地獄だった。
読んで頂きありがとうございます。
ほんまにこれどうなりますかねって感じです。
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