☆伝説の人斬り(オリ主)が異世界から来るそうですよ?   作:モン太

25 / 33
龍の脚

一つの雷は激しい衝撃を生みながら黒ウサギと謎の少女――リンとの間に落ちた。

 

黒ウサギ「こ、これは……」

 

黒ウサギは焦っている。ただでさえもうじき魔王バロールが召喚されてしまうかもしれないのに、新しい厄介事が舞い込んで来るのは勘弁したい。

 

リンも想定外の出来事に雷の落下地点を静かに見つめている。

 

雷によって立ち込めていた黒い煙は吹きすさぶ風によって払われ、露となった。

 

――そこにいたのは、

 

?「あかん、あかん。こないな所でそんな物騒なもん振り回したらあかんで。ウサギちゃん♪」

 

白い着物に袴。

白髪と糸目

胡散臭い関西弁をしゃべる男。しかし、彼から発する殺気はまるで白蛇の様である。

 

黒ウサギ「ど、どなたですか……?」

 

リン「あははは、ウサギさんの次は蛇さんだー! おもしろーい!」

 

黒ウサギは拍子抜けし、リンは大笑いしている。

その一方で男はとぼけた表情をしながらリンを見た。

 

?「蛇って、僕のこと?」

 

?「へぇ〜、おもろい子や。」

 

ゾクリ

 

彼の殺気が増す。

 

黒ウサギ「あ、あなた何者ですか?」

 

?「あ、ウサギちゃん!僕に興味あるん?何ならこれからデートしよか!」

 

黒ウサギ「お断りします。」

 

?「おや、残念」

 

そんな会話していたら、

 

リン「でも、ウサギさんと遊ぶのに邪魔だから消えてね」

 

リンは後ろを向いている男に、一本のナイフを投げた。

 

しかし、ナイフは男に当たらずそのまま男の体をすり抜ける。

 

「「!?」」

 

2人は驚愕する。

 

?「なんや、お嬢ちゃん♪ ナイフを人に投げたらあかんよ〜。お母ちゃんに言われんかったん?」

 

リン「えーだってウサギさんと遊ぶのに邪魔だったんだもん!」

 

次の瞬間、彼の前にリンがいきなり現れ、彼に蹴りを入れるが、またしてもすり抜けてしまう。

 

?「まあ、僕の本音としては、お嬢ちゃん♪ 君と遊びに来たんや♪」

 

リン「どういうこと?」

 

?「君、空間を操る類の能力者やろ〜?」

 

傍から見ていた黒ウサギもそしてたった2度のやり取りでギフトをほぼ看破されたリンも驚いていた。

 

?「僕もそうだから♪」

 

そう言った瞬間、リンの周りに無数のナイフが現れる。

 

?「ナイフってのは、こうやって遊ぶもんやで♪」

 

そして、ナイフはリンに向かって飛んでいく。しかし、リンも何事もなかった様に躱す。

 

そして、リンは再びナイフを投げるが、

 

?「同じのやと、つまらんな〜♪」

 

今度は男の体に触れる瞬間にナイフが反射した。そのままリンへ向かうが、ナイフを躱す。

 

?「う〜ん、あかんな〜。全然当たらんな〜」

 

リン「それはこっちのセリフです!」

 

?「ほな、ウサギちゃんの雷もう一回借りるわ。」

 

そう言うと、いきなりリンの背後にインドラの雷が現れる。

 

黒ウサギ「え、ええぇぇぇぇ!」

 

黒ウサギ(ありえないのです。)

 

そして、今度は巨大な剣が5本リンを囲む様に現れ、先程と同じ様に発車される。

 

リン「同じ事やっても無駄ですよ!」

 

?「そんなんわかってるわ♪ だから、これならどう?」

 

リンが転移した瞬間、男も転移し、手にナイフを持ってリンに斬りかかる。しかし、それすらも当たらなかった。

 

?「鼬ごっこやな〜。どないする?続ける〜?」

 

リン「う~ん。やっぱりいいです」

 

リン「私も飽きちゃったし、それに三人目も着ちゃったし」

 

フェイス・レス「おや、気づかれてましたか」

 

仮面をつけた騎士フェイス・レスが黒ウサギの隣に降り立った。

 

リン「もう充分時間も稼げたし」

 

フェイス・レス「時間? 何のことだ」

 

気がついたときにはリンの気配は完全に消え去っていた。

 

?「ほな、僕も本来の目的ん所行きますわ。」

 

黒ウサギ「え、ちょっと、まだあなたのこと聞いてません!」

 

こちらも同様に気がついた時には消えていた。

 

フェイス・レス「彼は一体何者ですか?それにあのプレッシャー、魔王級ですよ。」

 

黒ウサギ「さ、さあ? ってそんな場合ではありませんでした!」

 

今こうしているうちにも魔王バロールが召喚されようとしている。あれを貫けるのは現状で黒ウサギの持つ"インドラの槍"のみだ。

 

黒ウサギは慌てて駆けて行った。

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

――――吸血鬼の古城・黄道の玉座

 

剣心達はとうとう玉座、つまり砕かれた星座を捧げる場所まで辿り着いた。

 

玉座には鎖で繋がれ、疲労しきっているレティシアが座っている。

 

剣心「レティシア!」

 

剣心と耀はすぐさま彼女の下まで走っていく。道行で妨害するものは何も無く、すんなりとレティシアまで辿り着くことができた。

 

耀「レティシア、しっかりして!」

 

剣心「レティシア!」

 

声が聞こえたのか、それとも別の原因があったのか、レティシアは小さな身体をビクリと跳ねさせて起き上がる。大分体力を消耗しているのか、全身汗まみれで頬は紅潮しあまり余力は残されていない用に見える。

 

レティシア「ここは……黄道の間……!? 何故此処に――――」

 

レティシアが起きたことに二人は一安心し、心置きなくここの攻略に挑むことが出来る。

 

一見この部屋に十二星座の欠片を埋め込むような場所が無いように見える。そこで耀は床や壁を丹念に調べる。

 

石壁を調べていると何か窪みを見つける。ここに星座の欠片をはめる。

 

どうやらこの部屋は円形になっているらしく、円形を12等分してそれぞれの窪みに欠片をはめ込むことで"砕かれた星座を捧げる"は完了する筈である。

 

皆同様レティシアも耀を賞賛した。剣心の支えがあったとはいえ、どこか危なっかしかった彼女が自分が開催したギフトゲームを解き明かしたとは考えもしなかったからだ。

 

そして最後の欠片が窪みへと填め込んだ。

 

 …………………

 

 ……………

 

 ………

 

しかし、何も起こらなかった。

 

剣心「…………………?」

 

耀「ど、どういうこと?」

 

耀としてはあれだけ自慢げに解説した答えが間違いでしたとは思いたくない。

 

皆が顔を合わせる中でレティシアは冷や汗を流している。

 

耀「レティシア……?」

 

レティシア「……始まった」

 

耀「え?」

 

 

 

 

『GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!』

 

 

 

古城に轟音が響き渡り、雷雲の稲光が差し込む。

 

"アンダーウッド"を滅ぼしかけたあの巨龍がまた現れてしまったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「あかん、あかん」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定