☆伝説の人斬り(オリ主)が異世界から来るそうですよ?   作:モン太

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超神速

耀「ゲームが再開!? だってゲームはしばらく休戦中の筈じゃ……」

 

それに耀の考えが正しければこれでゲームのクリア条件を満たしていることになる。

 

回廊で待っていたキリノは巨龍の雄叫びを聞いて恐怖に駆られながら黄道の間へと駆け込んできた。

 

キリノ「み、皆さん。今のはまさか巨龍が……!」

 

耀「もしかして……」

 

耀はハッとなって最悪の考えに行き着いた。『無理矢理ゲームクリアしようとして間違えたことでゲームが再開してしまったのではないか?』と。

 

しかしレティシアは耀を落ち着けようとその考えを否定する。

 

レティシア「いいか、耀。お前の考えは正しい。だからこそ再開された。……分かるか? ゲームクリアに近づいたからこそ休戦期間が終わったんだ」

 

耀「え? それってどういう……」

 

何かが足りないのだ。ゲームクリアのための決定的な何かが足りない。

 

耀はもう一度契約書類ギアス・ロールに記されている勝利条件の三、四の内容を読み直した。

 

 

三、砕かれた星空を集め、獣の帯を玉座に捧げよ。

四、玉座に正された獣の帯を導に、鎖に繋がれた革命主導者の心臓を撃て。

 

 

耀は「分からない」と心の中で呟いた。

 

この局面でそんな弱音を吐けるわけがない。こうしている内にも巨龍が暴れている。レティシアが抑えるといっても限度がある筈だ。

 

一秒でも早く回答を、という焦燥感が耀を襲った。

 

ガロロ「大丈夫だ。冷静になればきっと解ける。嬢ちゃんにはゲームを理解する才能がある。俺が保障する。だから諦めるな……」

 

ガロロは耀の肩を強く握りしめて激励した。

 

それが返って彼女に重圧を与えてしまった。自分の見落としが合ったせいで仲間達を危険に晒してしまう結果になってしまうと。

 

耀(それに助けに来てくれた剣心も……)

 

恐い……。その感情が耀を震えさせた。

 

ガロロ「落ち着け、春日部耀!!!! それでもお前は……春日部孝明の娘かッ!!!」

 

一瞬、耀の頭の中が真っ白になった。

 

耀「春日部……? 何で耀のお父さんが……」

 

耀と違い、レティシアは酷くショックを受けたような顔をしている。どうやら孝明という人物は知っていても耀の父親だということまでは知らなかったらしい。

 

それからガロロは耀の父、春日部孝明のことを熱く語り出した。それは自分が孝明に助けられたことであったり、十年前にアンダーウッドを魔王から守ったことであったり、人物像であったり。

 

ガロロ「そんな孝明の娘である嬢ちゃんが、こんなチンケなゲームをクリア出来ない筈がねえ。自信を持て、春日部耀……」

 

耀はその言葉に勇気付けられた。そしてガロロからもっと父親のことを聞きたい……であればこんなところで躓いてはいられない。

 

剣心「......」

 

耀「……っ! うん!」

 

剣心も耀の肩を持って、微笑みかける。剣心からの応援も貰って仕切りなおした耀は改めて先程の項目に目を通す。

 

不思議とさっきよりもすっきりした頭で様々な観点からその意味を考える。

 

耀「――――――正された、獣の帯?」

 

耀はそこへ注目した。そう、正されたということは誤りがあったということ。

 

耀は一度、十二星座の欠片を取り外してもう一度繋げ直した。

 

耀「やっぱりだ。あの時はどこかが欠けてたせいかとも思ったけど、蠍座と射手座が繋がらない」

 

天体分割法は遥か昔に考案されたもの。この城の古さのせいで見落としていたことだが、もし吸血鬼達が天体分割法よりも遥かに近代的な天文学を学んでいたとしたら、話は変わってくる。

 

であれば太陽の通る道、黄道は十二星座だけではない。蠍座と射手座の間にヨハネ・ケプラーが発見したとされる『蛇使い座』が入る筈である。

 

耀はもしやと思い、キリノが持っている残りの欠片に蛇使い座がないかどうか調べてみた。しかしこの中には蠍座と射手座の間に当てはまる欠片は無い。きっとまだ見つかっていない欠片なのだろう。

 

耀「みんな、今すぐ蠍座と射手座の間にある星座を探して! もしも城下町がそのまま大球儀を示しているならその中間地点に――!」

 

?『――其処までだ小娘ッ!!!』

 

出鼻を挫く様に黄道の間の窓をぶち破る大きな影。傍に控えていたジャックはすぐにその敵の強大さを悟り、ランタンにありったけの業火を召喚し、その敵へとぶつけた。

 

?『ヌルイわッ、木っ端悪魔がァ!!!』

 

しかし敵はその業火をあっさりと振り払い。逆にジャックの頭を鉤爪で鷲掴みにして回廊へ続く階段へ叩き付けた。

 

その光景を目の当りにしたキリノは腰が抜けて、その場にへたり込んでいる。

 

キリノ「く……黒い、グリフォン……?」

 

鷲の頭も、獅子の身体も、全てが黒く塗りつぶされているグリフォン。驚くべきは、頭に聳える巨大な龍角と胸元に刻まれた"生命の目録"だ。

 

耀「あいつは一体!?」

 

ガロロ「生きてやがったのか……グライア」

 

グライア『久しいな、ガロロ殿。だが、今はお前に構っている暇は無いッ!!』

 

グライアと呼ばれた黒いグリフォンは黒い翼で突風を巻き起こしてガロロを吹き飛ばす。剣心は神速で駆け寄り、壁に叩きつけられる直前にそれを受け止めた。

 

剣心「無事ですか?」

 

ガロロ「ああ……すまねえな坊主」

 

グライア『フンッ、まあいい。今はこちらの方を優先させて貰おう』

 

ガロロが無事だったことに多少不機嫌になったものの、グライアは嬉々として耀の方を見た。

 

グライア『嬉しいぞ、コウメイの娘。よもや解答に辿り着くのが本当に貴様であったとは……!』

 

耀「な、何を言って……」

 

グライア『我が名はグライア=グライフ! 兄・ドラコ=グライフを打ち破った血筋よ! 今一度、血族の誇りに決着を着けようぞ――――!!!』

 

グライアは雄叫びを上げて耀に襲い掛かる。それを辛うじて避けた耀は他のメンバーに言い放つ。

 

耀「この人の狙いは私だ! 皆は十三番目の星座を探して!」

 

剣心「俺も残る――」

 

耀「ここは私一人でいい! 剣心はみんなを守って!」

 

確かにここで剣心と耀が残れば、ジャックがやられてしまった以上、戦えるのは子どもを守るために残ったアーシャだけになってしまう。その状況で子ども達を守りながら欠片探しをするのは危険だ。

 

かといって敵は強大なのは目に見えている。

 

耀「大丈夫だから! 私を信じて!」

 

剣心「......」

 

耀「......」

 

剣心と耀の視線が合う。暫くそうしていたが、剣心は目を瞑る。

 

剣心「......」

 

そして目を開き

 

剣心「……分かった。 すぐに十三番目の星座を探してくる。 ガロロさん、キリノ、ここを離れるぞ!」

 

耀は剣心が二人を連れてここから離れたのを見て安心した。レティシアはゲームマスターだ。ゲームマスターを殺してゲームそのものをダメにしてしまうなんてことはしないだろう。

 

耀は室内だと不利だと悟り、旋風を巻き上げて外へと出た。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

剣心はガロロ、キリノを安全な場所へと残し、全速力で城下町へと走る。こうしている間にもみんなが戦っている。剣心がすべきことは最後の欠片を見つけてこのゲームを終わらせることだ。

 

場所は分かっているのだ。逆に剣心一人の方が足手まといもいなくて早く終わるだろうとガロロは判断した。

 

剣心「蠍座と射手座の間……この辺か?」

 

町の壁には蠍のマークとケンタウロスのマークがある。間違いないだろう。

 

?「お急ぎの所悪いんやけど、僕と遊ばへん?」

 

剣心「......誰だ?」

 

?「え〜。僕の事わからんの?ショックやわ〜。君と僕は"同じ"やろ?」

 

瞬間、殺気が濃くなる。

 

剣心(こんな時に来たか。くそっ)

 

?「これ、なーんだ♪」

 

剣心「それは……まさか」

 

?「正解♪ 君が探してる蛇使い座の欠片やで♪」

 

最悪だ。最後のピースが敵の手に渡ってしまった。

 

?「君をおびき出すための良い餌やな思うてな♪」

 

剣心「何が目的だ」

 

?「目的?そんなん君の命を丸呑みするためやろ!」

 

瞬間、剣心の背後に現れ、ナイフで刺してくる。

 

剣心(俺が見失った!?)

 

剣心はなんとか避ける。

 

剣心(だが、龍の眼ではいきなり背後に現われる予知をした。つまり、こいつは走って来たわけでは無いと言う事か)

 

?「へぇ〜。凄いやん君♪

僕の"超神速"を初見で躱す人、なかなかおらんよ♪」

 

剣心(だが、早く済ませなければ。)

 

剣心「......悪いが、あまり時間かけられない。」

 

?「僕はいっぱい遊びたいんやけど」

 

剣心「......断る。」

 

神速と超神速の闘いが始まる

 

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