☆伝説の人斬り(オリ主)が異世界から来るそうですよ? 作:モン太
巨龍との戦いから半月が経過。アンダーウッドの復興も大分進み、収穫祭は開催されて問題児三名と剣心は祭りに参加している。
十六夜は地下倉庫へ閲覧を、剣心、耀、飛鳥は狩猟際に参加している。
巨龍の襲撃後もぺリュドンのような殺人種の幻獣はそこらにいて、"龍角を持つ鷲獅子"はそれを放置するわけにもいかず、駆除することになったのだが、十六夜の提案で駆除も祭りの行事として組込むことになったのだ。
耀と飛鳥が息のあったコンビプレイでぺリュドンを仕留めているのに対して、剣心は神速で幻獣達をバッサバッサ切り裂いていく。
今回の狩猟祭に参加するにあたって、剣心達は制限を受けている。
耀はグリフォンのギフト限定。飛鳥はメルンとのコンビプレイ限定。飛天御剣流以外は使用禁止。
――瞬間、一陣の風と共に剣心が追いかけていた魔獣の群れは一斉に絶命した。
剣心「......」
ほんの一瞬、それはまるで芸術のような鮮やかさの殺戮であった。
それを行った人物は剣心のすぐそばに降り立つ。
銀の仮面を被った純白の騎士、フェイス・レス。
フェイス・レス「なかなかの腕前ですね。また機会がありましたら、手合わせをお願いします」
彼女は次の獲物を探しにまた何処かへと行ってしまった。
剣心「......」
結果、狩猟祭のトップは"ウィル・オ・ウィスプ"になり、耀と飛鳥は悔しがっていた。
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広間の方では黒ウサギが壇上でマイクを片手に主催者と主賓の入場を呼びかけている。剣心は自然とそちらの方へ目をやった。
黒ウサギ『それでは! "アンダーウッド"の収穫祭・主催者代表であるサラ=ドレイク様! 最高主賓である"サウザンドアイズ"の白夜叉様! 壇上にて、開会の言葉をお願いします!』
剣心(やはり、白夜叉殿も来ているのか)
壇上に上がったサラは以前のアマゾネスのような野生的な服装ではなく、特有の染色の衣装を纏っていて、髪も三つあみにし、頭上で髪留めと装飾で飾っていた。
しかし白夜叉が壇上に上がってくる気配が一向にない。
すると大樹の天辺に轟々を火が焚かれているではないか。
――この後、剣心は白夜叉がどういう人物であったかを改めて思い知らされるのであった。
白夜叉『――天が呼ぶッ! 地が呼ぶッ!! 人が呼ぶッ!!! 少し落ち着けと人は言うッ!!!』
剣心「......」
派手な演出と共に颯爽と現れた白い髪の和服美人。白夜叉はもっと幼い姿をしていた筈だ。しかしこの特徴的な少ししゃがれた声は聞き間違える筈もない。
白夜叉が(見た目的に)大人になっていたのだ。
それから白夜叉から、"龍角を持つ鷲獅子"へと至宝である"鷲龍の角"を授与する旨を伝えられ、次にサラが演説していた。
彼女は故郷である北を出て行った。そんな自分を受け入れてくれたこの"アンダーウッド"を、そしてそんな自分を頭領として認めてくれた"龍角を持つ鷲獅子"の先代や同士達を心の底から愛しているのだという
剣心「十六夜」
十六夜「ああ」
万来の拍手の中、背後から近づいて来た十六夜に声をかける。いつになく真剣な表情をした十六夜は何故か大きな麻袋を背負っていて、その隣にはリリがいた。
十六夜「こいつは……強敵だな」
剣心「ああ」
彼女達の偉業は"ノーネーム"も見習うことが多いだろう。
十六夜「さてと、俺はこいつをグリーに届けに行くか。お前らはどうする?」
剣心「......俺は特に」
リリ「あ、だったら"六本傷"の名物料理がそろそろ焼き上がるそうなので年長組の皆と一緒にどうですか?」
耀「それ私も行く!!」
「「「!?」」」
上空から颯爽と現れたのは耀。そして気絶した飛鳥。
耀は鬼気迫る勢いでリリに詰め寄るとその名物料理を売っている店を聞き出した。
リリ「えっ、ちょ!?」
そしてそのままリリと剣心を担いで旋風を巻き上げて颯爽と去っていった。
剣心「......」
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そうして辿り着いたのは先程までいた最下層広場より一つ上の広場。リリがレティシアから聞いた名物料理はここで食べることが出来るらしい。
なんでも"斬る!"・"焼く!"・"齧る!"という単純な手法の豪快な肉料理。
肉自体も良質なものだが、味付けも塩・胡椒で肉の旨味を最大限に引き出している。
だが、剣心はあまり食が進まない。実は剣心は箱庭に来てから、文化の違いに四苦八苦していた。食文化もその1つである。
それをもの凄いスピードで食べている人物がいた。
――というか耀だった。
耀は既に七皿目に手を伸ばしている。
しかもきちんと切り分けて食べているのにだ。
料理人達や周りの屈強な男達もこの光景に戦慄している。
料理人達は雄叫びをあげてて料理を作る速度を上げ、他の男達も負けじと食べるペースを早めた。中には耀の食べっぷりに感激して応援する人々までいる始末。
妙なノリに呆然とする2人。
?「……フン、なんだこの馬鹿騒ぎは。"ノーネーム"の屑が意地汚く食事をしているだけではないか」
この高まる歓声と熱気の中、ふと冷めた声が聞こえた。声の主は鷲のような翼を生やした大男。しかも侮蔑と嘲笑を込めた声は一つだけではない。
?「名無しである以上、一時の栄光ですからな。収穫祭が終わる頃には奴らのことなど忘れているでしょう」
?「ああ、所詮屑は屑。名無し共の旗に降り注ぐ栄光などありはしないのだから」
リリ「――そんなことありません!」
"ノーネーム"の侮辱に真っ先に反論したのはリリだった。その声に観衆や男達の視線はリリへと集中する。一心不乱に食べ続けていた耀でさえ手と口を止めた。
?「……なんだこの狐耳の娘は」
リリ「私は"ノーネーム"の同士です! 貴方の仲間達への侮辱、たしかにこの耳で聞きました! 直ちに謝罪と訂正を求めます!」
男達にギロリと睨みつけられて涙目になりながらもリリはキッと睨み返した。
男達はそんなリリを鼻で笑った。
?「君が誰かなのはよくわかった。――――しかし君もこの御方が誰かわかっているのか? "二翼"が長、幻獣ヒッポグリフのグリフィス様ですよ?」
リリ「だ……だから何だっていうんですか! 謝罪を求めているのはこっちです!」
?「ハッ、分をわきまえろ。グリフィス様は時期"龍角を持つ鷲獅子"の長になられる御方。南の"階層支配者"だぞ。"ノーネーム"如きに下げる頭などないわ」
耀「……待って。それどういうこと?」
男達の言葉に強く反応したのは耀であった。剣心もその言葉に疑問を持つ。
剣心「耀の言う通りだ。"龍角を持つ鷲獅子"の長ってサラさんのはずだが? 何故グリフィスさんが……」
サラは長を引退するような年齢ではない筈だし、"アンダーウッド"の皆に愛されている彼女が長の座を下ろされるとも思えない。
グリフィス「あの女から聞いていないのか。あの女は龍角を折ったことで霊格が縮小し、力を上手く扱えなくなった。元々龍の力を見込まれて図々しくも議長の座についていたのだ。それを失えば退くのが道理だろうが。そんなこともわからんとは……つくづく低脳が揃っていると見える」
確かにサラは"アンダーウッド"を守るために龍角を折って飛鳥へと渡した。
しかしグリフィスと仲間達はそれを愚行と笑い捨てたのだ。
グリフィス「なんなら本人にでも聞けばいい。龍種の誇りを無くし、栄光の未来を自ら手折った愚かな女にな!」
耀「――――訂正して」
耀にグリフィス達を見る目もとても冷たい。
彼女は明らかに怒っている。
耀「サラは愚かな女じゃない。彼女が龍角を折ったのは"アンダーウッド"を守るため……私の友達を守るためだ」
真っ直ぐグリフィスに近づいてくるようを遮ろうとした取り巻きの男は――上空へ吹き飛んだ。
グリフィス「こ、これは……ッ!」
やったのは耀だ。脚にはペガサスを模したレッグアーマーが装備されており、ペガサスとグリフォンの力で取り巻きの男を蹴り飛ばしたのだ。
耀「剣心、ちょっと待ってて。三分で全員土下座させるから」
剣心に笑顔を向け、とんでもない事を言う耀。
その後にすぐ無表情でグリフィスを見た。グリフィスは人化を解いて鷲の上半身と馬の下半身の幻獣ヒッポグリフとしての姿に戻る。
稲妻と暴風が荒れ狂い、観衆たちは我先にと逃げ出した。
残ったのは剣心達だけだ。
もう耀は剣心の制止を聞くことはないだろう。仮に耀を止める事ができたとしてもグリフィスが止まらない。
雷と暴風を纏ったグリフィスと光と風を纏った耀。
二人がぶつかり合う刹那ーー
剣心が神速で動き耀を抱えて、離脱する。
?「はい、そこまで」
――突如割り込んできた眼帯の男にグリフィスはのされていた。