☆伝説の人斬り(オリ主)が異世界から来るそうですよ?   作:モン太

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とうとう、やっちまった。ああ〜やっちまったorz


新たな力

飛鳥とジンがガルドを倒しに出ていた頃。残った剣心と耀は

 

耀「立ってて大丈夫?」

 

剣心「ああ、問題ない」

 

剣心の顔色に変化はなく、いつもの無表情であるが、耀には無理をしている様に感じた。

 

耀(辛いはずなのに、あんな事は言っても飛鳥達が心配なんだね。いつでも駆けつけれる様に)

 

耀は徐ろに、剣心の横に座る。

 

剣心「.......どうした?」

 

耀「.........なんでもない」

 

それっきり2人の間沈黙が続き、木々の揺れる音だけが響く。

 

耀(剣心は普段全然話さない。楽しかった事や悩み事も、剣心の世界や時代の事でさえ。)

 

耀は自分達と向き合ってくれない剣心に寂しさを感じていた。

 

耀(でもいつも無関心な様で、実はいつも私達の背中を護ってくれている。)

耀(もっと、向き合って欲しい。そして、できれば私が彼を支えたい。)

 

耀は剣心にもっと関心を向けて欲しいと願う。

 

耀(この気持ちは何だろう?でも、きっと悪いものじゃないはずだよね。)

 

耀「ありがとう、剣心」

 

耀は小さく呟くが、誰にも聞こえなかった。

 

そして、

 

 ゲーム【ハンティング】終了。

 

 

 

 勝者は、『ノーネーム』

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

黒ウサギ「剣心さん!大丈夫ですか⁉︎」

 

剣心「ああ」

 

黒ウサギ「嘘です!そんなはずありません!」

 

ギフトゲーム終了後、飛鳥達と合流することに成功すると、必死な表情の黒ウサギと十六夜が風よりも速くこちらに向かって駆け寄ってきた。

剣心は大丈夫と言っているのだが、肩を持ってブンブンと揺さぶってくる。

剣心がどんなに言っても、立派なウサ耳があるのに聞く耳をもたないのだ。

そんなやり取りをあれこれ三〇分経過すると、さすがに飽きてきたのか最初は面白そうに見ていた飛鳥が黒ウサギを制する。

 

飛鳥「落ち着きなさい黒ウサギ。あなたが揺さぶるほど、剣心の痛みが大きくなるわよ。」

 

耀「結局、ガルドが雇ったプレイヤーって誰だったんだろ?」

 

飛鳥「さあ、結局現れなかったわね。」

 

ジン「まあ、もう終わった事なので気にしても仕方ありません。」

 

耀「それよりどうして黒ウサギは剣心が重傷だったことを知ってるの?」

 

黒ウサギ「それは黒ウサギの素敵耳のおかげですね。門の前でも大まかな状況が把握出来ますので」

 

剣心(なるほど、ギフト無効の相手でも俺の"眼"の代わりなるな。審判権限とはなかなかに便利なものだな)

 

少し落ち着いて来たところで、黒ウサギが帰ろうと提案するが、

 

十六夜「おっと、忘れかけていたぜ。おい、御チビ。作戦の成功の為に奴らの旗印を探しに行くぞ。」

 

ジン「は、はい!」

 

十六夜「悪いけど、黒ウサギ達は此処に来る連中を門の前辺りに待機させといてくれるか?」

 

黒ウサギ「それはいいですけど………何をなさるつもりで?」

 

黒ウサギが疑問符を浮かべながら俺に問いかけてくる。その後ろにいる飛鳥と耀も何をやらかすか気になるようだ。

 

十六夜「それは秘密。すぐに分かることだし、その時までお楽しみってことで」

 

剣心「すまないが、俺は先に帰るぞ。」

 

十六夜「ああ、お前は早く休め、剣心。」

 

剣心「感謝する」

 

そう言って十六夜とジンは黒ウサギ達の疑問に答えずに歩いて行った。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

剣心「.......」

 

十六夜達を見送った剣心は歩き出す。向かう先はホームでは無く、先程ゲームをしていたガルドの屋敷跡。炎焼と破壊痕でボロボロの屋敷に足を踏み入れる剣心。

 

剣心「雇い主が死んでからとは、随分遅い登場じゃないか、プレイヤー殿?」

 

剣心がそう呟くと屋敷の壁が破壊され、入ってきたのは、蛍火の様に輝く髪に赤い眼、そして赤銅色の肌の少年が入ってきた。その手には、巨大な槍がある。

 

?「ああ、あいつは理性を失ってた。なら、俺が居ようと居まいと奴には関係の無い話だ。」

 

?「それにな。なぜ俺があんな雑魚の手伝いをやらなきゃならないんだぁ?俺は、お前を喰らうためだけにあいつに雇われてやったんだからよ!」

 

そう言いながら、男は槍を構え突進してくる。

 

剣心はそれを避け、窓から外に出る。屋敷は完全に破壊され、辺りは炎と瓦礫に包まれる。そして、頭上から黒いギアスロールが現れる。

 

 

『ギフトゲーム名 "魂の融解〜龍の爪と龍の体〜"』

 

・プレイヤー一覧 緋村剣心

 

・ゲームマスター カズキ

 

・クリア条件 相手の打倒、殺害、ギフ

トの奪取

 

・敗北条件 クリア条件を満たせなくな

った時

 

・勝利報酬 敗者は勝者の魂の一部になる

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。

 

 

"フォレス=ガロ"印』

 

 

カズキ「満身創痍だな。そんなんで十分に闘えるのか?」

 

剣心「この程度どうってことはない。お前は3秒で片付ける。」

 

カズキ「ハッ!イイね!!どちらが、"王"に相応しいか、ここで決めようぜ!」

 

そう言い、剣心は龍の眼の幻術を使う。

しかし、

 

カズキ「ハッ!効かねーな!次はこっちから行くぜ!」

 

剣心「⁉︎」

 

カズキ「ハハハッ!ヒャッハー!」

 

カズキが突進を仕掛けてくる。剣心は幻術が効かないのが、想定外だったため反応が遅れる。

 

剣心「ぐっ」

 

カズキ「オイオイオイ!3秒過ぎてンゾ!」

 

剣心(あやつ、何て力だ)

 

カズキの持ち味は、巨大な槍を操る筋力。速度は神速の剣心が上だが、それでも、亜音速にせまる速度での突進力は凄まじい。

 

カズキの猛攻は続く。

 

剣心(飛行も可能なのか。)

 

剣心は、パワーと速度、そして飛行能力による、四方八方からの砲撃にさらされていた。

 

だが、龍の眼は次第にカズキの動きを捉えていく。そして、

 

カズキ「オラオラオラァ!」

 

剣心「はああ」

 

剣心(龍巻閃)

 

カズキ「ハッ!ヌリィ〜んだよ!」

 

キンッ!

 

剣心(なに!)

 

剣心の龍巻閃はカズキの首を捉えたが、カズキの赤銅色の肌が、剣心の剣を止めた。

 

剣心の動きが一瞬止まる。そんな隙をカズキは見逃さなかった。

 

カズキ「オラァ!」

 

剣心「がっ!」

 

カズキが剣心の頭を掴み、そのまま投げとばす。剣心はそのまま吹っ飛び、10メートルほどで木にぶつかり停止する。その際に吐血する。

 

剣心が苦戦しているのは、やはり傷が原因である。龍の眼で相手を追えても、身体が付いていかない。さらに、

 

剣心(硬いな。体力の消耗も異常に激しい。奴は超重武器を振り回し、休む事なく動き続けているにも関わらず、息が一切あがっていない。)

 

剣心(もしや、俺の体力を吸収しているのか?なら、早く終わらさねば。だが、"次"は確実に斬れる。)

 

カズキが再び突進してくるが、剣心も同じく龍巻閃でカウンターを仕掛ける。

 

カズキ「だから、効かねーって、ぐああ」

 

カズキの腕が吹っ飛ぶ。

 

剣心の持っている全刃刀は、剣心が"認識"したあらゆるものを斬る能力を持っている。

 

この性質により、1回目は斬れなかったカズキの赤銅の肌も、2回目は斬れたのだ。

 

剣心はチャンスばかりに畳み掛ける。

 

剣心「はああ」

 

カズキ「っち」

 

カズキは、飛行能力で上空に逃げる。剣心も人間離れした脚力で跳躍する。しかし、

 

カズキ「へっ!かかったな!」

 

カズキの腕が再生した。

 

そして、そのまま剣心の腹に拳を叩き込む。カズキの大地を砕く拳を傷の付いた腹に叩き込まれ、傷口から血を吹く剣心。そのまま地面に叩きつけられ、小さなクレーターができる。

 

カズキ「テメェ、舐めてんのか!」

 

カズキは倒れてる剣心に叫ぶ。

 

剣心はゆっくりと立ち上がり、カズキを見据える。

 

そんな剣心にカズキは語りかける。

 

カズキ「剣心、”王とその騎馬の違い”はなんだ? 」

 

剣心「......」

 

カズキ「”人と馬”だとか”二本足と四本足”だとかそういうガキの謎かけをしてんじゃねえぞ 。」

 

カズキ「全く同じ二つの存在があったとして!

そのどちらか王となって戦いを支配し残りどちらかが騎馬となって力を添える時その違いはなんだ!?と訊いているんだ!! 」

 

カズキ「答えは一つ 」

 

カズキ「本能だ!!! 」

 

カズキ「同じ力を持つ者がより大きな力を発する為に必要なものは 、ただひたすらに戦いを求め、力を求め、敵を容赦なく叩き潰し、引き千切り、刻む

戦いに対する絶対的な渇望だ!!」

カズキ「俺達の皮を剥ぎ肉を抉り骨を砕いたその奥、原書の階層に刻まれた殺戮反応だ!!! 」

 

カズキ「てめえにはそれが無え!!剥き出しの本能ってやつがな!! 」

 

カズキ「てめえは理性で戦い理性で敵を倒そうとしてやがる 」

 

カズキ「剣の先に鞘つけたままでいったい誰を斬れるってんだ!? 」

 

剣心は理解する。

 

剣心(なるほど、だから幻覚にかからないのか)

 

剣心(こいつもガルド同様、理性を失っている。)

 

剣心(こいつは、巴やここでの仲間を見つける前の俺と同じ。剥き出しの刃。その狂気をおさめてくれる"鞘"が無ければ、いずれ自分自身をその"刃"で傷つける事になる。こいつには、それをわかっていない。)

 

剣心は、失血と痛みで霞む視界に鞭を打ち、"眼"を凝らす。そして、奴の弱点を見つける。

 

剣心(あそこか)

 

カズキ「テメェは"王"に相応しくねぇ。これで終わりにする。死ね!」

 

カズキが突進してくる。

 

剣心は、箱に来て初めて"構え"を変える。

 

剣心は、普段"無形の位"と呼ばれる構えをしているが、今は"正眼の構え"である。そこから、出す技は

 

ーーー飛天御剣流ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー九頭龍閃!ーーー

 

 

カズキ「何!」

 

剣心の神速により、9つの突きが"同時"に発生する。そして、その突きの先は、

 

カズキ「がっ!」

 

カズキの"心臓"であった。

 

 

 

ゲーム終了

 

勝者 『緋村剣心』

 

 

 

剣心はそのまま近くの木のもとへ歩き、そのまま腰を下ろした。傷を負い、失血により限界が来ていた。気力だけでここまできたが、とうとう力尽き、視界が暗転する。

 

剣心「はあ、はあ」

 

剣心(くそ、まだあと"1人"いr....)

 

剣心が気を失うと空から、黒い翼を持つ少女が降りてきた。周りの木々はカズキのエネルギードレインにより枯れ果て、小さなクレーターがそこらかしこにでき、居住区の面影は完全に無くなっていた。少女はそのまま剣心に近づいてくる。

 

?(これは、ノーネームの土地よりも酷い有様だな。まさか、3桁の魔王を倒すとは)

 

そして、剣心に触れようとした時

 

?「!?」

 

剣心が勢いよく、抜刀する。少女は反射的に飛び退く。剣心はそのまま"蒼眼"で相手を睨む。剣心の剣は少女の頬を擦り、頬から血を流しいる。だが、すぐに傷は塞がる。

 

剣心「はあ、はあ」

 

剣心に睨まれた少女は、冷汗を流し、恐怖から動けずにいた。しかし、剣心は今度こそ限界を迎え倒れる。

 

ドサッ

 

?「.......」

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

剣心がカズキと戦闘をおこなっていた頃

 

十六夜達は“フォレス・ガロ”の本拠から多くの旗印を発見し、それを門の前まで持ち帰ってみると既に1000人は超えているであろう群生が門の前に集まっていた。その数に驚きながらも十六夜達は壇上に上がり、群生の前に立つ。すると、代表として一人の男性が俺達の目の前にやって来た。

 

「………あの。先程“フォレス・ガロ”の解散令が出たのですけど………本当なんですか?」

 

代表者が当然の疑問を問いかけてきた。ここで十六夜が答えても意味がないのでジンが答えさせるように促す。

 

ジン「は、はい!“フォレス・ガロ”は現時点で僕達“ノーネーム”とギフトゲームに敗れ、解散しました」

 

「そうですか………ガルドは貴方達が」

 

ジン「はい。人質の件に関しては“階層支配者”にも連絡してあります。“六百六十六の獣”が沽券を理由に元“フォレス・ガロ”のメンバーを襲う事もないでしょう」

 

ジンの発言にざわざわと衆人に声が広がる。だが、歓声のようなものはあまりにも少なかった。それどころか人質が殺されたという事実に泣き崩れている者もいる。………予想通りの反応だな。確かに驚異は消えたが、“フォレス・ガロ”は腐っても近隣で最大手のコミュニティだったからそれが無くなることに不安を感じるのだろう。それに―――。

 

「一つ、とても重要な事をお聞きしたい」

 

ジン「なんですか?お困りなら多少の相談には」

 

「いえ、その………まさか俺達は、貴方達のコミュニティ―――“ノーネーム”の傘下に?」

 

………ああ、予想通りの事が起こったな。経済関係が不安定な“ノーネーム”が上に立たれたらそれは不安にもなるよなぁ。視線をジンに移すと表情が強張っていて返答に詰まっているようだ。

すると、十六夜がジンの肩を後ろから抱き寄せ、衆人に対して高らかに宣告する。

 

十六夜「今より“フォレス・ガロ”に奪われた誇りをジン=ラッセルが返還する!代表者は前へ!」

 

一斉に衆人の視線の的となる十六夜達。十六夜はジンの背中を叩いて前に出させる。衆人は未だ頭がついて行けていないのか呆然とする。そんな衆人に対して十六夜がらしくない尊大な物言いで叫びだす。

 

十六夜「聞こえなかったのか?お前達が奪われた誇り―――“名”と“旗印”を返還すると言ったのだ!コミュニティの代表者は疾く前へ来い!“フォレス・ガロ”を打倒したジン=ラッセルが、その手でお前達に返還していく!」

 

「ま、まさか」

 

「俺達の旗印が返ってくるのか………!?」

 

衆人は身内同士で顔を見合わせながら、ジンの前に一斉に雪崩れ込む。小さなジンを押しつぶしてしまいそうな人の群れに、十六夜が一喝と同時に地面を砕く程の足踏みで起こった衝撃波で押し返す。

 

十六夜「列を作れと言っただろうが!統率を取る気ないなら返還の話を無しにするぞ!それが嫌ならさっさと行動しろ!」

 

「は、はひぃ!」

 

十六夜の威圧感に怯えてかすぐさま列を作りだす衆人。列を並び終わるのを確認すると十六夜は語調を戻してジンに耳打ちをする。

 

十六夜「流れは作った。手渡す時に、しっかり自己主張するんだぜ?」

 

十六夜「堂々としてろよ?今の連中はお前のことを救世主と見てるだろうしさ。だから、頑張れよ」

 

ジン「わ、分かりました」

 

そう言い終わると十六夜達は飛鳥達の元に向かった。衆人の脇で見ていただけの三人だが、飛鳥は俺達の企んでいることを察したのかニヤニヤと笑みを浮かべており、黒ウサギと耀は分からずに不思議そうに首を傾げている。

 

飛鳥「面白いことを考えているようね?」

 

十六夜「さて、なんの事かなお嬢様。」

 

悪戯が成功したように笑顔を交わす2人。黒ウサギと耀は十六夜達のやり取りに更に疑問符を浮かべるのみだった。流石に二人だけ蚊帳の外なのは可哀想なのでヒント程度は教える。

 

十六夜「ヒントを言うと、今回のギフトゲームは何の利益もないゲームだったが、俺らはいつか必ず有利になる物を手に入れたってことだ。分かるか?」

 

 

「「………?」」

 

 

どうやら分からないようだ。そんな二人を見て苦笑いを浮かべながらジンや衆人がいる方向に視線を移す。次々と返還されていく旗印。狂喜して踊り回る者、旗を掲げ走り回る者、失った仲間の名前を泣き叫ぶ者までいた。その光景を見て十六夜はこの世界においてはコミュニティの名と旗印は何物にも変えられない代物だと確信する。最後のコミュニティに旗印を返還し終えたジンに十六夜が立ち寄っていく。

 

しかし、

 

耀(ゾクッ)

 

耀(何?)

 

耀は悪寒の様な胸騒ぎを感じた。原因や根拠はないが、何かよくない事が起こっている様な不安を感じる。

 

飛鳥「どうかした?」

 

耀「ううん、なんでもない」

 

飛鳥「顔色悪いわよ」

 

耀「大丈夫。」

 

飛鳥「そう...。無理しちゃダメよ」

 

耀「うん」

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

フォレス=ガロからノーネームへの帰り道

 

十六夜「どうしたんだよ。そんな早く歩かなくたって、ちゃんと帰れるぞ〜」

 

耀「うん」

 

黒ウサギ「耀さんどうしたのでしょう?」

 

十六夜「剣心の事が心配なんだろ。」

 

耀「そ、そんな事はない!」

 

耀は顔を赤くして、カンガルーのギフトで十六夜を蹴る。

 

十六夜「ちょ!」

 

十六夜(そこまで、するか?こりゃ重症だな)

 

無言で十六夜に蹴りをかます耀。しかし、次の瞬間、赤い顔を今度は青ざめさせる。

 

剣心がノーネームの屋敷の前で、血の水溜りを作り倒れていた。

 

耀「剣心!!」

 

耀が悲鳴の様な声をあげ走っていく。

 

耀「剣心!剣心!」

 

耀が叫びながら揺らすが反応がない。

 

耀「どうしよう。剣心が!剣心が!」

 

十六夜「落ち着け!おい、御チビ!治癒のギフトはないのか?」

 

ジン「黒ウサギが持っています」

 

耀「黒ウサギお願い!」

 

黒ウサギ「わ、わかりました!」

 

耀の剣幕はとても凄まじく、涙を流しながら有無を言わせないほどに強引だった。

黒ウサギも、そんな耀に若干引き気味であったが、剣心の容態が一刻を争う状態なため、特に抵抗する事なく、剣心を連れていたった。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

剣心の寝室

剣心は布団に寝かされ、耀が看病しているが未だに剣心は目覚めない。

 

耀「.....」

 

剣心「ぴくっ」

 

耀「剣心⁉︎」

 

剣心の意識が戻りかけ、耀が剣心に声をかけた瞬間

 

耀「!」

 

耀の首に剣心が刀を添えて、睨みつけていた。耀は恐怖で冷汗を流し、動けない。

 

そして、逡巡して剣心が耀だと気付くと咄嗟に耀を突き放し、刀を収める。

 

剣心「はあ、はあ、はあ」

 

剣心「すまない。」

 

耀「.....」

 

耀は言葉を発さない。いや、発せない。

 

剣心「どうやら、俺は此処にはいれそうにない。このコミュニティを護ると言っておきながら、この様。いつか本当に君達を斬ってしまう。だから、黒ウサギには、申し訳ないg」

 

耀「大丈夫。」

 

耀が剣心の手を握る。

 

耀「大丈夫....大丈夫。大丈夫だから」

 

耀の眼に強い覚悟が宿る。

 

耀「大丈夫。此処は剣心の居場所。此処なら誰もあなたを襲わない。安心して寝てもいいんだよ。」

 

耀は剣心がここまで、追い詰められているとは、知らなかった。

 

耀(剣心が護ってくれるから大丈夫だと甘えていた自分を殴りたい。剣心は静かでどこか達観しているところはあるが、それでも16歳。自分達と同じだ。なら、せめて私がいる時くらいは安心して寝れるようにしてあげたい。)

 

剣心「ありがとう」

 

耀「う、うん/////」

 

剣心が微笑む

 

剣心「俺は斬らない。どんな事があろうと君だけは絶対に斬ったりしない...君だけは...絶対に...」

 

耀「そう。ありがとう」

 

今度は耀が笑う

 

そのあと、剣心は耀達がいなくなったあとの出来事を話した

 

そして、かなり夜も更けてきた所で

 

剣心「そろそろ、耀も寝たらどうだ。俺は大丈夫だ。俺ももうすぐ寝る。」

 

耀「わかった。じゃあ、明日ね。おやすみ。あまり無理しないでね。」

 

剣心「ああ、おやすみ」

 

そして、耀は剣心の部屋を出て行く。

 

剣心「.....」

 

耀を見送り剣心は、そのまま布団へは行かずに部屋を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

十六夜「そういえば昔の仲間が景品に出されるギフトゲームはどうなった?」

 

その後、十六夜と黒ウサギは本拠地へと戻ってギフトゲームの詳細を聞こうと黒ウサギに尋ねると、十六夜と剣心がそのゲームに出ることに歓喜したが、一転して泣きそうな顔になった。

 

十六夜が訳を聞くと、そのゲームが延期になるらしい。何でもギフトゲームに出される筈の商品に買い手がついたとかで中止になる可能性もあるそうだ。

 

十六夜「どうにかならないのか?」

 

黒ウサギ「どうにもならないでしょう。どうやら巨額の買い手が付いてしまったそうですから」

 

十六夜「チッ。所詮は売買組織ってことかよ。エンターテイナーとしちゃ五流もいいところだ。"サウザンドアイズ"は巨大なコミュニティじゃなかったのか? プライドはねえのかよ」

 

黒ウサギ「仕方がないですよ。"サウザンドアイズ"は群体コミュニティです。白夜叉様のような直轄の幹部が半分、傘下のコミュニティの幹部が半分です。今回の主催は"サウザンドアイズ"の傘下コミュニティの幹部、"ペルセウス"。双女神の看板に傷が付く事も気にならないほどのお金やギフトを得れば、ゲームの撤回ぐらいやるでしょう」

 

達観しているように話す黒ウサギだが、顔はくやしさで歪んでいる。当然だ、自分の仲間を取り戻すチャンスがやっと巡ってきたのにこんな形でそれが潰されてしまったのだから。

 

十六夜「まあ、次回を期待するか。ところでその仲間ってのはどんな奴なんだ?」

 

黒ウサギ「そうですね……一言でいえば、スーパープラチナブロンドの超美人です。指を通すと絹糸みたいに肌触りが良くて、湯浴みの時に濡れた髪が星の光でキラキラするのです」

 

十六夜「へえ、女の人なんだ」

 

そういえばまだ"元・魔王"だということ位しか聞いてなかったと十六夜は思い出す。

 

黒ウサギ「それはもうとっても美人で素敵なお方ですよ! 名前はレティシア様、その美貌に加えて思慮深く、黒ウサギより先輩でとても可愛がってくれました。近くに居るのならせめて一度お話ししたかったのですけど……」

 

レティシア「おや、嬉しい事を言ってくれるじゃないか」

 

窓の方からこの場にいない第三者の声がして、黒ウサギはそちらを振り向く。そこにはコンコンとガラスを叩きながらにこやかに笑う金髪の少女が浮いていた。

 

黒ウサギ「レ、レティシア様!?」

 

レティシア「様はよせ。今の私は他人に所有される身分。"箱庭の貴族"ともあろうものが、モノに敬意を払っていては笑われるぞ」

 

我に返った黒ウサギが慌てて窓の錠を開けると、金髪の少女は部屋の中へと入っていく。どうやらこの少女が件のレティシアらしい。金髪にリボンを結び、紅いレザージャケットに拘束具を彷彿させるロングスカートを着た少女はどう見ても黒ウサギが先輩と呼ぶには幼く見える。

 

黒ウサギ「あ、すぐにお茶を淹れるので少々お待ちください!」

 

久しぶりに憧れの先輩に会えたことへの喜びか、黒ウサギは小躍りしながらで茶室に向かった。そんな黒ウサギを見送りながら、十六夜は視線をレティシアと呼ばれる少女に移す。

 

レティシア「どうした? 私の顔に何か付いているか?」

 

十六夜「いいや別に。前評判通りの美人……いや、美少女だと思ってな。目の保養に観賞してた」

 

そんな台詞とは裏腹に真剣に回答する十六夜が可笑しかったのか、レティシアは心底楽しそうな笑い声で返した。そして口元を押さえながら笑いを噛み殺し、上品に装って席に着いた。

 

レティシア「ふふ、成る程。君が十六夜か。白夜叉の話通りに歯に衣着せぬ男だな。そして、そこにいるのが...」

 

そう言って、レティシアが後ろに視線を滑らせるといつの間にか、部屋に入って来ていた。剣心は十六夜の隣に座る。

 

十六夜「ああ、俺の隣に居るのは剣心だ。俺を含めて、ノーネームに新しく入った四人の中でもかなり強いぜ?」

 

レティシア「ほう、君が白夜叉の言っていた緋村剣心か。元・魔王のサウザンドアイズの幹部にただ一人決闘で勝利したと、白夜叉から聞いてるよ。」

 

剣心「……」

 

十六夜「へ〜、あいつそんなに凄いやつだったのか。」

 

レティシアが微笑を浮かべ、剣心を見る。そして剣心の蒼眼と合い、先程の闘いを見て興味を抱いた。

 

レティシア(やはり、あの時感じたプレッシャーは本物のようだな。)

 

箱庭で長い間生きてきたが、殺気だけで周りに破壊をもたらす存在はいなかった。先程の戦闘の際に自分に向けられた殺気を思い出し、冷汗を流す。

 

 

十六夜「どうした? 剣心に見惚れたのか?」

 

レティシア「む、しまった私としたことが……。 いやなに、彼の容姿が良かったものでな。それに、左頬の十字傷も気になってな。」

 

黒ウサギ「皆さーん、紅茶を淹れる準備が終わりました〜。って、剣心さん!もう大丈夫なんですか?」

 

剣心「ああ、心配かけたな。すまないが、緑茶を1つ頼む。」

 

黒ウサギ「はい。畏まりました!」

 

そして、黒ウサギが剣心のお茶も用意し終え

 

黒ウサギ「そういえば、レティシア様はどうしてここへ?」

 

レティシア「いや……用というほどものではない。新生"ノーネーム"の実力がどれほどか見に来た。ジンに合わせる顔がないのは結果として仲間を傷付けてしまったからだよ」

 

レティシアはカップに口をつける。

 

レティシア「今回、私が黒ウサギに会いに来たのはコミュニティを解散するように説得しに来たのだ。コミュニティの再建など……それがどれだけ茨の道なのかお前が分かっていないとは思えなかったからな」

 

図星なのか黒ウサギが黙り込む。

つまりは警告だ。

 

レティシア「そしてようやくお前達と接触するチャンスを得た時……看過出来ぬ話を耳にした」

 

十六夜「それが俺達……ってことか?」

 

今まで黙っていた十六夜が言い当てる。レティシアはそれに頷いて返す。

 

レティシア「そこで私は一つ試してみたくなった。その新人達がコミュニティを救えるだけの力を秘めているのかどうかを」

 

黒ウサギ「結果は?」

 

黒ウサギが真剣な眼差しで問いかける。レティシアは苦笑しながら微笑する。

 

レティシア「ガルドを当て馬にしたのだが、あの二人ははまだまだ青い果実で判断に困る。」

 

レティシア「...だが、そこの者は申し分ない。なにせ、三桁の魔王を連れてきてしまったのだからな。それに私が観ていた事にも、気付いていた様だ。」

 

黒ウサギ「⁉︎ 剣心さんどういうことですか⁉︎ そんな話は聞いてないですよ。もしかして、それであんなに血塗れに」

 

十六夜「俺達の知らないところでそんな面白い事があったのか。」

 

黒ウサギが顔を驚愕に染め、問い詰めてくる。一方の十六夜はニヤリと笑いながら、剣心に視線を向ける。

 

剣心「ガルドが1人プレイヤーを雇ったという話があっただろ。そいつだ。」

 

黒ウサギ「しかし、結局最まで現れなかったじゃないですか。」

 

剣心「お前達が旗を探しに出ていった後に現れた。どうやら、最初から俺目当てだった様だ。そして、ずっと観察しているレティシア殿も俺は、敵だと判断していたが、早計だった様だ。すまない」

 

レティシア「謝罪ならこちらがすべきだ。ガルドを差し向けたはいいが、まさか魔王がいきなりガルドに協力するとは想定外でな。もし、どうしてもダメな時は私が命をかけて、魔王を止めるつもりではいた」

 

剣心「だが、あなたは俺が剣を向けたにもかかわらず、ここまで俺を送ってくれた様だな。感謝する。」

 

レティシア「ここまでの事をしたんだ。当たり前だ。それに手負いでありながら、魔王を退けた。地の速さならお前の方が上回っていた。だが、さすがに剣を向けられた時は、生きた心地がしなかったがな」

 

レティシアが苦笑いをする。

 

レティシア「で、話が逸れたな。結局十六夜の方はわからないが」

 

十六夜「ならよ、試してみねぇか?」

 

レティシア「…………何?」

 

十六夜「実に簡単な話だ。その身で、その力で試せばいい―――どうだい、元・魔王様?」

 

スっと立ち上がる十六夜。その意図に気付いたレティシアは一瞬唖然とするが、先程より弾けるような笑い声を上げる。涙目になりながらも立ち上がる。

 

レティシア「ふふ……なるほど。それは思いつかなんだ。実に分かりやすい。下手な策を弄さず、初めからそうしていればよかったなあ」

 

黒ウサギ「ちょ、ちょっと御二人様?」

 

十六夜「ゲームのルールはどうする?」

 

レティシア「どうせ力試しだ手間暇をかける必要もない。双方が共に一撃ずつ撃ち合い、そして受け合う」

 

十六夜「地に足を着けて立っていたものの勝ち。いいね、シンプルイズベストって奴?」

 

二人は笑みを交わし窓から中庭へ同時に飛び出した。




さすがに長すぎですよね。すいません。
今回の敵さんは、武装錬金のカズキとるろ剣の斎藤一、BLEACHの白一護のミックスです。ヴィクターの能力と突き攻撃馬鹿とオサレポエムのミックスです(
笑)
正直、オサレなセリフを言わせたかっただけに登場させたキャラです(笑) このキャラをある程度活躍させるために剣心には、重症を負ってもらいました。
白一護大好きです。はい。
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