人は儚くてつまらん。
数十年しか生きられない人と違って私のような吸血鬼は、その何倍も生きる事ができる。
それ故退屈な日々を送り続けなければいけない。
私は出会いと別れを何百回と繰り返してきた。
別れが訪れるとまた退屈な時を1人で少しごしていく。
しかし、本は退屈を忘れさせてくれる。
だが読み終わればそこで物語が終わってしまう。
人と本は少しだけ似ている気がする。
人は生きている時は存在しているが、死んでしまえば消えて終わってしまう。
本は読み終われば物語はこで終わり。
人は生きて寿命が来れば人生と言う物語が終わる。
そうだ私も本を書いてみるとしよう。
多少の暇つぶしにはなるはずだ。
そう言えば、よく遊びに来た小娘も何十年と遊びに来ていない。
鳥達が言うには歳で死んだらしい…人は脆くてつまらん。
折角造ってやった髪留めも数十年しか使わないのなら、勿体ないじゃないか。
全く…欲しい欲しいと駄々を捏ねるから造ってやったに…
こうなるならもっとたくさん話しておけばよかった。
あぁ、次に家に来た奴をいっそのこと血を吸って吸血鬼にしてしまおうか?
そうすれば私も退屈しないですみそうだ。
いや辞めておこう、人は人の吸血鬼には吸血鬼の時間が
あるそれに儚くて脆いから人は美しいんだ。
おや?誰か来たようだ。
こんな森の中に来るなんて…ふふふ変わった奴も居たものだ。
何十年ぶりのお客だろうか?
おや?この子誰かに似ている…それにその髪飾り…
ああぁ、そうか…この子はあの小娘の…
綺麗な髪留めだね。
こんな所までよくきたねクッキーを焼いているんだ、食べていくかい?
さぁ私の永い人生で次はどんな出会いが待っているのだろうか?
大丈夫時間なら沢山ある。
何十年だって何百年だって待つことができる。
沢山の人と出会ってみたいそして、今までの事を沢山色々な話をしてみたい。
人と人の出会いというものを私はどれだけ目にする事ができるだろうか。
そうだ、きみとの出会いにも感謝をしよう。
キミのお陰で楽しみができた。
長生きもいいモノだな…
人は儚くて脆くてすぐに死んでしまう。
だが、限られた時間で沢山の出会いが待っている。
人にあるのなら吸血鬼の私にもあるはずだ。
そして沢山の出会いを元にして本を書くのだ。
小娘がこの子に髪留めを託したように、私もその本を誰かに託せるように。
人はそうやって誰かに自分が生きていた証を託し、存在を残している。
なら私も少しだけ人に近づけるかもしれない。
あぁこれから凄く楽しくなるぞ!