私、重巡洋艦なんです!   作:探照灯要員

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ごめんちょっと艦これ関係ない話しさせて。

AOBA強い、マジで。もうビリビリしちゃう。駆逐も巡洋も空母も占領も、AOBAにお任せぇ!
……そんなノリで基本EXP2616叩き出しました。強すぎるよぉ……HIRYUから浮気しちゃうよぉ……。

まぁ、提督を親の仇のように敵視するプレイヤーも結構いるWoWsでありますが、皆さんもやりませんか?!

Action Stations!



あらすじ変更してみました。う、うーん……こんな感じでどうでしょうか?
ご意見いただけると幸いです。


かいもの!

 ……うーん、買い物かぁ。

 

 

「こっちですよ、こっち!」

 

 朝食やらなんやらを終えて時刻は0655時。既に太陽はホニアラ市街を燦々と照らし、破片などが飛び散ったまま放置されている道路を私たちは歩いている。

 

 湾岸沿いのメインストリート、といえば聞こえはいいが、結局のところはこの道沿いでことが済むぐらいにしか人が住んでいなかったのであろう通り。並ぶ店はどれもこぢんまりとしており、そこまで多くの需要がないことが伺える。まぁホニアラは人口数万の街なわけで、当たり前といえば当たり前なんだけども。

 

「あの……私あまり買い物に興味ないんですけど……」

 

「いやいや古鷹さん! 何を言っているんですか! 今のワタシたちはヒトなんですからね!?」

 

 

 買い物しないで何をするっていうんですか! そう声高に叫び、無人のストリートに声を響かせる彼女。

 彼女のハイテンションと比べると、私はどうも乗り気じゃない。

 

 買い物とはいえここは無人地帯な訳でして、つまり……緊急避難的な措置(なにか)を取るわけでしょ? というか……そもそも、何を買うというのだ。旅に必要そうなものは一通り揃っているではないか。

 

 

「もぉ……なに「何を買うのか見当がつかない」みたいな顔してるんですか?」

 

「でも、実際問題として必要なものってないですよね?」

 

「……」

 

 え、なんですか……?

 こちらを呆れた表情で見てくる彼女。こちらとしてはあなたのテンションの変動に一言申し上げたいのだが。

 

「分かってませんね……だって古鷹さん、三日間ずっとその服のままなんでしょう?」

 

 だから、連れてきたんですよ。

 

 そう言って彼女が指さす先には……予想通りというべきか、服屋が佇んでいた。

 

 

 ★ ★ ★

 

 

 いや、確かにそれは分かっていた。いくら妖精さんが肌をキレイに保ってくれているからといって、私が見に着けている服がいつまでも汚れない保証はない。そもそも服というのは肌が汚れたり傷ついたりするのを保護するためのもので、使っていれば汚れるのは当然なのだ。

 

 服屋。発展途上国にはない? バカにしたらいけない。発展途上国でも携帯は普及しているし、服なんて安いものはたくさん売ってなんぼの商品である。当然こういう場所にもあるに決まっている。内装は自分の住んでいた日本にあった服の量販店ほどお洒落ではないが、戦火を逃れたおかげで多くの商品は無傷のままだった。

 

「あれ? 略奪の形跡がないですね」

 

 そう、無傷。レジや商品は整然と並べられており、攻撃が始まった瞬間から時が動いていないようにも見える。治安が悪化した街がたどる道はお約束と言うべきか、暴徒の略奪行為などにより荒廃してゆくこと。しかしここでは略奪があった形跡など残されてはいない。

 私が店内をゆっくり見回していると、先に入っていた彼女が応じる。

 

「昨晩話した通りですよ、よほど慌てていたのか、多くの家や店がそのまま放置されてるんです……ドアが開け放たれたままの家もあるぐらいですよ」

 

 ……私が上陸した集落とは大違いだ。あちらは生活の痕跡も大して残っていないぐらい計画的に撤収が完了していた。数十キロ離れただけでこれである。一体ホニアラで何があったというのか……いや、というよりかはあの集落で何があったのか、と問うた方がいいか。

 

 

 ともかく、略奪は起きていない。店長もにっこりである。

 

「まぁ、私たちがこれから荒らすんですけどね」

 

「……古鷹さん、それ言っちゃダメです」

 

 その後に続いた「既にワタシは拝借しちゃいましたし……」という呟きは聞かなかったことにする。

 

 

 ★ ★ ★

 

 

 買い物は楽しむもの、巷ではウインドウショッピングという買い物をしない買い物も存在するように、買い物を楽しむ人間は多い。

 しかし、私は別にウインドウショッピング(これってショッピングじゃないよね)をするつもりはない。ここに来た目的は、今着ている服を洗濯するから、その間に着る代わりの服を探して着る、それだけだ。

 

 それは分かっているんだが……。

 

「古鷹さん~、まだ決まらないんですかぁ?」

 

 ……どの服を選べばいいのだろう。

 

「ちょ、ちょっと待ってください……」

 

 いや、別に選択肢がアホみたいに多い訳ではないのだ。所詮は大量生産重視の安物服。見かけの種類が多くても、結局は服だ。そうだ、服は全部服だ……うーん、私これまで意識して服選びとかしたことないからなぁ。いったいどれが私に似合うのか分からない。私に似合う服ということはつまり女モノの服なわけで、分かる訳がないのだ。

 

 結局のところ、スーツ(私の場合は制服かな?)をビシッと決めて終わり! でいいと思うんだよね。私服とかに気を使いたくない……しかし目の前には他人である彼女がいる。軍艦古鷹のことを考えると下手な服装も出来ない訳でして……。

 ……誰か助言してくれないかな。

 

「迷ってるんですかぁ? ワタシがこーでぃねーとしてあげますよ?!」

 

 棚からひょこっと顔だけ現れる彼女。

 

「嫌な予感がするんで却下で」

 

「ひどいっ!!」

 

 ずり落ちる彼女。効果音をつけるならズデッといったところか。

 

「ふふっ、カメラのお返しです」

 

「根に持たないでくださいよぉ……」

 

 しょぼくれた声を出しつつも、彼女は笑っていた。やれやれと思っていると、彼女は背中から何かを取り出した。

 

「まぁそれは置いといて」

 

 置いといちゃダメでしょ先生。

 

「こんなのどうですか?」

 

 きっと似合うと思うんですけど。そう言って手渡されたのは服のセットだった。

 ……私が呑気に迷っている間、探していてくれたのだろうか?

 

「……」

 

 あてがってみる。見た目よりか実用性を重視した感じ……少なくとも「女の子らしい」といった感じが出ていなくて個人的にはいい印象が持てる。

 

「どうでしょう……? ここのポスターを見る限りだと洋服の組み合わせにも法則性があるように感じたのですが……」

 

 彼女は勧めてきたくせに自信がないのか、やや語尾のトーンが落ちる。

 大丈夫、私も分からないから。

 

「……じゃあこれにしてみようかな? ありがとうございます」

 

「は、はい、古鷹さんのお役に立てたようで何よりです!」

 

 

 

 ……ホントは、名前を教えていただけたら嬉しいんですけどね。

 

 そんなことはもちろん言わない。私は当然彼女を信用などしていないが、ここで無暗にそれを相手に意識させる必要もない。それに、なんだかこんな感じの掛け合いも久しぶりだ。出来ればこの空気を崩したくない。

 

 いい雰囲気……っていうと誤解を招きそうだから、楽しいっていうのかな? こういうの。

 

 ……何だかんだで会話を楽しんでしまっている私。うーん……。いやいや、これも大戦略のうち、私が騙されたふりをすることで、必ず向こうもぼろを出すはず……!

 

「ささ、古鷹さん、早速着替えてきてくださいよ!」

 

「……」

 

「な、何ですか、その人を盗撮魔みたいに見る眼は……」

 

 

 ……もう出てる?

 

 

 ★ ★ ★

 

 

 電化製品、それは自分の住んでいた世界では常識というか、なきゃおかしいぐらいの認識で使われていたものだ。しかし考えてみれば、電化製品の日本での普及は僅か半世紀かそこら前の話(ほら、三種の神器とか言われてたあれだよ)なわけで、それまでの家事労働はすべて手作業で行われていたわけだ。

 

 ……つまり何が言いたいかというと。洗濯板ぐらい欲しかった。ということだ。いや、使い方も分からずに使ったらそれはそれで危ないか。

 

「ふう……こんな感じで大丈夫ですかね」

 

 ともかく私は今、今日までお世話になった(そして今後もお世話になる)制服? を手洗いし終わったところ。私だってシャツの洗濯ぐらいは出来る、袖や襟など汚れのつきやすいところとか手洗いして、後は洗濯機任せ……とはいえ、洗濯機などかき回すだけの存在、大量の洗濯物がない今、それは大した労働ではない。

 それにしても洗いがいのある洗濯物だった……当然ながら私の制服は海水やらなんやらを吸っている訳で、今はまだ目立っていないものの……いや待てよ。

 

 私はあんなに散々海上ではしゃいだのに「この程度しか影響がない」のか?

 

 ……。

 

 

 ……こんなところにも大日本帝国の超技術……恐ろしいものだ。案外この服、防弾仕様にもなってたりして。軍艦は基本的に自艦と同等の火力に耐えられる装甲を施すから……この服は対203mm弾装甲……あ、はいありえないですよね。天下の大日本帝国でもそれは無理でしょう。はい。

 

「さて……ハンガーは……」

 

 脱水機がないためにタオルでくるんで絞りつつ、洗った制服をかけるためのハンガー(敵性語とか言わないでね、まだ対米戦争確定じゃないから)を探す。ちなみに、タオルには「made in indonesia」の文字。インドネシアは独立していたのか……。それがここにあることを考えると物流網も真面目に構築されているらしい……大東亜共栄圏成立、ということだろうか?

 ……それは軍艦古鷹とっての悲願が達成されたということだ。私も嬉しい。

 

 近くの窓、破けたカーテンが引っかかっているカーテンレールにハンガーがぶら下がっているのを見つけ、そこに湿った制服をかける。今日はいい天気なわけで、きっとすぐ乾くだろう。

 

 

 ふと、窓のそとを見る。窓の外には山側のホニアラの街並みが広がっている。海沿いのストリートから離れるにつれて住宅主体となる景色。今気づいたのだが、思ったよりも民家が連なる奥の方は攻撃を受けていないようだった。

 

 まぁ確かに、いくら戦争でも家まで焼き払う必要はない。第二次世界大戦で祖国日本の家々が焼き払われたのはそれぞれで内職を行う家が一種の軍需工場になっていたからであり(ってアメリカ人のえらい人がいってた)行政機能や経済の基幹を潰せば継戦能力はなくなることだろう。

 

 ……やめよう、こんなことを考えるのは。私が知りたいのはソロモン諸島や日本の状況であって、ホニアラを攻撃する方法ではない。

 

 

「古鷹さん~!」

 

 と、窓の下から声が。ガラスの破片が残っていないことを確認しながら身を乗り出すと、

 

「準備ができましたよ!」

 

 と、手を振っている彼女が。その横には如何にも『レトロな』感じの自動車が。

 ……なんでエンジン音が聞こえるんですかね?

 

「その自動車……どこから持って来たんですか?」

 

「えぇ、ワタシの妖精さんたちに直してもらいました」

 

「……」

 

 直してもらった。即ち、壊れていたものをどっかから引っ張ってきたということ。妖精さんたちが万能に近いとはいえ、彼らは全能ではない。車は僅かに壊れていた状態で放置されていたのだろうし、いずれにせよ、彼女がこれを持ってきていた、という事実に変わりはないだろう。

 

 ……さっき使った石鹸も、あのハンガーも……彼女がどこかから「買い物」してきたものなのだろう。そもそも、この建物自体が彼女の所有物ではないのだ。

 

 まぁ、私も人のこと言えないしね……。

 

 

 きっとバレたら怒られるんだろうなぁ、それも大日本帝国海軍の偉い人とかに。なんだか憂鬱だ……。

 

 とはいえ、自動車があるということは陸での移動もラクラクということである。私は艤装を持って(もちろん、完全装備の陸戦隊妖精に見張らせておいたので奪われたりはしていない)建物を出る。

 

 

 彼女は既に運転席についていて、いつでも出発できますよと言わんばかりの様子。

 しかし私は、それよりも後部座席に置かれたあるモノに目をひかれた。

 

「……それって……」

 

「え……あぁ、ワタシの艤装ですよ。通りすがりの巡洋艦なんだから、持っていて当然でしょう?」

 

 確かにそうだ。だが、今の今まで私は彼女の艤装を見たことがなかった。まぁつまり、彼女は艤装を隠していた訳だ。

 

「……確かにそうですね」

 

「それで、忘れ物はないですか? 古鷹さん」

 

 いやいや、艤装は軍艦そのもの、私たちにとってみれば奥の手だ。隠すのは当然。彼女は私に名前を伏せるぐらいには私から距離を取ろうとしている訳で……なんら不自然ではない。

 一瞬彼女から目を逸らし、その艤装に注視する……しかし、当然それではどの艦かなんてわかりゃしない。せめて彼女がうっかり旗でも掲げていてくれたら予測もつけられるというのに。

 

 アレだよね、煙突とか砲塔とか、そういう一部分を見ただけですぐ艦名が分かる人ってホント凄いと思う。私はこんごう型のおかげでミサイル防衛がやり易くなったのは知っていても、こんごう型のフォルムは知らない、そう言う風に軍艦を見てきたからなぁ……。こんな事態になることを知っていればもっとちゃんと……そもそもこの事態を想定しないか、なんかこんな思考前もやったな。

 

 ともかく、あんまりじっと見ていては彼女に不審に思われる。下手に場の空気を悪くする必要はない。

 

「大丈夫ですよ」

 

 そう答えつつ私は艤装を抱えつつ乗り込む。椅子が私を中途半端な反発で迎える。

 

「手で抱えずに、後ろに置いたらどうですか?」

 

 ごもっともな指摘だこと。

 

「いえ……こっちの方が落ち着くので」

 

「もっとワタシを信用してくださいよぉ」

 

 別に咎めるでも、不平を言うでもない声をあげる彼女。

 艤装を隠していたあなたに言われたくはない。

 

 

 と、通信が入る。

 

《こちら古鷹2、古鷹さん……配置につきました。でも……いいんですか?》

 

 密かに水上待機させてある偵察機からの通信だ。彼女に気付かれぬよう、私は念じるようにして返信する。

 

(えぇ、私からの連絡が途絶えたら、構わずやってください)

 

《……了解、です》

 

 

 

 ……まぁ、私も一緒だ。ギリギリまで奥の手は隠す。なんせ彼女が友軍である証拠など、どこにもないのだから。

 

 

 

「では行きましょう……ホニアラ国際空港へ」

 

「よーしっ、飛ばしますよぉー」

 

 笑顔でアクセルを踏み込む彼女。その笑みを見てると、なにか胸にちくちく刺さる気がした。こんなに近いのに、良くしてくれるのに、彼女のことを警戒しなきゃいけないのが苦しかった。




 





??「古鷹さんの着替えシーン、気になるんですか? いい写真ありますよぉ?!」
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