最弱の一誠と歌姫達   作:疾風の警備員

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どうも、疾風の警備員です。

今回は最近浮かんでいたのでやりたくなった番外編です。

それにしてもエグゼイドのゲキトツロボッツの声を水木一郎先生にやってもらいたいと思ったのは自分だけでしょうか?

まあとりあえず、どうぞ。


EX3 アイドルの秘密特訓!?

一誠side

 

学園でのテロ事件から3日経ち、疲れも完全に癒えた俺は人間態のメイル(ゆめ)と一緒に響が眼魂騒動の時に見つけたレストラン【AGITΩ】に来て夕食をとっていた。

 

「ん~♪美味しいね、お兄ちゃん‼」

 

「そうだな、値段も手頃だし今度は皆で来るのもアリだな。」

 

幸せそうな顔でカレーを頬張るゆめにそう答えて、俺も頼んだ煮込みハンバーグを食べる。

 

しっかりと煮込まれているのにも関わらず、肉汁が溢れてきてとってもジューシーだし、そして煮込むのに使われたデミグラスソースの味も格別だ。

 

う~ん、これは家で再現するのは無理かな?

 

カランカラン♪

 

「いらっしゃいませ。何名様ですか?」

 

「あ、三人です。」

 

「かしこまりました。こちらのお席へどうぞ。」

 

そこにウェイターの人が新しく入ってきたお客さんを俺達の隣の席に案内してきた。

 

「ごゆっくりどうぞ。」

 

メニューと水を置いたウェイターは仕事に戻っていった。

 

「はぁ~、今度のお仕事はなかなかハードね…」

 

「…そうだね、私達はあまりそういう事をしたことないし…」

 

「私も得物を持ってやるのは初めてだから。」

 

「「「はぁ~…」」」

 

隣からはそんな会話が聞こえてきた。

 

なんか聞き覚えがある声のような……

 

「はぁ~♪ご馳走さま‼ってあれ?ローラ達だ。」

 

「え…あ、本当だ。」

 

「へ?あッ‼ゆめに一誠さん!?お久しぶりです。」

 

ゆめの声につられ隣の席の人達を見ると、以前俺とタケルが助けたローラちゃんに真昼ちゃんと小春ちゃんのアイドル達だった。

 

「うん、久し振り‼皆、元気してた?」

 

「うん‼」

 

「もちろん。」

 

「当たり前じゃない‼そっちこそどうだったの?」

 

「もっちろん元気だよ‼」

 

そうやって仲良くローラちゃん達と話すゆめを見ていると、俺まで楽しい気分になってくる。最近までは外に出ることなんか出来ず、俺の中で色々と付き合わせてきたんだからこういう何でもない時はなるべく好きな事をやらせてやりたかった。これが俺の出来るゆめへの唯一の恩返しだと思っている。

 

「お兄ちゃん、聞いてる?」

 

「へ?悪い…ちょっと考え事してて…どうした?」

 

突然ゆめから話を振られ、慌てて返事をする。

 

「ローラ達のお仕事についてなんだけど…」

 

「仕事って……アイドルの?」

 

「はい…今度、特撮ドラマのメンバーに私達が選ばれまして…」

 

「その中で、ワタシとローラに今いない子は武器を使った戦闘シーンがあるんです。」

 

「でも、アタシとその子は戦いの経験ないし真昼も空手だから武器を使うのは初めてなんで、なかなか上手くいかないんです。」

 

「なるほど。」

 

確かにアイドルとはいえ、普通に生きている女の子にとって戦うような動きは武道でもやってない限り無縁だからな。

 

「だから、誰かに習おうかと思うんですけど、先生方も今は余裕がなくて…ここであったのも何かの縁ですし仮面ライダーである一誠さんとタケルさんにお願い出来ませんか?」

 

それなら、場合によっては力になれるかもな。

 

「因みに使う武器は何なんだい?」

 

「アタシが槍で真昼が剣、いない子が銃です。」

 

あ、これなら問題ないな。

 

「槍なら俺が教えられるよ。我流だけどね?」

 

「ホントですか!?」

 

「ああ、剣もタケルなら大丈夫だろうし銃については当てがあるからちょっと待っててくれ。」

 

俺はケータイを取り出し、タケルへとかける。

 

『もしもし、どうしたイッセー?』

 

「タケルか?実は…」

 

俺はタケルに今レストランでの事を話した。

 

「それでタケルと玲奈ちゃんの力を借りたいんだ。」

 

『なるほどな、ちょっと待ってろ…』

 

通話口から『玲奈~、ちょっと来てくれ‼』とタケルの声が聞こえ、それから数秒待ち……

 

『待たせたな、OKだってよ。』

 

「そうか。」

 

電話の奥で『生のアイドルに会える‼』とか叫んでる玲奈ちゃんの声が聞こえてくる……

 

とりあえず俺はローラちゃん達に右手でグーサインをして店のアンケート用に置いてあったペンを取り、用紙に時間と集合場所をローラちゃん達に訪ねたら……

 

「今度の休みの朝9時に【四ツ星学園】の校門前でお願いします。」

 

そう言われ、俺はタケルにそれを伝えた。

 

『OK、んじゃその時間に現地集合ってことで。』

 

「頼むな、じゃ。」

 

通話を切って皆の方を見ると、嬉しそうにしていた。

 

「向こうの了承も取れたから、今度の休みにそっちに行くよ。」

 

「「「よろしくお願いします‼」」」

 

それからも、ゆめが頼んでいたデザートのアイスを食べてから、3人と別れて俺達は家路に着いた。

 

 

 

 

 

 

それから少し経って約束の日になり、俺とゆめはアパートの側に置いてある銀色のバイクに乗った。

 

これは前にこっちの世界にやって来たヴラドさんのくれたお土産のひとつで【オートバジン】というらしい。

 

かなりの高性能に加えて、変形してロボットになることも可能なんだそうだ。

 

でも、それより驚いたのがこれが一般的な段ボール(大)の中に入っていたことだ。

 

一般的なサイズの段ボールにどうやって入っていたのか、オッチャンが面白さ半分で調べている。

 

「お兄ちゃん、そろそろ行こうよ‼」

 

「わかったよ、しっかり捕まってろ。」

 

ヘルメットを被りバイザーを下ろして、エンジンを吹かしながら俺達は出発した。

 

「うわ~‼風が気持ちいい~♪飛んでる時みたい‼」

 

「なら、もう少しスピードを上げるか?」

 

「お願~い‼」

 

「よしきた‼」

 

ゆめの頼みで法定速度ギリギリまで上げて、道を走っていく。

 

「イヤッホ~‼」

 

「暴れて振り落とされるなよ‼」

 

「わかった~♪」

 

楽しそうなゆめの声を聞きながら俺はバイクを運転して、集合時間の30分前に四ツ星学園の校門に着いた。

 

「あーッ‼楽しかった‼」

 

「オッチャンに言われて、免許取っておいて良かったよ。」

 

俺がバイクに乗れるのは、昔にオッチャンから……

 

「バイクに乗れる男はモテるぞ?だからお前も取ってこい。」

 

と言われ、受講費まで出してくれたから折角だし取ってみるかと思い、取ったものだ。

 

あの人、仕事中は結構真面目なのになんで普段は少し軽い感じになるんだ?だからたまにキャロルさんに怒られるんだよ。

 

「オーイ、イッセー‼」

 

そこにタケルの声とバイクのエンジン音が聞こえてきて、俺達の前にピンクがかった白にフロントには桜の花のオブジェが付いたバイク【サクラハリケーン】に乗ったタケルと玲奈ちゃんがいた。

 

あのバイクもヴラドさんからのお土産だ。

 

「待たせたか?」

 

「いんや、俺達も今さっき来た所だ。」

 

「おはようございます、イッセーさんにゆめさん。」

 

「おはよう。」

 

「おはようございます、玲奈さん‼」

 

「にしても、デッケェ学校だな…」

 

「ああ…」

 

視線を左右にやると、長い塀がずっと続いていて先が見えない。

 

ここ、東京ドーム何個分あるんだ?これが全部学園なんていうんだからスゴいな……

 

「あ、もう来てたんですね。」

 

その広さに唖然としていたら、敷地内からローラちゃんと小春ちゃんが出てきた。

 

「タケルさん、お久しぶりです。」

 

「君達も元気そうだな。あれから変な奴を追い掛けたりしてないだろうな?」

 

「さすがに懲りましたよ…」

 

「そりゃ結構。」

 

そんな話をしていたら、玲奈ちゃんがタケルの後ろで目を輝かせているのが見えた。

 

「ゆ……有名なアイドルが…………目の前に…‼」

 

「?あの…そちらの子は?」

 

「ああ、俺の妹。」

 

「は、始めまして‼御堂玲奈です‼」

 

「「よろしく‼」」

 

「それで、真昼ちゃんともう一人の子は?」

 

「二人には場所を取ってもらってます。そこの受付で手続きをして、中に入ってきてください。」

 

ローラちゃんに言われ、校門の端にある受付で入館の手続きを行い、二人に他の子達がいる場所に案内してもらう。

 

「にしても、随分広いんだな。外から見ていても思ったけど。」

 

「ここはアイドルの養成所兼学校ですからね。それなりの敷地が必要なんですよ。」

 

「中は4つに分かれていて【花の歌組】【鳥の劇組】【風の舞組】【月の美組】となっています。」

 

「花鳥風月からとってるのか……二人は何組なんだ?」

 

「ローラちゃんが歌組、私と真昼ちゃんが美組でもう一人の子が劇組です。」

 

「「「「へぇ~。」」」」

 

「お~い、皆~‼」

 

そこに真昼ちゃんの声が聞こえ、少し先で大きく手を振っている真昼ちゃんとオレンジ色のロングヘアーに青い鈴が付いたリボンをして、頭頂部の髪をまるで猫の耳のようにした女の子が立っていた。

 

「今日は無理を言ってスミマセンでした。」

 

「気にしなくていいよ。そっちの子がもう一人の?」

 

「【早乙女あこ】と申しますわ。」

 

「俺は龍見一誠、こっちが従妹の虹野ゆめ。」

 

「んで、俺が御堂タケルでこっちが妹の玲奈だ。」

 

「は、始めまして‼」

 

「それじゃ早速はじ「ちょっとよろしいですか?」ん?」

 

練習を始めようと思ったら、早乙女さんが待ったをかけた。

 

「どうしたの?」

 

「桜庭さん達は実際に見たから信じられるのでしょうけど、ワタクシはまだあなた達が噂の仮面ライダーとは信じていませんの。それが本当かどうか見せてもらえませんこと?」

 

「フム、それもそうだな。」

 

いきなり俺達が仮面ライダーだなんて言われて、スゴいって思う方がおかしいし、最もな事だな。

 

「ちょっと何無茶を…「分かったよ。なら今ここで変身してみせよう。」……へ?」

 

「え、いいんですの?」

 

「本当はダメだけど疑ったままだと練習に身が入らないしね。一応道具を持ってきているし。」

 

アイテムを使い結界が張れたのを確認して、俺とタケルが並び俺がデッキを前に突きだし、タケルがベルトを出して眼魂を装填した。

 

《アーイ‼バッチリミナー‼バッチリミナー‼》

 

そのままポーズを決め、

 

「「変身‼」」

 

そう叫び、光龍とゴーストになった。

 

「どう、信じて貰えたかな?」

 

俺達の変身を見た早乙女さんはポカンとした表情から回復し……

 

「…………こんなの見せられたら、信じるしかありませんわ…」

 

と、納得してくれた。

 

「この事は内緒にしといてね?それじゃ、特訓を始めようか。」

 

変身と結界を解除し、俺はローラちゃんにタケルは真昼ちゃんに玲奈ちゃんが早乙女さんに教え始めた。

 

俺が教えていたローラちゃんは飲み込みが早く、動きはすぐに上達していった。

 

ただ、俺がライザーとの戦いの時に10日間かけて覚えた動きを二時間で覚えられた時は多少ショックだった…

 

「よし、今度は俺と軽く打ち合ってみようか。」

 

「はい‼」

 

「お兄ちゃんもローラもがんばれ~‼」

 

「やぁッ‼」

 

「ほっ。」

 

ローラちゃんが勢いよく使っていた模造槍を突き出してくるが、それを簡単に後ろへと受け流す。

 

「くッ!?セイッ‼」

 

「ほい。」

 

「きゃッ‼」

 

次に振り返り様に横凪ぎにきた槍をそれより少し上の力を入れて、打ち返した。

 

「無理矢理じゃなく、振った槍の勢いを利用するように動くんだ。そうすれば自然と滑らかで負担の少ない動きになるよ。」

 

「ハイッ‼」

 

俺がそうアドバイスすると、彼女が足を払うように振るってきたので、ジャンプして回避する。

 

「でやぁッ‼」

 

が、元々それを予測していたのか自分の体を回転させてその勢いを乗せた突きを放ってくる。

 

「よっと。」

 

でも、俺もそれを予測していたので蹴りで弾いた。

 

「うそッ!?」

 

「うん、やり方は悪くないよ。そうやって動きをいかしながら技を繋いでいっていけるようにすれば、見た目も良く見えるから。」

 

「解りました‼」

 

所々そうやってアドバイスをしながら、タケルや玲奈ちゃんの方を見ると、

 

「なるほど、真昼ちゃんは技のキレは良いけど一発一発に力を込めすぎてる。だから二撃目への返しが遅くなってるんだ。もう少し力まずに振ってみよう。」

 

「押忍ッ‼」

 

「そうじゃなくてこうビシッ‼ですよ、こうビシッと‼」

 

「そんな擬音で解るわけありませんわ!?」

 

タケルの方は大丈夫そうだけど、玲奈ちゃんの方は後でフォローした方がいいな……

 

そんなこんなでお昼時になったので、俺達は一旦休憩と食事をすることにしたので、学園の食堂に向かっていた。

 

「良いのかい?部外者の俺達が食堂を使っても…」

 

「一応入館手続きをしてあれば問題ないですよ。」

 

「味は私達が補償します。」

 

それを聞いてゆめがヨダレをたらす。

 

「ゆめ、ヨダレ。」

 

「おっとっと。」

 

「相変わらずゆめは食いしん坊ね。」

 

「それがコイツだからな。」

 

俺はそう言って、ゆめの頭を撫でた。

 

「料理の匂いが我を呼ぶ‼…ってね♪」

 

「どこのオリジンだ…」

 

そんな話をしていたら食堂に着いたので、全員で料理を頼んでそれを受け取り空いてる席に座った。

 

「しかし、周りの視線が気になる…」

 

「ああ、俺もそう思った…」

 

中に入ってから俺とタケルに沢山の女子の視線が集まっている。

 

「お二人とも、結構なイケメンですからね。」

 

「「そうか?」」

 

「すみません、この人達そういうのあんまり気にしないので…」

 

「「「「ああ~。」」」」

 

なんか失礼な事を言われつつ食事を済ませ、午後は撮影で行われる動きの練習をしようと外に出たら……

 

「あ、真昼ちゃん発見~‼」

 

「え?…ひゃああぁぁぁぁッ!?」

 

いきなり真昼ちゃんにウェーブの入った赤茶色のロングヘアーの女性が抱き付いて頬擦りしだした。

 

「午後からオフになって帰ってきたら真昼ちゃんに会えるなんて~♪ああ~ん、相変わらず嫉妬しちゃうくらいお肌モチモチね~♪」

 

「ちょッ!?は、離れてよ‼お姉ちゃん‼」

 

「誰、あの人?」

 

「真昼ちゃんのお姉さんの【香澄夜空】さんです。私と真昼ちゃんが所属している美組のトップなんですよ。因みに歌組、劇組、舞組のトップと合わせて【S4】なんて呼ばれています。」

 

「ああ、そういえばたまにテレビで見るな。」

 

どうやらあの人は真昼ちゃんのお姉ちゃんで、有名人だったみたいだ。

 

「いい加減にしてよ!?皆が見てるから‼」

 

「あら?」

 

そこで香澄さんはようやく我に帰り、その隙に逃げ出した真昼ちゃんは俺の後ろに隠れた。

 

「ご、ゴメンね真昼ちゃん。ついテンションが上がっちゃって…」

 

「ホントよ、まったくもう…」

 

「ところでそちらの方々は?」

 

「始めまして、俺は龍見一誠といいます。」

 

「俺は御堂タケルです。」

 

「虹野ゆめです‼」

 

「………………………」

 

彼女に問われたので自己紹介していったが、玲奈ちゃんがなぜか固まってしまっていた。

 

「どうした、玲奈?」

 

「あ、あのトップアイドルのS4が…………目の前に…‼」

 

そう呟いたら、翼や調や木場を越えるような速度で懐から色紙とペンを出して彼女の前にいた。

 

「ファンです‼サインください‼」

 

「おい、今の動き見えたか…?」

 

「いや、まったく…」

 

玲奈ちゃん……これほどのスペックを持っていたとは…‼

 

「ええ、構わないわよ。」

 

「やったぁッ‼」

 

サインを書いてもらえた玲奈ちゃんは跳び跳ねながら喜んでいた。

 

「すみません、妹のワガママを聞いてもらって…」

 

「いえ、これくらい貴方達がしてくれた事に比べたら恩返しにもなりませんから。」

 

「「へ?」」

 

それってどういう……

 

「前に真昼ちゃんを助けてくれてありがとうございます。仮面ライダーさん達?」

 

その言葉に俺とタケルは驚愕した。

 

「……いつ、気付いたんですか?」

 

「昨日、真昼ちゃんが教えてくれましたから…仮面ライダーが特訓してくれるって。」

 

「真昼ちゃん?」

 

「アハハ……ごめんなさい…」

 

「ハァ…」

 

まあ、知られちゃったものは仕方ないか……

 

「あの、その事は…」

 

「もちろん、内緒にしておきますよ。」

 

「助かります。」

 

「それと、私も見学させてもらってもいいですか?」

 

「別に構いませんよ。」

 

「その代わり、抱き付かないでよ?」

 

「解ってるわ。」

 

という事で夜空さんを加えたメンバーでまた訓練を開始した。

 

特撮ドラマのシナリオによると、最初はローラちゃんと真昼ちゃんが戦うらしいので、二人で軽く打ち合ってもらった。

 

「剣を使ってる真昼ちゃんも凛々しいわね~♪」

 

「朝はもう少しぎこちなかったけど、大分マシになったな。」

 

「ローラちゃん達も覚えが良いし、これなら後は自力で上手くなっていくだろうな。」

 

槍と剣でつばぜり合いをする二人を見ながら俺はそう思った。

 

「そうだイッセー、俺達も少し模擬戦をやらねぇか?またアイツがいつ出てくるか解らねぇし、鍛えといて損は無いだろ?」

 

「それもそうだな。」

 

タケルの案にのり、俺達も少し離れた場所で借りてる模造槍と模造刀を持って向かい合った。

 

「「ハァッ‼」」

 

互いに飛び出し槍と剣をぶつけ合わせ、俺は少し離れようとするとタケルがすぐに距離を詰めてくる。

 

「フッ‼」

 

「チッ!?」

 

槍を横凪ぎに振ってタケルの動きを阻害し、距離が空いた所で長さをいかして突きを放った。

 

「なんのッ‼」

 

が、タケルは剣の上を滑らせるようにして受け流し、俺へと近づいてきた。

 

「セアッ‼」

 

「オラァッ‼」

 

俺が接近を阻止するために蹴りを放つが、タケルも蹴りを繰り出して相殺された。

 

俺はすぐに槍を引き戻して応戦しようとするが、タケルの剣が振り下ろされてきたので半歩横に動いてなんとかかわすが完全にバランスを崩してしまった。

 

「もらったッ‼」

 

「なんのッ‼」

 

すぐさま横凪ぎに振られた剣を崩れたバランスのまま倒れ、地面に手を着きながら側転をして剣の腹を蹴り上げた。

 

「うおッ!?」

 

「デヤッ‼」

 

「グッ!?」

 

両手が上に跳ね上げられた事で隙だらけになった腹に槍を叩き込む。

 

「オリャアッ‼」

 

「グハッ!?」

 

が、タケルは倒れず逆に剣の振り下ろしが左肩に直撃する。

 

互いに当たった所を押さえながら下がり、俺は槍を突きの構えですぐに飛び出した。

 

「ハアッ‼」

 

「フンッ‼」

 

それはタケルに地面へと撃ち落とされ、穂先が地面に刺さった。

 

「隙あり‼」

 

「甘い‼」

 

タケルが突きを放つが俺は棒高跳びの要領で槍を支えにそれを飛び越え、反対側に回りながら蹴りを後頭部に入れる。

 

「痛ぇッ!?」

 

「隙ありだ‼」

 

「嘗めんなッ‼」

 

槍を打ち込もうとしたが、タケルが振り返りながら振った剣に弾かれ、脇腹に蹴りを貰う。

 

「グオッ!?」

 

「喰らえッ‼」

 

「負けるかッ‼」

 

同時に突きを放ち武器同士がぶつかると、その衝撃でお互いの武器が手から離れてしまった。

 

「「クッ!?ハアッ‼」」

 

そしお互いに拳を繰り出してクロスカウンターになり、同時に倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆめside

 

お兄ちゃんとタケルさんが模擬戦を始めたら、練習していた皆も動きを止めて、それを見ていた。

 

「すごい動き……ツバサも真似は出来ないわね。」

 

「ていうか、あの二人は防具とか着けてるの?」

 

「ううん、何時も生身でやってるよ。」

 

「「「「ええッ!?」」」」

 

私がそう言うと夜空さんと玲奈ちゃん以外が驚いた。

 

「それなのにあんな全力で打ち合ってるの!?」

 

「それじゃあ大ケガしちゃうよ!?」

 

「大ケガ処かこの前も大きな戦いがあって、タケルさんは胸を敵の腕に貫かれるし、お兄ちゃんは制御出来ない力を使って全身の骨にヒビと左腕の複雑骨折なんて怪我を負って死にかけたんだけどね。」

 

私の言葉に全員が絶句していた。

 

「でも、あの二人はそれでも恐れずに体を鍛えているの。」

 

「それは誰かを守りたい為……かしら?」

 

夜空さんの言葉に頷く。

 

「二人とも大切な仲間がいるんです。だから、どんな敵が出てきてもそれに立ち向かおうとして、あんな特訓とか実戦で無茶をやってるんです。」

 

二人の戦いを見ながら私は皆にそう話す。

 

「私としてはあんまり無理してほしくはないんだけど…」

 

お兄ちゃんは私にとってかけがえのない人だから、出来るなら何時までもお兄ちゃんと一緒にいたい。

 

「フフ……ゆめちゃんはお兄ちゃんが大好きなのね?」

 

「はい。大好きで何時までも一緒にいたいです。」

 

「あらあら、これはローラちゃんは大変ね?」

 

「へッ!?な、何言ってるんですか、夜空先輩!?」

 

「?」

 

そんな話をしていたらお兄ちゃん達がクロスカウンターで倒れた。

 

「あ、私ちょっと行ってきます‼」

 

皆から離れ、私は二人の元に向かうと、回復錠を飲ませた。

 

「ぷはッ!?あ~効いた…」

 

「ああ…一瞬で意識が持ってかれたぜ…」

 

「んも~、二人ともやり過ぎです。」

 

「「スンマセン…」」

 

「これ以上の特訓はもう禁止‼お兄ちゃんはローラ達の指導、タケルさんは玲奈ちゃんの補佐‼」

 

「「り、了解‼」」

 

とりあえず私はこの場所での特訓禁止令を出して、お兄ちゃんはローラと真昼ちゃんの戦闘シーンのアドバイス、タケルさんは玲奈ちゃんの特訓に四苦八苦しているあこちゃんの元にフォローに行かせた。

 

「まったく…しょうがないんだから…」

 

それからも3人への指導は続き、5時頃になってようやく特訓はお開きとなった。

 

「「「今回はありがとうございました。」」」

 

「いや良いよ、こっちこそこのバカのお願いを聞いてくれてありがとな。」

 

「うう……痛い…」

 

そう小さく呻く玲奈ちゃんの頭には瘤があった。

 

どうやらローラ達にもサインをねだっていたらしく、それを見たタケルさんがお仕置きしたらしい。

 

「いえ、気にしないでください。」

 

「私達もファンがいてくれる方がやる気が出てきますもの。」

 

「それと、今回の特撮ドラマは夏休み前に放映が始まりますから見てくださいね‼」

 

「是非また来てください。他のS4メンバーもお礼を言いたいと言ってましたから。それと真昼ちゃん達が出る特撮ドラマ、実は私も出てますので。」

 

「「「「ええッ‼何それ!?私聞いてない‼」」」」

 

夜空さんの言葉にローラ達が驚いているのを見て、私達は苦笑した。

 

「はい、俺達も楽しみにしてますので。」

 

お兄ちゃんがそう言ってバイクに跨がったので、私もヘルメットをかぶり後ろに乗ってその背中に抱きついた。

 

「それじゃ、まったね~‼」

 

走り出すバイクの後ろを振り返り、手を振りながら私達はローラ達と別れた。

 

そのまま途中までタケルさんと一緒に走り、二人とも別れ家に着いた。

 

「んじゃ、部屋に行くか。」

 

そうやって歩いていくお兄ちゃんの後ろ姿を見た瞬間、名残惜しい感じがして私は思わずお兄ちゃんの手を握った。

 

「ん?どうしたんだ?」

 

「ん~……なんとなく?」

 

「まあ、良いけど。」

 

言えない……お兄ちゃんから離れるのが嫌だったなんて……なんか恥ずかしいし……

 

そのまま部屋に行こうとしたら、お兄ちゃんが急に立ち止まった。

 

「そういや冷蔵庫の中が空っぽになりそうだったんだ。買い出しに行かないとな。」

 

「じゃあ、一緒に行こう‼」

 

「お、おい‼引っ張るなよ!?」

 

「気にしない、気にしない‼」

 

私は笑いながらお兄ちゃんにそう言うが、心の中では1つの決心をした。

 

お兄ちゃんをもっと強くするためにも、必ずあの力…………禁手に至らせると。

 

そのために、私も頑張ろうと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それか少ししてローラ達が出る特撮ドラマが始まったので二人で視聴した。

 

内容としてはあるアイドルのライブに行ったローラが特殊災害と呼ばれる化け物【ノイザー】に襲われ、それの対処をするため特別な歌を歌い特殊武装【シンフォニーア】を纏った夜空さんと真昼ちゃんが立ち向かっていくがその戦闘で逃げ遅れたローラを夜空さんが庇うが砕けた武器の破片がローラの体に突き刺さった。それを見た夜空さんが最後の技【滅唱】を唱え真昼ちゃんの手のなかで灰になって死亡、ローラも胸に大怪我を負って瀕死状態になるがなんとか一命をとりとめた。しかし、心臓に刺さった破片までは取り除けなかった。

 

それから回復したローラは幼馴染みの小春ちゃんと普通に生活していた。そして真昼ちゃんはシンフォニーアを纏い各地で起きるノイザーの対処を淡々と行っていた。

 

ある日、ローラ達が再びノイザーに襲われ小春ちゃんは逃げられたがローラは近くにいた女の子を助けていたらノイザーに囲まれてしまった。

 

『アタシは諦めない、絶対に生きるのを諦めたりなんかしない‼』

 

ビルの屋上までなんとか逃げたローラがそう叫ぶと胸の傷痕から光が放たれ、夜空さんが呟いた歌と似ている歌を紡ぐと夜空さんが纏っていたシンフォニーアと似ている装備を身に纏っていた。

 

『あれは……』

 

『波形パターン照合……間違いありません‼あれは【ガンガニール】です‼』

 

『ガンガニールだとぉッ!?』

 

それをモニター越しに見ていたノイザー対処組織【特殊災害対策6課】の面々は驚き、真昼ちゃんは唇を噛んだ。

 

ここで第一話が終わり、エンディングになった。

 

「なんか良く知ってる設定が沢山あったんだが…」

 

「うん、ローラのガンガニールとか真昼ちゃんの【天ノ羽斬(あまのはねきり)】はガングニールと天ノ羽々斬にそっくりだったし…」

「滅唱とかどう考えても絶唱だろ…」

 

「変身前の歌は聖詠だよね?」

 

「なんだってこんな話が……」

 

その謎はエンドクレジットで解明された。

 

(原作・原案 閃光と暗黒の龍絶剣総督)

 

「何やってんだ、あの人はあああああああああああああああああああああああああああッ‼‼‼」

 

これを見た瞬間、お兄ちゃんの絶叫が木霊した。

 

因みにこの番組、【合唱戦姫シンフォニーア】は役者の戦闘シーンが凄すぎるという事でかなりの高評価になったとか。




いかがでしたか?

特訓シーンは私の勝手な解釈なのでおおめに見てください。

次回からは前に書いた【異世界渡航のトレーニング】を始めようと思います。

次回【そうだ、異世界に行こう】

「あれ、俺が二人いる!?」

では、また次回で。
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