最弱の一誠と歌姫達   作:疾風の警備員

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どうも、疾風の警備員です。

最新作が出来たので投稿します。

これで50話目になりました‼

この話で3章は終わりとなります。ただ、内容が駄文かもしれません……

どんな結末か、皆様の予想を裏切れるように書いたつもりです。

そのように書けたか、見ていってください。


漆黒の王

アザゼルside

 

「変身。」

 

俺は新しく作り上げた人工神器【ダークキバの鎧】を身に纏い、コカビエルと対峙した。

 

まだ調整が終わってなくて、出力がデータの半分ほどだが……ま、問題ないだろ。

 

「コカビエル……お前には、俺が直接判決を下す…‼」

 

「やれるものならやってみろ‼‼」

 

同時に走り出し、俺の拳と奴の槍がぶつかり合う。

 

「どうしたッ‼なぜ武器は使わない!?」

 

「生憎と、まだ製作中なんでな‼」

 

この姿だと光の力が使えないから、幾つか武装も考えていたが今回は時間が無かったからほぼ素手だ。

 

「そうかッ‼」

 

コカビエルが両手の槍を投げ、俺はそれを右足の回し蹴りで叩き落とす。

 

「背中がガラ空きだぞッ‼」

 

後ろを見せた一瞬の隙に、コカビエルが俺目掛けて突っ込んでくるが……

 

「甘ぇよッ‼」

 

「ぬッ!?」

 

背中のマントを翻して一瞬だけ視界を遮り、怯んだところを後ろ回し蹴りを顔に打ち込んだ。

 

「グハァッ!?……くぅッ‼」

 

吹き飛んだコカビエルだったが、すぐに体勢を建て直し翼を硬くして斬撃を放ってきた。

 

「なんのッ‼」

 

それを俺は両手と片足で捌いていく。

 

「ここ最近は、まともに訓練などしていないはず…なのにこれ程の強さを維持しているとは……相変わらずの面白特訓法だな?」

 

「ったりめぇだ‼飯食って、研究して、寝る‼俺の特訓はこれで充分さ‼」

 

『『『『『んな訳あるかァッ‼‼』』』』』

 

外野の連中(キャロル以外)から息の合ったツッコミが飛んでくるが、無視だ無視。

 

「いや、あながち間違いではない。発明品を作ることは、いろいろと発想したり考えをまとめたりするが、それが戦術を考えるのに役立つし、旦那様は武装系の物を作ると必ず自分で性能試験を行っている。相手は主にオレかシェムハザ、バラキエルだ。そのお陰で体が鍛えられていると言ってもいいだろう。」

 

そこでフォローしてくれるとは…本当に良い妻だぜ。

 

「だったら遠慮はせんぞッ‼」

 

「こっちは何時でも全力だぜ?」

 

コカビエルが突っ込んでくるので、迎え撃つ為に腰を低くして構え、出された右ストレートを上半身を下げて回避する……

 

「ヌンッ‼」

 

「グッ‼」

 

が、その勢いのまま通りすぎようとするタイミングで左膝を出して俺の顔に直撃した。

 

「フン‼慢心が過ぎるんじゃないのか?アザゼル。」

 

「へッ‼それはどっちだろうな?」

 

「なに…ッ‼ガハッ‼」

 

そこでコカビエルは腹を抑えて吐血した。

 

「き…貴様…‼なにを…………した…‼」

 

「お前が膝を入れるのと同時に、俺もお前の鳩尾に肘を打ち込んでたんだよ。」

 

ま、けっこうシビアなタイミングだったけどな。

 

「…………だ…‼」

 

「ん?」

 

奴がそこで、何かを言おうとしていたので耳を傾ける。

 

「これだけの……力が…ありながら…………なぜ、戦争を止めたのだ‼アザゼル‼‼あんな形での終わり方など納得できるものか‼‼」

 

「…だが、ああしなければ俺達が生きていたか解らねぇぞ?」

 

「それでもだ‼‼あれでは死んでいった仲間達が浮かばれん‼」

 

やっぱり……お前はまだ吹っ切れていなかったのか…あの戦争を……

 

「だから俺はもう一度戦争を始める‼そして、完全な決着をつける‼それこそが真の目的であり、アイツ等への本当の供養になる‼」

 

その瞳に決意の炎を燃やしながら、コカビエルは立ち上がった。

 

「…………俺がそれを認めると思ってるのか?」

 

「思ってなどいないさ……だから、押し通る‼‼」

 

翼を広げて向かってくるコカビエルの拳を右手で受け止める。

 

(さっきより力が上がっている…‼これがアイツの覚悟という事か‼)

 

「答えろアザゼル‼‼死んでいった者達にとって、あの戦争はそれだけの価値があったのか‼」

 

腕を振り払い、放たれた上段蹴りを左腕で受ける。

 

「あれだけ大勢が犠牲になったからこそ、戦争の悲惨さを知りお互いが協調できるようになっただろう‼」

 

足を弾き、脇腹に蹴りを叩き込む。

 

「グゥッ‼…あれは二天龍の介入があった事による一時的なものだ‼現に今も三勢力での争いは絶えない‼ただ戦争が縮小されただけに過ぎん‼」

 

奴の拳が俺の顔に決まる。

 

「ツゥッ‼だからと言ってこれ以上、多大な犠牲を払わせる訳にはいかないだろ‼」

 

今度は俺の拳がコカビエルの顔に入る。

 

「ウッ‼だったらその犠牲になった者達の思いはどうなるんだ‼俺達に勝利を託して死んでいったアイツらの思いは‼」

 

奴の蹴りが腹に当たり、数歩下がる。

 

「ッ‼アイツらが願ったのは勝利じゃなくてその先じゃないのか‼」

 

俺はコカビエルの服を掴んで引き寄せ、頭突きを決める。

 

「グハッ‼なら、なんだというのだ‼アイツらは俺に何を託したというんだ‼」

 

「堕天使全体の【平和】に決まってんだろ‼」

 

「ッ!?」

 

俺の言葉に奴の動きが止まる。

 

「あの戦争はなんの為にやっていたか忘れたのか?俺達の平和を守る為だろうが‼勝利なんて二の次だ‼戦えない奴等を守る為だろ‼これ以上戦わずに戦争が終わるならその方が良いだろ‼」

 

「そんなものは過ぎた幻想だ‼」

 

「その幻想を実現するのが俺の…総督と名乗る者の役目だ‼‼」

 

「だったら…」

 

コカビエルは小さく呟いて、地面に蹲った。

 

「だったら、何故もっとそれを早く出来なかった?それが叶っていれば……アイツらは死なずにすんだのに…‼」

 

そして、地面に小さな水滴が落ちた。

 

「それは俺の力不足だ。否定はしない…………本当にすまなかった。」

 

俺はコカビエルの肩に手を置き、そう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠side

 

「コカビエルは三勢力戦争で何かあったのか?」

 

「おそらくだが、見当はついている…」

 

俺が疑問を口にしたら、キャロルさんが返答してくれた。

 

「奴は過去に天使側の補給線を断つ作戦に向かうために、奴を慕っている36人の精鋭と共にその場へと赴たが、作戦がばれていたらしく帰って来たのは……奴1人だけだった。」

 

「それからだ……奴が戦場で大暴れするようになったのは。たぶん、その時の経験が奴をそうさせたのだろう。」

 

コカビエルにそんな過去があったなんて……

 

俺はゆっくりと歩き出して、コカビエルの元に向かった。

 

「コカビエル。」

 

「……一誠か…」

 

俺が話しかけると、弱々しくも返事をしてくれた。

 

「こんな俺を笑いに来たのか?部下の思いにも気づけない情けない俺を…」

 

「んな訳ねぇさ。」

 

俺もその場にしゃがんで、話しかける。

 

「アンタは俺の目標でもあるんだ。そのアンタがずっと抱えてきた思いを笑うなんて真似はしない。」

 

「お前にまで気をつかわれるとは……。」

 

「たまにはいいだろ?でも、きちんと罰は受けてほしい。そうじゃねぇと……俺はアンタから教えてもらったことを誇りに思えないからよ…」

 

「……そうだな、それがこの騒ぎにおける俺の責「そうか‼そういう事か‼」ん?」

 

コカビエルの言葉を遮るように、ゼノヴィアが抑えていたバルパーが叫び出した。

 

「これなら聖魔剣が出来たのにも納得がいく‼つまり、聖と魔を司るバランスが大きく崩れているからだ‼ということは…‼」

 

「ッ‼‼オイッ‼急いでそいつの口を塞げ‼‼」

 

「えッ!?」

 

オッチャンの声にゼノヴィアは慌ててしまい……

 

「四大魔王だけでなく……神も既に死んでいるという事か‼‼」

 

『『『『『ッ‼‼』』』』』

 

その言葉に全員の動きが止まった。

 

はっ?神が死んでいる?四大魔王は知ってたけど神の方は全く知らないぞ?

 

「あのバカが…‼」

 

「よもや自力でそこにたどり着くとは…」

 

「え?その話、本当なのか?」

 

オッチャンはアーシアの方を一瞥した後……

 

「ああ、本当だ。これを知っているのは熾天使に現四大魔王、俺達堕天使の一部幹部のみだ。」

 

そう言った。

 

「では……私達が神から与えられる愛は…」

 

「今はミカエルを中心にして熾天使全員でシステムを管理しているから大きな問題はないが……力不足は否めない。加護何かも昔ほどでは無くなっているしな。」

 

アーシアの力ない叫びに、オッチャンの言葉が突き刺さったのか顔を俯けた。

 

「それじゃ……私達がやってきた信仰には、何の意味もないじゃない…」

 

「嘘だろう…?嘘と言ってくれ…」

 

「私達は……何の為に…」

 

教会出身の3人がその事実に打ちのめされていたら……

 

ドスッ‼

 

「ウゴッ!?」

 

『『『『『なッ!?』』』』』

 

バルパーにオレンジ色の光の矢みたいなのが当たり、その体は黒い粒子になって消えていった。

 

「何だッ!?」

 

「一体どこからッ!?」

 

「下がれ、一誠ッ‼」

 

「ッ‼うわッ!?」

 

俺は突然コカビエルに手を掴まれ、おもいっきり投げられた。

 

「イッツツ……何を「ガハッ‼」へ…?」

 

痛む体を起き上がらせると、先程と似た青い光の矢がコカビエルに突き刺さっていた。

 

「コカビエルッ‼」

 

「……無事か…一誠…?」

 

コカビエルは矢が刺さっている場所から粒子化し始めている体で俺に喋り掛けてくる。

 

「ああ‼無事だ‼でも、アンタの方が…‼」

 

「気にするな……それよりも……よく聞け…」

 

「その前に治療を‼」

 

「これから先…………お前には大変な未来が……待っている…それこそ…………【修羅】では生ぬるい未来かもしれない…」

 

「それぐらいわかってる‼‼だから、今は治療「【一刀羅刹】だ…」え…?」

 

「お前が俺に……一撃を当てた時の…………技の名だ…一撃に何もかもを込めるなど…………修羅すら越えた……まさに、羅刹のごとき技だったからな……」

 

「そんなこといいから‼‼今は…「強くなれ……お前なら…………皆を守れる…」おい……コカビエル…?」

 

力が上手く入らないのか、ゆっくりと震える手を俺に出してきて、俺もその手を掴もうとして……

 

「さらばだ…………我が愛弟子よ…」

 

寸前で、完全に粒子になって崩れ落ちた。

 

「…あ………」

 

「くそッ‼誰か‼見た奴はいないか‼」

 

『玲奈です‼先程屋上に白いコートみたいなのを着た人影を見ました‼』

 

オッチャンと玲奈ちゃんが連絡を取っている声を、俺はどこか遠い場所で聞いている感じになっていた。

 

「そいつはどこに行ったか解るか‼」

 

『あ、え~と……一瞬光った後に消えちゃいました…』

 

「……そうか、ありがとう。君もこっちに合流してくれ。」

 

『はい、分かりました。』

 

こうしてエクスカリバーを巡る事件は……予想外な形で幕を引く事となった。

 

 

 

 

 

 

???side

 

「ふむ……人間相手には充分な効果でしたが、幹部クラスの人外にはまだまだ効果の効きが弱いようですね。」

 

もう少し、改良を加えてみましょうか……

 

「ですが、やはり素晴らしい‼‼この【聖遺物】さえあれば私も【英雄】に…‼ククク……ハーッハハハハハハハハ‼‼」

 

 

 

 

 

 

 

 

一誠side

 

事件から二日後、堕天使領においてコカビエルの葬式が行われた。

 

今回の騒動の主犯格である者の葬式をやるのはどうなんだという意見もあったが、オッチャンの権限でその意見は潰された。

 

そして俺は今、礼服を着て葬式が行われている会場の屋上で手摺にもたれ掛かって空を見上げていた。

 

「こんな所でどうしたの?」

 

そこに新しい声が聞こえたので、入り口を見ると黒いドレスの礼服を着た響がいた。

 

「ちょっと風に当たりたくて…」

 

「そっか…」

 

響は俺の言葉に簡単な返事をした後、隣に座った。

 

「お葬式、行かないの?」

 

「まだ、心の整理がついてなくてな…」

 

実際、目の前でコカビエルが消えていくのを見たのに驚きしかなく、涙さえ流れなかった。

 

「俺は……何も出来なかった。目の前でコカビエルが粒子になって崩れていくのをただ、見ていることしか出来なかったんだ。」

 

そう言って、俺は自分の右手を見つめた。

 

「イッセー…」

 

「こんな辛い思いをするのは…………もう、御免だ。だから…‼」

 

俺は右手を握り締めた。それこそ爪が食い込んで血が流れる程に……

 

「俺はもっと強くなる。そして仲間を守れるようになってみせる…‼」

 

その手を立ち上がった響の手が優しく包み込んだ。

 

「イッセーなら出来るよ、必ず‼私が保証する‼」

 

「…ありがとな。」

 

「だから…」

 

響は手を離して、俺の首元に持っていきそのまま引き寄せてきたので、顔が胸に埋まる形になった。

 

「ちょっ‼響!?これは!?「泣いていいんだよ。」え?」

 

「人はいきなり強くなんてなれない。最初は誰だって弱いんだから……泣いても問題ないよ。」

 

「でも、これから強くなろうとしてるのに……泣いたりなんか…」

 

「今は私しかいないし……誰かに言いふらしたりなんかもしない。約束するよ。」

 

響の言葉に、俺は何かが溶けるような感じがして…

 

「本当は…………もっと……いろんな事を……教わりたかった…」

 

「うん…」

 

「ここ最近であった……事も…………話したり…………したかっ……た……‼」

 

いつの間にか、心で思ってた事を喋っていた。

 

「本当は……あんな感…じじゃなく……1人で…………倒して…認め……て……欲しかったんだ…‼」

 

「そうだったんだね…」

 

「なのに……勝ち逃げ……なん…て……ズルい…………だろ…俺は……俺は…‼師匠……‼‼うあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼‼‼」

 

そして、おもいっきり泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼノヴィアside

 

事件の後、エクスカリバーの破片を回収した私とイリナはそれぞれの教会に行くために別れ、私は破片を渡した後に神の不在を神父に追及したら……

 

「やはり追放処分か…」

 

案の定、教会を追放され、宛もなく町をさ迷い歩いていたら、町外れにある川にまで来ていた。

 

「私はこれから……どうすれば…」

 

「ねぇ、どうしたの?」

 

その時、近くでキャンプしていたであろう紫の髪をポニーテールに纏めた女性に声を掛けられた。

 

「いえ、ちょっと帰る場所を無くしまして…」

 

と、信じてもらえないであろう事を話してみたら……

 

「そうなの……なら、こっちにいらっしゃい。」

 

手を掴まれ、引っ張られるように連れていかれたのは、彼女の仲間と思われる男性3人と女性3人がキャンプしている場所だった。

 

「お帰り……その人は?」

 

「なんか、帰る場所が無くなっちゃったそうなの。だから、御飯だけでも一緒にどうかなと思って。」

 

「そうか……俺は構わないが皆はどうだ?」

 

「アタシは良いよ。多めに作ってあるし。」

 

「私も構わないにゃん。」

 

「オレっちも別に良いぜ。」

 

「私も良いですよ。」

 

「わ、私も大丈夫です‼」

 

「ということだから、一緒にどう?」

 

「…………では、ご相伴に預からせてもらいます。」

 

そこで、私はあるものを感じ取った。

 

「失礼ですが…」

 

「ん?」

 

お世話になるこの場で言うのは少し躊躇いがあったが、威を決して……

 

「貴殿達は……悪魔か?」

 

そう聞いてみたら…

 

「そうだけど?」

 

以外にも返事はあっさりと返ってきた。

 

「そういう貴女は悪魔祓いかしら?」

 

「……元が付きますがね。」

 

「どういう事だ?」

 

リーダーらしき銀髪の男性に問われ、私はこれまでの経緯を話した。

 

「相変わらず、教会はバカな事しかしないな。」

 

「今になって、同じように追放された彼女の気持ちがわかりました。できれば彼女に謝りたいが……今の手持ちの金額ではそれも出来ない。」

 

着の身着のまま追い出されたので、財布を持ってくる暇すらなかった。

 

「…………良かったら君、悪魔になってみるか?」

 

「……………………は?」

 

そこで、銀髪の男性に予想外の提案を言われた。

 

「何故、私を?」

 

「う~ん、君はもっと強くなれるような気がしたから…………かな?」

 

「それだけ…?」

 

「そうだな。」

 

「………………………………………………プッ」

 

そんなおかしな勧誘に私はつい、笑ってしまった。

 

「どうやら貴殿は、面白い感性を持っているようだ。」

 

「俺としては、単なる戦闘狂のつもりなんだが…?」

 

『『『『『いや、充分おかしいから。』』』』』

 

「…………泣くぞ?」

 

そんな風景を見ていたら、私もこの中に入りたくなってしまった。だから……

 

「貴殿の提案、喜んで受けよう。」

 

そう答えていた。

 

「そうか‼なら、君に与える駒は……これかな?」

 

そう言って渡されたのは【戦車】の駒だった。

 

それを胸に当てると体の中に入っていき、背中から黒い蝙蝠みたいな羽が生えた。

 

「では、新しい眷属の為に自己紹介をするとしよう。」

 

彼がそういうと、所々ピンクのメッシュの入ったミルキーブラウンの髪の女性が立ち上がった。

 

「アタシは【女王】の夏樹みくる。ヨロシクね。」

 

次に黒髪に猫耳を生やし、着物を着崩した女性が立った。

 

「私は【僧侶】の黒歌にゃん。」

 

次は金髪で眼鏡をかけた男性が立った。

 

「私は【騎士】のアーサー・ペンドラゴンです。そしてこっちが妹の…」

 

アーサーの言葉に隣にいた魔法使いの格好の女の子が立ち上がった。

 

「ルフェイ・ペンドラゴンです。【僧侶】を任されています。」

 

次に中国系の鎧を身に纏った男が立った。

 

「オレっちは美候ってんだ。嬢ちゃんと同じ【戦車】だから、わかんない事があったらオレっちに聞きな。」

 

そして次に、私を連れてきた女性が立った。

 

「私は【兵士】の神埼美月よ。」

 

最後にリーダーらしき男性が立ち上がった。

 

「そして、俺が【王】のヴァーリ・ルシファーだ。旧魔王ルシファーの血を継ぐ者であり、白龍皇だ。」

 

…………………………どうやら私は、とんでもない悪魔の眷属になったみたいだ。

 

「それで、君の名は?」

 

「ゼノヴィアだ。これからよろしく頼む、マスター。」

 

『『『『『マスター?』』』』』

 

「む、何かおかしいか?」

 

「いや、別にそうじゃないが…まぁ、いいか。」

 

そんな感じで私はヴァーリ・ルシファーの眷属になった。

 

「それじゃ、明日は駒王町に向けて出発するぞ。」

 

「ん?今、なんてった?」

 

「駒王町に向けて出発するか……だが?」

 

なんたる偶然なのだろうか……

 

「私が謝りたい人物もそこにいるんだ。」

 

「そうか、それは偶然だな。」

 

「それで、マスター達は何をしに?」

 

「届け物だよ。」

 

そう言って、魔法陣から小さい箱を出した。

 

「それは?」

 

「堕天使総督とウチのじいさんに頼まれて色々な国を回ってようやく見つけた……かの名工、ドヴェルグ=ダインが残した遺産…」

 

その箱を開け、中にあった金属を見せてくれた。

 

「魔剣【ダインスレイフ】のプロトタイプ……その破片だ。」

 

 

 

 

 

 

イリナside

 

「ねぇ‼神が死んでいるってどういう事よ‼」

 

「イ、イリナ様!?落ち着いてください‼」

 

「落ち着ける訳ないでしょ‼」

 

私は教会に戻って直ぐに神父達に神の不在について問い詰めていた。

 

「いいから早く説明しなさいよ‼」

 

そんな感じで教会内で叫んでいたら……

 

「イリナ様、熾天使の方がお会いになって説明してくれるそうです。」

 

「そう、なら案内して。」

 

「此方です。」

 

神父の案内についていくと、何故か教会の裏手に出たが、そこには誰もいなかった。

 

「ちょっと‼誰もいな(ドスッ‼)……へ?あああああああああああッ‼」

 

連れてきた神父に文句を言おうとしたら、お腹に何かが当たる感触の後、激痛が走った。

 

「全くうるさいガキだ。」

 

その神父の手には包丁が握られていて、刃の部分には赤い液体……私の血が付いていた。つまり、私はこの神父に刺されたのだ。

 

「そんな事をベラベラ喋られると困るからさ……ここで死んでくれ。」

 

「ア…………アガ……‼」

 

「それじゃ、そこでのんびりとのたれ死にな。」

 

そう言って、神父は教会に入っていった。

 

私…………ここで……死ぬの……?

 

そんなの嫌ッ‼宗二君にも会えてないし、やりたい事はたくさんあるのに……‼

 

「こんな……最後…………なんて……‼」

 

死ねない……こんな風に私を傷つける世界に復讐するまで…………私はまだ……

 

「死にた……くな…い…‼」

 

そう思っていたら…

 

「へぇ……いい目だ。世界に絶望し復讐を誓う人間の目だな。」

 

突然聞こえた声に、なんとかその方を向くと1人の男性がいた。

 

「気に入った‼お前、助けてやるよ。」

 

そう言って私の体の上に1枚のカードを置いたら、それが光り15枚の石盤になって私の中に入り込んできた。

 

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ‼‼‼」

 

その瞬間、さっき以上の激痛が私を襲い……

 

「ただし、俺の駒としてな?」

 

そこで、私という存在は消えた。

 

 

 

 

 

???side

 

15枚の石盤が入った女はおもいっきり叫んだ後に急に黙り、ゆっくりと起き上がった。

 

「予想通り、【奴等】に人格を消されたみたいだな。」

 

『よろしくお願いいたします。』

 

ハイライトが消えた瞳で、何の表情もなく感情のこもらない機械のような喋り方をするようになった女を見て、俺はほくそ笑む。

 

『貴方の事はなんと御呼びすれば?』

 

「そうだな……本名だと後々面倒になるし、【N】と呼べ。」

 

『マスター名、登録………………完了。了解しました、N様。』

 

「ああ、よろしく。それで、お前の名前は?」

 

『私には名前などありません。』

 

「ちげぇよ、消える前の人格の名前だ。そっちの方がこの世界に紛れ込ませやすいからな。」

 

『検索……完了。この個体の名は【紫藤 イリナ】となっています。』

 

「そうか、ならそれをテメェの名前にしとけ。」

 

『了解。個体名登録………………完了しました。』

 

「んじゃ、行くとすっか。」

 

俺が歩き出すと、イリナも後を付いてきた。

 

「次の目的地はどうするかな?」

 

俺は色んな地名が書かれているサイコロを手に持ち、それを投げた。そして上に出た地名は……

 

「なるほど、ここか…」

 

日本だった。

 

「ここにはどんだけ強い奴がいるんだろうな…‼」

 

そこへ向けて歩こうとして……

 

「あ、思い出した。」

 

『どうされましたか、N様?』

 

「もう1人、駒にしたい奴がいるんだった。」

 

すぐに向きを変え、そいつがいる場所へと歩き出す。

 

「そいつを駒にしたら、すぐに日本に向かうぞ。」

 

『了解しました。』

 

さて、日本にいる強者諸君……俺を楽しませろよ?

 

 




いかがでしたか?予想を裏切れるようになっていたでしょうか?

心情を描くのは苦手なので、拙いのは目を瞑ってもらえると助かります。

そして、ヴァーリチームは今回、眷属としての登場になります。

最後に登場した【N】はガジャルグ様から頂いたキャラになります。

彼の行動にも注目してほしいです。

次回から4章……………………と、言いたいですが、最近思い浮かんでいたネタの番外編を書いてからにしようと思っています。

次回『EX02 虹野ゆめ(メイル)のある1日』

活動報告でもう一作についてと最強フォームについての悩みを書いているので、そちらにもコメントを頂けるとありがたいです。

ゆめ「それじゃ、次回でまた会おうね~‼」

一誠「次回は8割日常、2割バトルなので、ゆめは外に出っぱなしで日常モードの喋り方になります。」
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