見てくれている人の期待に答えられたらいいです。
俺と響はエルナに転移させてもらい所属している組織の建物に来ていた。
「相変わらず大きい建物だよね~。」
「オッチャンもかなり強いしな。カリスマもあるから人とか集めやすいのかね?」
「そういえば何処で待ち合わせしてるの?」
「確か、入り口にいるはず「イッセー‼響‼此方だゾ‼」この声は。」
周りを見回すとツインドリルの赤い髪に、大型のクローを両手に着けた女性が俺達を手招きしていた。
「ミカさん、お久しぶりです‼」
「オォ、確か久しぶりだゾ‼」
響とミカさんが握手しながら両手をブンブン振り回している。良くあれで肩壊さないよな。
『今の主ならばあれぐらい耐えられますよ?」
イヤ、無理だろ‼なんか残像とか見えてるんだぞ‼
それよりも先ずはオッチャンの所にいかないと。
「ミカさんがオッチャンの所に案内してくれるんですか?」
「そうだゾ‼コッチコッチ~。」
俺と響はミカさんの後を追いかけた。
「そういえばミカさん、また装備変わりました?」
「確か前に見た時は髪型がストレートヘアでしたもんね。」
オッチャンのいる所は距離があるので俺達は気になった事をミカさんに聞いていた。
「確かこのツインドリルがブースターになったって聞いたゾ。」
ミカさんはこの会話からわかるように人間ではなく、オッチャンとその奥さんが造り上げた
他にも三人いて、全員がオッチャンの補佐をやっている。まぁ一人だけ性根が腐っているのがいるが…
「着いたゾ。」
気付けばオッチャンの執務室の前にいた。
「ありがとうございます。」
「今度来るときはお土産持ってきますね‼」
「楽しみにしてるゾ~。」
そういってミカさんは帰っていった。
「さて、俺達が呼ばれた理由は何かね?」
「変な事じゃないと良いけど…」
コンコン‼
多少の期待と不安を抱きつつ、俺はドアをノックした。
「オゥ、入って良いぞ。」
中に入ると黒髪に金のメッシュを入れた男性と金髪にスタイルの良い女性がいた。
「響も一緒に来たのか?」
「この後デートの約束してるんですよ。」
「なるほど、仲が良いのは相変わらずか。」
響は女性と仲良さそうに話している。この人はキャロル・マールス・ディーンハイムさん。エルナの姉であり師匠だ。昔はかなり有名な“錬金術師”として活躍しており、オッチャンが彼女に一目惚れして猛アピールの末に結婚したのは組織で語り継がれている。
「アッチは楽しそうに話しているが、コッチは依頼内容を話すぞ。」
俺が頷くとオッチャンが話し始めた。
「今回はお前達の住む駒王町に潜んでいる“はぐれ悪魔”の討伐とうちのバカな部下の確保だ。」
「その部下は何をやったんだ?」
「何もやってないぞ?」
「は?」
俺の疑問にオッチャンは予想外な答えをした。
「正確に言えば、これから何かをするだ。」
「つまり、ヤバい事をやりそうと?」
「イヤ、内容よりもむしろ場所だ。」
「場所?」
俺が知っている限りだとそれほど重要な場所なんてあったか?
重要な地点は既に色々な勢力が管理しているはずだし…………まさか!
「そいつは他勢力の管理地で事を起こす積もりなのか?」
「そうだ。」
俺の考えをオッチャンは肯定した。何やってんだよソイツは……
俺達のいる組織は、過去に大きな戦争をしてかなりの被害を受けたらしい。そのダメージから回復してない時にもう一度戦争になったら直ぐに負ける事は明白だ。
「頼む!また戦争になるのは御免だ!!引き受けてくれねぇか?!」
オッチャンがここまで俺を、イヤ俺達を信じて頼んでいるのに断る事はしたくないし、俺達にとっては恩人でもあるオッチャンを何とかしてやりたい。
だから俺は
「わかりました、その依頼を引き受けます。」
依頼を受諾した。
オッチャンはそれを聞いて安心した顔をしていた。
「すまねぇな、コッチのゴタゴタに巻き込んじまって…」
「そんn「そんな事ないですよ!!」っと響?」
「あなたが死にかけていた私達を救ってくれなかったら、私は今の幸せを掴むことが出来なかった……だから今度は私達があなたを救う番です!」
「響……」
そうだ、エルナを除いた七人の俺の仲間は昔、天界が起こした非人道的な実験の影響で死にかけ、助け出した俺は何も出来ない悔しさで泣いていたときに手を差し伸べてくれたのがオッチャンとキャロルさんだ。
二人のお陰で今の俺達があるんだ。だから返しきれない恩の一つをここで返さないとな!
「先ずははぐれ悪魔を先に潰すか。」
「なら、私は皆に召集かけてみる。」
「あぁ、頼む。」
ある程度の役割を決めた後、俺達は恩人二人の顔を見て
「「じゃ行ってきます!キャロルさん、アザゼル総督。」」
そう言って、部屋を出た。
その後、家に帰った俺達は今召集できるメンバーを集め、アザゼル総督の依頼について話した。
「だったらワタシも頑張るデスよ!」
「…私も頑張る!」
切歌と調はやる気充分だな。
「だったら私はネットに何か情報がないか調べてみるね。」
「なら僕は、同じ堕天使の方達に話を聞きに行ってきます。」
未来とエルナは既に役割分担を決めたみたいだな
「なら俺は、はぐれ悪魔を探しに行くか。」
「だったら私はイッセーと一緒に行く!」
確かに、万が一を考えると二人一組の方が安全だな。
「それじゃ任務中の行動はなるべく二人一組で行う事にする。未来と調、エルナと切歌で情報収集。俺と響ははぐれ悪魔の討伐と分ける。何か意見のある奴はいるか?」
その言葉に全員が首を横にふった。
「では、行動開始!」
「「「「「了解!!」」」」」
響side
私とイッセーは今、町外れの廃ビルに来ています。アザゼル総督から先程連絡がありこの廃ビル近辺に潜んでいると情報があったからだ。
「そういえばはぐれ悪魔の名前って何だっけ?」
「確か、バンパーじゃなかった?」
「いや、バイパーだったと思うんだけど?」
『お二人共、違いますよ。バンカーですよ。』
「「それだ‼」」
そんな緊張感の欠片もない会話をしていたら、
「バカな人間がまた来たぞ。ウマイのかな?ニガイのかな?」
上半身が裸の女、下半身が蜘蛛のような化け物が現れた。
「『「出たな‼バンカー‼」』」
「バイザーだッ!!」
「『「あれ?」』」
その場に微妙な空気が流れた。
「オイッ!メイル!全然違うじゃないか!?」
「そうだよ!メイルちゃんを信じていたのに…」
『お二人も間違っていましたよね!』
「「さて、何の事やら…」」
『しらばっくれないでください!!』
「いつまで遊んでいるつもりだキサマラァァァァァァァァァァァ!」
私達のやり取りにキレたバイザーが両手に槍を持って向かってきた。
「響は下がってろッ!」
イッセーの言葉に従い私は近くの瓦礫の陰に隠れてイッセーの戦いを見ていた。
「死ねェェェェェェ‼」
バイザーは槍を振り回すが頭にキているのか滅茶苦茶に振るう槍はイッセーに掠りもしなかった。
「どうした?それがお前の全力か?」
「嘗めるなァァァァァァァァァァァ‼‼」
イッセーの挑発に簡単に引っ掛かるあたり、冷静な判断力はもうなさそうだね。
「そろそろ出番だぜ!メイル!!」
『承知しました‼』
メイルちゃんの声にあわせて、イッセーの手に一振りの金色の剣が握られていた。
これがイッセーの神器
「その剣は……」
バイザーも知っているみたいだけど、私の予想とは違い顔がにやけている。
「お前は知っているんだな…この神器を…」
イッセーの言葉にバイザーは堪えきれなくなったのか大声で笑い始めた。
「アハハハハハハハハハハッ!!知っているとも!その剣では敵を倒す事など“不可能”だ!!」
私はその言葉に疑問を感じた。イッセーは今までその神器で勝利してきたのに…
「なら、無知な俺に詳しく教えてくれませんかね?」
「 知らないのか?なら教えてやろう。その神器は何も“斬れない”んだよ!」
どういう事?斬れないなら私が今まで見ていたものは何なんだろう?
「冥土の土産だ。その神器はサポート系の神器で斬った相手の呪い等を解除するものなのさ!その上その剣は物には効くが、生命体の体はすり抜けていくから物理的に斬る事も出来ないのさ!!」
そういえば、昔は私達もアレでよく解呪してもらってたなぁ。それに傷つかないから不思議に思ってたけどそういう事だったんだ。
「つまり、それでいくら私を斬っても元気になるだけで勝つ事などあり得ないんだよ!」
そう言って、バイザーはイッセーに突進していくが、イッセーはポケットから一つのお守りを取り出した。
「残念ながら、勉強不足だな!」
そのお守りを神器に触れさせると
『Remote!』
メイルちゃんの声に似た音声が聞こえた。
「今さら悪あがきをォォォォ!!」
バイザーは槍を振り下ろすが、イッセーは神器でその一撃を受け流しながら近づき右腕に剣を振るった。
ザシュ!!
そんな音と同時にバイザーの腕に一筋の傷が出来た。
「なっ!?」
バイザーが驚いている間に左腕にも剣を振るい、傷を付けた。
「なっ何故だ!?その剣で私を切ることなんて出来るはずが?!」
「教えるわけないだろ、それに…」
バイザーの前に立ち、剣を高く掲げた。
「これで終わりだッ!」
そして、一気に振り下ろしてとどめを指そうとした
ガキンッッ!!
しかし、切り裂くどころか傷一つ付けられなかった。
「んなッ!?」
「隙ありだッ!!」
「グハッ!!」
怯んでいたイッセーはバイザーの蹴りを喰らい壁に叩きつけられた。
「イッセーッ!?」
私はイッセーに駆け寄ろうとしたが、彼は直ぐに立ち上がった。
「くゥ~ッ!効いたぜ今の一撃!」
格好つけているけど、人の身で人外の一撃を喰らうのはかなりキツいはず…
「クククッ!成る程な、そういう事か。」
バイザーは勝利を確信したかのように笑っていた。
「お前、魔力がかなり低いんだな!それも赤ん坊以下だ!」
その言葉にイッセーは悔しげに拳を握り締めた。
「その程度で私を倒す?とんだ笑い話だな!」
コイツの言葉に私は怒りを覚えた。
「いったい何を守ってたんだ?何回守れたんだ?」
イッセーの努力を知らないで…
「そもそも、守る事ができたのか?」
イッセーの悲しみを知りもしないで…
「今まで何回周りを見捨ててきたんだ?それで生き残ってきた気分はどうだ?アハハハハッ!!」
コイツは絶対に倒す!
「イッセーッ!コイツはわたs「そうだな、確かに俺は弱い。」イッセー?」
私はイッセーに変わって戦おうとしたが、彼の言葉に動きを止めた。
「ほぅ、認めるのか?」
「事実だからな。俺は仲間がいないと何にも役に立たないぜ?」
「なら、此処でさっさと死n「でもな!!」ッ!」
「今の俺には守りたい仲間と、いつまでも一緒に歩いていきたい人がいる!!」
そう言って、チラリと私を見て微笑んだ。
「だから、俺はあいつと仲間に相応しい男になると決めてんだ!簡単に諦めるかよ!」
そう言って、イッセーは神器の刃を思い切り掴んだ。
「いくぞ!メイル!!」
『はい!主!!』
『Remote!』
再び能力を発動したイッセーは神器を構え、バイザーに向かって走り出した。
「何をしようとお前では、私との魔力の差を前に負けるんだよ!」
バイザーが魔力の弾丸をばら蒔くが、イッセーはその隙間を走り抜けていく。
「バカな!?奴の力でそんな動きが出来る訳が…いったい何をした!?」
「簡単だよ。少なすぎる魔力や体力なんかを形振り構わず全力で使ってんだよ!!」
その技はイッセーの切り札で、弱い自分が格上の相手に勝つために編み出したものだ。
「それだけでは納得できるか!他に何をッ!」
気付けばイッセーは既に、バイザーの懐にまで入り込んでいた。
「これが!俺の全力の一撃だッ!!」
その気合いと共に放たれた一撃は、バイザーの体を両断した。
「人間が人外に勝つには、捨て身の一撃しかないんだよ…」
そう言って、イッセーはその場に膝を着いた。
「イッセーッ!!大丈夫!?」
私は彼に駆け寄って体を調べると、蹴られた場所から出血しており、他にも攻撃を受け流しきれなかったのか痣が大量に出来ていた。
「またこんなに無茶して…」
「お前を守れるんならこれぐらい安いもんさ。」
「ばか…」
そして、治療のために転移アイテムを使おうとしたとき
「フフッ、面白い物を見つけたわ。」
「「ッ!!」」
そんな声が聞こえ、後ろを向くと
「あなた達、此処で何をしていたのかしら?」
紅の髪に駒王学園の制服を着た女性“リアス・グレモリー”と眷属達だった。
イッセーの戦い方は『落第騎士の英雄譚』の黒鉄一輝の 「一刀修羅」、神器の形は同作品の『レーヴァテイン』がモチーフです。
感想も待ってます。