ゼロの使い魔 ~万事屋がハルケギニアで大暴れ!!!!~   作:零光翼新

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すみません。ちょっと最近ホームページを作っていたので、遅れてしまいました。

あとで、そのページのURLを載せておきますね。

ちなみに今回はオリジナルの話です。いやな人はバックを押してください。

後、何この文字数。前回よりも4000文字も増えて一万文字を越えちゃったよ。これは没にした話の方がよかったかな?


騎士道と武士道は根本的なところは似ているようで違う

 

 

  1

 

 

 銀時と新八と才人は先ほどの店で剣を買ってもらい、店を出たところだった。

 

「よろしくな。デルフリンガー」

 

 才人は今後頼っていくであろうしゃべる剣インテリジェンスソードと対話をした。

 

「剣と喋っているのを見ると俺らと同じジャンプ作品の斬魄○を思い出すよな……」

「いきなりなに言ってんですか、あんたは!??」

 

 妙にメタな発言をしていた銀時を新八はツッコミを入れた。

 

「でも、ちゃんと買えたアルから、これでやっと帰れるアルな」

 

 神楽は学院の厨房の味が恋しくなってきていた。

 

「まったくあんたたちのせいでこっちは大きな迷惑よ」

「まあまあ、俺の剣もちゃんと買えたんだし、結果オーライってことで」

 

 さっきの騒ぎを体験したルイズは、体がぐったりとしていた。

 

「……………………」

 

 銀時は少し周りを見回した後、少し考え込む。

 

「あれ? どうしたんですか、銀さん?」

「ん? いや、別になんでもねぇよ」

「そうですか。それじゃあ、帰りましょうか」

 

 新八は帰る準備をしていたところ、銀時はとんでもないことを言い出した。

 

「ワリーが、俺はもう少しこの街を探検するわ」

「マジアルか! なら、わたしも銀ちゃんと一緒に街を探検するアル」

「ちょっと! いきなりなにを言い出してるのよ!」

 

 ルイズはいきなりの銀時の発言に驚いてしまった。

 

「だって、こんなところに来たんだから、すぐに帰るのは勿体ねーじゃねェか」

「私も銀ちゃんと同じ意見アル!」

 

 銀時はこの街をぐるりと見回したいと言いたげなニヤリ顔で、神楽は腕を組んで仁王立ちのように立って目を輝かして、ふたりとも意地でも動こうとしない。

 

 ルイズはそんなふたりを早く来なさいという顔で睨み付けた。

 

「そーゆうわけで、新八ィ。あとのことはよろしくなー」

「きちんとルイズを説得しとくアルヨ」

 

 そのままふたりは町の中へ走り去っていく。

 

「ちょっとォォ! 銀さん! 神楽ちゃん!」

 

 新八の叫びはもうふたりには届いていなかった。

 

 そして、新八は困り果てていた。

 

「………っ……」

 

 体全体が震えて、ルイズの髪の毛は色が変わって髪が逆立つんじゃないのかという程、怒りに満ちていた。

 

 この怒りに満ちたルイズをどうやってなだめるかを、新八と才人はどうすればいいのか相談をしながら静めていった。

 

 ちなみにこの日以降、しばらく銀時と神楽の飯はより貧相なものとなってしまう。

 

 

  2

 

 

 そんなルイズたちの様子を路地から見ていたふたりの影が存在した。

 

 キュルケは才人に夢中で気がついていなかったようだったけど、タバサはそれに気がついていた。

 

 彼は、銀時はこちらに気がついていたのだ。

 

 尾行のためタバサは自分の気配を絶っていた。気配を絶っていないキュルケに気がついたのだとしても何ら不思議ではない。

 

 しかし銀時はキュルケはおろか一緒にタバサにすら気がついていたのだ。

 

 今まで何度も追尾・尾行をしてきてバレたことはほとんどなかったタバサの尾行をものの数分で銀時は見破っていたのだ。

 

 タバサは『あの男は一体何者なの』と心の中で思っていた。

 

 そんなことをタバサは考えていると、ルイズたちどうやら学院へ帰るらしく先ほどの場所から立ち去った。

 

「いくわよ。タバサ」

 

 キュルケは先ほど才人たちが入っていた武器屋に入ることにした。

 

 

  3

 

 

 銀時と神楽はこのトリステインの城下町を転々と見て歩いていた。

 

 しかし、どんなに観光気分で街中を歩いていても、ふたりの格好は周囲からは浮いていた。

 

「なーんで、お前までついてくんだよ。せっかくあのくそガキの監視の目から逃れたっていうのによォ」

「別にいいじゃないアルか。私だってここを観光したいアル」

「…………」

 

 さっさと神楽をまいて賭場所へと向かいたかった銀時はどうしたモンかと考え込みながら財布の中を見ていると、その中には想像以上にお金が入っていることが分かったので、銀時は神楽にお小遣いを渡そうと思う。

 

「おーい、神楽ー」

 

 その呼び声に応じなかった。

 

「あれ?」

 

 周りを見回していると、神楽は出店の前に立ち止まっていて、体液の何倍ものヨダレを出店の前で垂らしていた。

 

「美味そうアルな~~~。食べたいなぁ~~~~~。でも銀ちゃんは買ってくれないと思うしなぁ~~~。でも、美味そうアルなぁ~~」

 

 店の人はドン引きしていて、早く帰ってくれないかと、心の中でずっと呟いているのだろうな。

 

「オメーはなにこんな所であぶら売ってやがんだ!」

 

 ベシッと神楽の頭をはたいて、そこから立ち去ろうとしていた。

 

「油を売っているのはこっちのほうネ。こんなにもおいしそうで脂の乗った肉をこんなところで売っているなんて、私を死なせる気アル!」

「そう言ってねだろうたってそうはいかねーぞ! と、いつもなら言うが、俺もちょいと用意があってな、神楽お前にお駄賃をやろう」

 

 銀時はそう言い、自分の持っている財布の中からエキュー金貨を13枚ほど渡した。

 

「銀ちゃんがこんなに私にお金をくれるなんて、どうしたアルか!? 病気アルか?」

「おまえ、普段俺のことどんな目で見ていたの……?」

 

 しかし、そう言いながらもお金を受け取ると神楽はめいっぱいよろこんだ。

 

 受け取るや否や神楽は先ほどのお店にて5個ほど焼かれた肉を買った。

 

「あんま無駄遣いはすんなよ」

「いつも銀玉にジャラジャラ落としまくってる奴に言われたくないネ」

 

 神楽は先ほど買った肉を口に含んで幸せそうにしていた。

 

「それじゃ神楽。あとでこの噴水広場に集合な」

「あれ? 銀ちゃんはどっかいくアルか?」

「ちょっくら野暮用よ~」

 

 手がパチンコの台を回すようないやしい手つきなのに神楽は気がつき、ジトーとした目で銀時を見つめた。

 

「またネ。まーた、んな腹も膨れない所に行くつもりアル?」

「腹は触れなくても俺の懐は膨れるんだよ。みてろ! なんか今日は一発デカいのが当たりそうな気が済んだよ」

「そう言って、いっつもこぼれ落ちてるのはどこのどいつアル」

「まあ、見てなって。今日はお前に渡したはした金なんて目でもないほど稼いで来っから!」

 

 そう言いながら、銀時はここから立ち去っていった。

 

「神様……どうか銀ちゃんを懲らしめてください」

 

 神楽の祈りはおそらく、届くだろう。そんな感じの祈りだった。

 

 

  4

 

 

「さーて。これからどこへ行こうかな?」

 

 手にはいろんな食べ物が握られていて、お金はすでに底を尽きている状態だった。でも、神楽はもう買いたいものは全て買っていたのでそんな心配はなかった。

 

 歩みを進めていると、数人の男女の子供が空地のようなところに集まっていた。

 

「ね、ねえ……そんなことやめようよ……」

 

 か弱そうな女の子はびくびくしながらそう言う。

 

「だらしねえな! これは俺たちの実力を大人たちに見せつけるチャンスなんだぞ!」

「そうとも! おれ達は『子供だから』と大人に行動を制限されているけど、そんなのは大人の勝手な都合にしか過ぎないんだ! おれ達はあの森に行って化け物を退治する!」

 

 強気な男の子ふたりは地図をバンと空地の土に叩きつける。

 

「この地図にも書かれているように、この街の近くには大きな森がある。そこには今大人たちが騒いでいる猛獣が生息しているんだ。それを退治すれば、おれ達は大人たちを見返すことができる!」

「どうせ、いつものように『騎士になりたくば、強くあれ!』とか、あんたの親が吹き込んだんでしょ?」

「フッ、女のお前におれ達男の気持ちがわかってたまるか」

「そうとも! 騎士はいつでも正しくあれ! それが俺たちの掲げる騎士道精神だ!」

 

 男ふたりは騎士がなんたるかをここにいる二人の女の子に語っていると、後ろの方から神楽が近づいてきた。

 

「こんな所で何してるアル? エロ本でも落ちてたアルか?」

 

 声をかけられた子供四人は驚いてしまい、すぐさま立ち上がって神楽から距離をとった。

 

「って、なんだよ……ただの女のガキじゃねえか」

 

 神楽はさっき買った食べ物ではなく、いつも口にくわえている酢昆布を口にくわえ、ハードボイルド的にすました雰囲気を出す。

 

「それでこんな所で何してるって聞いてるアル。エロ本じゃねーならなんでこんなところに集まるアル」

 

 神楽のそんな質問に怯えていた子とは違う女の子が答えた。

 

「実はこのふたりが近くに住んでいる怪物を退治しようっていうのよ。バカみたいでしょ?」

「バカとはなんだ!」

「昔銀ちゃんが言ってたヨ。『こういうバカみたいな発言をする奴は、中二真っ盛りだから気にした方が負け』だって」

 

 神楽は銀時が口にしていたことをその子に伝えた。

 

「ちゅう、に、って言葉はよくわからないけど、言いたいことは何となくわかったわ。つまり、こういうバカに何を言っても無駄(・・)ってことでしょ?」

「そうネ」

 

 その女の子をなんだか納得したように首を縦に振る。

 

 そんな発言をされて二人の男の子は黙っていられなかった。

 

「そんなことを言われたらなおさら引けない!」

「そうとも! 行くぞ、ジョージ!」

「ああ! アークル!」

 

 そう言って、ジョージとアルと名乗る男ふたりはこの空地から飛び出して、街中へ姿をくらませた。

 

「ちょっと! ふたりとも!」

「ど、どどど、どうしよう……ふたりとも本当に行っちゃたよ……!」

「どうするって、追いかけるに決まってるじゃない!」

「やっ、やっぱり……そうなる、よね……?」

「ごめんね、どこのだれかしらないけど、早くあいつらを追いかけないと大変なことになるから……!」

 

 走り出そうとすると、神楽の口からはこう発言された。

 

「あいつらを追いかけるなら私もついていっていいアルヨ」

「……え?」

 

 その言葉は予想外だった。先ほど知り合ったばかりの()が自分たちに協力するといったのだから。

 

「……で、でも…たぶん危険だと思うよ……だって、これから行く所は……」

「別におめーたちのためじゃないネ、私が行きたいから行くだけアル。それに猛獣とやらも気になるし」

「……そっちが本音じゃないの?」

 

 そうして、2人の男と3人の女は猛獣の住むといわれる森へと向かっていく。

 

 

  5

 

 

 一方その頃、銀時はというと……。

 

「よしっ! 今度こそ、当ててやる!」

 

 ぐるぐるとルーレットが周り、そこを転がっていた玉は24の数字に落ちる。

 

 銀時が賭けていたのは14の数字だった。しかし落ちたのは24、またしても銀時は外れてしまっていたのだ。

 

「くそ~~~っ、今日こそは当たると思ってたのによォ~」

 

 すごく悔しそうな表情をしていると銀時にある男が近づいてきた。

 

「よお、にいちゃん。あんたハタから見てても全然ツイてないっていうのが見て取れるぜ」

「うるせーな。今までのは練習だ! こっからが本番なんだよ!」

「そうかい。しっかし、あんたは俺と同じ人間だってのが遠くから見ていても分かったぜ」

「あん? 何だって?」

 

 ラブコメの主人公よろしく、難聴の聞き返しをした。しかもベットをしながら。

 

「オイオイ、ちゃんと聞いてくれよ」

「俺は早くとられた取り分を取り戻してェんだよ。邪魔すんな!」

「……あんたも、妻や子供に逃げられてここで金を増やそうとしてるんだろ?」

「なに言ってのお前? きもちわるっ。俺に嫁さんなんていやしねーし、金だって楽して稼ぎてーからここにいるだけだ」

「……マジ?」

「そうに決まってんだろ。なに自分と当てはめようとしてんの。んな人間がこの世にいるがわけねーだろ」

 

『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! クソォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!! また負けたァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!! 神様は俺に貧乏神でも憑りつかせているのかァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!』

『お客さま! 静かにしてくださいぃぃぃ―――っ!』

 

「つーことだ。オメーには悪いが、ここはおとなしく帰ってくんねーか?」

「また違ったか…………これで15人目だ。俺と同じ境遇の人間なんているわけないんだよな」

「どうした? なんかあったのか?」

 

 ジャラジャラと先ほど赤黒に賭けた賭け金が戻ってきて、自分の近くにかき集めている。

 

「実は……」

 

 

  6

 

 

「時代は冒険アル!」

 

 神楽は天まで届きそうな大声で森の中で叫んだ。

 

「海賊王になりたい男はこう言ったアル! 『次はどんな大冒険が待っているんだろう』と! つまりこんな森でも大冒険が待ってるに違いないネ!」

 

 そう言いながら、持っていた傘をブンブンと振り回した。

 

「なんでついてきてるの?(ジョージ小声)」

「おれが知るか(アークル小声)」

 

 ふたりともてっきり自分たちを連れ戻しに来たのかと思ってビクビクしていたのに、合流するや否や、この調子だ。

 

「どどどどどどど、どうしよう……早く帰らないと、猛獣が襲ってきたりしたら……」

「そんなこと言ったって、あの娘を置いて帰れないでしょ……それに男どもも帰ろうとしないし」

 

 それもそのはず。彼らはついてきていることこそ疑問に思っているが、別についてきても来なくてもどっちでもよかった。というよりはついてきてもらった方が好都合でもある。

 

 さすがにふたりだけじゃ、不安だったけど5人いればどんなピンチも潜り抜けられると思ったからだ。

 

「まったく。これで猛獣が出てきたら、わたし達は食われちゃうじゃない。そうしたらどうするのよ」

「その場合はおれ達が護るさ! なぜならおれ達は騎士になる男だからな」

 

 ジョージは腰に挿してある木製の剣に手をかけて胸を張り、そう答える。

 

「『おれ達は騎士になる!』だって…ププッ、オメー達は少なく見積もっても海軍の兵士止まりネ。主人公には登り詰められないアル」

 

 ○○におれはなる! で有名のマンガのセリフを借りて、パロった台詞でジョージをおちょくった。

 

「おまえ! おれ達が騎士になれないと思っているのか! 必ずなってみせる!」

 

 ジョージは固い決意でそう大声で言う。

 

 神楽とジョージの二人は口論になり始めた。

 

「おれもジョージと同じ意見だ。ただこれは騎士道に反するかもしれないけど、おれはアーシャを護るのだけはごめんだ」

「なんでわたしだけ!」

「だって、おまえって見た目からして女って気がしないから」

「アークル、あんたね~~……、前々から言いたいことがあるんだけど――」

 

 ほかのところでは別の口論が始まり出した。

 

「そ、そそそ、そんなに大声でしゃべると、猛獣に気がつかれちゃうよ……!」

 

 そんな願いもむなしく、何かがやってくる足音がする。

 

 そして5人の目の前に姿を現した!

 

 

  7

 

 

「――ってことなんだよ。わかってくれたか」

 

 男は泣きながら、これまで会ったことを話した。

 

 彼は今まで店を営んでいて、それはもう繁盛していたという。

 

 しかしある日、突然税金が跳ねあがり店を経営していくだけのお金を払えない状態になってしまった。

 

 そして店はつぶれてしまい、妻と子供は実家に帰ってしまった。

 

「まあ、そりゃ大変だったな」

 

 銀時は同情の言葉をかけてやり、05番に賭け金を置いた。

 

「そんな中で、この場所に同じ人がいないかと、探して一緒に直談判をしようという腹だったんだけど」

「そうかそうか」

 

 銀時の掛け金は持って行かれてしまう。

 

 これじゃ終われないと今度は配当が6倍の6目賭けをした。

 

「なあ、あんた。俺と一緒に直談判に行ってくれないか?」

「別に行ったところで変わりゃしねーと思うぜ。御上が決めたことなんだからな。おっ!」

 

 先ほど賭けた6目賭けが当たり、一気に賭け金が集まってきた。

 

「しまった、もう少し賭けときゃよかったな~~」

 

 先ほどはあまり減らすわけにはいかないと少ない持ち金の半分しか置かなかったけど、全額賭けとけばここに来るときの半分くらいは取り戻せていたのだ。

 

「けど、そんな困りごとはなぁ、みんな経験してんだよ。そんなことを言って前を向いて歩こうとしない奴はこの先生きていく自身がねーなら、自殺でも何でもやりゃあいいじゃねぇか」

 

 銀時の言葉はその男の心に少しだけ響いてしまう。

 

「それでも困ってんなら、あとで俺に相談すりゃいい。俺はこれでも万事屋っていう何でも屋を経営してんだからな」

「そうですか?」

「あたぼうよ。ただ、今はこの街で経営してるってわけじゃねーけど、何かしらの伝達さえしてくれりゃ、その依頼を受けてやるぜ?」

 

 それを聞いたら、男は銀時の連絡先を聞いてここから去って行った。

 

 そして先ほどの話を聞いていたのか、先ほどの男とは違う男が近寄ってきた。

 

「あんた何でも屋なんだって?」

「そうだけど、あんたは?」

「依頼人だよ」

「依頼ねェ……了解~~、話を聞かせてくれ」

 

 こんな所で依頼が入るとは思っていなかった銀時は、先ほど賭けようとしていた分の賭け金を賭けずに依頼人の話を聞くことにした。

 

 

 8

 

 

「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!! 死にたくないいいいいいいいいいいいいいい!!」

 

 ジョージはその猛獣の大きさに驚いて猛スピードで逃げていた。

 

「くそぉおっ。大きい大きいとは聞いていたけど、ここまでの大きさとは聞いてねーぞ!!」

 

 アークルは話に聞いていた大きさとは違っていて、すごく焦っていた。

 

「い、いったじゃないの! あんたたちには絶対の倒せないって! わたし達を巻き込んで!」

「うるせぇぇぇ―――ぞ! お前らが勝手についてきただけだろ!」

「なんですって!」

 

 アークルとアーシャはこんな状態にもかかわらず口論をしていた。

 

「お前ら! 口喧嘩する暇があるなら速く走れ! 俺はこんな所では死にたくないんだあああ!」

 

 ジョージは死にたくない一心で潜在能力が向上したのか、その走るスピードは人間の限界を突破しようとしていた。

 

「はあ、はあ、はあ」

 

 ひ弱な女の子であるメイは今にも倒れてしまいそうなほど息切れをしていた。

 

「…………よしっ、決めたアル」

 

 神楽は何か考え事をしていたようで、アーシャはなにを考えていたのかを問うた。

 

 もしかしたらこの状況を打破できる作戦でも、という期待を持っていた。

 

「あの猛獣を定春32号って名前に決めたアル」

 

 そんなあわい期待を裏切るかのような台詞だった。

 

「そんなこと言っている場合じゃないでしょ!」

「そんなこととはなにアルか! 私が真剣に考えた名前を!」

「32号っていう名前の時点で真剣に考えてはいないよ!」

 

 そんな口論をしていると、先ほどの猛獣は速度を上げ始めた。

 

 いや、走っている子供たちの体力が落ち始めて速度が落ちていたのだ。

 

「もう、だ、め……」

 

 メイはそう言い残して、地面に倒れ込んでしまう。

 

 その光景を見て神楽はすぐさま猛獣の進路上に存在する木に向かって走っていく。

 

「ほぉぉおお、あちゃぁぁああ!」

 

 その掛け声とともに木に蹴りを入れて、木は猛獣の方へと倒れていった。

 

 それを目にした猛獣は一瞬たじろいでしまい、その隙に神楽たちはめいを救出後にそこから急いで離れていった。

 

 

  9

 

 

「なにやってんだ? 神楽(あいつ)?」

 

 銀時は先ほどの光景を目の当たりにしていた。

 

「ったく、あれが猛獣だっていうのかよ。話に聞いていたのとは全然違うぞ。なんかこう、ものすごい外見をした奴だって聞いてたんだけど、あれはどう見ても外見をカモフラージュしてるぞ」

 

 その猛獣の姿は外見はまるで一匹の大きな獣が胴体に背負えるほどの丸太を背負い、体中には落ち葉を引っ付けてその上から泥で塗りたくっているようだった。

 

「まあ、依頼内容は危険な猛獣討伐だし、MHよろしくあいつを狩るか」

 

 と、銀時は近づいていこうとすると、なにやら森の奥の方に目の前の生き物よりも強い気配を感じた。

 

「(……もしかしたら、あいつじゃなくてこの奥の野郎かもな)」

 

 ひとつの可能性を考えつく。目の前の生き物はその奥の獣から姿を隠すためにあんな姿をしているのかと。

 

 銀時は目の前の獣が過ぎ去っていくのを見送ると、そのまま先ほどの気配がした場所まで向かっていく。

 

 するとそこにいたのは、銀時の何倍もの体長をしたドラゴンだった。

 

「……おいおい、マジかよ。俺ァ、ロトの勇者でも何でもねーんだよ。もしかしたらこの先にローラ姫がいたとしても、こんな化けモンに立ち向かう勇気は持ち合わせてねェぞ」

 

 さすがにこれは対処のしようがないと思い、この場から離れようと思うと、よくあるパターンである小枝をペキッと踏んでしまい、音を出してしまった。

 

「(オイィィィィィ! なんでこんな時に限ってフラグが生まれんだよ!)」

 

 心の中でツッコみをいれるが、先ほど出した音が消えるわけでもない。

 

 ドラゴンは小枝の音で起きてしまう。

 

『またか。人間は何度、我の眠りを妨げるんだ』

「あっ、おまえって喋れんだ」

 

 銀時は実はドラゴンを見るのは初めてではなかった。

 

 学院で一度、主のいないドラゴンを見たことがあったのだ。

 

 そのドラゴンは何度話しかけても話そうとはしなく、ドラゴン特有の鳴き声を聞くだけだった。

 

『当たり前だ。我は韻竜だ。話くらいできて当然だ』

「竜にもいろんな種類がいるんだな」

 

 銀時はドラゴンに種類がいることに少し驚いていた。

 

「ってことはだ。あんたは話が通じる生き物ってことでいいのか?」

『我と話をしようというのか? 人間と話すことなど何もない! さっさと立ち去れ!』

「まあまあ、そう言わずに話でも聞くだけでいいからさ」

 

 そう言うと、銀時は韻竜と話し始めた。

 

 

  10

 

 

 神楽たちは現在身を隠していた。

 

「くそっ、いつまでこんなことをしてなきゃいけないんだ」

「もう嫌や、早く家に帰りたい」

 

 ここに隠れてからすでに30分ほどが経過していた。

 

「あんな化け物なんて、あんなの倒せる奴いるのか」

「ああ、あんなのに勝てるのは、メイジだけだと、思う」

 

 不安な顔が周りに移ってしまったのか、一気に空気がどんよりとしてしまう。

 

 そんなところに見回りに言っていた神楽が帰ってきた。

 

「なにアル、この空気は」

「なにって……絶望しているんだよ。もうおれ達は食われちまうんだ」

 

 そんな状況にさらに絶望的な拍車をかけるように、神楽の後ろには先ほどの猛獣の姿があった。

 

「お、おい……お前の後ろ……」

「ああ、定春のこと?」

「……それ、勝手につけた名前でしょ」

「違うネ、これは定春アル。ネー定春?」

 

 定春と呼ぶと、その猛獣はおどろく鳴き声を発した。

 

「わん!」

 

 その鳴き声はまるで犬のようだった。

 

「さっき志村けんよろしく猛獣と戯れようとしたら、私のペットの定春だったアル」

「ペットって、それが?」

「そうネ! まさかこっちに来ているとは思わなかったアル。遠い所から主人のもとに駆けつけるなんて立派な忠犬を持ったアル」

「わん! わん! はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、――」

 

 神楽の声に反応するように、大きく泣き続けて、息を荒げている。

 

「これから街に戻ろうと思うけど、お前たちはどうするアル」

「帰るつもりだけど、腰を抜かして動けそうにないんだ」

「よ、よければ、その犬? に乗せてもらえるとうれしいんだけど」

「いいアルヨ。定春ー、少し体の汚れを取るからジッとしててね」

 

 そう言い、神楽は定春についていた汚れを取って、子供が4人乗れるようにして街へと向かっていった。

 

 

  11

 

 

「――つー訳だ。どうだ、のるか?」

『貴様も我も助かるというわけか』

「そーゆうこと。で、どうするよ?」

 

 銀時と韻竜はどうやらまだ交渉中のようで、今は韻竜は考え中のようだ。

 

『……わかった。そういう事なら、協力しよう。ただし、我の眠りを妨げる行為だけはするなよ』

「んなことはしねーよ。俺は他人を裏切るようなことはあんましねーよ」

 

 そう言うと、韻竜はそのまま翼をはばたかせて、そのまま空高く飛んでいく。

 

「場所はわかっているだろうな?」

『前に上空を飛んだことはある。場所は覚えている。貴様の言ったところの近くなら我もゆっくり寝られそうだ』

「そんじゃ、約束を忘れるなよ!!」

『受けた恩は必ず返す』

 

 そう言い残して、韻竜は上空に姿を消した。

 

「さーて、依頼人はここから危険な生き物がいなくなりゃ言いといっていたな。これで大丈夫だろう」

 

 銀時は街へと戻っていく。

 

 

  12

 

 

「銀ちゃん!」

「わおーん!」

「うお! 定春じゃねーか!」

 

 銀時は分数位広場にたどり着くとそこには神楽と定春がいた。

 

「オメーもこっちに来てたのかよ」

「びっくりしたアル。まさか定春に会えるなんて」

「びっくりしたのはこっちだよ。もしかしておまえもあの転送装置に入ってきたのか?」

「わん!」

「わん! じゃねーよ。ちゃんとしゃべれや!」

「銀ちゃん銀ちゃん。私、こっちで友達ができたアル」

「ほお、よかったじゃねーか」

 

 そう言って銀時と神楽は馬の止めてある馬小屋まで向かい、ルイズから借りた馬に乗って魔法学院まで帰っていく。

 

 ちなみに銀時の噂は街中に広まった。

 

『ドラゴンと戦い森から追い出した平民の男騎士現る』と。

 

 そして銀時が後にこの噂が『平民を護る白き騎士 白きメイジ殺し』という尾ひれ羽ひれがついてハルケギニア中に広まってしまうことに銀時は気がついていなかった。

 

 




ここまで読んでくれてありがとうございます。

ここまで見て読者が思ったことを当てたいと思います。

何このつまらない内容でしょ? そうでしょう?

自分でも書いてて妙な展開になってしまいましたから。

くそ~。プロットの時点では面白かったのに……
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