ゼロの使い魔 ~万事屋がハルケギニアで大暴れ!!!!~   作:零光翼新

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すみません。大学のレポートやら課題やらで執筆する時間が取れませんでした。

次からはきちんと事前に予告します。

それとそろそろ定期テストの期間に入りますのでまたしばらく投稿がありませんのでご了承ください。

というより、しばらく書いてなかったからキャラ崩壊とかしてないかな……


地獄に仏がいるなら締切地獄をなくせェェェェ

  1

 

 広い草原の中、その光景にふさわしい天幕のない馬車が一つ、馬の蹄を立てながら前へと進んでいた。

 

 その馬車に乗っていたのは、ルイズ、才人、キュルケ、タバサ、銀時、新八、その横には定春に乗って共に歩んでいる神楽の姿だった。

 

 ただ、馬車に乗っているうちの一人は凄くご機嫌斜めだった。

 

「――まずはよォ、この状況を説明してもらおうか?」

 

 それは銀時だった。

 

「え~と、『土くれ』のフーケに『破壊の杖』を取られてしまい、俺たちというかルイズが勝手に――」

「俺ァ、別にんなこと聞きてんじゃねーよ」

「じ、じゃあ……僕たちがルイズさんをアシストすること?」

「だから、んなんじゃねェつーの」

「え~~~っと……それじゃあ…………その………あ、あれか~~~?」

「てめーらァァァァァァァァァァ!!! いいかげんにしろォォォォォォォォォォォォォ!!! 俺が聞きてーのはァァァァァ、なぁぁぁんで銀さんが縛られてるってことだァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」

 

 先ほどから新八と才人は必死に銀時と目を合わせないように会話をしていたが、それが逆に銀時の機嫌を徐々に悪くしていた。

 

「俺ァなあ、あの場所でただ仮眠とってただけなのによォ、フーケの野郎の仲間扱いされてんだぞ。それなのにてめーらときたら、そんな可愛そうな銀さんを見てなんも思わねーのかァァァァァァァ」

 

 銀時はあの場所にいた理由は『土くれ』のフーケを捕えて懸賞金をもらおうという思惑だったが、そんなことをみんなのいる前で話さずにいた。

 

「って、おい。今なんつった?」

 

 少し落ち着きを取り戻した銀時は二人に問いかけた。

 

「「?」」

 

 新八も才人も何のことか分からなく頭の上にクエッションマークが浮かんでいた。

 

「だ~か~ら~、さっき言ったことだよ。フーケがどうのとかアシストがどうのとか」

「あれ? 銀さん聞いてなかったんですか?」

「俺たち、フーケにとられた『破壊の杖』を取り戻すためにフーケがいると思われる場所に向かっていんだよ」

「……………………………マジで?」

 

 それは数刻前にさかのぼる。

 

 

  2

 

 

「う~む、困ったの~。まさか娘も魔法学院に族の侵入を許すとはの~~」

「『土くれ』のフーケめ。貴族の屋敷のみならず魔法学院(ここ)にまで手を出すとはっ!」

 

 オールド・オスマン死と魔法学院の先生方が宝物庫へと集まり話し合いをしていた。

 

「それでそこに居合わせたのが、ミス・ヴァリエールにミス・ツェルプストー、そしてミス・タバサというわけか……」

 

 オスマン氏はルイズ、キュルケ、タバサの立っている方に視線を移す。

 

「俺たちはアウトオブ眼中かよ」

「ま、まあ、仕方ないでしょう……僕たち、貴族でも平民でもなく使い魔なんですから……」

「ま、眼中に入っても才人(オメー)なんかに誰も期待してないアル」

「それ、酷くない?」

 

 才人たちは愉快(?)に話をしていると、先生方の方に何か別の動きが見受けられた。

 

「では、先ほど捕えたフーケの仲間と思しき者に話を聞きましょうか」

 

 そう言うと、先生の一人はその場から離れ数分すると見慣れた天パーの男が縄で縛られ、眠らされていた。

 

((何やってんのォォォォ!!! あの人ォォォォォ!!))

「あ! 銀ちゃん」

 

 才人と新八はまるでシンクロしたみたいに心の中で同じことを思った。

 

「先ほどまで手が付けられないほど大暴れしていたので、現在は『眠り』のポーションで眠らせています」

 

 それを見たオスマン氏とミスタ・コルベールは冷や汗をかいてしまった。

 

「今、起こしますので、しばしお待ちを」

「あ~~~………起こさんでもよい」

「は?」

「その者はミス・ヴァリエールの使い魔なのじゃからな……」

 

 ルイズはその様子を見て「なにやってるのよ、あのバカ」と怒りで頬を赤めながら小さく呟き、キュルケは「あなたにお似合いの光景ね、ルイズ」とルイズに対して挑発をし、タバサはそんなことは気にせず自分のお気に入りの本に視線をずっと向けていた。

 

 眠った銀時を連れてきた先生は「失礼した」と言い、才人たちや他の使い魔のいるところへと連れて行く。

 

 その後、そのまま先ほどいた位置まで戻っていく。

 

 そんな中に駆け足でロングビルが戻ってくる。

 

「どこへ行っていたのですか、ミス・ロングビル! この緊急事態に!」

「すみません。ですが今朝がた起きると宝物庫の壁が大きく壊されていたので『これは何かあったのでは?』思い、先ほどまで目撃情報を集めてきていたのです」

 

 ミス・ロングビルの息が少し乱れていたので、先ほどまで大急ぎで情報収集していたのが伝わってきた。

 

 その様子を見て何かを得たのではと思い、コルベールはロングビルに問いかける。

 

「それで、フーケの情報は?」

「はい! ここより先の草原の近くに民家がありまして、そこの住民が『近くの森でフーケらしき男を見た』と発言しておりました」

「それは本当か?」

 

 その有益な情報を耳にしたオスマンは目を見開いた。

 

「フーケ、意外と早く見つかったみたいですね」

「ああ……」

「お腹へったアル……」

「くぅ~~~~ん……」

「があああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 新八と才人は少しだけよろこび、神楽と定春はお腹を減らせ、銀時は今も『眠り』のポーション効力が効いているため寝ていた。

 

「それでは、いまから王室に報告をしますね」

「ばかもの! このようなことに王室を手を借りるな! これは学院内で起こったことなのだから、我々で何とかするのじゃ」

 

 オスマン氏はコルベールの行動に待ったをし、その上で自分達ので解決する道で進める。

 

「それで、フーケを捕え、名を上げようという者は杖を掲げよ」

 

 オスマンの言葉で杖を上げて、名を上げようと考える先生は誰もいなかった。

 

 だがその中に一人、杖を掲げていた者がいる。

 

 それは先生ではなくルイズだった。

 

「ミ、ミス・ヴァリエール! あなたは生徒ではありませんか! ここは先生方に任せるのです!」

「誰も杖を掲げてはいませんか」

 

 ルイズの発言にミセス・シュベルーズは言葉が詰まってしまう。

 

 事実、杖を掲げている者はルイズ以外誰一人としていなかったのだから。

 

 その様子を横で見ていたキュルケもまた、杖を掲げる。

 

「ミス・ツェルプストー! あなたまで!」

「ルイズ一人にオイシイ思いはさせられないわ」

 

 キュルケが杖を掲げるのを見て、先ほどと変わらなく本から目を離さないもののタバサも杖を掲げた。

 

「二人が心配」

 

 タバサの言葉にルイズとキュルケは嬉しく想う。

 

「いえ! やはりあなたたちは生徒です。生徒にそんな危険なことにはさせられません!!」

 

 シュベルーズは生徒のことを思い、思いとどまってもらおうと発言をした。

 

 そこに横からオスマン氏が一言こういう。

 

「では、ミセス・シュベルーズ。あなたがかわりに行ってくれるのかね?」

「そ、それは……」

 

 生徒のことを思うも自分では行くことに躊躇してしまう。

 

「では、決まったようじゃな」

 

 そう言うとオールド・オスマンは三人の前に立ち、改めて三人に出陣の命を下す。

 

「俺たち、なんか蚊帳の外だな」

「ですね……」

「オメーらがあの輪にいても結果は変わらないネ」

 

 

  3

 

 

「で、僕らが『土くれ』のフーケの討伐隊に選ばれたわけです」

「選ばれたというよりルイズに半ば強引に連れてこられたようなもんだけどな」

「………………マジ?」

 

 銀時は眠らされていたのでその時の記憶が一切なく、いま初めてこの馬車がどこへ向かっているのかを知る事になった。

 

 そしてフーケの元へ向かっていると分かると、なにやら銀時の表情に徐々にやる気が満ちあふれてきていた。

 

「……あんの野郎………見つけたら二度と陽をおがめねェようにしてやる……」

 

 その表情を見た新八と才人は「なにかあったのか……」と小さく呟く。

 

「つーか! この縄早く解けよォォォ。さっきからずーっとこの恰好のままなんですけどォォォォォォォォ!! 俺は才人と違ってMじゃねんだよォォォォォ!!」

「ちょっと! 俺のどこがM!??」

 

 銀時と才人のやりとりを前の方で聞いていたルイズはついに堪忍袋の緒が切れたようで、草原一体の響き渡るかような声で二人を叱る。

 

「あんたたち! さっきから聞いてれば! いいかげんにしなさ~~~~い!」

 

 ルイズは乗馬用の鞭を服の下から取り出し、勢いよく頭上に掲げる。

 

 その様子を見て才人はすぐに身を守る体制に入ろうかと思案するも、ここは馬車の上、逃げ場所などどこにもなかった。

 

 銀時はというと、乗馬用の鞭を見てこう言う。

 

「いけませんよ、女の子がそういうものを持ち出しちゃ!」と娘を叱るお父さんのような口調で注意をする。

 

 その言葉を聞き一瞬、ルイズはたじろいでしまう。

 

「おおっ」と才人はルイズを圧した銀時を凄く頼もしく見えてしまう。

 

「まったく、そんなんだからあなたは実家でも居場所がないんですよ。この調子じゃ結婚相手もろくに出来やしないじゃないの」

 

 今度は嫁姑いびりをしているかのような口調に変え、ルイズをさらに論した。

 

「よっ! いいぞ銀さん! もっと言ってやれ!」と才人も調子づいてしまう。

 

「あ、あの……二人とも、その辺でやめた方が……」

 

 新八の言葉は聞かずに二人は更にルイズ相手に会話を続ける。

 

「いいか、女の子というものはむやみやたらに暴力を振るもんじゃありません」

「そうそう、ただでさえ顔はいいのに容姿がお粗末なんだから、これ以上婚約相手を――」

「って、オイ、才人! ばか! おま」

 

 才人のセリフを聞いたルイズはわなわなと身体を震えはじめた。

 

「へ、へぇ~~~~~。そ、そそそ、そうなんだ……。容姿がお粗末ねえ……ふ~~~~ん?」

 

 明らかに先ほどとは声のトーンが違い、口調からもルイズが怒っていることが窺える。

 

「お、おい! 今の発言は俺じゃねーぞォォ! 才人、テメーが余計なことを言ったんだ!」

「いや! 銀さんだって同じようなこと言ってたじゃん!」

「言ってませーん! 銀さんが言ったのは暴力を振るうんじゃありませんって言っただけですぅ~~」

「他にも婚約がどうのとか言ってただろ!」

「そんなこと、一言も言ってませ~~ん」

 

「あああ、あああんたたち~~~~~、もう我慢の限界よ! 二人ともご飯抜きよ~~! それとしばらくそこを動かないで! 標準が狂うから!」

 

 ルイズが才人と銀時を鞭を構え、振り下ろそうとしたその時、急に馬車が一時停止してしまう。

 

 その際立っていたルイズはバランスを崩してしまい、馬車の床に尻もちをついてしまう。

 

 才人、新八、キュルケは手すりに掴まり、倒れずにその場で停止。タバサは掴まっていないがおそらく魔法か何かで体を支えているのか急停止にもかかわらず微動だにしていなかった。

 

 銀時はというと……。

 

「ぶべっ!」

 

 勢いよく顔面から馬車の床に激突してしまい、大量の鼻血を流していた。

 

「まったく、何なのよ、いったい……」

 

 目的地でもないのに森の中で急に馬車がとまることは普通じゃありえないことだ。

 

 ルイズが馬首を務めているロングビルに問いかける。

 

「いえ。前方に人が立ち止まっているので」

 

 そこにいたのは不衛生な恰好をした外見からしていかにもなゴロツキ四人組だった。

 

 姿恰好からして傭兵崩れ、もしくは貴族の馬車を狙う盗賊かと思われる。

 

「ここから先へ進みたくば、身ぐるみ全部おいていきな!」

「ふざけないで!」

 

 そう言うとキュルケは胸元から杖を取り出そうと指を突っ込む。

 

「と、いつもの俺たちなら言うが、今回はある条件を呑んでくれりゃあ、ここから先へ行かせてやるよ」

 

 それを聞き、ここにいる全員は「どういうこと?」と首を傾げてしまう。

 

「俺らが用があるのはそこの白髪の天パーの兄ちゃん……だ………?」

 

 リーダーと思しき人物が銀時を指差すが、銀時の格好が縄で縛られている状態のため、途中から声の歯切れが悪くなる。

 

「ん? 俺か?」

 

 そんな態度とは裏腹に銀時は普通に落ち着いていた。

 

 それを見てゴロツキ四人は「一旦集合」と言い、四人は一か所に集まった。

 

「な、なあアニキ。本当にあいつなのか?(ヒソヒソッ)」

「俺もそう聞いたが(ヒソヒソッ)」

「じゃあなんで捕えられてんの?(ヒソヒソッ)」

「俺に聞くな!(ヒソヒソッ)」

「で、どうすんの? あいつを足止めすればいいの?(ヒソヒソッ)」

「そんなこと知るか! まさか俺だって捕えられてるなんて知らなかったんだからよ!(ヒソヒソッ)」

 

 ヒソヒソヒソヒソと四人でどうするかどうするかとずっと話し合いをしていた。

 

「お~い、いい加減この縄解いてくんない? 彼ら、なんか居心地悪そうだし」

「そ、そうね……」

 

 そう言うとルイズは銀時を縛っている縄をほどき、銀時を解放した。

 

「で? なんか用ですかァ?」

 

 銀時は先ほどの四人組に話をかける。

 

「そ、そうだった」

 

 リーダーが立ち上がり銀時に向かってこう言う。

 

「おい! え~~っと……名前は忘れたがお前を始末しろという依頼があったんでな! ここで消えてもらうぞ! 天然パーマ野郎!」

「あ~~~、なるほどねェ……」

 

 その一言でなんでこの四人がここにいるのか銀時は理解できた。

 

「おーい、オメーら。ここで待っててもいいし、先に行っててもいいぞ。俺ァちょいと急用ができた」

 

 そう言うと銀時はゴロツキの元へ向かい、何かを話し始めた。

 

 少し離れていたのかの人には何を話しているのかわからなかったが、なにやらジェスチャーをしていてあっちの方で相手をしてやるという意思表示が見て取れた。

 

 話し合いが終わったのか、そのままそそくさと銀時とゴロツキ達は姿が見えなくなった。

 

「って! 追いかけなくていいの!」

 

 見えなくなってようやく才人が反応した。

 

 見えなくなってからでは遅いとは思うが急いで追いかけようとする。

 

「終わったアルな」

「ええ、終わりましたね」

「二人して何のんきにしてんの! いくらなんでも四人相手にするのは銀さんでもきついと――」

「大丈夫ですよ才人さん」

「そうネ。あんな機嫌の悪い銀ちゃんにケンカを吹っ掛けるなんて、命知らずアル」

「それって、どういう」

 

 才人は疑問に思うも、その答えが先ほど銀時たちが消えた方向から聞こえた。

 

「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

「たっ! たすけてくれええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!」

「おっ! 鬼がああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

「もういっそ殺してくれえええええええええええええええええええ!!!! 早く殺せえええええええええええええ!!!!」

 

 ゴロツキ達のこの世のモノとは思えない地獄の亡者のような悲鳴が大音量で聞こえ続けた。

 

 その1分後、ついに悲鳴が聞こえなくなった。

 

「「つまりこういうことです(ネ)」」

 


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