ゼロの使い魔 ~万事屋がハルケギニアで大暴れ!!!!~ 作:零光翼新
今回も一日投稿です。
1
ここはトリステイン魔法学院本塔の最上階のある学院長室である。
ここにはオールド・オスマン氏とその秘書であるミス・ロングビルがいて、学院の管理をしている。
そんなところに、珍客が現れた。
「オールド・オスマン!」
勢いよく扉が開かれて、慌てた様子でコルベールが学院長室へと入ってきた。
「たた、大変です!」
そう言って、コルベールは持っていた書物をオスマンに見せる。
「これは『始祖ブリミルの使い魔たち』ではないか。それでこれのなーにが大変なんだ。え~とミスタ……、なんだっけ?」
「コルベールです! お忘れですか?」
ボケが始まっているのか、オスマンはコルベールの名前をど忘れしていた。
「そうそう、そんな名前だったな。それでコルベール君。なにが大変なんだね?」
「これを見てください!」
コルベールはルイズが使い魔に刻んだルーンの書かれたスケッチをオスマンに見せる。
すると、オスマンの目は見開いてロングビルには席を外してもらうことにした。
「詳しく説明するんじゃ。ミスタ・コルベール」
2
先ほどの惨劇を新八と才人から説明された銀時と神楽は「うわ~、めんどくせ~」とぐちぐち言いながら教室を元通りにしなくてはいけなくなった。
「コルァー! 男どもちゃっちゃと働けやァァ! か弱い女の子になに
神楽は片手に机を一つ、両手に机を二つ持って教室に入ってきた。
「誰がか弱い女の子だァァァ。どこの世界に机を平気で二つ運んでくるか弱い女の子がいるんだ怪力娘がァァ!」
「…………………ねぇ……」
「なんだ……」
「あの娘って、本当に人間なの?」
「……俺も同じこと思ってた……」
ルイズと才人は神楽のあの怪力具合を見て少し引いていた。
しかし、その怪力のおかげで本来はもう少しかかっていたはずの時間が一気に短縮される。
3
ルイズたちは昼食をとろうと食堂へと向かっていた。
その道中、才人は先ほどのことでルイズの弱みを握ったと思い、ルイズをからかい始めた。
「ゼロのルイズ。なるほどねぇ。言いえて妙ですねぇ。成功確率がほとんどゼロ。そんでも貴族。すばらしい」
それに対してルイズは何も言わない。
銀時たちも口を出さない。というより、分かっていたからだ。あとで才人にお仕置きを食らうことを。
なぜなら銀時と新八の周りでそんなことをしてしまえば殺されると日常で思い知らされているからだ。主に誰かの姉上に。
食堂につくと案の定怒りが爆発して才人は昼食抜きになってしまう。
その巻き添えを銀時、新八はくらってしまう。(神楽は一番働いた功績として昼食は与えられた)
4
「くそぉ……才人! テメーのせいで飯が食えなくなっちまったじゃねーか!」
「ご、ごめん……」
「ごめんで済んだらポリ公はいらねェんだよ」
空腹で銀時は怒りをあらわにしていた。
「そんなこと言っても仕方ないでしょ。それに昼食をないのには慣れているでしょう……」
「そりゃ…そうだけどよ……だいたいなんで神楽は与えられてんだよ! 不公平じゃねーか!」
「机を全部運んできて、その上机を所定の位置まで運んだんですよ。僕らがやったことって、それをちゃんと並べて机を拭いたことぐらいですし」
神楽だけが力仕事をやったのである。
なので、あまり働いていない銀時と新八は与えられないのも当然といえば当然なのだろう、と才人は思った。
「はぁ。それにしても腹が減ったな」
「だからそれはテメーのせいで――」
銀時の言葉を遮って誰かが話しかける。
「どうかなさいましたか?」
3人は話しかけた人物を見ると、どうやら女の人らしい。
すこし顔にそばかすがあり、黒髪の頭にカチューシャをつけたメイドさんだった。
「腹減ってんだよ」と銀時が、「なんでもない」と新八と才人が言った。
新八と才人の左手に使い魔のルーンが見えたのか、メイドは少し驚く。
「あなたたち、もしかしてミス・ヴァリエールの使い魔になったっていう……」
「知ってるの?」
「ええ。なんでも平民を召喚の魔法で呼んでしまったとかって。噂になっていますわ」
どうやら自分たちはこの学院中に噂になっているらしい。そのように聞こえた。
「その恰好ってメイドですよね?」
「なーに興奮してんだよ新八。気持ちワリーんだよ」
「興奮なんてしてませんよ!! ただ聞いただけじゃないですか!」
「この学院は魔法使いだけじゃなくてメイドもいるのか……」
新八の問いに対して、そのメイドはこう答える。
「ええ。そうですわ。この学院に雇われて、貴族にご奉仕をしているんです」
「そっか。あ、俺、平賀才人。よろしく」
才人はそのメイドに自己紹介をしたので、釣られて銀時たちも自己紹介をした。
「変わったお名前ですね……私はシエスタと言います」
すると3人から腹の鳴る音がする。
「そういえば先ほどお腹が空いているとか言っていましたね」
するとシエスタは3人をどこかへと案内する。
5
銀時、新八、才人は食堂裏にある厨房に入り、そこで
「オイ! おやっさん! もう一杯おかわりくれ!」
「あんた、イイ食べっぷりだな!」
銀時はもう一杯賄い飯をおかわりして、再び食べ始めた。
「銀さん。もう少し行儀よく食べないと、失礼ですよ」
「こんなうめーモンこの先食べれるかわかんねーだろが!」
「嬉しいこと言ってくれるねえ!」
調理場にいたコック長は銀時のことを気に入ってくれたようだ。
「でも確かにこれはおいしいよ」
「そうですけど……」
新八は黙々とその賄いを食べ終えた。
「ありがとう。シエスタ」
才人はここに案内してくれたシエスタにお礼を言う。
そして、才人はお礼をしたいからとシエスタに何か手伝えることはないか聞いた。
するとシエスタは、
「なら、デザートを運ぶのを手伝ってください」
それくらいならと、才人はシエスタの手伝いをすることにした。
「いやー、こんな所があるなら毎日でも来ちゃおうかなー」
「来い来い! 今度はワインを用意してやるよ!」
まじでか、と喜ぶ銀時を新八はひきずって才人と一緒にシエスタの手伝いをすることにした。
6
「ってことがあったんだよ!」
銀時は神楽に自慢げに話す。
「いやー、昼食が与えられなくてホント良かったー。じゃなかったらあんな美味いもん食えなかったからなー」
「ふざけんなヨ! 私抜きでそんな楽しいことやってたアルか! ズルいアル銀ちゃん、新八!」
神楽は先ほどルイズから頼まれて3人を探していたところ、給仕をしているここへときた。
そしてここにいたる事の顛末を聞く。
「で! そんなおいしい思いをした才人はどこアルか!」
「あっちで給仕をやってるよ」
指を差した方にはなにやら貴族たちが他愛もない話をしていた。
「なあ、ギーシュ! お前、今誰とつきあってるんだよ!」
「誰が恋人なんだよ!」
なにやらキザったらしい男に質問を投げかけている。
「つきあう? 僕にそのような特定の女性はいないのだ。薔薇は多くの人を楽しませるために咲くのだからね」
キザな台詞をギーシュという男は言う。
「うわぁ……なにアルかあいつ」
「見るんじゃありません。ああいう男は近い将来、破滅をすることになるんだよ」
そんなことを話していると、ギーシュのポケットから何かの小壜が落ちた。
近くにいた才人はその小壜を拾い上げて、ギーシュに渡そうとする。
「おい、ポケットから壜が落ちたぞ」
しかし、その言葉には見向きもしなかった。
すると才人はその瓶をテーブルの上に置き、こう言った。
「落し物だぞ。色男」
「これは僕のじゃない! 君は何を言っているのだね?」
すると周りの取り巻きが騒ぎ立てた。
「おお? その香水は、もしや、モンモランシーの香水じゃないのか?」
「そうだ! その鮮やかな紫色は、モンモランシーが自分のためだけに調合した香水だぞ!」
「そいつが、ギーシュ、お前のポケットから落ちてきたってことは、つまりお前は今、モンモランシーとつきあっている。そうだろ」
最後の人は探偵風に言い、ギーシュのつきあっている人を言い当てる。
「違う! いいかい? 彼女の名誉のために言っておくが……」
ギーシュは説明をしようとしたところに後ろのテーブルに座っていた少女が立ち上がる。
その少女のマントの色はギーシュやルイズたちとは違い、茶色のマントを羽織っていた。
おそらく学年によってマントの色が違うのだろう。
「ギーシュさま……やはり、ミス・モンモランシーと……」
そう言いながらぼろぼろと泣き崩れていく。
「彼らは誤解しているんだ。ケティ。いいかい、僕の心の中に住んでいるのは、君だけ……」
パシィン
ギーシュの頬はケティと呼ばれる少女にひっぱたかれる。
「その香水があなたのポケットから出てきたのが何よりの証拠ですわ! さようなら!」
ケティはその場から離れる、と同時に別の女の子がギーシュに近づいてきた。
その剣幕から見て先ほどの話題にあがっていたモンモランシーと呼ばれる女の子だろう。
「モンモランシー。誤解だ。彼女とはただいっしょに、ラ・ロシェールの森へ遠乗りしただけで……」
先ほどのケティとは別の怒りをあらわにしたモンモランシーは、テーブルの上に置かれていたワインの壜を取り、ギーシュの頭の上から盛大にかけた。
「うそつき!」
そう言って、この場から離れた。
「………………銀ちゃんの言ったとおりだったアル……」
「…………俺もまさか二股かけてるとは思わなかったよ……」
浮気がばれたばれたギーシュはハンカチを取り出し、ゆっくりと先ほどかけられたワインを拭いていた。
才人はその場から立ち去ろうとしていたら、ギーシュに呼び止められた。
「なんだよ」
「キミが謙虚に、香水の壜を拾い上げてくれたおかげで、ふたりのレディの名誉が傷ついた。どうしてくれるのかね?」
ギーシュは二股がばれたのを才人のせいにしているようだ。
「二股かけてるお前が悪い(呆れ声)」
その言葉でギーシュの友人たちはどっと笑う。
「確かにその通りだギーシュ! お前が悪い!」
その言葉にギーシュは顔を赤らめた。
すると、ギーシュはあることに気づいた。
「キミは、確かゼロのルイズの呼びだした平民だったね。平民に貴族の機転を期待した僕が間違ってた。行きたまえ」
その言葉にカチンと来たのか、才人はある一言を言う。
「うるせえなキザ野郎。一生薔薇でもしゃぶってろ」
その言葉にギーシュは目を光らせた。
「どうやら、君は貴族に対する礼儀を知らないようだな」
「あいにく、貴族なんか一人もいない世界から来たんでね」
バチバチと二人の間には火花が飛び散っているようにはたからは見える。
「よかろう。キミに礼儀を教えてやろう。ちょうどいい腹ごなしだ」
「おもしれえ」
「ここでやんのか?」
するとギーシュは体を反転させて後ろを向いた。
「逃げんのか?」
才人は背中を見せるギーシュに挑発をする。
「ふざけるな。貴族の食卓を平民の血で汚せるか。ヴェストリの広場で待っている。ケーキを配り終えたらきたまえ」
その様子を見ていた銀時たちは才人の元へと近づいていく。
すると一緒にいたシエスタは顔を青ざめてこの場から離れていく。
「見てたぜ才人」
「あ、銀さん」
「才人。オメーやればできるアルな」
「頑張ってくださいね。応援してますよ才人さん」
才人と話をしているとルイズはこちらへと近づいてくる
「なにしてるのよ! 見てたわよ! というかなんであんたたちも止めないの!」
「よおルイズ」
「よおじゃないわよ! なに勝手に決闘なんか約束してるのよ!」
「だって、あいつ、むかつくから……」
「まあ、いいじゃねェか。あんなヤツRPGで言えば最初の戦闘で出てくるスライムなんだからよ」
銀時は自分なりにギーシュの実力を分析して才人に伝える。というかスライム! 失礼じゃね?
「あんたたちはメイジの力を理解していない! 絶対にケガするわ! いや、ケガで済んだら運がいい方よ!」
ルイズはメイジの強さを説明していた。
「よし! それじゃあ才人。一応こいつを持っていけ」
ルイズの話を聞かずに才人たちだけで話が進んでいく。
「ちょっと! 話を聞きなさいよ!」
「これは?」
「俺の愛用している洞爺湖だ」
「……これってただの木刀だよね……」
「そんじょそこらの木刀と一緒にしてもらっちゃ、困るぜ。これは修学旅行中に洞爺湖から仙人が出てきて与えてくれた不思議な木刀を真似てに作られた木刀をさらに真似た木刀さらに真似て買った木刀だぞ」
「それ! ただの普通の木刀だろ!」
才人はツッコミをした。
「まあ、冗談はさて置き、そいつを持っていけ」
才人は「はい」といって、その木刀を片手に持ち、周りにいた貴族にヴェストリの広場の場所を聞いてそちらへと向かう。
「だからなんでわたしを無視するのよ!」
ようやく才人を活躍させられたァァァ!
ここまでの道のりが半端なかった!
と言っても6話しかまだ立ってないけど……