樹希「…行くよ?答えは聞かないけど…」
ラウラ「私をなめているのか!?」
樹希「その発想が羨ましいよ…なんでそんなに嫉妬できるのかなぁ?」
ラウラ「私がお前に嫉妬だと!?ほざけ!!私は貴様なんぞに負けるものか!?」
樹希「その見栄…妬ましい…」
樹希は武装を展開せずに攻撃を回避していた
ラウラ「防戦一方ではないか!!」
樹希「その思考が妬ましい…」
樹希が躱している間に、ラウラは背中から何かに攻撃された
ラウラ「ッ!?」
樹希「それじゃあ…行くよ?」
樹希の腕から青い液体金属が流れ、それが剣となった
樹希はそれを振るった
ラウラはそれをAICで止めた
少しにやけてレールキャノンを樹希に向けたとき、違和感を感じた
ラウラ「(武器がないだと!?いつしまって…そういえばあの武器は何やら液体のようなものが…液体!?)」
樹希「考え事だなんて妬ましい…」
その瞬間、青い液体金属が飛沫の様に上がり、ラウラを切り刻んだ
ラウラ「それが貴様の武器か!?」
樹希「…そうだけど?」
樹希は静かに見据えた後、液体金属を飛ばし、ラウラはAICで受け止めようとした瞬間、液体金属の形が突然形を変え、落下していき、死角から青い鏃が飛んできた
樹希「…様々な形に変える液体金属…AICなんて関係ないよ…?」
ラウラ「だったら、これでどうだ!!」
ラウラは紫電が迸っているワイヤーブレードを放ったが、液体金属でできた楯で防がれた
樹希「君の大罪は…そうだね…織斑千冬を妄信するあまり…いや…織斑千冬の家族である織斑秋人に対する『嫉妬』だね…」
ラウラ「ダマレ!!私は嫉妬などしていない!!」
樹希「……織斑千冬と並び立ちたい…自分こそがふさわしい…愚の極みだね…」
ラウラ「黙れ黙れ黙れ!!!」
樹希「…もういいや…」
樹希は後ろを向き、指を鳴らした
その瞬間、液体金属がラウラを包み込み、ラウラを斬り刻んだ
そして、液体金属が消えると、ボロボロになった
だが、またも異変が起こり、ラウラが黒い泥に変貌を遂げた
秋人「七条さん…僕も参戦させてもらってもいいかな?」
樹希「その爽やかな顔…妬ましい…良いけど…」
秋人「この七条さん…少し話しづらいなぁ…」
秋人は苦笑いしていた
そして、SEを補充してきた骸も到着した
骸「総帥、お待たせして申し訳ありません」
樹希「別にいいよ…それじゃあ、断罪の時間だ、懺悔はできている?」
骸「『全装甲展開』!!」
骸の機体が姿を変え、骸骨のような機体から禍々しい西洋鎧のようになり、梟と狼をかたどった仮面をかぶっていた
そして、右腕にドリルのような装甲が展開されていた
秋人は雪那をガンモードにして構えた
秋人「零落白夜発動!!」
秋人はトリガーを引き、零落白夜の力がこもったエネルギー弾を放ち、骸は螺旋状のレーザーを放った
それを食らった異形は崩れ、樹希は異形を切り裂いた
その異形からラウラが出てきて、樹希はラウラを医務室に運んだ
ラウラは昔のことを夢見ていた
自分は戦うために作られた
玩具の代わりに武器を持たされ、遊びの代わりに戦いを教えられた
優秀だった自分はISの登場で落ちこぼれまでに落ちた
だが、織斑千冬のおかげでまた最強となった、それでも、千冬は秋人のことを楽しげに話していた
それが羨ましかった
その嫉妬にかられた結果がこれでは笑えない
ラウラが目を覚ますと、骸がいた
骸「…起きたか…」
ラウラ「…なぜ、貴様たちは強い…? 私に何が足りないというのだ…?」
骸「……そうだな…受け入れる心だな…」
骸はリンゴの皮をむき始めた
骸「総帥は昔、織斑千冬の弟、一夏と呼ばれ、ひどい虐待を受けていたそうだ…」
ラウラは信じられないといわんばかりの顔をしていた
だが、骸は続けた
骸「だが、総帥は過去を受け入れ、死に物狂いで今の会社を若くして設立…今では俺たち家族がいない…いや、目の前で殺された子供たちを養ってくださっている…それと、秋人は姉のせいで自分を見てもらえなかった…お前は表面上しか知ろうとしない…だから受け入れられない…」
ラウラ「…なら…私はどうすればいい…」
骸「…せめて自分の名前に自信を持てるようになれ…お前は道具ではない…一人の人間だ…」
骸はラウラの頭をなでた後、出ていった
樹希は道化をにらんでいた
樹希「今回の件…道化…お前の差し金か?」
道化「いえいえ、滅相もございませんよ? ワタクシは入れ知恵をしただけですよ?」
樹希「まあ、良いだろう…」
樹希はため息をつき、紅茶を飲んだ
そして、書類に目をやると、それを破り捨てた
道化「それよりも、タッグはどうなさいますか?」
樹希「ああ…シャルロットと組むことになった…それと秋人は相川と組むことになっている…それより…『アダム』と『イブ』の開発はどうだ?」
道化「あれですか? ええ、順調ですよ? なんでも総帥が任せていた部署に有能な人物が入って来たので、完成は二学期の…そうですね…夏休み頃に実行が可能ですねぇ」
樹希「そんなに早くできたのか…ならば…『ベクター』はどうなっている?」
道化「そちらも同じくですが?」
道化はタブレットを見せた
樹希はそれを見て、感心していた
樹希「…世界よ…せいぜい何も知らずに目を背けて踊るがいい…」
樹希はニヤリと笑って、一枚の書類を眺めた