秋人が浜辺に到着すると、樹希がシャルロットたちに囲まれていた
樹希「何でこうなる!?」
シャル「樹希、消えないでよ!!」
鈴音「シャルロット、そこ退きなさいよ!」
セシリア「そうですわ!私だって甘えたいのですのよ!?」
樹希「根本的な解決になっていないのだが?」
秋人「兄さん、やっぱりモテるね」
秋人が苦笑いしていると、後ろから何かが抱き付いてきた感触がした
秋人「…簪…?」
簪「秋人…!!」
秋人「…ただいま、簪」
秋人は曇りない笑顔を見せた
樹希「一回離れろ!!躯に連絡はしたか?」
シャル「…あ」
樹希「お前ら…まあいい、これより帰還する」
樹希はそう言って旅館のほうに向かった
秋人はその背中を見つめていた
秋人「僕も戻らないと…簪、また明日!」
秋人は旅館に向かった
旅館では生徒たちが歓迎していた
そして、しばしの間、宴のような状態となり、樹希は笑っていた
その後、樹希は一人海を眺めていた
樹希「道化…いるんだろ?」
道化「ええ、どうかなさいますか?」
樹希「アダムとイブの完成度は?」
道化「はい、残り20%で完成します」
樹希「それなら丁度いい…今すぐ解き放て」
樹希は淡白に言い捨てた
道化「よろしいのですか?」
樹希「未完成のまま解き放ったほうがより良いじゃないか…未熟なプログラムの暴走…それによる地球規模の戦争…それが起これば世界は混乱する…それにそっちのほうが…」
樹希は道化のほうに振り向いた
樹希「よっぽど悪魔じゃないか?」
樹希の顔は今までに見ないくらい歪んでまさに悪魔という言葉がふさわしい笑みだった
道化はそれを見て笑い出した
道化「アヒャヒャヒャヒャヒャ!!やはりあなたは最高だ!!ワタクシが今まで契約してきた中で一番絶望の風味が際立っている!!あなた様の魂を食せないのが惜しいですが…」
樹希「俺はお前に極上の笑いを献上する契約だ…もうすぐお前の望むものが手に入るぞ?」
道化「それは楽しみですねぇ」
道化の笑いは夜の海に木霊した
千冬は血がにじむほど手を握っていた
見下してきたものに見下され、権力を失い、秋人には見放されてしまっていた
全てを樹希のせいにしていた
箒も同じであろう
そして、樹希から判決が下った
樹希「今回の件、作戦を妨害した篠ノ之箒は二ヶ月の謹慎とその期間中にボランティア活動を義務ずけ、さらにお前を観察処分者とする、同じく妨害し、教育者としてあるまじき行為をした織斑千冬先生には夏休みの間篠ノ之箒の監視を命じる、そしてあんたは教師としての心得を一から学んでもらい、正式に教員免許を獲得するための講義を受けてもらう、それからもし何かアクシデントを起こした場合、篠ノ之箒の場合は放校処分、織斑千冬先生の場合はプリュンヒルデの称号を剥奪する」
樹希は書類を読み上げると、二人は抗議しようとしたが、問題を起こせば二人にとっては危ないことになる
樹希「お前等を助けたプリュンヒルデの称号と篠ノ之束の妹であることとIS委員会に感謝することだな、本来なら懲役十年物だが…IS委員会が面倒だからな…これで妥協するしかない…」
樹希は溜息をつきつつ部屋から出て行った
千冬「おのれぇ…!!出来損ないの分際で…!!」
箒「なぜだ、何故私がこんな目に…!!」
二人はこの意味が分からず、ただ憎悪を募らせるだけだった
この後起こる二人の終幕がどれほど悲惨なものかをこの時は知る由もなかった
次の日
樹希達は最後の臨海学校を満喫していた
七大罪の悪魔の少女達は他のIS学園の子たちと遊んでおり、樹希はゆっくりしていた
その時、束がやって来た
樹希「束か…何の用だ?」
束「総帥…じゃなくて、いっ君…あんなことしなくてもいいよね?復讐だってもう終わっているようなもの何だし…」
樹希「復讐…?終わり…? 何を言っているんだ?むしろここからが始まりだ」
樹希は子供のように疑問を束にぶつけた
束はそれに恐怖を感じた
恐らく樹希はもう後戻りできない段階にまで精神を擦り減らしていた
いや、もともとそうだった
誰も認めず、誰にも称賛されず、されていたとしても少数で、誰も見ていなかった
束がもしも彼を認め、接していたら、ISを開発しなかったら答えは変わっていたのだろうか
樹希はそんな束を無視して、海に向かった
その途中、鈴音に背中に乗られたのは言うまでもない
束「いっ君…ごめんね…ごめんね…」
束は祈るように樹希への謝罪の言葉をつぶやいていた
そうして、臨海学校は終わりをつげ、夏休みに向かう…