「さぁ、着いたぜ。
ここが我らがボーダー玉狛支部だ」
イルガーを迎撃してから三十分後、士郎は迅と共に玉狛支部へと来ていた。
玉狛支部はボーダー本部の周辺、警戒地区の外縁部に六ヶ所存在する基地の一つであり、迅曰くボーダー最強の部隊とのことである。建物はレンガ製、三階立てで川の真ん中に造られている。
「ここは元々は川の何かを調査する施設で使わなくなったのを買い取って基地を建てたらしい」
そう言いながら迅は小型の端末を取り出して何か操作する。
「どうやら、全員いるみたいだな…」
そう言うと迅は支部の入り口を開く。
どうやら、先ほど見ていた端末は施設内の隊員の有無を確認するためのものらしい。
「おー、しんいりか…」
支部へと入った二人をそう言って出迎えたのは巨大な犬のような生き物に跨がった少年である。
「おー、しんいりか…じゃなくてお帰りだろ陽太郎」
子供の頭に陣は平手を落とす。
「迅、そいつは?」
「そいつじゃない!陽太郎だ!!」
「こいつは林藤陽太郎。動物と会話できるサイドエフェクトを持っていて…此処に住んでいるのさ」
「そして、こいつが雷神丸。
俺の相棒だ」
質問に答える迅と彼に叩かれた頭を抑えながら自分がまたがる犬(?)を紹介する陽太郎。
サイドエフェクトを持つということは高いトリオン能力を保有しているということであり、近界に攻められた際に捕獲の対象となることが多い。
それを防ぐために玉狛支部で保護しているのだろう。
「おう!迅!帰ったか!!」
そこまで考えたところで聞こえてきた男の声に士郎は顔を上げる。
髪を逆立て眼鏡をかけた男が二階から顔を覗かしていた。
「ほう…そいつが切嗣さんの息子か…」
同時に士郎の存在に気づき眼鏡の下の目を細める。
「あんたは?」
「俺は林藤匠、ここの支部を任されているもんだ」
軽く手を上げて自己紹介する林藤。
「親父と知り合いなのか?」
「何だ?切嗣さんから聞いてないのか?」
士郎の問いに林藤は続ける。
「切嗣さんとは第一次侵攻を一緒に戦った仲だからなー」
林藤が言うには四年前、ネイバーこの三門市に攻めて来た時と切嗣が偵察に来ていた時が偶然にも重り、ともに戦うことになったとのことである。
初めて聞く父の話に感慨深いものを抱く士郎。
そこであることに気づき匠に尋ねる。
「そういえば…他の隊員は?」
士郎がこの玉狛支部へと来てから迅と林藤、陽太郎以外のメンバーを見ていないのだ。
迅が言うボーダー最強部隊、それに対して士道が興味を抱くのは至極、当然のことである。
「今はシュミレーションルームで模擬戦中だ」
士郎の質問に答えたのは林藤であった。
「見てみるか?」
「良いのか?」
「…本来なら部外者お断りなんだがな…」
そこまで言うと林藤は士郎について来いと言わんばかりに歩き出したー。
アニメが終わって大分時間が経ってしまいました…orz
灰音です、前話から半年以上経過しての投稿となります。
次回は玉狛第一の面々と士郎さんの模擬戦でも描こうかと思いますー