東方創星神録 ~始まりと終わりの物語~〖凍結〗   作:星の屑鉄

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 寝坊して遅れました、申し訳ありません……。
 徹夜したあと昼寝したら意味ないですね。今回で身に染みました。

 今回の話はタイトルの通りです。また、物語の核心にも更に触れていくことになります。

 それでは、本編をどうぞ!


五章 第七話 覚妖怪

 

 ――八ヶ岳。後に妖怪の山と呼ばれるこの山の中には、多種多様な妖怪が住まわっている。

 

 代表的なのは、鴉天狗と白狼天狗だ。特に、白狼天狗は始祖であるハクロウがまだ誰も山に住んでいなかった時から住んでいたので、ここでは一番の古株となる。

 

 また、覚(さとり)妖怪なる種族も居るらしく、非常に小さな集落を築いて生活しているらしい。

 

 ここに、最近は更に鬼という種族が加わり、八ヶ岳は正しく、妖怪の山と相成った。鬼の四天王に勝手に据えられた人星ことイブキは、珍しい妖怪を見るのも悪くないと、手始めに覚妖怪なる者たちの集落に赴いていた。

 

 それを話したときは、ハクロウに猛反対されたものだが、風評だけで決めつけるのも良くはない。それに、戦闘能力はあまりないと聞く。まさか自分が危険な目に遭うこともないだろうと、彼はハクロウの反対を押し切って出立した次第だ。

 

「これは……集落、なのか?」

 

 しかし、到着してみれば不思議なものだ。目の前に広がっているのは、様々な動物たちが思うがまま、気ままに跋扈する光景だ。家らしい家は一軒ばかりしか見つからず、他は全て物置小屋程度の大きさだ。

 

「うぅむ……」

 

 判断に困る。集落といえば、確かに動物の集落として見ることは出来る。だが、一種族の集落として見ることは、どうしても出来ない。彼は、本当に此処が覚妖怪の集落なのか? と疑問に頭を傾げる。

 

「……進めばわかる、というものか」

 

 考えていても埒が明かない。そう結論を出したイブキは、好き勝手に走り回ったり寝転んだりしている小動物たちに細心の注意を向けて、踏まないように足を運ぶ。これがなかなか重労働だ。三歩進めば確実に動物たちがツバキに向けて突っ込んでくるのだから、本当に危なっかしい。

 

 十分ほどしてか。ようやく集落の中で唯一家と呼べる建物に、あと数歩で到達するといったとき、彼の目の前に黒い物体が高速で突っ込んできた。目を凝らしてみれば、鴉だった。嘴は鋭く怪しい黒色の光沢を放ち、瞳は赤く爛々と輝き、その羽毛は漆の如く美しい。

 

 しかし、見惚れている場合ではない。このままでは、イブキは自分の腹部で鴉を受け止めなければならない。これは不味いと思い、体の軸を少しだけ変えようとするが、たった数ミリさえ足を動かすことが出来ないほど、彼の足元には動物たちが居た。

 

 ――まともに動けない。

 

 これはある意味、単に四方八方を壁で隔離されているよりも厄介だ。壁ならば破壊すれば済むが、動物たちであれば、無益な殺生などしたくもない。これは参ったな、とイブキは溜息を吐き、仕方ないので鴉を左手で掴もうとして……ふと、自分の左腕が無いことを改めて認識する。

 

「――これは、参ったな」

 

 ぐちゅ、と肉を抉る不快な音が響き、続いて、ぶちっ、と何かを貫通したような音が聞こえてきた。それと時をほぼ同じくして、ごふ、とイブキが血反吐を散らし、それは彼の腹部に嘴を突き刺した鴉を塗らす。

 

「――まったく」

 

 しかし、血反吐が込み上げてきたために吐いただけで、それ以上の反応をイブキは見せない。自分でも刺さったことに驚いているのか、ジタバタと暴れて羽根をまき散らす鴉を右手で掴み、彼は自分の腹から鴉を引っこ抜いた。

 

「阿呆が。自分で突っ込み、あまつさえ自分で抜け出せないとは何事か」

 

 引っこ抜いたからといって、彼はすぐには解放しない。またこのような阿呆な出来事で誰かが巻き込まれないためにも、イブキは血塗れた鴉の、その血の色と同じ双眸を真っ直ぐに見て言葉を放つ。

 

「これが俺でなければ、嬲り殺される可能性もあったのだ。その双翼を折られ、両足を折られ、嘴を粉砕され、仕上げに首をあらぬ方向に曲げられただろう。二度と、このような事態を起こすな。鴉とは阿呆ではない。知恵がある。よく考え、実践し、行動に移せ。今日のことを猛省し、努々、忘れるな。さすれば、同じ過ちを繰り返すこともないだろう」

 

 最初は暴れていた鴉も、イブキに真正面から見据えられたときに大人しくなった。そしてすぐに、黙してその話を聞き始めた。聞き終わって彼が腕の力を抜いた時、「カァ!」と力強く鳴いて、そのまま空の彼方へと飛んで行ってしまった。

 

「まったく……。部分行使、トリシューラ」

 

 重宝している氷の神槍の力を使い、穴の開いた腹の傷口を凍らせることで塞ぐ。凍傷にはなるが、こうすれば出血抑えられる。最低限の薄い膜なので、裂傷になることもない。地面に零れた少量の彼の血に動物たちが集っているが、別にこれくらいの量ならば問題ないだろう、とイブキはそれを放置して、すぐ目の前に見える家へと足を運ぶ。

 

「……留守か?」

 

 家の入口に到着したのは良いが、肝心の住人の気配が感じられない。試しに軽く戸を叩いてみるが、反応は無い。さて、いよいよ無駄足になってきた、とイブキは頭を掻く。これでは、鬼共の良い笑い種だ、と。

 

「……むっ?」

 

 不意に、摩訶不思議な生物(?)と目が合った。簡潔に言えば、触手の様なものの生えた赤い膜の様なものに包まれた、瞼のある目玉だ。大きさは人の顔よりも小さく、見た目は本当に、ただの目玉である。妙な触手が生えていることは気になるが、しかし些細な問題だろう。

 

「まさか、これが覚妖怪か?」

 

 ――集落を形成しているところから、てっきり意思疎通の出来る生物かと思ったのだが。

 

 イブキは今度こそバツが悪そうに頭を掻いた。とんだ勘違いである。これでは、コミュニケーションをとることなど出来るわけがない。口が無い時点で察した。この山の住人たちと少しでも親睦を深めようとしたが、まさか出鼻をくじかれるとは思わなかった。

 

「む、ぅ……貴様、本当に覚妖怪か?」

 

 いくら何でも、このような手足も無い妖怪が家や物置を建てたとは考えづらい。意思疎通の出来る一縷の望みに託して、イブキが訊くと……目玉はピョンピョンとその場で跳ねた。

 

「……肯定、という意味か?」

 

 目玉は頷く様に少しだけ角度を傾けて、また触手を使ってその場で跳ねる。

 

「意思疎通は出来る、か。……いや、でもあの家や小屋の説明がそれではつかない……」

 

 彼が呟くと、目玉はピョンピョン、と動物たちの方に向いて跳ねる。

 

「動物たちが作った、と?」

 

 ピョン! と目玉が跳ねる。まるで「正解!」とでも言っているみたいだ。事実、肯定の意味で問題はないのだろう。まだ疑問が残るが、このままでは埒が明かないだろうと、イブキは次の質問に移る。

 

「覚妖怪は貴様一人か?」

 

 目玉の触手を見ながら、イブキは問う。目玉は少しの時間静止する。およそ十秒、そんな空白の時間のあと、ピョンピョン、とまるで反復横跳びをするように真横に何度も跳んだ。

 

「つまり、最低二人以上というわけか」

 

 今度はピョン! と真上に跳び、肯定の意思を表す。

 

 ――随分と活発な妖怪だ。こうも反応が良いと、どうにも愛着を湧くというか、可愛らしく見えるというか……。

 

 そんなことを考えながら覚妖怪(目玉)を見ていると、急にその目玉がモジモジと左右に揺れ始めた。

 

「……照れているのか? いや、それよりも心が読めるのか」

 

 ――なるほど。しかし、これではどちらが心を読もうとしているか、分かったものではない。

 

 一瞬、気まずそうにビクッ、と過剰反応を示す覚妖怪は、しかし次の瞬間には真上に何度も跳んだ。今更だが、空中において跳ぶような行動をしているので、厳密に跳ぶとは少し違うのだが……細かいことはいいだろう。実際、跳ぶように、跳ねたように見えるのだから。

 

「ふむ……言葉に出さなくても伝わるようだが、口が退化してしまってはかなわない。勝手だが、発声はしっかりとすることにしよう」

 

 可も不可もなく、といったところか。目玉は空中でコロコロと気ままに転がった。

 

「なるほど。真上に跳べば肯定、横に跳べば否定、転がればどちらでもいい、というわけか」

 

 そういうと、覚妖怪である目玉は真上に元気よく、ピョン! と跳んだ。

 

 ――これは非常に便利だ。

 

 会話の意図は相手が汲み取ってくれ、相手はそれに対して跳ぶことで三択の意思表示をする。これほどシンプルなコミュニケーションというのも珍しいだろう。

 

「気に入った。貴様、名前は何という?」

 

 訊いた瞬間、覚妖怪が固まる。そして少ししてから再起動した途端、どうしよう、どうしよう、と言わんばかりに右往左往し始める。

 

「名前が無いのか、あるいはその形故に名前を明かしたくとも明かせないのか……」

 

 覚妖怪はただあたふたとするばかりで、イブキの疑問に答える余裕は無さそうだ。

 

「仕方ない。安易ではあるが、”さとり”とでも呼ばせてもらうとしよう」

 

 イブキが言うと、覚妖怪は急にあたふたとするのを止めて、続いてピクッ、と彼の方を見る。

 

 数秒の静寂。

 二者の近くで「なぁ~ぉ」と猫が鳴いた。

 

 覚妖怪はそちらの方を見た。釣られる様に、イブキも猫を見た。猫は暢気に、口元の血を舐めとって毛繕いしている。緊張感の欠片も無いその姿が、この静寂の馬鹿らしさを象徴しているようだった。

 

 そんな猫を見たためか、覚妖怪は沈黙をよしとはせずに、真上にピョンピョンと跳び始めた。何度も、何度も跳んでいる。おそらく、嬉しさを表現しているのだろうとイブキは受け取り、彼は覚妖怪――さとり――が跳ぶのに合わせて頷く。

 

「そうか。それほど気に入ったか。そう反応されると、俺も気分が良くなるというものだ」

 

 ――ならば、面白い話の1つでもするのが礼儀というものだ。

 

 イブキは「さて」と前置きの言葉を置き、その場に胡坐をかいて座る。その先の展開が読めているのか、さとりはただ黙して彼を見ている。

 

「今日は気分が良い。1つ、面白い話でも語ろうではないか」

 

 題名は、そう。

 ――最古に覚えるジレンマ――

 

 

 

 ――その者は気づけば生まれ落ちていた。徐々に、徐々に感覚を養っていき、ついには知恵を手に入れる。まだ、人という生物がいなかった、そんな時代。

 想像できるだろうか、そんな大昔を。

 

 ――その者は星と共存し、歩み、ついにはその危機を救って、月へと旅立った。

 あの時は大変だった。しかし、大自然の全てが力を合わせ、打ち勝つことが出来た。

 

 ――その者は、月で王となって君臨する。しかし、その者は既にその者ではなく、人星という存在となり、そして王の座に就いた。

 しかし、これこそが歯車を狂わせたきっかけであり、もはや取り返しのつかない出来事となって、未来に先送りとなった。

 

 ――何という愚か者だ。俺は”名無しの俺”で在りたかった。今も全てを放り出して、あの時の自分に戻れれば、どれだけ世界が穏やかになることか。

 気づいた時には、すべてが遅すぎた。

 

 ――誕生の秘話に気づいていれば、きっとこのような未来を描くことなく、この世は特異点と成らずに済んだだろう。

 嗚呼、どうして気づかなかったのだろう。物事には因果が必ずあるというのに。後が先となった既成事実は消え去らない。もはや事実を正すことさえもかなわない。

 

 ――この世の樹形図は既に使い物にならない。初期の時点で真と特異に別たれた。嗚呼、許せない。これほど残酷な結末に終着するこの世界が。心を手に入れ、目的を持った力ほど恐ろしいものはない。

 もはや未来の大筋は変えられない。こうなってしまっては、世界は輪廻の輪の下に廻るだろう。力の一人走りは止められない。

 

 ――しかし、身を任せるしか無いわけではない。止めることは確かに出来ないが、終着する場所を変えることならば可能だ。永久に廻り続ける結末を避けることは出来る。

 何事にも例外はつきものだ。偶然に偶然が重なった結果、時に特異点が生まれることがある。未来は変わらないが、しかし特異点によって未来を歪めることは出来る。それによって、終着点が変われば、あるいは。

 

 ――だから根を張るのだ。大老樹のように、深く、強く、何者にも負けないように。世界はもはや真には戻れないが、ならば特異点を更なる特異点に導けばよい。

 しっかりと下準備をしなければならない。それこそ、何百年と年月を培った大老樹のように。この世界を過去の始点から正常に戻すことは出来ないが、残酷な未来を、更なる異常に誘うことで避けることは出来る。

 

 ――さて、ならばこれから未来は一体、どこに誘われてしまうのか。

 この話もここまでにしよう。未来は一体、どこに導かれてしまうのか、括目して見るがいい。誰でもない、この俺の生き様を。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 覚妖怪は人一倍に気配に敏感だ。だから、集落の近くに何者かが来ただけでも、すぐにそれを察知して隠れるだけの術を持っている。

 

 最近、覚妖怪こと古明地さとり、古明地こいしは、妖怪の山の者達から少しずつ距離を置かれつつある。理由は単純で、誰も心を読まれたくないのだ。覚妖怪は第三の目を開いている限り、否が応でも他者の心を読み取ってしまう。それを心のうちに仕舞っておけばいいのだが、古明地さとりの性格上、二度手間になることを嫌ってか、それとも単純に面倒だからか、非効率的だからか、他者の心を読み取ったうえで、それを確認のために口にして、それに自分がすぐに答える、というコミュニケーションを行ってきた。

 

 果たして、それが二者間において成立するコミュニケーションであるのかは疑問を覚えるところだが、本人はそれでしっかりと成立していると思っているのだからタチが悪い。これは古明地さとりが鈍いというわけではなく、単純に彼女の立場では正しくコミュニケーションが成立しているのだから、違和感を覚える余地が無いのだ。

 

 覚妖怪の二人は、イブキが訪ねてきたときに家に居なかったわけではない。単純に、息を潜めていただけだ。一見、そんなことは難しいと思われがちだが、直接戦闘能力が殆どない彼女たちにとって、隠密能力は必須のスキルだ。故にそれらは習熟されており、イブキを騙すことが出来た。

 

 このまま隠れてやり過ごそう、と古明地さとりは考えていた。古明地こいしもその姉の意見に首を縦に振った。二人は出来るだけ動きと、第三の目によって相手を観察することの出来る玄関口で、第三の目用の抜け穴を使って姉のさとりが相手の心を、そして相手の気配に集中して妹のこいしがその動向を注意深く観察する。

 

 そしてさとりは目にする。正確には第三の目が視た。イブキという存在を。あまりに歪な存在を。

 

 彼は美男子だった。いや、それは別にどうでもいい。今の話に関係は無い。問題は、その心を読み取った時に汲み取れる、交錯する三者間の策略だった。誰が誰、という判別はつかなかったが、彼の中には確かに、三者の考えが入り混じっていた。

 

 そして読み取れた情報は、”世界の始まり”とか”過去の改竄”だの、”力の分散”と”抑止力としての封印”、そして最後に”終着点”と”輪廻”と”勝利条件”だ。

 

 勝利条件……更に深く読み込んでいくと、”特異点の消失”あるいは”支配される前の完成”……と、そこである二者の思惑が急になりを潜めた。

 

 そして残りの者の思考を読み取った瞬間、さとりは思わず息を呑んだ。有り得ない。この男は何者なのか。少なくとも、人間の範疇に納まるような器ではない。

 

『隔絶された空間を生み出す結界に覆われているこの故郷は、まさしく最後の砦。しかし、まだ分散させる必要がある。力を分ける必要がある。そうしなければ、殲滅は難しい。……しかし、時間が足りない。だからこそ……』

 

 不味い、とさとりの第六感が鳴り響く。これ以上彼に関わってしまっては、この世界から消されてしまう恐れがある。それほどに大切な秘め事を今、彼女は暴いてしまった。

 

 どうしよう、と思った時には、既に彼とコミュニケーションをとっていた。何とか誤魔化してはみたものの、あのスキマ妖怪がいつ見ているか分かったものではない。為人は非常に優れた方だと分かったが、彼の周囲にいる者があまりに危険だ。

 

 彼とコミュニケーションを終えて、分かれたあと、さとりはこいしに言う。

 

「地底に移り住みましょう」

「え、お姉ちゃん、どうしたの……?」

 

 こいしの疑問は、さとりが地底に移り住もうと提案したことではない。それを言葉にして口にしたことへの驚きだ。覚妖怪は本来、相手の心が読めるために言葉を用いることはない。故に、その者同士の対話は、第三の目を向けるだけで可能になる。

 

 故に、言葉を用いる必要など無いはずなのだが、さとりは口にしてしまった。それはつまり、非常に焦っている、ということだ。

 

 疑問に思ったこいしもまた、さとりの思考を第三の目によって読んだために、また言葉を用いてしまった。いや、この場合は読み込んでしまったためにショックが大きすぎて、さとりの感情を読み取る余裕が無かったせい、とでも言うべきか。

 

 お互い、姉妹ともども、この時は非常に焦っていたのだ。同種とのコミュニケーションにはけして使わない、言葉が出てしまうほどに。

 

「急ぎましょう。必要な物はすぐにまとめて、出発します」

「う、うん……」

 

 白狼天狗の始祖、鬼、大和の神、諏訪の神、妖精、月の民、月の兎、博麗神社の巫女、スキマ妖怪……そして龍神。

 彼の知り合いは、あまりに存在するだけで危険な者が多すぎる。スキマ妖怪と龍神さえ関与していなければ、さとりももう少し手段を選ぶこと……少なくとも、早急に地底に移り住むなどという選択肢を取る必要は無かっただろう。

 

 秘密を知ってしまったが故に、移り住まなければならない。

 

 しかし、これもいい機会だろう、とさとりは思っている。もともと、地底にはもう少ししたら移り住むつもりだった。それが早まっただけに過ぎない。当事者である彼が動こうとしないのであれば、わざわざ追跡してまで殺しに来ることもないだろう。

 

 誰であっても、例え妖怪であっても、命は惜しい。だからこそ、避難する。面倒事の大嵐が、自分のところに来てしまう前に。

 

 こうして、覚妖怪はペットを引き連れて、地底へとその住処を移すのであった。

 

 

 




 さて、少しずつキーワードが浮き彫りになってきたのではないでしょうか。こんな何気ない文章の中にも、大量の伏線が含まれているので、それを探して見つけ出すのもまた一興かもしれません。

 時間も押しているので、今日はこれにて。

 感想、コメント、評価、ご指摘、批判、お気に入り登録等々、常時募集しておりますのでもしよろしければよろしくお願いいたします。非ログインユーザーの方でも感想は書けるように設定しております。

 それでは、次話は12月27日の21:00になります。

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