よろしくお願いします!
「私たちの約束…………忘れちゃ嫌だよ?」
可愛らしい女の子が俺の手を握りながらそう言った。彼女の白い素肌に、大粒の涙がつたり、そのまま地面に落ちていった。俺は何て言えばいいか分からず、俺の瞳に映っている彼女を見ることしか出来なかった。すると、俺の考えを読み取ったのか、クスリと笑い俺の頬にゆっくりと手を添え笑顔で言った。
「本当に鈍感何だから……バカ……………………。」
そしてそのまま画面が暗くなっていく。主人公が目を覚ますとベタな台詞が画面上の下側に出てきた。
「夢……か…。 にしてもスゴく懐かしい夢だったな。次はいつ会えるのかなぁ…あれ? 涙がとまんねぇや…………」
……はい、お疲れー。主人公君お疲れさまでしたー。俺はゲームのコントローラーをそっと床に置き、思いっきり伸びをした。
どうもこんにちは。俺は塚崎 真守(つかさき まもる)と言うものだ。ついさっき、【学園生活】と言うゲーム、世間で言うギャルゲーを、たった今クリアしたところた。
俺の友人が面白いからやってみろ。と、煩いもんだからなんとなーくでやってみたところ、意外と面白かったって言うオチである。
「鈍感…ねぇ。」
俺は自分の頬をポリポリとかきながら、一人で苦笑いを浮かべた。
俺は、よく、鈍感と言われる。
そもそも、鈍感っていうけれど、いったいどこが鈍感なのかわらないし、理解ができない。俺の親友が、「あのこ、絶対お前のこと好きだよ?」と、言ってくるが、「はぁ?」としか返したことがない。
そうかえすたんびに、俺の親友は深くため息をついて、可哀想な人を見る目で俺を見てくるが、普通はそう思わないだろ?
やってくれたことと言えば、毎朝俺のことを見つけて笑顔で挨拶してくれたり、ノート貸してとか言われたり、隣の席になったときに嬉しそうにしたり、話していると時々肩とかをペタペタと叩いてきたり、「一緒に帰ろう♪」って、言われたり…。そんなことぐらいだ。
どうしてこれだけの行動で俺のことが好きってわかるのか不思議である。
首を捻りながら考えてみるが、意味のない行動だと判断したので、考えることはとりあえず放棄することにした。
ソフトを取りだしケースにしっかりと入れる。時計を見てみると午後の3時だ。さて困った、いったい何をしようか。やることをやってしまった俺が一人悩んでいるとコンコン、とノックする音が俺の部屋に響き渡った。
「おにーちゃん♪」
そう言って俺の妹の美奈が嬉しそうに入ってくる。
「買い物に一緒にいこー♪」
言っておくが俺の妹美奈は中学一年生だからな。ここ、結構重要だからな覚えておけよ。テストに出すからな?覚えたならばよし。ついでに俺にはもう一人姉貴が居る、高校一年生だ。ちなみに俺は中学二年生だからな。おっと、話がズレたので元に戻すか。
「別にいいけど、みなは一人で行ける歳だろ……。」
「え~! おにーちゃんと一緒がいいー!!」
ジタバタと手足を動かして訴えているみなは見ていてスゴく面白い。ちょっとワガママだけどな。
「ハイハイ。んじゃ、玄関で待ってて。」
みなの頭を撫でると、嬉しそうに目をつむって大人しくなる。まるでさっきとは正反対の人のようだな……。ついつい甘やかしてしまうのは俺の悪い癖だ、これだとみなのためになんないよな。そう心のなかで反省をする。
「やったね! それじゃあ早くきてねおにーちゃん♪」
ルンルン気分で俺の部屋から出る。俺が言うのも何だが、意外とかわいい顔をしてんだよな、みなは。学校でも可愛いって言われてるし俺と大違いだな。
一人で苦笑いを浮かべながら立ち上がり、服が入っているタンスへと重たい足を持ち上げて歩いていった。別に適当で良いよな。目の前にあった服を引っ張り出してそのまま着替える。準備が終ると財布を持って部屋を出て、階段を降りていく。玄関につくと、みなは怒ったように「おそーい」と頬を膨らませて待っていた。
「ゴメン、ゴメン。遅れた分何か奢るから許しれくれ。」
「アイスクリームで手をうとう。」
「チョコアイスで良いよな。」
「お主、よくわかっているな。」
「何年一緒に暮らしていると思ってるんだよ……。好物くらい覚えるだろ。」
ツッコミをいれながら靴を履き替えて、ドアノブに手をを伸ばす。
「行ってきまーす。」
そう言って俺とみなは家から出たのだった。それとは裏腹にスーパーにつく頃にはとてもヘトヘトの状態。何故かって?それは俺の腕に抱きついている妹、みなのせいだ。嫌、絶対に。その元凶は寄り道から始まる。
家からでてすぐに公園で遊びだし、それに付き合っていた俺はブランコに乗っていた、すると突然、俺の背中を思いっきり押してきた、それによってブランコから転落し顔面は避けたものの頬に切り傷がついた。
次に野良猫と出会った。とてもたちが悪い猫で俺たちのことを睨みながら引っ掻いてきた。被害を受けたのは俺だけであって、みなは何もされていない。
それ以外にも俺を盾にして自転車との衝突を避けたり、カラスの糞が落ちてきそうなところに俺を歩かせたりと、とてもじゃないが疲れた。
「おにーちゃんゴメン。何か本当にゴメンね……」
突然謝ってきたみなに少し驚いたが、俺は笑顔でみなの小さい頭を優しく撫でる。
「気にすんなって、確かに疲れたけど楽しかったよ? 俺はだけど。」
疲れたって言うのも本当だし、一番はみなが楽しそうで良かった。って言う感情がとても強い、だからさっき言ったことは嘘ではない。それにいろんな意味で強くなれた気がするし、ハハハ……。
「おにーちゃんありがと。」
ギュッと俺の腕に更に強く抱きつくみな、何か柔らかいものが当たっているが気にせずに行こう。その状態からスーパーにつくと腕にくる力が弱まった。ふぅ、いろいろ危なかったな。俺だって男だからドキドキ位は余裕でするし、抑えるのに一苦労だ。そして、なかにはいると俺とみなはそれぞれ買うものを手分けして探すことにした。
「醤油……醤油っと、お?」
いつも使っている醤油に手を伸ばすと反対側からも手が伸びた。チラッとその人を見てみると……
目の前には目がつぶれそうなほどの、かわいらしい美少女が手を伸ばしていたのだった。
誤字脱字は日常。指摘&感謝お願い致します。
閲覧ありがとうございました!
ヒロインは次回からです。
※分けました。