何故俺は鈍感と言われるのか解らない   作:元気

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シリアスです。

時々クサイ言葉が出ますが、気にせずに観ていただきたいです(笑)

それではどうぞ!!





鈍感男の体育祭(練習)

 こんにちは、塚崎真守と言うものだ。突然だが、俺たち光ヶ丘の体育祭は今週の土曜日である。ここまでいったら何が言いたいのか分かるかな?そう、練習だ。練習次第でこの勝敗が決まる。それにうちの学校は、1、2、3年のくじ引きでその年の色を決めるというと面白い決め方なのだ。1~3年までのクラスは全て6クラスあるので、組団も勿論6クラスある。その組団の色を紹介しよう!

 

 

 

 

 太陽にも負けない情熱の結集した燃える赤。

 

 

 

 

 

 落ち着いた判断で決めに来る、冷静沈着な青。

 

 

 

 

 

 明るく楽しむ色の黄色は、どこよりも光輝くことを覚える。

 

 

 

 

 

 新緑の色は自然さへも味方にしていまう団結力を誇る。

 

 

 

 

 

 紫。真空の色をまとった騎士が集まる攻撃は、まるで閃光のよう。

 

 

 

 

 

 純白の天使の羽は優勝へと導きの切符。一人一人の始まりの色。

 

 

 

 

 

 勝つ。勝ちをだけを求め続けた後は、全ての色の終着点、黒に帰る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺達2年3組は、『黒』。勝ちだけを求め続ける。そんなキャチフレーズがあるのだが、今の現状をみてほしい。

 

 

「えー、俺達来年もあっからいいんじゃね?」

「ってか、俺達弱いから諦めたほーいいんじゃねーの。」

 

 こんな様子なのだ、しかも残念なことに男子だけではない。

 

「ちょっと~、髪の毛がグシャグシャになっちゃったじゃーん。」

「真面目にやっても負けるだけなのにねー。」

 

 勝機が見えてこない。何故こんなになってしまったんだろうか。……心当たりがある。それは二日前に遡る、ある出来事だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺達が挑む競技は、背中わたり、全員リレー、借り物競争だ。背中わたりは名前の通り、クラスで一番軽いやつが登って皆の背中をわたってタイムを競う競技だ。いくつかのルールがあり、馬になっている人は踏まれてからでは行ってはいけないとか、崩れたら崩れた一番最初の人が四つん這いになる等、さまざまなルールがある。

 

 リレーでは皆が必ず走ってバトンを繋ぐ。クラスの戦略と、団結力が求められる競技だ。これもまたルールがあるのだが、だいたい知っていると思うので省略しよう。

 

 借り物競争は個人種目。二学年全員が色んな物を借りてゴールすると言うものだ。これも皆が知っているルールなのであまり触れないでおく。

 

 その日は背中わたりの練習をクラスマッチでやっていた。校舎側から1コースだとすると。

 

 

 

 校舎

 

 青

 

 黄

 

 黒

 

 白

 

 赤

 

 緑

 

 

 

 

 と言うような順番だった。その時は皆、まだ一生懸命やっている状態で、その日が初めてのクラスマッチだった。俺達のクラスは自分で言うのもなんだがとても早い。一番早く終われるクラスだと思っていた。

 

 よーい…ドンッ。先生の合図と同時に皆がいっせいに走り出す。俺達の上に乗る人は葵だ。足も早く文句なし。背丈もちょうどいいことから、クラスの皆で決めた。それに組団で唯一の女選手。練習では完璧な走りを見せた。勿論その日も、皆が認めるような走りを見せたんだ。ホント、何の文句もない。今もしっかりと一人一人を丁寧になおかつ素早く踏んで走っている。

 

 

 

 半分を走りきり、コーナーに回ろうとしたとき、チラッと他のクラスを見てみた………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ダントツの1位だった。

 

 

 いいぞ、いいぞ、いいぞ!!

 

 そのまま、そのままゴールだ!!!

 

 

 期待と焦りで胸が一杯になる。皆も同じ気持ちだったのだろう。焦って焦って、判断力が低下していたのだろう。一人が馬になって、その隣にまた馬になる。その繰り返しなのに、急ぐことに夢中になって、葵の大変さを理解することが出来なかったんだ。ある男子が女子のと隣になることを少しためらい、離れた距離に馬を作った。そもそも馬とは、隣同士で支え合っている。その支えがなかったら、骨がない傘と同じだ。

 

「っ!?」

 

 落ちる。葵が乗った瞬間、馬になっていた男子が崩れて、葵が落ちた。

 

「葵っ!?」

 

 上に乗っている人を手を繋いで支える補助役がある。上に乗ることはとても難しく、バランスがとりにくい。その事から、補助役がついていた。葵の補助役は、最近仲がとてもいい茜だった。茜は落ちていく葵を助けようと近寄る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だが、間に合わずに落ちてしまった。

 

 

 葵は落ちた。頭から、落ちた。

 

 皆は方針状態になっていた。動くことを忘れ、ただ、ぼーっと見ていた。

 

 

 

 

 

 えっ?

 

 

 

 

 わからなかった。今の状況が頭に入ってこなかった。俺はそのとき、黙ってその光景を、頭から落ちていく葵を、見ることしか出来なかったんだ。それと同時に周りから、自分達のいた場所を次々と通り越す足音が、微かに俺の耳に響くだけだった…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆………ゴメンね…。」

 

 葵は今にも泣きそうな顔で皆に謝ったのを覚えている。あのあと、母さんが葵のもとに駆けつけて、保健室まで運んだ。幸い頭に異状は見られなかったが、右足にヒビが見られた。

 

 その事を知ったクラスの皆は、やる気が失せたのか、葵以外の人が乗ってもタイムは縮まらず、むしろ増えていくいっぽうだった。そして現在に至る。

 

 

 

「おい、皆……もうあと1週間きってるぞ!どうするんだよ!!」

 

 皆に問いかけてみた。まだ終わっていない!勝機はある!!。そう思ったのだが、次の瞬間、その思いが届かない事を知った。いや、知ったと言うより感じたの方が正確かな。なんにせ皆の目が、輝きを失い、まるで濁った水のような目をしていたのだから。

 

「せ、背中わたりだけじゃないだろ!?他にも全員リレーや、借り物競争があるd「たかが体育祭だろ?」

 

 俺の言葉は、ある生徒の一言で遮られた。

 

 フラっと立ち上がり、ゆっくりとおどけない足どりで俺の目の前に来たのは、畑 茅根(はた かやね)。このクラスの問題児と言っても可笑しくない人物だ。

 

 髪を赤色に染め、両耳には3つずつあるピアス。運動着も所々刃物でわざとらしく切ったであろう跡があり、一番の特徴的な顔の傷は、右の頬から顎のしたまでかけての長い傷痕。見るからに不良と思われる彼は、このクラスの誰もが思う問題児だった。

 

 そんな彼が俺の前に仁王立ちで佇んでいる。いつなにをしてきても可笑しくないこの雰囲気で、俺と茅根は睨み合う。ギロリとした細くて鋭い目は、瞳に色がなく、まるでこの世の終わり。を願っているような、そんな目だった。

 

 長い沈黙を破ったのは茅根の方だった。

 

「たかが体育祭、何でそこまで頑張る必要があるんだ?思いで作りか?ハッ!笑わせてくれる。」

 

 俯いて奥歯を思いっきり噛み締める。コイツ、何なんだよ。希望も、未来も全部捨てたような目をしやがって!

 

 俺の表情を見ながら、さらに続ける。

 

「何のために体育祭をやるんだ?何のために頑張るんだ?優勝か?優勝して獲られるものは何だ?トロフィーか?それだけか?もし優勝しなかったら?何も獲られない。だったら、負けるとわかってんだっら、やんなくてよくねーか?」

 

 その通りだった。

 

 確かに優勝しても獲られるものはトロフィーだけ、負けたらトロフィーは無くなる。当たり前だ、1つしかないんだから。そのためだけに頑張る必要はないのかもしれない。諦めてもいいかもしれない。

 

「でも…」

「あぁ?何だ?言えるなら全て答えろよ。」

 

 俯いていた顔を上げて茅根を見つめる。手を握り締めて、正面から、堂々と、言ってみた。

 

「ここまでの頑張りは水の泡にするのか?」

 

 思い出せよ。初めて背中渡りをしたときの事をよ……思い出せよ。その時、盛り上がって、一生懸命練習したよな?思い出せよ。俺達より、何倍も、なん十倍も努力したのは……

 

「葵は…葵の努力は無駄になるのか?」

 

 力強く、茅根だけにねはなく、クラスの皆に呼び掛ける。

 

「俺達は無力だ。ライオンのように力があるわけでもない。そんな人間は無力だ。……………一人だったらな。」

 

 そう、無力なんだよ、人間は。一人では生活できない。生まれてくるためにも、誰かの助けを借りて産まれる。学校で勉強することだって、先生と言う一人の人間が教えてくれる。だから俺達は……

 

「支えあっていくことで、1つのモノができるんだ。」

 

 葵の方に視線を向けて、優しく微笑みながら葵に1つの疑問を聞いてみた。葵ならキット答えてくれるだろう。そんな疑問だ。

 

「葵はどうやって背中わたりをやってるんだ?どうやって背中にのって走ってるんだ?」

 

 ポカーンとした顔をする葵。すると突然、ププッと、笑う声が聞こえた。近くにいた茜は、意味を理解したのか、やれやれ、と顔で言いながらも微笑んだ。あの茜でも理解できるんだ。簡単な問題だろ?

 

「それは勿論………皆がいるからだよ。私一人だっらさ、誰の背中に乗れって言うのよ?」

 

 笑いながら皆に向けて言う葵。それだけでは物足りなかったのか、なんと近くにあった机の上に乗って、皆を見渡す。お、おい。何を始める気だよ……。

 

 そんな俺の心配も、関心へと変わるような話を葵は笑顔のまま始めた。

 

 

 

 

 

 

 

「先生には、全治3週間と言われましたが……私は走ります!!」

 

 その言葉に皆がいっせいに『えぇー!!』と、叫んだ。

 

 勿論そのなかに俺も含まれている。なんにせ、落ちたら葵の足は悪化させることになる。そんなことしてまで走る葵の結論に驚きを隠せるわけがない。茜の方を見てみると、呆れ顔で首を横に振った。諦めろ。そうとでもいっているのかのように。

 

 机の上から「ふぅ~。」と、息を吐く声が聞こえたので、もう一度葵の方に視線をもとに戻した。

 

「全ての色の終着点は黒なんでしょ?綺麗な鮮やかな色でも、透明で潤いがある色でも、その最終地点は『黒』っ!皆の一人一人の個性が違うのと同様に、色も一つ一つ違う。だけど、力を合わせて混ざり合うことで、団結の色、『黒』になるんだよ!だから皆で力を合わせようよ!見せつけようよ!『黒』の底力を!!団結力をっ!!!」

 

 全てを言い終わった葵は、静かに机から降りた。

 

 シーんと静まっているこの空気は失敗か?と思ったが、その心配は必要なかったようだ。なんにせ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 皆の目が、光輝きだしたからだ。

 

『うぉーーー』男性軍が雄叫びをあげた。

 

『キャーーー』女性軍も歓声をあげた。

 

 やる気をだしたクラスの皆は葵の周りに集まって盛り上がっていた。その光景を遠くから見つめていると、葵がいったように、皆の個性()が交わって、絆の黒のようにみえた。

 

 

 

 ただ一人、納得いかないように舌打ちをして、皆が盛り上がっているドアの反対側の方から教室を出ていった、茅根を除けば………

 

 

 

 

 

 

 




久しぶりにシリアス編です。



全治3週間は短いのか?よく解らないまま書きました(笑)

次は体育祭直前の話です。あのキャッチフレーズは適当に考えたけれど寒すぎますね………




まぁ、いいか(笑)

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