冬休みの宿題が……宿題が……宿題が………………
「おにーちゃん、朝だよ?起きて。」
みなに体を揺らされて、無理矢理起こされる。なんだよこんな時間に………頭を掻きながら、じーっ、っと、みなを見つめてみる。すると、ニヤニヤしながら俺の腕に抱きついて上目遣いで俺を見ながら
「どーしたのおにーちゃん?もしかして……私に見惚れちゃった?」
「ハイハイ、ソウデスネー。」
適当に流しながら、みなの束縛から逃げる。その時に、頬をプクーと膨らませて「少しぐらいノッてくれてもいいじゃん…」と言って俺の部屋から出ていった。ふぅ、これで着替えれるな。
俺は部屋着を脱ぎながら、2週間前の、いつもよりも少し早い時期に始まった、体育祭の事を思い出してた。
一生懸命頑張って練習した背中わたりは白組に負けて2位。ほとんど差がない状態だったと聞いたけれど、やはり致命的なミスは優が落ちそうになったところだ。でも、優は俺たちのために、怪我を承知で走ってくれたんだ。そう考えるとホントに凄いと思う。それでも…………やっぱり勝ちたかった。怪我をしてまで走ってくれた優に申し訳なくて、あの時、もう少し落ち着いていれば、あの時、優のために走りやすい馬になっていればとか、色々後悔してしまう。それでも負けは負けだ。後悔したところで変わることはない。
俺は来年、絶対にチームを優勝に導きたい。
そんな想いを抱きながら、制服に腕を通したのだった。
一階に降りてリビングに行くと、できたてであろう、青色の包みに入った俺の弁当と、赤い包みに入った姉貴の弁当があった。ピンクの包みがないってことは、みなはすでに取ったのだろう。とりあえず、テーブルについて朝食をとることにしようとしたのだが………
「なぁ、母さん。この、濁った緑のドロドロとした液体は何なの?」
そう、俺の目の前にあるのは、透明のガラスコップに《いかにも何か入ってます!》って感じのあり得ない液体があった。まるでヘドロみたいで、見ているだけなのにとても気持ち悪い。しかし、何となく鼻を近づけてみると、とてつもなくいい臭いがした。なんだよこれ……見た目に反してめちゃくちゃいい臭いするじゃんか………………飲まないけど。
「あぁそれ?ピーマンと白菜とキャベツとレタスと、とっても美味しいブロッコリーを入れてみました♪」
笑顔でピースをするバカを睨み付けてから、一口だけ飲んでみた。……上手い。
野菜だけで作ったとは思えないほどの甘さだ。なんと言うか……イチゴの味がある………………いやマジでさ。緑のドロドロからは考えられないけれど、本当にイチゴの味がするんだ。ウム、奇跡としか言いようがない。
俺は騙されたようにその液体を一滴残らず飲みほした。その時に、母さんがニコニコしながら飲んでいる光景を見ていたのが、どうも不信に感じられたが無視して、残りの朝食も食べ尽くした。
「ごちそーさん。」
「!? お、お粗末様です。」
何故か母さんが驚いたように返事した。ん?俺なんか変なこと言ったか?母さんを見つめてみると、笑顔で手を振られたので、俺も笑顔で手を振った。手を振り終わってから、鞄に弁当を入れてから、玄関に向かった。いつものように靴を履いて、いつものように玄関のドアを開けてから「行ってくる。」と大声で言ってから。玄関のドアをバタンと閉めた。
愛美side
いや、まさかとは思ったけれど成功するとは思わなかったわね。
笑顔でテーブルの上に隠れているかのように、本の間に挟まっていた箱を取り出した。その箱の表紙に【性格変わり薬♪】と書いてある。そう、さっき、まもるに飲んでもらったドロドロの液体の正体はこれだったのだ。
「自分の息子を実験台にするとは…我ながらいい名案だわ~♪」
ニコニコしながら箱を振ってみると、中からカシャカシャと、何かが箱とぶつかる音が聴こえる。んぅ~、いい響きだわ。この音好きなのよね♪
ご機嫌のまま、胸ポケットに箱を入れてから、効き目が切れる時間を思い出した。
「確か……だいたい9時間だったわよね。」
現在の時刻は8時20分。学校にいる間は効き目が切れることがないと安堵する。さて、私も学校に行きますか!
いつもは「行ってきます。」と、普通の声できちんと言うまもるだけど、今日は大声で言ってたわね。薬が効いている事に喜びを味わいながら、私も家を出るのだった。
真守side
なんだか、朝から変な気分だ。いつもならまったりと登校するのだが、今日だけは何故か気分がとても良く、騒ぎたい気分だ。何でだろうな……やっぱり原因はあの時の液体か?
そう思っていると、誰かが背中を叩いてきた。今日、あさは用事があるから遅れる、と前の日に言われていたので一人で登校していた。そんな俺は誰か確認するために後ろを振り返ると、前髪を星形のピンでとめていて、眉毛が前髪で隠れていない、いわゆる『オン眉』の、俺がお世話になったよく知っている人物だった。
「おはようございます、真守君。」
「あぁ、おはよう彩夏!!」
俺が元気よく挨拶をすると驚いた表情をした。んん? 俺何かしたか?
俺の心を読み取ったのか、彩夏が元の表情に戻って説明をしてくれた。
「いつもなら名字で呼んでいたので驚いちゃったんです。」
「そ、そうだったか?」
「はい。あと、いつもより元気に挨拶していましたね。どうしたんですか?」
「どうもしないけど………まぁ、気にすんな!」
ニカッとした笑顔を向けると、彩夏は顔を赤くして俯いた。ん?どうしたんだ彩夏?
ここで俺は気づくべきだった。いつもなら思わないことを思ってしまったからだ。それは………
彩夏って俺のこと好きなのかな?
そう思ってしまった。そして、もしかしてだけれども、そう思っている彩夏を目の前にしていたら、めちゃくちゃイジメたくなった。なんだろう、こう、イジメたくなったんだ。言葉では表現しにくいけど、こう、心から何かが込み上げてきて……
「なぁ彩夏、お前可愛いな、食っていい?」
「ふぇええ!?////」
隣にいた彩夏の顎を右手の人指し指、中指、そして親指の3本の指を使って持ち上げて、俺と視線が合うようにする。そうしたら、更に顔を真っ赤にしてとても可愛い声を漏らした彩夏。少し短い髪の毛が揺れ、大きな瞳が俺をとらえて映し出す。そんな彩夏がいとおしく思った。そして、ゆっくりと顔を近づき、唇がくっつきそうになった瞬間、
「あ、茜ちゃんが悲しむのでダメですぅ!?///」
「あっ。」
テンパってもう、めちゃくちゃな事をいい始めた彩夏は、赤い顔のまま走り去ってしまった。むむむ、惜しかったな。あと少しで彩夏の唇を堪能できたのに………
そんなこんなで学校に到着すると、今度は優に出会った。………………よぅし、今度のターゲットは優にキーめたっ♪
性格がおかしくなっていることに気づくことができないまま、俺は優に接近するのだった。
「おはよう優。今日も可愛いね。」
「まっ、真守くんっ!?//////」
優の背中に飛び付くようにして抱きつくと、耳を赤くした優が俺を見た。へぇ~、優ってこんなことで照れんだ。もしかすると優も俺のこと好きだったりして?………うわっ、ありうる~。でも、美少女からモテると嬉しいよ塚崎さんは♪
もはや、可笑しいを通り越して、ただの変人へと自分が変わっていくことに気づけず、そのまま優に抱きついていたら、恥ずかしくなってきたのか、優が離れようとした。
「は、はなれよう真守くん? 流石に恥ずかしくなってきちゃった…////」
「えぇ……俺は離れたくないんだけどな…………ダメ?」
最後の一言を耳元で言ったら、黙ってしまった。何があったのか分からずに、抱きついたまま優を見ると、ほぼショート寸前だった。頭からは煙が無数にわきでて、口をパクパクとさせて固まった。
そんな優の腕を笑顔のまま引っ張り、俺は教室に連れていくのだった。
さて、どうなるんでしょうね?(ゲス顔
真守が酷い人間に……しゃーないか!(笑)
安心してください…………みんなにチャンスはありますよ。
色んなチャンスが…ね(ゲス顔
次回はヤバい回になりそうですが、楽しんでいって下さい!
あと、遅くなってスミマセンでした。これからは(多分)大丈夫です!
感想&指摘よろしくお願いします!!