何故俺は鈍感と言われるのか解らない   作:元気

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遅くなってスミマセンーー!!!(土下座)





鈍感男に戻るとき

 

 

 

「ん……ここは…?」

 

 少しだけ痛い頭をおこして、重たい瞼をこじ開けながら、ゆっくりと目を開く。ソコには一度も見たことのない光景が広がっていた。

 

 学校に使われていそうな椅子に俺は乗っているらしく、誘拐された時と同じ服装だった。逃げようと体を動かしたが、ビクリとも動かない。状況を確認するために、首を後ろに向けると、椅子の後ろに手首を固く縄で縛られていた。そのせいで俺は身動きが取れなかったのだ。幸いに、足は動かすことができたので良かったのだが、流石にこの腕が束縛された状態はあまりにも危険すぎる。さて、どうしようか………

 

 

 考えた結果、ひとまず場所の検討をつけるために、首を動かして周りを見回してみることにした。

 

 

 何処かの廃墟ビルだろうか、部屋の中はボロボロになっており、天井の隅には蜘蛛の巣が所々にあり、ディスクがあったのだろう、床のいたるとこのに黒いシミみていな模様が、長方形に点々とついていて、しこらじゅうに潰れた空缶や、割れた空瓶が落ちていた。それだけではなく、ガラスも3割ぐらい割れており、その欠片が床にたくさん落ちていた。

 

 目の前を見てみると、俺の目の前にソファーが置いてあった。最近置いたのだろう、少し汚れてはいるが、新品と同じくらいに見える。

 

 

 

 そんな風に周りを観察していると、後ろからジャリっと、ガラスを靴で踏みしめた音が聴こえた。いや、音がした。間違いない、俺を拐った奴らの内の1人だ。

 

 

 俺を拐った奴らの内の1人が、俺の反応を楽しむかのように俺の背後に近づいてきた。背中から感じる威圧感に、ゴクリと喉を鳴らし、ここが何処なのか、何が目的なのか、聞いてみることにした。

 

「何で、俺はここに居るんですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 俺の質問には答えず、ただ無言で、ジャリ、ジャリと、俺の右側に移動したかと思えば、方向を変えて、俺の左側に、ソイツは足を運ばせた。俺の後ろを往復しているようだ。

 

 そして、もう一度俺の後ろで足を止めると、嘲笑してるかのように低い声でいい放った。

 

「オレたちのボスからの御命令だ。せいぜい楽しみにしてろ。」

 

 フンッと、鼻を鳴らしてから、俺の背後から消えるようにして部屋を出ていった。

 

 

 

 

 

 

 ボスって誰だよ……

 

 俺は誰かに何か悪いことをしたっけか? 頭を使って今までの事を思い出してみた。が、何も思い出せない。何故だか、朝のドロドロとした液体を飲んだところから記憶がない…。でも、拉致されたところは覚えている。あっ、後、陽乃ちゃんと月乃ちゃんに何かを言って、頭を撫でた所は覚えている。

 

 

 

 もしかして犯人は母さん…?

 

 

 

 目を綴じてから溜め息を1つこぼす。ゆっくりと目を開けるのと同時に、ガチャリと扉の開く音が聴こえた。

 

 カツ、カツ、カツ、カツ。ハイヒールを履いているらしく、ハイヒールと床からそんな音がした。

 

 音に集中していると、とうとう俺の背後で音がやみ、数分間の沈黙が走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 話しかけようか、黙っているかで迷っていたら、背後に立っている人が、俺に話しかけてきた。その声には少し、聞き覚えがあった。

 

「久しぶり、元気だった? まもるくん♪」

 

 久しぶり。こう言っている時点で知り合いだと言う事がわかる。それに、今日は学校に行った後だから、違う学校の知り合いは確定だ。更に、俺を拉致する事ができるほどの権力と財産を持っている女性は、あの人しかいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりですね。美帆さん…………。」

「ふふふ、セーカイです!」

 

 そう言って俺の目の前に飛び跳ねるようにして現れたあと、右目を綴じてウインクをしてきた。

 

 

 初めてあった時のように、大人びた顔立ちに、ふわりとした髪の毛を右肩にかけていて、とても綺麗だが、服装が何とも言えない。

 

 …何故にスーツを着ているんだ?

 

 

 

 

 

 黒い生地のスーツをビシッときめて、更に、俺と同じような黒ぶちの眼鏡までかけている。その姿はまるで、何でもこなす美人先生みたいだ。

 

 今日、何度目かの溜め息をついて、じーっと、美帆さんの顔を見る。まったく、なにするかわかんないなこの人……。そんな風に、少し冷たい目線を送っていると、先程よりも輝かしい笑顔で俺を見た。…………やっぱり掴めない…。

 

 天然どころでは収まらないぐらいアホだ。ここで改めて再確認をしたのだった。

 

「さてと、まもるくん。ここで問題です。何故わたしは貴方をここに誘拐したのでしょう?」

「………………わかりません。」

 

 考えることを放棄して、呆れ顔で美帆さんに視線を向ける。

 

 

 俺が考えようともしないのを想定していたのか、ニヤリと、悪魔の笑みをこぼし、束縛されて動けない状態の俺に、顔を近づけて耳許で、息を吐くように細く、優しく囁いた。

 

 

「まもるくん、性格が替わって、今は変態なんだよね?」

「…………はっ?」

 

 美帆さんが変なことを言ったので、つい声が裏返ってしまった。……ってそれより……………

 

「それなんのことですかっ!?」

「えっ? 違うの?」

「違いますよっ!? ってか、そうだったとしても、そこまでの記憶がありませんっ!!」

 

 ガーン。そう効果音がつくくらいに、ガックリと、美帆さんは肩を落とした。

 

 

 床に両手と両膝をついて、頭をたらし、俺と同じような黒ぶち眼鏡は、綺麗な顔から少し下の方にズレて、美帆さんは絶望に浸っていた。

 

 

 

「そんなの……………聞いてないよ……。わたしの知ってる情報と違うじゃない……」

「いや、そもそもなんで知ってるんですか?」

 

 美帆さんのストーカー発言を聞き流さず、しっかりと耳で、その言葉を聞いた上で、質問してみた。ってか、金持ちって怖いな。何するか分かんないから警戒しないと……。俺はここで改めて、お金のすごさを知ったのだった。

 

 

「まあ、いいや♪ まもるくん、ピーーーーー(禁止用語を発しているのでモザイクしています)しよっ?」

「はあっ!?////」

 

 美帆さんは、誰もが見惚れるくらいの可憐な笑顔で、そう言ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~ここからは音声だけでお楽しみ下さい~

 

「ちょっ!? 美帆さんっ!! 膝の上に乗らないで下さい!!///」ガタッ

「ん、気にしない……のっ♪」

「そっ、それに………ボタンを外すのも止めてください!! 見えますっ! 見えちゃいますよっ!?///」

「? なにいってるのまもるくん? 見えてるんじゃなくて…魅せてる(脱いでる)んだよ?」

「さらりとヤバイことを真顔で言わないで下さいっ!!////」

「気にしない、気にしない♪」

「気にしますよっ!!////」

「えぇ、ダメなの? ねぇ? おねーさん悲しんじゃうよ?」

「っ……………勝手に悲しんでてくださいっ!(ヤバい、上目遣いは反則だろ…)」

「間があったね、何かヤラシイ事でも考えていたのかな?」

「む、胸をくっつけないで下さいっ!!」

「まもるく~ん♪」

「聞いてないし!!!」

「ピーーしながら、ピーーーーーして、ピーーーすると、ピーーーーーーなんだって。」

「やりませんからね!?」

「えぇ、じゃあ、まもるくんのピーーーを、ピーーーーーするのは?」

「そういいながらピーーーしないで下さい!!」

 

 

 

 

 ~ここからは普通に戻ります~

 

 

 俺は自由に動かすことのできる脚を使って、とにかくジタバタした。ただ喰われたくない一心で、とにかく美帆さんの攻撃に耐えてつつ、逃げる隙を見計らった。

 

 すると、美帆さんはプクーと、頬を膨らませて、俺の唇に自分の人差し指を当てた。白くて細くて綺麗な人差し指が、思っていたよりヒンヤリしていて驚いたが、今はそれどころではないので、とにかく頭のなかを、逃げる方法だけを考えるようにした。

 

 

「それじゃあ………ほっぺにチューしてくれてら、解放してあげるよ?」

「手じゃダメですか?」

「……唇にk「それじゃあ、いきますよ?」素直でよろしい!」

 

 美帆さんは、長い睫毛をゆっくりと綴じて、顔を少し上に傾けた。さっきまで膨らませていた頬を、今度は朱に染めて、震えて俺を待っている。

 

 

 

 ………さよなら、俺のファーストキス。

 

 

 

 怖じ気る前にやってしまおうと決意し、俺はとうとう美帆さんに──────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 午後8時25分。夕食を食べ終え、皿も荒い、風呂にも入り、宿題も済ませ、俺は、母さんの部屋で、母さんに向かって怒鳴っていた。

 

「母さん、ホントにバカなのっ!?」

 

 

 先程からニコニコしながら、悪気が一切無いような、誰がみても嬉しそうに微笑んでいる母さんの笑顔をみて、更にイラッとした。

 

 

「おかしいだろ、なんで俺なんだよ?」

 

 震えて、今にも殴りかかりそうになる右腕を、左腕で懸命に抑えながら、母さんに問い詰めてみた。

 

「でも別にいいじゃない。楽しかったでしょ?」

「楽しくも何ともねーわっ!!」

 

 

 目の前にある母さんの机を、自分の掌で、まるで雷が地面に落ちるような速さ並に叩きつけた。そのせいで、ジンジンと痛さが腕を通って体全体に広がるが、それさえも気にすることなく、ただ単に母さんを睨み付けた。それほどまでに俺は怒っているのだ。

 

 

 しかし、それとは真逆に、母さんは、天使でもみるかのように、女神の微笑みを続けていた。

 

「まもる。キッとあなたなら大丈夫よ。なんだって、私とお父さんの子供なのよ? 自分を信じなさい。」

「………………………もういい、めんどくさくなってきた。俺は疲れたから寝る。おやすみ。」

「………そう。おやすみ。」

 

 怒る気力も無くなって、何だかバカらしくなってきた。自分の息子を実験台に迷うことなくして、俺の苦労も知らないまま、その人は、また俺を実験台にするだろう。それでも俺は、どうでもよくなってしまった。それがあの人性格なのだ。一生治ることはない。つまり………時には諦めも肝心なのだ。

 

 階段を登っている途中で、ある出来事が頭をフラッシュバックして、足を止めてしまった。

 

 

 あの時、もし、美帆さんのガードマンの人が、塾の時間を教えに来ていなかったら。

 

 

 キス………………してたのかなぁ……。

 

 

 

 その先の事を考えるのを首をふって遮断する。何だか嫌な予感がしたのは、キッと気のせいではないだろう。これを世間では『死亡フラグ』っていうんだよな。………考えるのはやめておこう。ホントに死亡フラグ立ちそうだし…。いや、すでにたってるのかもな。

 

 

 今日一番の長く、深い溜め息を、1つ着いて、今日1日の疲れを背中で背負いながら、重たい足取りで、安心できる自分の部屋に「早く寝たい。」そう思いながら向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。美帆さんでした(笑)

お疲れ様です。

次回は、新キャラ登場ですっ!!

指摘&感想よろしくお願いします!!
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