何故俺は鈍感と言われるのか解らない   作:元気

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なんか、後半シリアスになったんだけど…まあ、いいか(笑)




鈍感男の懐かしい記憶

「そういえば、真守くんは、どんな感じの子供だったの?」

 

 

 家庭科で、小さい頃の様子などを親に書いてもらう。と言う内容の宿題が出されて、教科委員がその宿題を集めている最中、近くにいた優が俺に話しかけてきた。

 

 

「あっ、それ僕も気になる!!」

「真守の小さい頃か…」

「真守かぁー。なんか、俺的には今と変わってない気がするぞっ!!!」

「いや、意外とシャイで大人しかったよな(笑)」

 

 それぞれ言いたい放題言ってから、皆の目線が俺に刺さった。

 

 優の後に続いて言ったのは、机に思いっきりバンッ、と手をついて興味津々な顔をするひかるだった。瞳をギラギラとさせながら、俺を見続けてくる。ひかるの背後から見えるドス黒いオーラからは、とてつもなく寒気が俺を襲った。何だかとても怖いのは、気のせいじゃないよな…?

 

 

 その次に口を開いたのは、顎に手を添えて、考えるポーズをとっている茜だ。無言で俯き、小さい頃の俺を想像しているのか小声で「いや、違う…もっとこう……可愛い…っ!?/////」っと、声を漏らしていた。最後の方では、何を考えたのが分からないが、一人で顔を紅潮させて悶えていた。お前にとっての小さい頃の俺は、どんな性格をしてんだよ…

 

 

 親友のよっシーに関しては、ピョンピョンと跳ねて俺の肩を揺らしまくっている。視界が急にぐらつきはじめて気持ち悪くなってきた。よっシーの予想では、今の俺と変わらないと言っているが、その答えはあさがしっかりと答えてくれた。

 

 

 

…ってか、さっさと放して…そろそろ限界が近づいているんだが…、よ、よっシー? 俺死ぬんですけど……それ以上早く肩を揺らしたら俺、朝食をリバースしそうなんですけど…吐き出しちゃうんですけど……

 

 

 

 俺は、やっとのことで解放してくれたよっシーを、数秒間睨みながら呆れ半分と怒り半分の溜め息を、大きく着いた。俺、マジで吐くかと思ったわ…あさに感謝だな……。

 

 そう、俺の事を助けてくれたのは、俺の小さい頃からの幼馴染みで親友の山下 朝一こと、『あさ』である。

 

 流石俺の幼馴染み兼親友だけあって、俺の事をすぐに助けてくれる。もう一人の親友とは大違いである。常にまわりのことをみていて、困った人がいたら、すぐに駆けつけて助けにいく姿は、よっシーにも見習ってほしい。優しいあさは、一部の女子に大人気である。流石あさだ、俺とは大違いでとてもモテるな。俺なんか、誰一人と俺の事を好きなやつは居ないからな。

 

 しかし、そんなあさでも弱点はある。

 

 

 1つはお母さんだ。

 

 あさは、母子家庭で、母親一人であさを育てているため、お母さんのことが心配でたまらない。あさの母さんの話題になると、あさは突然立ち上がり「ちょっと、母さんの仕事場に行ってくる。」と、真顔でいってきた。俺とよっシーは慌てて止めたが、その日は本当に仕事場に行ってきて、様子をみたらしい。

 

 

 まあ、簡単に言うと、世間で言うマザコンだ。

 

 

 2つ目は、2次元が大好きすぎることである。

 

 家に帰ってすぐに、あさはパソコンを開きネットに直行する。主にはアニメを観たり、ボーカロイドと言うモノを観たり聴いたりしているらしい。

 

 

 気づけば夜中になっている時があって、十分に睡眠がとれないときがあって、制服の着こなしが変になってしまうときがあるのだ。

 

 

 おっと、話が大幅にズレてしまったので、戻すことにしよう。そういえば、俺の小さい頃の話だったような気がしたんだけど…

 

 

「俺は、あさが言ったように、シャイで大人しかったよ。でも、それを変えてくれたのは……幸助のお陰なんだ。」

 

 

『幸助』と言う言葉に、あさ、よっシー、そして…茜が小さく反応する。三人とも覚えてくれていたんだな。

 

 内心、嬉しいようで、悲しいような感情が、小さな渦を巻いていく。何だか…とても懐かしい響きだ。俺は静かに苦笑いをした。

 

 

「幸助? って、まもる君の知り合いかい?」

 

 ひかるが首を傾げて、俺に訊いてきた。優も、誰なのか知らないので、ひかると同じように「誰?」って顔をしている。

 

 俺はゆっくりと目を閉じて、椅子の背もたれに寄りかかった。あの時の事を思い出を、引き出しを開けるかのように、思い出す。その引き出しは、たくさんの埃を被ってはいるが、開けてみると、つい昨日の出来事だったみたいに、今でも新鮮に思い出せる。

 

 その懐かしい出来事を、俺は笑顔で話始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────

 

 今は7月中旬で、とても暑いが、俺と幸助が出会ったのは今よりも、倍涼しい、春の時だった。

 

 

 残念ながらあさとはクラスが離れてしまって、寂しい気持ちを抱えたまま、俺はその日、学校に登校してきていた。

 

 

 春とは、出会いの春であり、別れの春である。俺の場合は、出会いの春だった。それはあさと別れて、1年生の教室に入り、初めての学校の授業そうそう、訪れたのである。

 

「ああ"ーーーー!!! 筆箱わすれたあーーーー!!!」

「ヒッ!?」

 

 真後ろから突然、叫び声が聞こえてきた、その内容は、初授業にも関わらず筆箱を忘れてきてしまったらしい人が居た。その叫んだ張本人が、今後俺の人生を大きく変えることになる人物。畠山 幸助だった。

 

 不意にも俺は、情けない声を出してしまい、恥ずかしくて俯いてしまっていた。

 

「チクショー。なんだよ、しっかりカクニンしたのにぃー!!」

 

 またもや背後からでかでかとした声が聞こえた。担任の先生をみてみると、苦笑いを浮かべながらも、幸助を落ち着かせるために声をかけることにしたのか、幸助の席に近づいて幸助と同じ目線になるように屈んだ。

 

「幸助くん? 皆の迷惑になるから、少し落ち着こう?」

「はーい…」

 

 少しムスッとした顔をしてそっぽを向き、幸助はそう返事した。

 

「それじゃあ、隣の人か前の人に、鉛筆を借りて下さいね?」

「わかりましたー!」

 

 すると、俺の背中から、突然痛みがした。背中の真ん中辺りを思いっきり指で深めに挿してきて、とてつもなく痛い。

 

「イダッ!?」

「なーなー!! えんぴつ、かしてー!」

「あっ、う、うぅ…ううう、うん?」

 

 なぜか最後が疑問系になってしまったが、なんとか俺は頷いて返事を返すことができたのである。

 

 仮面ライダーがついている四角い筆箱を開けると、5本の鉛筆が入っていて、その鉛筆にそれぞれキャップがついてある。四角い筆箱の表側には、すでに本体にキャップがついてあって色々便利だったのをよく覚えている。確か、消ゴムをいれるための穴みたいなスペースもあったような気がする。あと、鉛筆削りも本体についてたような気がした。

 

 

 そして俺は、カッコいいキャラクターの絵がついてある鉛筆を一本引き抜いて、机の上に置いた。この鉛筆は、とってもお気に入りの鉛筆だった。デザインもよくて、人気のキャラクターがついていたので、即座に買ったヤツだった。

 

 そして、まだ1回も使っていない、真っ白で綺麗な四角い消ゴムを真っ二つに折った。1回半分に曲げると、数秒後に何処かにヒビが入るので、そのヒビを定規で切るようにして押し込むと折ることができた。物凄く抵抗があったが、幸助のために意をけっして折ったのだ。しかし、変な風に折れて、片方が短くなってしまった。

 

 

「は、はい…」

 

 俺が鉛筆と、長い方の消ゴムの破片を渡すと、幸助は嬉しそうに受け取ってくれた。

 

 

「うおっ!! ありがとう!! コレ、めっちゃカッコいいなあ!!!」

「っ!? そ、そうかな…」

「うんうん!! 俺、このキャラ好きなんだよなー! 正義のヒーローみたいに出てきてんで…」

「うんうん! お、俺も大好きなんだ!」

「「二人ともうるさいよっ!!」」

 

 俺と幸助が盛り上がって話し込んでいたら、幸助の隣の席にいた女の子と、俺の隣の席にいた女の子が同時に怒って、俺たち二人に注意してきた。

 

 先生は、何故だか笑い始めて、それにつられてクラスの皆も声をあげて笑った。

 

 

 怒られることを予想していなかった俺たちは、呆然として固まっていた。数秒後にやっと頭の整理がつくことができて、恥ずかしくなった。そして、幸助の方をみてみると

 

「…おこられたなっ!」

 

 笑顔でピースして俺に向けてくれたのだった。

 

 

 

 その日から、俺と幸助は仲良くなった。次の日には、隣のクラスにいるあさを紹介して、三人で遊ぶようになった。とっても楽しかった。幸助と話していくうちに慣れてきて、皆と話せるようになった。それ以来俺は、人前でも普通に接することができるようになったのだ。

 

 

 

 

─────────────

 

 

 

「なんか、スゴく微笑ましい話だったね。」

 

 優が感想を述べると、皆も同時にうんうん。と、頷く。

 

 

「俺、スゲェ感動した。幸助ってヤツのことは真守の話にしか会ったことないけど、きっと、いいヤツなんだろうな。」

「あぁ、とってもいいヤツだったんだぜ? 真守に紹介されたときとか、直感でそう感じたし。」

 

 あさとよっシーがそんなことを言う。二人とも、どこか嬉しそうで、どこか悲しそうで…少し複雑な感じの表情をしていた。

 

「あれ? そういえば、こうすけ君って、何処に住んでるの?」

 

 ひかるが純粋に質問をしてきた。俺は、その質問に答えるべく、口を開こうとするが、どうも、その先が言えない…やっぱり、俺は死んでしまったことを認めたくないんだろうな。って、改めて思った。

 

 

「幸助は…自殺しちゃったんだ。小四の時に…。」

 

 俺の代わりにあさが説明してくれた。その回答を聞いたひかるは、驚愕したあとに申し訳なさそうな顔をして謝った。優の方は驚いたあとに、悲しそうな顔で口許を手で抑えている。

 

 

「…ゴメン…僕、嫌なこときいて。」

「ん、気にするなよ。幸助は…俺たちの中でずっと生き続けてるから。」

「真守の言う通りだ。この世にいなくとも、心の中で、幸助くんは生き続けているさ。」

 

 茜が元気付けるためにそう言うと、皆も納得したような顔で頷いた。

 

 

 

 

──幸助…観てるか? 俺、お前が自殺して心から哀しかったんだぞ。

 

 

──次会うときがあったら、今度はみんなに会わせてやるよ。

 

 

──だから、絶対会おうな。

 

 

──『約束』だぞ。

 

 

──追伸、俺はお前との約束、守ってるからな。お前も守れよ。

 

 

──んじゃ、元気でな。

 

 

 

 窓の隙間から力強い風か、優しく俺の頬を撫でたような気がしたのだった。

 

 

 

 

 




次は、んーと。確か…

茜「ウチの出番だ!」

茜のフラグを建てます!(笑)


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