異世界に転移したと思ったら転生者? 〜〜幼女で鍛冶師な異世界転生〜〜   作:銀鈴

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イ「ゆうべは、お楽しみ……む、匂わないって事は、何もしてないのか」
リュ「当たり前だよ!!」
イ「指輪は昨日寝ちゃったからまだ出来てないけどいいよね!」
リュ「当たり前だよ!!」
イ「ということはレーナさんと一緒のベットで?」
リュ「当たり前だよ!!って、へ?」


第5話 魔界突入!

「おっきい……こんなの……無理」

「きゅ、きゅぅぅ……」

「そもそも歩いてないのに、何ボケてるのイオリさん」

「一回安全な時に言ってみたかったんだよ……ぶーぶー」

 

 魔界に渡る為の橋の上で、思ったままの言葉を呟いてみたらボケと勘違いされた。ちなみに見て分かる通り、私は今フローの上に乗っている。何十kmもあるっていう橋を歩いたりなんてしたら、私じゃいつ着くのか分かったもんじゃない。

 

「ねぇイオリちゃん、さっき言ってたのってどんな意味なの?」

「えっとね、さっきのは……ゴニョゴニョゴニョゴニョ……って事だよ! 多分リュートさんとする時に言ってあげたらいいんじゃないかな!!」

「えっ、あぅ……はぅ……」

 

 聞かれた通り、ちょっと直接的な言葉で耳打ちしてみたら、レーナさんは顔を真っ赤にして俯いてしまった。出てるはずがないのに、顔から湯気が立ち上っているように見える。

 

「ちょっと何レーナに変なこと吹き込んでるのかなイオリさあぁぁん!?」

「ふっ、朝とはちがうのだよ!」

 

 リュートさんのチョップを腕をクロスして受け止めて、リュートさんに対してドヤァって顔を向けていると、 バシャッ! という水の音が聞こえた。

 

「なっ、魔物!?」

「ここは橋の上だぞ!?」

「きゃああああっ!!」

 

 私たちの周りに少なからずいた、橋を渡っている人たちがパニックになる。この橋は、魔物が殆ど近寄ってこないような材質でできているらしいからまあそうなるだろう。とりあえず皆が上を見上げているので見上げてみると、そこにはそこには鉄柱が……じゃなくて、

 

「ふわぁ……じえんもーらん……」

「ちょっとイオリさん呆けてないで防御防御!」

 

 その声にハッとして周りを見渡すと、普通の人は逃げようとバタバタしてて、リュートさんは盾を構えて結界を発動させていて、レーナさんはショートしている。

 なるほど、跳んでるのはでっかい秋刀魚みたいな水龍でコッチにブレスを撃ってこようとしているのね。

 

「って、それマズイじゃん『(シールド)ォォォ!』」

 

 首からかけてあった杖を左手で引き抜いて、クロウカード風の魔法を咄嗟に使う。リュートさんの広げた盾の結界と私の咄嗟に使った『(シールド)』の魔法が、範囲を広げて使ったせいかミシミシと軋む。というかあと数秒で割れそうだ。

 

「あ、現れよ! ザ・シールド!」

 

 流石にちょっとそれは洒落にならないので、昨日と同じように大鎌(銃形態)を構えて似たような効果の魔法を重ねて使うことでどうにか凌ぎきる。そしてそのまま飛び出してきた方向とは反対側に、秋刀魚型水龍は飛び込んだ。

 なんで出てきた魔法がチャイカだったんだろう? なんてことを思ったりもするけどそれは一先ず置いておいて、

 

「じゅるり……さっきの秋刀魚脂乗ってて美味しそう……」

「一応まだ秋だからそうだろうけど、アレ龍だからね?」

「美味しそうです……」

 

 いつの間にか復活していたレーナさんも、私と同じ意見のようだ。たしか醤油も塩もまだ結構残ってるし……あとは七輪? 大根おろしはリュートさんが欲しいなら作ろうかな。

 

「あぁ……もうこれ何言っても止められないやつだ」

 

 リュートさんが遠い目をしているが、そんなのは知ったことじゃない。今日のお昼ごはんは白米と秋刀魚の塩焼きと味噌汁で決定なのだ。サラダも忘れちゃいけない。

 

「今日のお昼ご飯は秋刀魚の塩焼きでいいよね? リュートさん!」

「あぁ、うん、もうそれでいいよ。援護はいる?」

「ううん、いらない。じゃあちょっと狩ってくるー、行くよフロー!」

「きゅあ!」

 

 ドラゴンに乗って大鎌を構えて、秋刀魚が飛び込んでいった方の水面に飛んでいく。

 この世界に来てから、私も随分とあぐれっしぶ? になったなぁ……ん? あぐれっしぶってどんな意味だったっけ? まあいいか。

 

 ◇

 

「私魔界って、もっとこう、りゅうおうとかデスピサロとかが居るような場所だと思ってたんだけど……ここって凄く……その」

「平和だね、イオリちゃん」

 

 よく分からないでっかい鳥が飛んでたり草原が黒かったりするだけで、魔界は特に暑すぎも寒すぎもしなかった。

 大鎌でザックリとやった秋刀魚を周りにいた人達と一緒に食べた後、しばらく歩いて関所を抜けてついた魔界はそんな場所だった。美味しいって言ってくれると嬉しいよね。

 

「そりゃあ一応人が住んでる場所なんだし、環境は普通だよ。まあ、確かにあんまりそういう環境とか関係ない種族の人もいるって話だけど」

「それってどんな人?」

「リッチとかさまようよろいみたいな人とか」

「なるほど」

 

 確かにそういう人達は環境とか気にしなさそうだ。聖なる力みたいなのには弱そうだけど。げ、あの鳥のランクSSって出てる、案外魔界ってヤバイのかも。

 

「えっと、確か魔界にはダンジョンが多いんだよね、リュートくん」

「そうだね。ダンジョンがあるから、必要以上に街の外の魔物が狩られなくて強くなっていったっていう話もあるくらい有名だよ」

 

 おい魔界何怠けてるんだよ。さっきの怪鳥二体に増えてるんだけど、番い? 番いなの? 

 

「なんでダンジョンがあると、外の魔物を狩らないで済むの? リュートくん」

「ダンジョンにはいい武器が入った宝箱があったり、食用の魔物がいたりするから戦力も食料も調達出来るからね」

 

 やっぱりダンジョンってテンプレなのか。って、あの2匹の鳥が子供だと……親鳥出てきたよ……SSSランクの魔物って初めて見た。

 

「って、イオリさんはさっきからなんで空を見上げてるの?」

「いや、おっきな鳥さんだなーって」

「やっぱりイオリさん……」

「そ、そんな目で見ないでぇぇ!」

 

 さ、最近危険な感じにはなってきてるけどまだ心までロリじゃないもん!




そういえば、この小説の題名を略すとしたらどうなるんだろう?

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